リハビリの実情
私はパーキンソン病のため、身体が思うように動かない。そこで、リハビリへ通っている。日頃は、そこで歩き方や話し方の指導をうけている。
手厚い日本の介護保険
その施設は、くにもとライフサポートクリニックという神経内科医院の付属の施設で、「アンドモア」という名まえが付いている。「アンドモア」とは、and more「そしてもっと」という意味になる。この施設に通うにきっかけは、ケアーマネージャーのYさんの紹介による。初めてアンドモアに行ったとき、施設の土屋さんが私を迎えに来てくださった。そのとき、土屋さんは初対面の私の肩をかかえるようにして、送迎車へ連れて行ってくださった。私はすでに歩くことが困難になっていたので、送迎車に向かうときには不思議な感覚だった。なぜ歩けるのか不思議な気持ちだった。送迎車のなか土屋さんが自己紹介した。「理学療法士の土屋です」という。そのとき初めて、理学療法士という国家資格があることを知ったのである。理学療法士は、私にとっては神さまみたいな存在だ。歩けない私にとっては救いの神である。今でもまだ、普通に歩けるわけではないが、将来歩ける可能性を信じていられるのは、うれしいことだ。まさに、アンドモアである。何故もっと早くリハビリに行かなかったのかが悔やまれた。
私は現在、要介護2だが、介護保険のlおせわになったとき(当時は要介護1)、私の自宅に7人の方々が集まって打ち合わせ会議をしたことがあった。①ニチイのケアーマネージャーのYさん、②アンドモアからは理学療法士の土屋さん、③ニチイの訪問看護担当のHさんほか2名、④部屋のリホームと介護用品担当のニチイのスタッフ、⑤電動車椅子担当のフランスベットの方が一人出席した。合計5部門7人もの人々が、私一人を支援してくださっているのだということがわかった。ちなみに、この会議のことを担当者会議という。介護保険制度とは、これほど手厚いものだとは知らなかった。
うれしい時間を共有
ところで、アンドモアでの生活は、なかなか充実している。これは、施設のスタッフはもちろんだが、通ってくる人々の人柄による。皆さん高齢ではあるが、知識人であると同時に人格者でもある。
リハビリでは、まず始めに“おとなの学校”という時間がある。これは、毎回スタッフが講師になって行うレクチャーである。あるとき、聖徳太子について学習したことがあった。太子の有名な言葉に「和を以て貴しとなす」というのがある。そこで、「和」について話題になった。その時、講師の佐藤さんから「和」を作るにはどうしたらよいか? という質問があった。我々“生徒”のその質問に対する答えは、流石に立派なものであった(写真右上)。①話をよく聞く、聞き上手になる。②腹を立てない。③お互いに笑い(笑顔)を絶やさない。④近づこうと努力する。⑤譲り合う心。➅喜ぶことを考える。⑦自分のしてほしいことを、(他人に)してあげる。逆に、自分のしてほしくないことを(他人に)しない。⑧人前で相手をほめる。相手の良いところを見つける。というのが答えだった。私の答えは⑧だったのだが、そのとき、ほかの生徒さんが、その前に相手の良いところを見つける、という提言が付け加えられた。すなわち、私の答えを補ってくださったのだ。このような知的な環境は、めったにないのではないか。
これは、我々高齢者でなければできない答えだろうが、高齢だからできる答えというものでもない。リハビリにいらしている方々の人格による。こういう方々と一緒に同じ時間を共有できるのはうれしいことだ。
楽しいクリスマス会
。 昨年12月15日は、アンドモアでクリスマス会があった。家内と二人で参加した。会場に到着すると、いつも私の身体の調子を診てくださっている理学療法士の野村さんがサンタクロースの衣装で私を会場へ案内してくださった。
クリスマス会は、なかなか充実したプログラムだった。スタッフは、ハンドベルの演奏やフラダンスを披露した(写真上2点)。始めに、たどたどしい“日本語”でガイダンスがあった。それが外国人の日本語に似ているので、日常を知っている参加者から笑いが起きた。お菓子のプレゼントは、すべてスタッフの手作りだという。
最後に、全員で「聖しこの夜」を合唱した。久しぶりに楽しいひと時を過ごした。
早くから対策を
最近、くにもとライフサポートクリニックでは、早くから(高齢になって体が動かなくなる前に)身体の調子を整えておきたい人のために、「メディカルフィットネス『にこっと』」を新設した。世の中には、身体の自由がきかない方々がたくさんいらっしゃる。『にこっと』には、筋力アップだけでなく、生活習慣病の予防と、改善、および健康維持、健康増進などを目的にしているという。私も、通いたかった施設だ。特に認知機能を守ることに力を入れているという。これは素晴らしいことだと思う。このほかにも、神経内科の医院のメリットを生かしたいろいろな内容がある。詳細は、ホームページなどを参考にしてほしい。http://www.mf-nicotto.com
さて、「アンドモア」にしても、「にこっと」にしても、ネーミングがおもしろい。ほかに「笑いヨガ」というのがある。「おとなの学校」の最後に、みんなで大笑いするのである。笑うことが体に良いということは、以前から知っていた。私の叔母が骨折したときに、担当医が苦笑いでもいいから笑って患者に接してほしいと言われたことがある。それ以来、笑いを心がけてきた。笑うと免疫力が高まるといことだ。これをヨガと結びつけたとろが流石である。何か新しいことをやるときには、それに名まえを付けて、取り組む人たちがそれを共有することが大切だ。
お『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.
最近のコメント