2016/07/03

予告!! 写真展『沈黙の森から…春の息吹』 八ヶ岳山麓No.198

第3回 豊田芳州ネット・ギャラリー写真展

♦期日:2016年7月6日(水)~7月12日(火)
ネットギャラリー: 「豊田芳州のTheme」 http://silent-forest.cocolog-nifty.com/

Hp_dmimg_0001_edited1 八ヶ岳山麓の川上村で生活するようになってから30年になろうとしている。1400メートルの高原は、四季の変化が顕著で、それぞれに持ち味がある。しかし、私がもっとも好きな季節は冬である。冬の渓流に発達する氷は、森の宝石といてもよいほどの美しさと厳しさがある。そのようすは第2回 ネットギャラリー写真展で展示した。次に興味がある季節は春である。寒冷地の八ヶ岳山麓においては、春は格別の意味がある。眠っていた植物や動物がいっせいに蠢動し始めるようすを初めて観察したときは感動したものだ。地面からいろいろな植物が顔を出すようすは、自然界の始まりを想像させた。約4億5000万年前、植物が上陸したとき以来、繰り返されてきた現象を垣間見たような気がした。そこで、春編では自然界の原始的な風景を撮影しようと考えた。カテゴリーを次の3つに分けて掲載する予定だ。
   (1)地上へのあこがれ
   (2)揺籃期
   (3)発生のドラマ

 なお、発生とは、多細胞生物の卵が受精し、胚を経て幼生から成体となるまでの過程をいう。すなわち、生物が成長する過程での変化をさす。発生は、しばしばドラマティックだ。
 なお、夏編と秋偏もいずれは、『沈黙の森から』のシリーズで展示する予定だ。

 いつものように、ダイレクトメールを作って郵送したが、つごうで部数が足りなかった。一部の郵送されていない方々へは、お詫びいたします。

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted. 

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2016/06/28

辻 栄一 写真展『弘前散歩』 第2弾/第3弾

Hpdmimg_0001 辻氏は、昨年2月、写真集『弘前散歩』を出版した。これについては、私が以前に書いたブログを参照してほしい。横浜在住の辻氏が遠く千キロも離れた青森県弘前市で写真集を出版したのにはいろいろなわけあがる。まず辻氏は旅のエキスパートだ。鉄道写真から始まった旅は、地方の民俗、祭り、人々などにも興味がわき、ますますのめり込んでいった。全国を行脚した辻氏にとって、弘前は選ばれた土地となった。関西出身の辻氏にとっては、横浜は第二の故郷だ。弘前は、第三の故郷といえるのではないか。
 辻氏は自らを「横浜からの旅人」という肩書で、立場を明確にして撮影地の人々と接している。地方の方々は胸襟を開いて応対してくれるのだろう。Hp20166_edited1先の出版で、地元弘前市の出版社の協力を得られたのは、辻氏の旅人としての心意気が地元の方々の気持ちを動かしたのではないか。この出版がきっかけになり、昨年の10月から11月にかけて写真展『弘前散歩』が開催された。それだけではなく、今夏には2か所で写真展が開催される。地元の「広報ひろさき」と日本カメラ社「写真の教室」に紹介された記事を掲載する(いずれもポップアップ可)。ご高覧いただけたら幸いだ。
 なお、辻氏からの速報によると、29日は地元新聞社の取材と、市長の来訪があったという。

●『弘前万華鏡 オンリー・イエスタディー』

会期: 2016年6月29日(水)~7月3日(日) 10:00~18:00〔7月1日(金)は ~19:30/初日は13:00~/最終日は ~15:00〕
会場::弘前市立百万石町展示館 第1展示室

Hpdmimg_0002Hpdcim0321_edited1






                                                  

                                         ●
こども絵本の森 開館3周年記念

『街歩きの魅力 再発見』…弘前人が愛する散歩道

会期:2016年7月4日(月)~7月10日(日) 10:00~18:00〔初日は13:00~/最終日は ~17:00〕
会場:ヒロロ3階「こども絵本の森」特設会場

Hp2016_edited1(左)写真の教室の記事

(下)東奥日報の記事Hpdcim0325

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2015/12/10

写真家・田中宏明氏のご逝去を悼む

『乙女富士 一年三百六十六変化』

 英国王写真協会日本支部の知友、田中宏明氏が今年の11月10日に亡くなられた。生前を偲んで弔意を表したい。

 撮影活動にはいろいろなスタイルがあるが、定点観測撮影もその一つだ。写真家・田中宏明氏の写真集『乙女富士 一年三百六十六変化』は定点撮影の典型だろう。Hppc180170_edited2_2田中氏は、箱根外輪山の乙女峠から撮影した富士山を1年366日分集めて一冊の写真集にまとめた。私の拙文が、前書きとして採用された。田中氏の自宅を訪問したときのレポートで、英国王立写真協会日本支部(RPSJ)のブログのために執筆したものだ。その一部を掲載して弔意文に代えたい。なお、一部リライトしている。

 「………。はじめにもてなしていただいたのは、抹茶だった。これは、田中宏明会員のパーソナリティーを表している。田中会員(以下さん付けで呼ばせていただく)は風流人である。しかし、武道家でもあり板前でもある。田中さんの原点は柔道であるという。4歳ごろから柔道を始め、厳しく鍛えられた。しばしば竹刀でたたかれたという。大病を患ってはいるが、いまだ風貌は武道家である。」

 「箱根のある保養所の管理を任され、たくさんの調理を経験した。Hp_3そこで、“景観料理”という新境地を切り開いた。これは、板前の本分である盛り付けで、いろいろな風情を表現するというものだ。日本の節句(季節感)や都道府県の代表的な風景などを皿の上に再現するのである。これを撮影した“景観写真”もいままでにないカテゴリーだろう。どちらも、制作にとりかかる前にデッサンを描き構想を練る。『七夕』と『秋田県米代川』のデッサンを見せていただいた。2月(2010年)に開催した第8回英国王立写真協会日本支部展(「The New Horizon」≪新たな展望≫をテーマとした)に出展した景観写真は、葛飾北斎の絵をモチーフにした『北斎』と節句シリーズの『端午の節句』の2点だった。」

 「田中さんの代表作は、『乙女富士 一年三百六十六変化』である。箱根の乙女峠から定点観測して撮影した富士山の作品群だ。『三百六十六日』は、一年をうるう年でカウントしているからだ。『変化』はへんげと読む。霊魂や神仏が人などの姿になって現れることを意味する。タイトルの意味は、富士山が366の姿になって現れるという意味だろう。コンタクトプリントのように構成されたアルバムを見せていただいた。Hp12pc180174ときどき同行される奥さまからうかがったところ、どんなに寒くても、暗いときでも、田中さんは車の外でシャッターチャンスを待つという。筆者も氷点下で富士山を撮影したことがあるが、シャッターチャンスを待つときは車中で過ごす。ほとんどの写真家はそうである。氷点下でシャッターをきらずにチャンスを待つのはつらい。しかし、田中さんにとっては、被写体である富士山を前にして車外でシャッターチャンスを待つことは意義があるのであろう。被写体と対峙するときの緊張感は筆者にもわかるが、田中さんの真意はわからない。おそらく、武道家としての真骨頂が現れているのではないだろうか。こうして完成されたのが『乙女富士 一年三百六十六変化』である。だれも取り組んだことのない大作だろう。」 (写真左上 12月の見開きページ)

 富士山が世界自然遺産となったいま、写真集『乙女富士 一年三百六十六変化』は偉大な文化遺産となったのではないか。

 「田中さんによると、戦国時代、武士は出陣に備え主君より一服の茶を進呈されたという。いざ出陣は、『いざ撮影』に通じるところがあるのかもしれない。写真を侘茶と融合させたところに田中写真の心髄がある。」

 田中宏明さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。

参照:RPSJリレートーク『写真撮影は心に汗をかくこと』

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2015/05/20

あこがれのウルトラマラソン 八ケ岳山麓No.177

コースで撮影しながら興奮
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 八ヶ岳山麓・野辺山高原で毎年春に開催されるウルトラマラソンを応援に行った。今年は5月17日(日)に開催された。なぜウルトラなのか? まず距離が長い。マラソンの標準距離に近い「42キロ」のほかに「75キロ」と「100キロ」の3種目がある。しかも山岳コースだ。Hpimg_0001_3スタート地点の野辺山高原の標高が1355メートルである。加えてコースの高低差が大きいのだ。「75キロ」と「100キロ」のコースでは、最高地点が横岳の中腹1908メートル、最低地点は小海線小海駅付近の880メートルと、標高差が1000メートル以上ある。マラソンというより軽登山という標高差だ(下左図参照 ポップアップ可)。酸素が希薄なうえに、標高差が大きいから、選手には相当なアルバイトが要求される。NHKのTV番組、「グレートトラバース…日本百名山一筆書き」並みのきついコースではないか。Hpimg_0004_3

 もちろん、私にはリアリティーはないが、あこがれではある。そこで、知り合いが参加するというので、応援に出かけた。彼らは10キロのショートマラソンにエントリーした。ショートマラソンには、「2キロ」「5キロ」「10キロ」と三つの種目がある。これはウルトラマラソンのカテゴリーには入らないが、標高が高いので、われわれにはセミ・ウルトラマラソンといえるだろう。 (下右図参照 ポップアップ可)

 「10キロ」のコースで、八ヶ岳を背景に選手を撮影しようとカメラポジションを決めて選手を待った。まず、ファーストランナーが通過した。2位にだいぶ差をつけているが苦しそうだ。Hpimg_0003記録を狙っているのだろう。参加者は、老若男女さまざまだ。自己最高記録を目ざす人、高齢にもかかわらずチャレンジする人、カップルで楽しむ人、子連れのファミリーランナーなど、その目的もさまざまなようだ。だれもが目標を決めてチャレンジしているのはまちがいない。選手の力走に感動して、つい声を出して応援してしまった。Hp_yp5171931_2少ない声援のせいか、私たちに応えてくれる人がいてうれしかった。マラソンを見ながら、いろいろな人生模様を感じた。私は来年、「2キロ」から始めようと思う。唐突に聞こえるかもしれないが、私は、中学時代、陸上部に所属して中距離を走ったことがある。とりあえず2キロの完走を目ざしたい。

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2015/05/08

辻 栄一 著 『弘前散歩』

アマチュア写真家の究極の活動
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作品を発表する意義
 写真を撮影したら個展を開催するか、写真集を刊行したい。写真で、もっともおもしろいのは撮影だと思う。それだけでも写真をやる価値はあるだろう。他人をアッと言わせる珍しい被写体や、自身の追及しているテーマにピッタリの被写体を探すのは、写真のだいご味だろう。それを自身の得意技で料理するところに、カメラを持っている喜びを感じるものだ。しかし、そこまででは写真家とは言えない。写真家とは「写真を芸術の表現手段として撮影・制作する人」(広辞苑)のことをさす。表現とは、内面的・主体的なものを外面的・感性的形象へ変換することである。すなわち、自身の内面を作品として公表することだ。もちろん、カメらを持ったからといって、だれもが写真家を目ざす必要はない。前述のとおり、撮影だけでも十分写真はおもしろい。

出版のきっかけ
 辻 栄一氏は、春夏秋冬、弘前へ通いつめて、一冊の写真集「弘前散歩」にまとめた。辻氏は、旅行のエキスパートだ。日本全国を巡り、風物や行事を撮り歩いている。弘前もその一つだ。Hpimg_0003さて、個展を開催したり写真集を刊行するには、ひとつのきっかけが必要だ。期待どおりの気に入った作品が1点撮れたり、撮影中に目の前の被写体に感動し、それを引き立ててみたい、などきっかけはさまざまだ。辻氏は、雪の中で夜の教会を撮影していて(P18~19)、その気になったという。これは被写体に影響されたというよりは、降雪に中、夜の教会と対峙する自身の気持ちに充実感を覚えたのではないだろうか。真剣にテーマに取り組んでいるときにしばしば感じる撮影の喜びだ。

企画意図から出版まで
 さて辻氏は、「弘前散歩」に先立ち、「フォトブック」(インターネットのオンラインで編集、入稿してまとめる自費出版の写真集)で弘前の春夏秋冬を4冊の小冊子にまとめている。これをプレゼンテーションにして、企画を弘前の出版社へ持ちこんだ。預けておいた企画にゴーサインが出たのである。「弘前散歩」は、市販本だ。ISBNコードも取得している。アマチュアの写真家や執筆者にはなかなかできない出版である。辻氏の執念が実ったといってよいだろう。
 「弘前散歩」には、著作者名に“横浜からの旅人”という肩書きが添えられている。Hpcimg03581すなわち、横浜という都会人の見た弘前であり、“よそもの”の目から見た弘前を紹介しようという企画意図がある。現地の出版社「路上社」は、これに賛同したようだ。辻氏の目線(カメラアイ)は、横浜という大都会型の観光地で磨かれているうえに、旅慣れた目線はほかの地方都市との区別化にも役立ったろう。

現地の評価
 地元の陸奥新報の3月25日版に書評「迷宮の街の魅力再発見」が紹介されているので、コピー(上左 ポップアップ可)を掲載しよう。また、本書は、現地の紀伊国屋書店の人気ベスト10の7位にランクされている(東奥日報3月22日)。出版社の取り計らいで、辻氏は市役所を表敬訪問し、葛西・弘前市長へ本書を贈呈した(写真上右)。出版からマスコミの対応など、弘前市民の部外者に対する鷹揚さがうかがわれる。
 私の感想だが、写真集としてはややカタログっぽさが目だつ。建築・施設や名所などの紹介が目につくからだ。しかし、旅行者が弘前の町を逍遥するにはうってつけのガイドだろう。現地で地図を購入して歩きたい。本書を入手したいとき、書店に在庫がなくても取り寄せてくれる。【体裁】A5判、カラー128ページ、1,850円(ISBN978-4-89993-070-9 C0072 \1850E)

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2015/02/22

第20回 大倉山エルムフォトクラブ写真展

「沈黙の森から」シリーズの2点を出展 3月2日まで

会期:2015年2月24日(火)~3月2日(月) 10:00~17:00 初日は13:00~
会場:大倉山記念館オープンギャラリー アクセスはDM(ポップアップ可)を参照)Hpdm_2015_2

 大倉山エルムフォトクラブは、横浜市港北区大倉山地区のカメラ店(たくぼカメラ)に集う写真愛好者とプロ写真家・桜井 始氏とで結成され、今年で20周年になる。3年前から桜井氏の後を引く継ぎ、私が講師を務めている。精鋭ぞろいのクラブなのは、桜井氏の薫陶のおかげと、写真家であり「たくぼカメラ」の店長でもある髙橋勲夫氏の熱心な運営に負うところが大きい。作品はあらゆるジャンルにおよんでいる。講評会では、自然写真と人文写真に分けて並べ、互選で投票した後、私が独自に審査して順位を決める。

Hpdm2015 作品展は、メンバーそれぞれが3点の組み写真や連作で展示する(下表参照 ポップアップ可。会場は、日本一のギリシャ風建築ともいえる大倉山記念館の中にあり、開催期間は大倉山公園の梅が見ごろ撮りごろになる。撮影かたがたお出かけいただけたら幸いだ。展示期間中の2月28日(土)と3月1日(日)には、大倉山観梅会も開催される。

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観梅会のポスターHpp1276035

Hp_p5042693 私は、「沈黙の森から」のシリーズとして2点出展した。春に撮影した『寡黙』(写真右)と秋に撮影した『吐露』(写真下左)である。「沈黙の森から」は、私が八ケ岳山麓で取り組んでいるライフワークに付けた総タイトルである。森の中の動植物や無機物、Hpp9090135_3現象などは、黙して語らない。そこで、彼らが発信する情報や情緒を私が代弁しようという趣旨だ。すなわち、それは私の自然観や森林観といえるだろう。「沈黙の森から」は、八ヶ岳山麓で撮影した一群の自然写真に付けた総タイトルでもある。

展示会場とメンバー
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2014/12/18

横浜・外国人墓地のアドヴェント 横浜No.79

クリスマスの飾りを撮るHppc140045

 12月13日(土)と14日(日)の2日間、外人墓地を見学した。この時期、キリスト教ではアドヴェント(advent 待降節)という期間に含まれる。クリスチャンは、クリスマス(降誕祭)をひかえて4週間の準備期間を過ごす。家庭ではツリーを飾ったり、キリストの降誕劇を模したクリッペという置物を作ったり、お菓子を焼いたりする。また、墓標にはリースやツリー、花などを飾る。私が訪ねたときにも、いくつかの墓標にはクリスマスを迎える雰囲気が漂っていた。そのために、外人墓地は少しにぎやかになる。Hppc135765ちなみに、年内は、20日(土)と21日(日)も公開される。おそらく、墓地はクリスマスの飾りでさらににぎやかになるだろう。なお、私は飾りのある墓標のみを撮影した。

 墓地がにぎやかというのは、日本人にとっては奇異に聞こえるかもしれない。しかし、西洋人のお墓は、明るく華やかだ。世界観や宗教観の違いではないか。墓碑を見ると、ほとんど夫婦がいっしょに埋葬されている。Hp141212それぞれの没年月日だけでなく生年月日も刻まれている場合が多い。故人の業績や略歴などが書き込まれている墓碑もある。関係者以外でも故人を偲ぶことができるだろう。私はドイツへ取材に出かけたときには、機会を見つけて共同墓地を見学することにしている。

 さて、横浜の外人墓地には、近代日本の創成期に活躍して業績を残した多くの方々が眠っている。鉄道をはじめとする公共事業から学校教育、私たちの日常生活にかかわる技術や制度作りに貢献した方々だ。
詳細は、墓地付属の資料館を見学するとよくわかるだろう。公開順路案内図(図右上 ポップアップ可)に従って見学するだけでも興味は尽きない

Hppc135808_2                    Hppc140039
Hppc135827_2










 横浜の外人墓地は、通常、縁故者の墓参以外には公開されていない。しかし、3月から12月までの毎週土曜日、日曜日および祭日(雨天を除く)、12:00~16:00には、募金公開と称して一部が一般公開される。募金は200円~300円程度とされていて、墓地の維持管理費に充てられる。墓地と資料館を見学すると、異郷の地で骨を埋めた人々の業績がわかり、もっと寄進したくなるだろう。Hppc140160_2Hppc135841







 私は、外人墓地には大きな思い出がある。タウン誌『浜っ子』に連載を執筆したとき、第1回目が外人墓地についてだった。1984年10月号から毎月、Hppc140072_2モノクロ見開きで『横浜が見る時間』という記事を執筆させていただいた。Hppc135771_5毎月、横浜の風物や行事などを紹介しながら、私の横浜への想いを綴った。Hppc140070_2私の横浜でのライフワークが本格的に始動したのである。編集長の渡辺光次さんのご好意により27回続いた。Hp_3
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2014/12/04

サンリス・プチ・トリップ

フランスでローマ時代の遺跡を見学

 今夏、パリに滞在したとき、1日だけ近郊のサンリスへ(Senlis)出かけた。パリの北約40キロに位置するサンリスには、ローマ時代の城壁(市壁)が残っていると聞き、興味をそそられた。塩野七生氏の著作「ローマ人の物語」を読んで以来、ローマ文明は現在の西欧社会の基礎になっていると知った。Hpp6070928_2町造り、建築、土木、政治、法制、経済、税制、軍事などの技術や制度には、今もローマの精神が息づいている。私のライフワークである「ドイツからの風」を撮影するにあたっても、ローマ文明を知ることが欠かせないと考えている。 (写真上 ローマ時代の城壁内部。写真下左 街路に露出した城壁の断面、幅4メートルはありそうだ)

Hpp6070804_2 紀元前8世紀ごろローマ人が進出してくる以前は、現在のフランス(ガリア地方)にはケルト人が住んでいた。サンリスは先住民族ケルト人が造った都市だという。フランスを侵略したローマ人はサンリスも自分たちの町にして砦を築いた。サンリスのパンフレットによると、ローマ人は紀元前3世紀ごろには、厚さ4メートル、物見やぐらが28塔もある城壁で町を囲ったという。この城壁の大部分が現在も残っている。この城壁を見学することがサンリス訪問の目的だ。Hpimg_0001

 さて、現ドイツ連邦共和国の主要民族であるゲルマン民族が、北方のスカンディナヴィア半島南部より南下しはじめたのが紀元前10世紀ごろだった。すでにガリア(現フランス)に住んでいたローマ人と接触することになる。「ドイツ史」(木村靖二 著 山川出版社)によると、「紀元前2世紀ごろに、ゲルマン人はローマ人と直接対峙することになった」とある。サンリスの城壁はケルト人だけでなくゲルマン人に対する備えにもなったのであろう。Hpimg_0002「ローマ人の物語」(塩野七生 著)では、ゲルマン人はローマ人にとって終始(AC476年、西ローマ帝国滅亡まで)蛮族あつかいである。しかし、ゲルマン人はローマ人と敵対する一方、進んだローマの文化やシステムを学びまねたと「ドイツの歴史」(マンフレット・マイ著 小杉尅次 訳 ミネルヴァ書房刊)には書かれている。私は、Hpp6070801ドイツの生い立ちを知るために、ゲルマン人が接触したローマ文明を知りたいという願望に駆られた。少しでも当時のローマ文明に触れたいと願っている。 (写真下右 日本語版ガイド。写真下左 観光案内所)

 さて、サンリスへの往復は簡単ではなかった。パリ北駅でチケットがうまく買えないのだ。出札口でやっと買えたチケットを見ると、出発まで待ち時間が1時間以上ある。北駅で2時間も無為に過ごしてしまうことになった。Hpp6070979しかもサンリスへはシャンティイーでバスに乗り換えねばならない。その乗り継ぎの待ち時間がさらに1時間ある。サンリスへ着くのは午後1時になってしまう。パリに帰着する時間を午後5時に設定したので、帰路のバスの出発時刻が午後3時になる。現地には約2時間しか滞在できないことになる。楽しみにしていたサンリス見学はプチ・トリップになってしまった。以前はサンリスへも鉄道の便があったのだが、廃線になってしまったようだ。現在、旧サンリス駅はバスの発着所になっている。そこまでシャンティイーからバスが運行されている。振り返ってみると、鉄道とバスの連絡チケットを慣れないパリの自販機で買うのがたいへんだったのだ。 (写真左 サンリスの中心にあるパルヴィノートルダム聖堂)

 サンリスに着いてから、まず観光案内所(OFFICE DE TOURISME)へ向かった。案内所は、パルヴィノートルダム聖堂の真ん前にあった。ドイツでいえばマルクト広場だ。そこで、小冊子のガイドブックをもらった。日本語版もある。さっそくそれを頼りに町を歩きはじめた。Hpp6071028しかし、なかなか城壁へ近づけない。やっと、入口らしいところを見つけて城壁の中へ入った。そこには、今までの視界とは異なる風景が展開していた。何が違うのか、ひと言ではうまく言えないが、時代というか、風格というか、精神というか、私には紀元前3世紀のローマ時代にかなり近い風景だと感じられた。バスの時間が迫っているので、数カット撮影してその場を後にしたが、なんとも無念であった。 (写真右 旧サンリス駅)

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2014/04/09

Deutsche Geist 『ドイツの栄光』展 予告 ドイツNo.139

第1回 豊田芳州ネット・ギャラリー写真展

 インターネットが情報伝達の中枢的存在になってきた。各種のコマーシャルでは「詳細は○○で検索」などと、肝心の情報はインターネットで伝える場合が多い。行政や公共の情報もインターネットに任せているのがほとんどだ。Hp インターネットが嫌いだなどと言っていたら、世間の趨勢から遅れてしまうだろう。インターネットを敬遠するなら、それこそ自身の感覚を研ぎ澄まし(高感度のアンテナを立てて)、何倍もエネルギーを使わなければ生活情報は得られないだろう。もちろん、その選択肢はあると思うし、世の中の流れとは別の道を歩むということもありえる…。

 というわけで、私は自身のブログで写真展を開催することにした。ネットギャラリー『豊田芳州のTheme』の開設だ。ネットギャラリーのメリットはいくつかある。
①鑑賞者は会場へ足を運ぶ労力を省略できる ②いつでも鑑賞できる ③自身のサイトをもてば、だれでも写真展を開催できる ④会場費、パネル製作代などの開催費を節約できる ⑤アクセス解析で、鑑賞者のキャラクターと傾向をつかめる ⑥アクセスの多いサイトでは、多くの観客を動員できる。一方、デメリットもある。
①大画面の迫力がない ②組写真としてのレイアウト効果(モンタージュ効果)を生かしにくい。『豊田芳州のTheme』では、写真を並べて鑑賞できない ③作者と直接コミュニケーションができない
 デメリットの解決策として、①については、パソコンを大画面TVにつないである程度改善はできる。これには専用接続コードが必要だ。②については、ブログ上で特別なページ展開を工夫しなければならないので、現在の私に解決策はない。③については、コメントのやり取りで可能だろう。また前述のとおり、アクセス解析から鑑賞者のキャラクターと傾向をある程度つかめる。ネットギャラリーでは、作者と鑑賞者の間に、通常のギャラリーにはない接点が生まれるだろう。

 ネットギャラリーでの開催とはいえ、ダイレクトメール(案内はがき)を作り、期日とギャラリー(ブログのURL)を告知することにした(写真上)
〔期 日〕:2014年4月2日(水)~4月8日(火)
〔ネットギャラリー〕:「豊田芳州のTheme」 http://silent-forest.cocolog-nifty.com

 さて、なぜドイツなのか。私は、若いときからクラシック音楽が好きだった。無意識に聴いているうちにドイツ系の作曲家と曲が好きになっていた。ドイツを意識すると、ますますドイツ音楽に引き込まれた。ドイツ音楽を表徴するとしたら、重厚、荘重、躍動的、大上段と言ってよいのではないか。私は、“正統派”と思っている。好きな曲を生み出す風土や人々に興味をもつのは当然だろう。

 一方、写真を専門的に学ぼうとするとドイツのカメラに関心が出てくる。現在は日本がカメラ王国だが、その前はドイツがカメラ王国だった。日本は以前、ドイツのライカやコンタックスをまねた時期があった。Hpp5305116_2 Hpp6157053 ドイツのマイスターたちが作った精巧なメカニズムがカメラの基礎になった。写真関係者にとってドイツは特別な国である。それは私にとっても同じだ。ほかに町並みや人々は馬が合うし、パン、ソーセージ、ビール、コーヒー、ジャガイモなど大好物だ。現在、ライフワークとして「ドイツからの風」に取り組んでいる。第1回は『栄光』編としてまとめた。ドイツ各地で共感し、私なりに讃えたいと感じた風物である。アクセスいただけたら幸いだ。 (写真上左 うまいドイツのビール。同上右 おいしいドイツの朝食)

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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2013/05/11

写真は地元が大切 横浜No.67

第11回 ヌービック・フォト・フレンズ5 写真展
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 「地元では撮れない」という声をしばしば聞く。「見慣れた被写体は新鮮味が感じられず、どう撮っていいのかわからない」というのだ。もっともなことだ。しかし、見慣れない被写体に対する新鮮味や驚きは、はたして作品になるだろうか。それが、自身のコンセプト(イメージやモチーフ)に合っていればよいが、興味本位では意味がない。私たちは、珍しい被写体や知名度の高い被写体には興味本位だけになってしまいがちだ。地元の見慣れた被写体にはどうだろうか。

 地元の被写体を撮るメリットを挙げよう。 身近なので、豊富な被写体情報がすぐ入手できる。たとえば、四季や天候、花期、日照などの変化に的確に対応できる。 近場なので、すぐ被写体の前に立てる。すなわちシャッターチャンスが増え、グレードアップを図れる。 撮影のじゃまになる観光気分を排除できる。すなわち、被写体に撮らされることが少ない。 見慣れた被写体には、自身のイメージやモチーフを発揮せざるを得ない。すなわち、作者のコンセプトが作品に表れる。 地元で撮った写真やテーマには、コミュニティーとして共通の問題意識があるので、地元の支持を得られやすい。以上だが、が地元撮影のポイントだ。撮影の主導権は被写体ではなく作者にあることが要点だ。また、撮影とは地縁的な作業なので、一定の地域に根ざすことが大切だ。「地元」を「ホームグラウンド」と言い換えてもいいだろう。しかし、地元にテーマを見つけられなければ意味はないが…。Hp2013dm_2

 ヌービック・フォト・フレンズ5は、あえて住み慣れ、知りつくしている地元・横浜を被写体に選んだ。新しい横浜探しにチャレンジしたのである。4つのカテゴリーに分けて展示される。なお、この作品展は、地元撮影のヒントにもなるだろう。

会場:かなっくホールギャラリー 会期:2013年5月14日(火)~19日(日) 10:00~18:00(初日は13:00から 最終日は15:00まで)

〔会場のコメント文〕 地元でじっくり撮ることの大切さ 被写体とカメラポジションは新鮮なほど良い。そのために写真家は撮影地を吟味する。見慣れた地元の撮影地を敬遠しがちだ。名所旧跡や有名な撮影地を目ざし、四季を追いかけるのが一般的だ。しかし、有名な撮影地はだれもが目ざすので、他人と類似した作品ができやすい。その結果、作品の良否は天候などの被写体側の条件で決まる場合が多い。写真作品にとってもっとも大切な作者のイメージやモチーフが発揮されにくい。 地元では被写体情報が豊富であるだけでなく、近場なので被写体の前に立つ機会が増える。その結果、自身の構想を実現する機会も増えるだろう。  私は、地元の被写体を無視するようでは、写真家として失格だと考えている。地元で実績を上げるのが撮影の基本であり、地元は腕を磨く場でもある。 ヌービック・フォト・フレンズ 5のメンバーは全員横浜在住だ。Hpp9043094横浜は名所旧跡にも恵まれているが、あえてそれを避けて、今までにない発想でカメラポジションを探した。新鮮な横浜が見えてきたのではないだろうか。  豊田芳州

 私は、横浜アリーナの夕景『本性を現す』を≪幻想・幻視≫のカテゴリーへ出展した(写真上左)。アリーナは、最寄りの新横浜駅へ向かう途中にある。常々、外壁のミラーに関心があり、何か撮れるのではないかと機をうかがっていた。たまたま光線状態が良く、光のモチーフを適用できた。ミラーの反射像と影像のどちらが本性かは読者にお任せしよう。 【撮影データ】 オリンパスSP-350 AFズーム8~24ミリF2.8~4.9(35ミリ判換算39ミリで撮影) 絞りF6.3 オート -1.0EV補正 ISO200 WB晴天

●会場風景(下左) ●神奈川新聞の紹介記事(下右 ポップアップ可)
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●各カテゴリーから1点を掲載する

≪伝統・歴史≫ 『ハーバー異変』福田十九一(下左) ≪開港・居留地≫ 『異教の上陸』服部淑子(下右)
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≪交流・往来≫ 『地球は重いナー』馬場純子(下左) ≪幻想・幻視≫ 『湖桜記』池永也晁(下右)
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