2015/10/24

伝統と新鮮 八ヶ岳山麓No.185 横浜No.84

二つのハロウィンHppa100149
 ハロウィンは、古代ケルト人の収穫祭で、それがアングロ・サクソン系の人々に伝わり、キリスト教の万聖説(11月1日 すべての聖人の記念祝日)になったという。Hppa100145Hppa100103_4万聖説の前日は、ハロウィンとしていろいろな行事がある。古代ケルトの風習にならい、悪霊を追い払うためにカボチャのランプを捧げて行列する。日本では近年、ファッション化され、10月に入るとカボチャ、魔女、コウモリ、猫などがデザイン化されて町Hppa100136_2Hppa100135中のいたるところをにぎわせている。盛秋の季節感があり、まんざらでもない。二つのハロウィンをフォトレポートする。

蓼科バラクラ・イングリシュガーデン
 バラクラ・イングリッシュガーデンは、名まえのとおり英国の庭園をセールスポイントにするビジターセンターだ。しかし、それだけでなく文化やHppa100177生活なども体験できるHppa100105施設になっている。ハロウィンの元を作ったケルト人は、今でこそアイルランドの主要民族だが、かっては英国や西ヨーロッパの全域に住んでいた。バラクラのハロウィンは、本場の催しといってよいだろう。私は、ケルト人の気持ちになって撮影してみた。

東急東横線・菊名駅のコンサート
 横浜市港北区菊名地区では、毎年『ハロウィン・ウイーク』というイベントを企画・実施している。今年は6回目で、10月24日~31日に開催される。えきこんさーと(24日、25日)、Hppa240187_2仮装コンテスト(25日)、ウォークラリーポスターコンテストなどのプログラムの中で、私は、毎回えきこんさーとに出かける。東急東横線の改札口を出た広場がコンサート会場だ。今年も、市立東高校の吹奏楽が駅構内に響きわたった。Hppa240157ポピュラーナンバーを身振り手振りを交えて愉快に演奏していた。40分足らずのコンサートだったが、190カットを撮ってしまった。バラクラの伝統的なハロウィンもいいが、菊名のえきこんさーと(吹奏楽)のようなハロウィンも新鮮で快いものHppa240101_2だ。Hppa240068

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2015/05/04

蓼科バラクラ・イングリッシュガーデンの春 八ヶ岳山麓No.176

ガーデン・アルバム
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 4月23日、蓼科バラクラ・イングリッシュガーデンへ出かけた。当地は高原にあるので春はまだ浅い。しかし、ガーデン内は花でいっぱいだった。 この時期、4月24日(金)から5月31日(日)まで、「球根花の競演」と題してさまざまな球根花が咲き乱れている。その情景は、まさにパラダイスといっても過言ではない。所用があって5月1日にも訪れた。多少の花の変化はあったが、パラダイスであることに変わりはない。花好きにはたまらない空間だろう。私なりに興味のある花やシーンを撮影した。なお、私は外来種については不詳だ。(写真下のキャプションは左から順に)

Hpega_3Hpp4230102_2Hpp4230371_3●パラダイスガーデンのパンフレット(写真上左 ポップアップ可) ●キクザキイチゲに似ているが? 木陰に咲いていた ●いろいろな色のヒヤシンスがガーデンを華やかにしている

Hpp4230407Hpp4230298Hpp4230189●黄色いカタクリ ●漆黒のパンジー ●ムスカリ。白い品種もあった

Hpp4230090_4Hpp4230386_3Hpp4230426_2●森の中にも花はたくさん咲いている ●花芽に付いている昆虫の卵 ●シロバナエンレイソウ

Hpp5010123Hpp4230347Hpp5010203_2●5月1日に観察した外来種、見たことがない ●外来のバイモか? ●日本でも見られるバイモ(5/1)

 

Hpp5010066Hpp4230067Hpp4230113●チューリップは真っ盛り(5/1) ●ハクモクレンがまぶしい ●キングサリのアーチはこれから

 6月11日(木)~21日(日)には「蓼科バラクラ フラワーショー」が開催される。原種系オールドローズの花期になるという。

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2014/10/26

それぞれのハロウィン 横浜No.78                   八ケ岳山麓No.169

菊名/蓼科/自宅
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 ハロウィンが日本に定着した。町中いたるところにハロウィンの飾りが目に入る。26日(日)の横浜山手は、ハロウィンの大波が押し寄せたような騒ぎだった。Hppa250164_2ケルト民族の収穫祭が、ハロウィンの始まりだというが、これをコマーシャリズムに取り入れたところが日本のすごいところだろう。三つのハロウィンを写真でレポートしよう。

第5回菊名ハロウィン・ウイーク
 恒例のイヴェントが開催された。私は、町内にある協賛店の飾りと菊名駅改札口前のコンサートを撮影した(通称「駅コン」 写真上2点)。横浜市立東高等学校の吹奏楽のアンサンブルはすばらしかった。
Hppa250018_3Hppa250010_2Hppa250002Hppa250067_3



ちなみに、同校の吹奏楽部は大きな実績がある。ここ3年、横浜市吹奏楽コンクールで金賞、神奈川県大会でも金賞や銅賞を受賞している。東関東大会へも進出している。マーチングバンドのような身振りを加えた演奏は小気味良かった。

蓼科バラクラ・イングリッシュ・ガーデン
 最近、家内が英国式の寄せ植えを始めた。その展示会が蓼科で開催された(写真下左)。それを見学するために蓼科バラクラ・イングリッシュ・ガーデンへ出かけた。Hppa120228_3Hppa120079_4のとき、園内随所にハロウィンの飾りがあった。イングリッシュ・ガーデンに飾ってあるとうことは、本場の飾りと見てよいのではないか。Hppa120063
収穫の豊かさを想像させる展示だった。

自宅のベランダ
 我が家でもベランダにささやかなハロウィンの飾りを作った。左の鉢植えは家内の近作の寄せ植え。Hppa205002



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2011/01/04

パリの花市場と中世の砦 ドイツNo.94

      あけましておめでとうございます

 昨年、初めてフランスを訪れたので、そのミニ・レポートで本ブログの新春のごあいさつに代えます。

Hpp6022079 ドイツとフランスは、しばしば敵対してきた。30年戦争、ナポレオンの侵略、普仏戦争、第1次/第2次世界大戦など、争いは断続してきた。音楽や絵画も対照的と言ってよいだろう。どちらもゲルマン民族の後裔が築いた隣国どうしなのになぜなのか。ドイツを深く知るにはアンチテーゼとしてフランスを知ることはむだではないと考えた。家内の希望にも後押しされて、昨夏フランスを訪れた。

Hpp6022089  多民族国際都市・パリは、人類が目ざした理想的な都市の一つではないか。市民は異質な価値観や生活習慣を互いに認め合い、共存していると感じた。すなわち、自由度が高いのである。私は町の雰囲気を肌で感じ、圧倒されるだけだった。多くの人々がパリを目ざす気持ちが少しわかったような気がする。パリは、ドイツには類のない町であろう。

 セーヌ河の中州・シテ島にある花市場へ2度出かけた。「花の都・パリ」のエッセンスを見極めようと思った。そのようすは2カットの写真上のとおりだ。香りを伝えられないのが残念だ。Hpp6076907

 世界文化遺産の町・プロヴァンは、中世に繁栄した町である。堅固な城壁に囲まれ、さらにセザール塔は難攻不落の砦だ。そのセザール塔(写真左)の前で、家内は遠足に来ていた小学生たちと交流した、折り紙を教え、「アヴィニョンの橋の上で」をいっしょに歌った。Hpp6066377_2私は、中世の野外劇に興味があった。中世の人びとの生活や風習、騎士の役割など、迫真の演技に興奮した。Hpfrance216おそらくドイツ中世とそれほど違いはないのではないか。

 はたして、アンチテーゼかどうかは疑問だが、フランスではドイツとは異質なマインドを感じた。その成果を踏まえて、このページをドイツのカテゴリーに加えた。参照: 「Metroにはパリの旅情がある」 「パリの乗り合い観光バス」 「フランスパン」 「フランスで中世を体験」

 皆さまの新年のご活躍を心よりお祈り申しあげます。 

                        2011年元旦 豊田芳州

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2010/12/14

横浜居留地へのあこがれ 横浜No.51

プローバー'01写真展Hpdm

 プローバー'01は2001年に設立されたアマチュア写真クラブである。常に研鑚を積みながら、今までに4回の写真展を開催してきた。今回は特別展として地元横浜に根差したテーマに取り組んだ。あいさつ文で内容を紹介しよう。

横浜山手の人々が見つめた 花/野菜/樹木

 1859年、横浜開港と同時に山手(The Bluff)には多くの外国人が住み始めました。O.M.プール著「古き横浜の壊滅」(金井圓 訳、有隣新書)によると、やがてそこには、それぞれのお国柄を反映した家が建ち並び、絵のように美しい町並みが展開したようです。山手には、ほとんどの住居に十分な広さの庭があり、人々は濃い友情で結ばれていたと書かれています。私たちは、山手の人々の生活に興味をそそられました。多少の文献を調べ、庭にどのような花や野菜が栽培され、どのような食生活があったのか想像してみました。それらを被写体として、いつものカメラワークで撮影しました。私たちの写真から山手の豊かな生活をわずかでも想像いただけたら幸いです。 2010年12月16日 プローバー’01一同

会場:横浜新都市センター・シビルプラザ(横浜駅東口 そごう9F 市民フロア) 日時:2010年12月16日(木)~21日(火) 10:00~20:00 最終日は17時までHppc157868Hppc157878

                        

 山手に住んでいた人々の気持ちを反映できるよう、写真は4つのカテゴリーに分けて展示する。 

「花のある生活」 (写真下左)「舞踏会の思い出」チューリップ 大内喜義 (同右)「スイートホーム」バラ 小木曽光利HpHp_2

         

          

          

          

「季節を楽しむ」 (写真下左)「香気に寒気」レモン 廣幡安子 (同右)「漢方の力」ドクダミ 海老沢英男Hp_3Hp_4

          

          

          

                                                                                                                            

                           

「ノスタルジア」 (写真下左)「Sound」ユリ 木所栄一 (同右)「英雄ポロネーズ」チューリップ 井上恭子Hp_sound_2Hp_7

           

          

          

           

                                         「豊かな食卓」(写真下左)「緑の楽園」パセリ 駒田順二 (同右)「慈 雨」オクラ 泉屋ゆり子Hp_8Hp_10

                      

                      

                       

                       

                      

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2010/09/03

イギリスぽいってどんなこと “FEEL BRITISH”            八ヶ岳山麓No.108

蓼科高原で写真展のテーマを探るHpp8290204_2

 英国王立写真協会日本支部の次の写真展テーマは『“FEEL BRITISH” イギリスぽいってどんなこと?』である。日本支部員として本部のあるイギリスを少しでも紹介できたらという趣旨で決められたテーマだ。できればイギリスへ撮影に出かけたいのだが、いろいろな事情で、特撮は無理である。それは私だけでなく、支部員のほとんどはそうだろう。そこで、日本国内でイギリスを探して撮ろうということになった。 (写真右♚パビリオン 日本のあずま屋に相当するのだろうか)

 蓼科に本格的なイングリッシュガーデンがあると聞いてへ出かけた。蓼科高原バラクラ イングリッシュ ガーデン(BARAKURA English Garden)は、設計はもちろん、草花から樹木、ベンチや彫像など、すべて英国から輸入された植物、資材で造られているという。Hpp8295800_2庭園を整備している方によると、土まで輸入しているという。なんとか、イギリスを感じさせる写真が撮れるのではないかと考えた。 (写真左♚青いベンチ 低い日差しはイギリス風か)

 イングリッシュガーデンというと、ゆったりした広さを想像していたが、バラクラ イングリッシュ ガーデンは、敷地約1万㎡はあるが、英国庭園を集約して詰め込んだ感じがした。夏に訪れたためか植物が茂りすぎているようにも見えた。また、緯度の違いで日差しも違うのではないか。いずれも、本場のイングリッシュ・ガーデンを見たことがない私の感想である。しかし、そこから何とか英国風な雰囲気を引き出したいと思った。どこへ出かけても、私のカメラワークは変わらない。被写体が本物ならいつものモチーフで撮ればよいはずだ。はたして“FEEL BRITISH”になっているのか!? ここでは、バラクラ イングリッシュ ガーデンの魅力を紹介できればと思う。

Hpp8290194_3♚ダリヤ 9月3日からダリヤウイークスが始まる

Hpp8290297_2♚ブルーベルの森 木もれ日が妖精のよう

                  

♚ハーブ・ガーデン 香りを楽しむベンチ(写真下左)♚森の中のシート 訪れる人を森へ誘いこむ(写真下右)Hpp8300707Hpp8300612_2

        

        

          

        

         

         

         

                          

♚アナベル ベンチにしな垂れ、たわむれる(写真下左) ♚スクリー・ガーデン トンボがくつろいでいた(写真下右)Hpp8290246_4Hpp8300547_3

Hpfsp8300623♚「神様がくださった庭」 「2002年チェルシー・フラワーショーの庭」と解説されている

                              

Hpp8300694♚ラバーナム・トンネル キングサリのトンネル(左)。木もれ日の下でひと息できる(右)。園内はいつも庭師が整備している

                

♚サンシェード カフェ、レストラン、売店が充実し、つかの間のブリティッシュを満喫できる(写真下)Hpp8300724_2

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2010/07/11

偏屈王か? 八ヶ岳山麓No.105

変形ラディッシュP7112551

 家庭菜園の収穫をした。ラディッシュの中に変わった形のものを見つけたので紹介しよう。土中で何が起きたのだろうか? 中で気が変わったのか、目だちたかったのか、環境が厳しかったのか…。偏屈王よりも硬骨漢と言いたい。

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2009/06/18

ビルに森を作る ドイツNo.86

ドイツのグリーンカーテンHpp6143794

 地球温暖化対策が緊急課題になってきた。私たちは二酸化炭素の排出量をいかに少なくするかを考えなければならない。近年、グリーンカーテンという言葉がよく使われる。特に今年はマスコミで取り上げられる機会が増えている。建物の壁面に植物によるHpp6143795グリーンカーテンを作り、直射光を遮断し、エアコンの利用効率を高めようという考え方だ。これにより、二酸化炭素の排出を減らすことができる。一方、植物の蒸散作用により、周囲の気温を下げることもできる。日本では、ゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、キュウリなどのツル植物がグリーンカーテンとして植えられている。

 植物は人間と同じように体温調節をしなければならない。葉の裏側にある気孔から水蒸気を蒸散し、そのときの気化熱で体温を下げる。葉自身は最大約10度ぐらいまで下がるという。この気化熱は周囲の大気にも影響して気温が下がる。これは森の中が涼しく感じられることと同じ現象だ。

 ドイツ・シュツットガルトの常宿の近く(Stockach str.)に変わったビルがあった。壁面にこんもりと緑の塊が付いている(写真上右)。ツル植物が茂っているようだ。生長しているところは、樹木のように葉が茂っている。あたかもビルに森林ができたようだ。調べてみると、ビルの壁面に垂直に鉄骨が組まれ、それに沿ってツルが伸びるように作られている(写真上左)。広範囲にビルをカバーしているわけではないので、遮光効果よりは、蒸散作用で気温を下げることが目的のようだ。同時に、光合成により炭酸ガスを吸収し酸素を放出するだろう。少しはフィトンチッドが発生するかもしれない。なお、この植物については不詳だ。

 最近は日本でも見かけるが、屋根に土などを敷いて植物が育つ素地を作っている。特別な植物を植えたり種をまくわけではない。一種の荒地を作って、自然の遷移に任せて植物を育てようということだろうか。Hpp5250011_4Hpp6147999_2一般的に、荒地では、まず先駆植物(地衣類、コケ類、藍藻類など)が育ち始め、腐葉土が形成されると、いわゆる雑草類が生えてくる。その後、陽樹(シラカバ、カラマツなど)、陰樹(シイ、モミ、トドマツ、ブナなど)の順に優先種が変わり、最後に森林が形成される。これを極相と言う。温帯の荒地が自然の頂点(極相)である森林になるまでには500年かかるという。屋根に森林を作るわけではないが、植物が育つことでヒートアイランド現象を緩和し、都市に潤いを作ることができる。ドイツで撮影したものは、まだ先駆植物の状態だった。どこまで遷移するのか興味がある。(写真上左はノルドリンゲンの幼稚園の屋根。城壁の遊歩道から見えた。写真上右はシュツットガルトのシトレーン営業所の屋根、ホテルの窓から撮影した)

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2008/01/01

初夏のミュンヘン・レポート ドイツNo.56

 あけましておめでとうございます。新年にあたり、「ドイツからの風」を送ります。

Kleingarten(クラインガルテン)Hpp6070018_2

 2007年6月7日、この旅の大きな目標の一つ、「赤ちゃんポスト」の見学のためにミュンヘン・シュバービング地区を訪れた。Uバーン(地下鉄)のシャイデプラッツ駅で下車し、地上に出ると新緑の街路樹が並ぶ町が広がっていた。この地域は高級住宅地だという。交差点の横断歩道を渡ると、そこはクラインガルテンの一角だった。クラインガルテンとは、「小さな庭」という意味で、「ドイツ版家庭菜園」のことだ。いままでは列車の窓から眺めるだけだった。比較的大きな町の線路沿いに数10Hpgp6070014_2 区画が作られている。ドイツ社会に根を張るレクレーション施設で、私たちもいずれは見学したいと考えていた。ドイツ人の都市観や自然観が学べるのではないかと考えていた。

 幸運にも、そこへ一人の持ち主が現れた。さっそく見学を頼んだところ、こころよく承諾してくださった。広さは30㎡ぐらいだろうか。野菜と花の栽培のほかに、水槽には金魚も飼われていた。持ち主は、たいへんていねいに説明し、撮影にも応じてくれた。自分の“城”を案内するという感じで、ほんとうに幸せそうだった。ドイツの人々はクラインガルテンで都市生活で欠けたものを補っていると感じた。(写真右の大きな葉はルバーブ)

Babynest(ベビーネスト 赤ちゃんポスト)Hpp6070076

 いよいよ赤ちゃんポストを探すためにシュバービング病院の周辺に着いた。受付や通りがかりの人に所在地を聞いてみたが、どうも要領を得ない。私たちの英語がたどたどしいからだ。それに赤ちゃんポストをBaby nestと呼ぶことを知らなかったのも一因だ。なにより、Baby nestはおおっぴらに話題にするようなものではないのHpp6070061_2だ。案内標識でBaby nestを見つけてやっとた どり着いた(写真左)。Baby nestの入り口は目隠しのような塀があり、出入りが目立たないように作られていた。Kinder krankenhs.(子ども病院)の片隅だ。ハンドルの付いた扉があり、なにか近寄りがたい雰囲気をたたえていた。明らかに人間の尊厳を意識した作りだと感じた(写真左)。赤ちゃんポストに注目したのは、当時、日本でも話題になっていたからだ。九州の病院で設置が決まり、マスコミで取り上げられていた。「赤ちゃんのポスト」ではなく、「Babynest」というネーミングに先覚者の精神を知ることができたような気がする。ドイツ語のnestには「巣」のほかに「住まい」「小さな町村」「寝床」という意味がある。

 病院を後にして100メートルぐらい歩いたとき、ヘリコプターの轟音が近づいてきた。見る間に病院内に着陸し、すぐ飛び立って言った。シュバービング病院にはヘリポートがあるようだ。私たちも救急車のサイレンには慣れていたが、ヘリコプターのレスキューを見るのは初めてだった。緊迫した空気を感じながら、搬送された人の快方を祈った。

Spargel suppe(アスパラスープ)Hpp6070185

 ミュンヘンの中心地を目ざし、シュバービングの町を歩いた。道路を挟んで教会(St. Urusla 聖ウルスラ教会)と反対側に立派なレストランがあり、木陰の庭がKaisergartenというカフェになっていた。新緑の下、こもれ日が柔らかく落ちるテーブルを囲んで人々がゆったりと食事を楽しんでいた(写真上)。その状況を言葉で伝えるのは難しいが、「これがドイツだ」と確信をもって言える雰囲気だった。私たちにとっては少し早めだが、そこで昼食をとることにした。あまりおなかが空いていなかったので、アスパラスープとヴァイツェン(ビール)をオーダーした。Hpp6070183 スープにはパンが付いてくるので、昼食には十分だ。運ばれてきたスープに花が浮かべてある(写真右)。一瞬、なにかのまちがいかと思った。花はマリーゴールドとラベンダーである。ラベンダーは良いとして、マリーゴールドは、虫除けのために畑の縁に植える植物だ。食べられないことはないだろうが、自分たちは害虫扱いかと思わざるを得なかった。ビールもスープも雰囲気も満足した昼食だった。カフェの脇には子ども用のベンチが置かれていた(写真右)。家族が集まるとHpp6070187ころに子どものための施設が用意されていることは、ドイツによくある。Kaiserとは皇帝と いう意味なので、由緒あるレストランと思われる。

Hpp6070156 隣りの聖ウルスラ教会は、碑にKath.kirche im neuen Stadtteilと書かれているので、ミュンヘンの新市街地では重要な位置づけの教会なのだろう。聖堂内にもれる光は重厚な雰囲気を作っていた(写真 )。

 この日は、アルテ・ピナコテーク(Alte Pinakothek 中世、近世の作品を展示する美術館)に立ち寄り、絵画から私のライフワークである「ドイツからの風」のイメージを探った。充実したドイツの一日だった。

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2007/07/09

シカに1勝5敗 八ヶ岳山麓No.36

Hpp7078940 防護柵の効果

 2003年7月19日は、初めてシカの被害を発見した日だ。土は掘り返され、ダイコンは引き抜かれ、かじられ無残な状態だった(写真右)。

 20年前から八ヶ岳山麓で趣味と実益を兼ねた園芸を楽しんでいる。ここ3、4年シHpp7078941_1 カなどの食害にあい、耕作意欲が減退していた。作物に網をかけたり、案 山子を立ててみたが効果はなかった(写真右)。そこで、今年5月に抜本的な対策を講じHpp5058194た。今までは、細い杭と低いネットによる防護柵だったが、それを改善し、太い杭を立て、1.8メートルぐらいの高さまでネットと針金で畑を囲んだ。畑全部を囲うのは経費と労力Hp070701p7018183_1がかかるので、一部15㎡ぐらいで試すこと にした(写真左)。シカが好むダイコンやラディッシュ(赤カブ)は、その中に種をまき、ジャガイモは従来と同じ囲いの中に種芋を植えた。

 シカの体重を考慮すると、寄りかかっただけで 柵は倒れるかもしれないという不安はあった。1 か月以上たった7月に山小屋を訪れた。さすがに防護柵の中はほぼ異常なかった。ただ、ネットの下から小さな動物が入って地面を掘った形跡はあったが、大勢に影響はなかったのでほっとした(写真右下)。

 シカの被害はプロの農家にとっては深刻であ る。私たちは趣味で耕しているが、プロはそうはいかない。村の畑全体を電流を通じた柵(電柵)で囲っている。森と畑の境目には必ず電柵がある。農家それぞれは、さらにネットや反射テープなどで自分の畑を囲っている。私Hp070701p7018181_2 たちの畑が襲われるのはあたりまえであった。そこで、どうしてもシカに勝ってやろうと決意したのである。前述の対応がその結果である。功を奏し、とりあえず1勝した感じだ。いままでに5回ぐらい辛酸をなめているので、1勝5敗である。しかし、自然とはそんな甘いものではない。まだわからない。

Hpp7018214 村の畑の周りに電柵が張られてから数年は経った。10年前にはシカの被害はほとんどなかった。森の中に何か異常が発生し、シカが畑に出てきたようだ。これも地球環境の変化だと言われている。さて、ダイコンの収穫はこれからだが、ラディッシュはできすぎていた(写真右)。さっそく塩を付けて食べた。山育ちのラディッシュは、もともとおいしいのだが、今回は格別の味だった。参照「あとりえ・チビッコ…鹿に勝ったか?」

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