2009/11/30

’09夏の思い出 八ヶ岳山麓No.88

二重露出で葉に夏を焼き付けるHppb301695

 今年の夏は、山小屋のベランダにコクワガタが3匹も現れた。例年は1~2匹なので、異常な状況だ。3匹目が来たときは、驚喜した。コクワガタは貴重な昆虫だ。標高1400メートルの森では、めったにめぐり合わない。数が少ないだけでなく、存在感と風格がある。虫かごに入れて飼っていたが、夏の終わりに森へ放した。おそらく、今夏かぎりの出来事だろう。

Hpp8172171_2 オリンパスペンE-P1を使って「夏の思い出」を撮影した。夏に撮影しておいたコクワガタの写真(写真左)をパソコンで処理してシルエット調(ネガ)のプリントを作り、桜の紅葉と二重露出した。盛夏、コクワガタが元気に葉の上を歩き回るシーンをイメージした。思い出は、現在から過去を振り返ることだ。このようなモチーフでは二重露出のテクニックが有効だ。しかし、二重露出にかぎらず、撮影者のモチーフしだいで、写真は「過去」も「未来」も撮れる。Hppb301726_3どんな被写体にも過去と未来があり、私たち自身の心情も時の流れに従っているからだ。私たちは、常に過去から学び未来に期待する。「過去と未来」は撮影の重要なモチーフなのである。 参照:『理想的な多重露出撮影 横浜No.40』

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2009/10/02

国慶節…フォトレポート 横浜No.41

Hppa012926爆竹の音でレンズが壊れそう!!

 10月1日は、中華人民共和国の建国記念日(国慶節)だ。横浜中華街でも建国を祝う行事があった。パレード、獅子舞、龍舞などで中華街はにぎわった。私は、銅鑼と太鼓、爆竹のサウンドに興奮した。いつ聴いても、獅子舞のリズムは気持が良い。Hppa012985

 私は毎年、国慶節か双十節(中華民国-台湾-の建国記念日)のどちらかに撮影に行くことにしている。今年は、つごうで国慶節に出かけた。10月10日(土)には、双十節があり、ほぼ同じ催しがある。国慶節を写真でレポートしよう。

パレードの獅子舞は、観客とユーモラスな交流があった(写真上右)

パレードでは中華人民共和国の国旗と日章旗が振られていた(写真上左)

Hppa012980民族衣装の若者の演技がみごと。孫悟空か?

Hppa013005_2龍舞は見られなかったので、顔だけをアップで撮影した

Hppa013062_2獅子舞は、軒先に吊るされた祝儀袋(採青)を取るのが見せ場

獅子は太鼓と銅鑼のリズムに合わせて舞う。このリズムが、私にはたまらないHppa013029_2

Hppa011078爆竹の音は、レンズが壊れそうなほど凄まじい

Hppa013137私たちが夕食をとったレストランに獅子が入ってきた。思わぬハプニングで、異国情緒に酔いしれた

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2009/09/25

霧が丘写友会 写真展「自然の表情」

さまざまな表情を8つに分けるHpdm

 霧が丘写友会のメンバーは、いろいろな被写体にチャレンジしている。その中で、もっとも共通な被写体は「自然」である。そこで、自然を被写体に選んで写真展を開催することにした。しかし、自然を美しく撮った作品を並べただけではグループ展の意味がない。自然は多様な表情と状態を見せる。それは、「きれい」とか「美しい」といったひと言では片づけられないものだ。その表情を以下の8つのカテゴリーに分けて、展示することにした。「いのち」「盛衰」「輝き」「神秘」「不可解」「変身」「奔放」「優しさ」

Hpdm_2 このように整理すると、作品に撮影者のキャラクターが見えて興味深い。それは、メンバーそれぞれの自然観とも言える。ご高覧いただけたら幸いだ。

会場:横浜市都筑区総合庁舎1F・区民ホール

期日:9月25日(金)~30日(水) 10:00~16:00P9259101P9259098

Hpp9259093Hpp9259095_2

         

          

          

 私は、春の写真を2点を発表した。1点は、津久井湖畔で撮影した桜と菜の花の写真だ。草花が春爛漫を「謳歌」(写真下左)しているように感じたので「輝き」のカテゴリーに展示した。もう1点は、ヤナギ(クロヤナギと思われる)の花芽を撮影した写真だ。たくさんの毛虫が春の温もりに酔っているように見えたので「うごめき」(写真下右)とタイトルを付け、「変身」のカテゴリーに加えた。

Hpp5060273Hpp4040029_2

        

        

         

        

        

        

【補足】 展示会場は、都筑区総合庁舎のホールにある。通常のギャラリーと違い、鑑賞者は通りがかりの一般市民である。写真について造詣の浅い方もたくさんいらっしゃる。多くの素朴な質問があり、担当者はそれに応えるのに忙しかったようだ。しかし、これはギャラリーのあり方として健全な姿だと思う。写真関係者のみが来訪するギャラリーでは、写真の輪の広がりに限界があるのではないか。日本でも美術館やデパートの特設会場などが写真の普及に貢献しているが、もっとポピュラーな雰囲気で写真を“交流鑑賞”する場があってよいと思った。区民ホールは、照明などの観賞条件は良くないが、写真の内容やできばえはわかる。このような展示は写真界には必要だと感じた。

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2009/09/22

イワナとトリカブト 八ヶ岳山麓No.84

P9208934_2晩期の渓流釣り

 まもなく禁漁になる。秋もこのころになると、なんとなくやるせなさを感じる。禁漁とは、私にとっては、しばらく親友に会えないような状況である。名残惜しいが、来年2月16日(長野県の解禁日)にはまた会えるので、それほど深刻ではない。親友とのつきあいは、ときどき間をおいたほうがよいと思っている。P9208937長くつきあうと、自身も相手もぼろが出てくる。特に、私はスマートなつきあいが苦手なので、ある距離と時間をおいてつきあうほうが良いと思っている。イワナとのつきあいも同じだ。

 9月20日、入渓して竿を出そうとしたら、わきにトリカブトが咲いていた。今年はまだ見ていなかったので、コンパクトカメラ(オリンパスSP-350)を取り出して撮影した。いつものようにスーパーマクロモードで接近して、何回もシャッターをきった。シャッター速度が1/30秒以下なので、手ブレが心配だからだ。撮影を続けているうちに、マルハナバチと思われる昆虫が飛んできて花の中に入っていった。太った体で花の中に入るようすは、いかにも窮屈そうに見えた(写真上左)。ハチにはトリカブトの毒は効かないのだろう。しかし、私は、周囲に花粉が振りまかれるのではないかと警戒した。トリカブトは、それだけ不気味な雰囲気をたたている。

Hpp9208989 その日は、そこでミニサイズと18センチ(写真左)を釣っただけだった。トリカブトの撮影がおもしろかったので、満足な釣りだった。撮影と釣りは、対象とのやりとり、道具の操作、達成感などが共通である。

 1週間ほど前、林道を登って源流地帯に撮影に入った。砂防堰堤の小プールを望遠鏡で覗くと、2匹のイワナが悠然と泳いでいる。P9140203_2竿を持参していないし、好天の平水(溜まり水)では、たとえ竿を出してもまず釣れない。一眼レフに望遠レンズを付けて撮影した(写真右 部分拡大)。レンズの焦点距離と撮影距離から、サイズを計算した。目測の撮影距離なので、誤差を考慮すると体長25~27センチである。小渓流では大物に属する。来季を楽しみにして帰路についた。

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2009/09/09

理想的な多重露出撮影 横浜No.40

オリンパス ペンE-P1を使って考えたことHpp8250616_edited1

 デジタルカメラの重要なスペックとして多重露出機構を挙げることができる。今まで、ニコンとペンタックスがそれを採用してきたが、オリンパスも初めてペンE-P1に2重露出機構を採用した。重要だと言ったのは、これからの写真表現で、有効なテクニックになると考えているからだ。また、仕上がりを即確認できるデジタルカメラには搭載する価値があるスペックだ。写真上右 横浜開国博Y150の人気もの「ラ・マシン」)

 オリンパスの2重露出機構の特徴は、第2露出のとき、液晶モニター(ファインダー)に第1露出の画像がオーバーラップして見えることだ写真下参照)それにより、第1露出画像と第2露出画像の位置関係(フレーミング)を思いどおりに調節できる。Hpp9030811今まで多重露出撮影で最も困難とされていたことが解決された。多重露出では、第1露出と第2露出の露出バランスも難しい。しかし、フレーミングが思いどおりにできれば、露出のバランスに集中できるので、全体として2重撮影はかなりやさしくなったと言える。写真右上 2重露出で構成した恐竜と卵。下の写真は左から第1露出の恐竜、は第2露出時の液晶モニター、は第2露出の卵)

Hpp9030810_3Hpp9038416Hpp9030812

         

                                           

 今まで、多重露出という撮影テクニックは、軽んじられてきた。カメラが持っている可能性だけで、再現はもちろん表現には向かないと思われてきたのである。いわばカメラの「お遊び」と思われてきた。それにはわけがある。画面構成が思いどおりにできないうえに、偶然に頼る撮影だったからだ。加えて、セルフコッキング機構(多重露出防止機構)のなかった昔のカメラでは、2重露出は失敗の“最右翼”だった。そのためだろうか、正統派写真からは遠い存在であった。すなわち、写真の主流から外れた位置づけにあった。

 多重露出に対して通常の撮影をワンショット撮影ということにしよう。なぜワンショットでなければいけないのか。以前にも本ブログで触れたことがあるが、多重露出は写真の重要な視覚である。今から70年以上前にモホリー・ナギ(1895~1946年)は、8つの写真的視覚像の中の一つに「同時視(Simultaneous seeing)」を挙げている。多重露出や多重焼き付け(プリント)で、時間的、空間的に違ういくつかのシーンを一つの画面にまとめることの意義を指摘した。例えば、二つの時刻や場所を一つの画面で見せることができる。因果関係も一つの画面で表現できるかもしれない。Hpp8250716_edited1_2これにより、異次元の時間や空間を創造できる。これは一種のモンタージュで、大きなカメラアイになる。表現としての写真なら、どんな手段も許されてよいのではないか。多重露出に“写真”という手かせ足かせをはめる必要はないと考える。(写真上左 コスモワールドの観覧車)

 ワンショット撮影が限界にきているとは思わないが、さらに深い写真を追求するのであれば多重露出撮影を気にかけてもよいのではないか。オリンパス ペンE-P1の出現で多重露出は「お遊び」ではなくなった。構想やイメージしだいで画期的な作品ができるだろう。参照:米山明六の「多重・テーブルフォト・花たち」常設館豊田芳州のTheme「イルカのクリスマス 横浜No.17」

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2009/08/30

カメラ・ルーペで初秋を観察 八ヶ岳山麓No.83

標高1400メートルの林縁のようす                                     …コンパクトカメラシリーズ11Hpp8298242_edited1

 私は写真の味方である。ちょっときざな言い方だが、写真のためにひと肌脱げたらうれしい。私自身が写真で人生を充実させてきたので、その資格はあるだろう。写真のおもしろさを少しでも多くの人々に知っていただけたらと願っている。詳細については機会をあらためよう。

 カメラと写真に興味をもちはじめてから50年以上経った。いろいろなおもしろさを経験してきたが、ここ2、3年、写真に対する意識が変わってきた。自身が年を重ねたからなのか、カメラの進化が目覚ましいからか、撮影テクニックが多様化してきたからか、被写体に新鮮味が薄れたからか、Hpp82982715年前、10年前はもちろんのこと、20年前とは明らかに自身を取り巻く写真環境は変わった。それらが影響しているのであろう。

 自身がマンネリズムを感じているのも事実だ。そのようなとき、デジタルコンパクトカメラは新鮮な刺激を与えてくれた。写真がいままでの限界を超えたからだ。カメラとパソコンのデジタル技術のおかげだ。仕上がりの即時確認、感光材料の高感度化、柔軟な色温度(ホワイトバランス)の対応、カラー再現の多様化と自在化、コンパクトカメラの小型化と最短撮影距離の短縮、多重露出の表現性(いずれ解説する予定)などを挙げることができる。

 デジタルで、なぜ「コンパクト」なのか? 今までも、一眼レフとコンパクトカメラは別種の道具であると考えていた。また、フィルムカメラとデジタルカメラも別種の機材であると考えている。一眼レフからコンパクトへ、フィルム(アナログ)からデジタルへ、これは人間が使う道具の系統発生(進化)ではないか。レンジファインダーカメラ(ライカなど)から一眼レフへ移り変ったのも系統進化といえる。銅器から鉄器へ、木材からプラスティックへと人類の道具や素材が変わっていったのと同じであろう。Hpp8298233_edited1これは人間の脳内で起こる思考の宿命ではないか。最近の写真界の状況をそのようの感じている。

 アナログからデジタルへの変革は納得できるとしても、一眼レフからコンパクトへの移行はまだ未確定だ。しかし、近年のデジタルコンパクトカメラの性能を体験すればするほど、その予感がする。ところで、写真を取り巻く環境が大きく変わっているなかで、写真の評価体系も変わるべきなのだが…。

 今回は、デジタルコンパクト得意のマクロ撮影とトリミングで部分拡大を楽しんだ。すなわち虫眼鏡としてカメラを使った。カメラだけが被写体に近づけるので、昆虫などに逃げられる率が少ない。正確に撮影すれば、緻密な観察や種の同定ができる。デジタルコンパクトの魅力の一つだ。なお、写真はすべてオリンパスSP-350で撮影した。

ノハラアザミとスジボソヤマキチョウ(写真最上左) チョウは花に顔を突っ込み夢中で蜜を吸っていた

フシグロセンノウ(写真上右) 森の中ではひときわ目立つ。カメラを近づけると、ラフレシアのように見える花期は長いが、もう末期だ

カエル(写真上左) 池の浅瀬にいた。種は不詳。体長約3センチだった

Hpp8278174_2イワナ 20センチだった。口唇が野生のしぶとさを表している

シシウド 複散形花序の最先端(シュート頂)を撮影した。花火のようだ。先端部は進化中なので、進化の現場を押さえたことになるHpp8278212

ホタルブクロ レンズを花弁に近づけ、花芯をのぞき込んでみた。デジタルコンパクトならではの写真だ。蜜標のパターンが興味深いHpp8298295_3

ツリガネニンジン キキョウ科で花と根の形からこの名が付いた。この時期は残り花であるP8298246_2

ツバメオモトの実 ブルーダイヤモンドと言いたいHpp8318378_2

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2009/08/17

コンパクトカメラでアリを追跡 横浜No.39

驚異的なアリのパワー…コンパクトカメラシリーズ10Hpp8097564

 先日、犬の散歩中に、アリがセミの羽を運んでいる場面を見つけた(写真右 住宅の壁際で運ぶアリ)。体長の45倍はある羽根を口でくわえて運んでいる。セミの羽がヨットの帆のように見えたので気づいた。地面を引きずっている場面は以前見たことはあるが、持ち(くわえ)運んでいるのは珍しい。すぐ自宅からデジタルコンパクトカメラを持ってきて撮影を始めた。アリは路面を歩くだけでなく、建物の垂直の壁もトラバース(横歩き)しながら運んでいる(写真下左右)。巣までの距離約8メートルを約10分間で追跡した。そのパワーに感心する一方、中腰で撮影し続ける自身の持久力の無さを悔やんだ。

 アリの仕事を人間の運動量に換算してみた。運んでいるセミの羽根の長さはアリの体長(約8ミリ)の4倍、重量は2倍としよう(少なめに見積もった)。Hpp8097578Hpp8097609巣までの距離は約8メートルあった。私自身の身長や体重からアリの運動量を換算すると、私は、長さ6.7メートル、重量120キログラムの荷物を運ぶことになる。8メートルはアリの体長の1000倍のなので、私の身長から換算すると約1.6キロメートルになる。120キロの荷物を1.6キロメートル、8分で運ぶのは、もちろん不可能だ。しかも、アリは口でくわえ持ち上げている。もちろん脚力もすごい。これは無意味な比較のように思えるが、荒唐無稽とも言えないのではないか。人間にはそれだけの可能性があるのかもしれない。まずは、アリのパワーをたたえたい。

 今年は、7月下旬から8月上旬にかけてセミが大発生(羽化)していた。時期が集中しているだけなのか、今年はあきらかに鳴き声が耳に障る。特にミンミンゼミの声や姿が目だつ。朝4時ごろからなき始め、夜に入ってもときどき鳴き声が聞こえた。梅雨明けがはっきりせず、晴れ間が少なかったせいか、セミにとっては秋が早く来そうな予感があったのかもしれない。羽化するチャンスを逃してはいけないと思って、このような事態になったのか。(写真下右は、餌を運び込んだ巣)Hpp8097615

 これを喜んでいるのは、アリやカラスだ。路上には、セミの死骸がたくさん転がっている。車輪でつぶされたものもある。それらはアリにとっては、おそらくご馳走だろう。体内が共鳴箱のようにがらんどうなセミでも、カラスにとっては餌になるようだ。生きているセミを追いかけている場面も観察した。餌が豊富になると、カラスやアリに限らず、地域の生態系が変わるかもしれない。当然、繁殖の機会も増えたのではないか。幼虫が地中で過ごす数年後に、また同じ事態が起こるのだろうか。

                                

 撮影にはオリンパスSP-350(デジタルコンパクトカメラ)を使った。50カット以上は撮影しただろうか。AFはスーパーマクロモードで、ほとんどカメラ任せである。ときどきターゲットAFを選んだ。ローポジションなので液晶パネルを斜め上からのぞき込む。Hpimg しかし、だいたいのフレーミングはわかる。アリに声援を送りながら愉快な撮影だった。【補足】近くに住む奥健太郎君が撮影した、羽化のシーンを紹介する。(写真左)(参照:「写真自由主義 八ケ岳山麓No.78」 「森林浴のシーズン 八ケ岳山麓No.76」)

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2009/08/03

森の中で最先端カメラを使う 八ケ岳山麓No.81

Hpp7310015オリンパス ペンE-P1試用記

 八ケ岳山麓でも、どんよりとした曇天と雨が続いている。ときどき気が変わったように日が射すが、長続きしない。8月1日は、家内が収穫したジャガイモを天日にさらして表面の土を乾かした。梅干の天日干しも少しできた。渓流釣りは全天候の遊びだが、気も足も渓流には向かない。本格的な夏が待ち遠しい。部屋でモーツァルトを聴いていると、外でウグイスが調子を合わせているように鳴く。天才の音楽は野鳥にも通じるところがあるのかもしれない。部屋にいると、ついパソコンに向かってしまう。これは足の衰えに結びつくだけでなく、思考の偏りになる。私は屋外で、外界と五感でつき合わないと気がすまない。カメラと釣竿は、外界とつき合うときの道具だ。できれば五感でつき合いたい。(写真上 オリンパス ペンE-P1で撮影したホタルブクロ)

Hpp8027527_3Hpp8027530_5 最新型のカメラ、オリンパスPEN E-P1MズイコーデジタルED1442ミリF3.55.6付き)を入手した。オリンパスEシリーズの一眼レフとコンパクトカメラSP-350(私の愛用機)の中間のカメラといっていいだろう。近未来のカメラだと思っている。多機能なので簡単には説明できないが、私にとって大きな特徴だけを挙げてみる。①ミラーと光学ファインダーをなくし、液晶パネルによるライブビュー撮影 ②一眼レフと同等の高画質でありながら超小型(レンズ交換式デジタルカメラでは世界最小) ③多重露出機能 ④動画・音声機能 ⑤フラッシュを外したこと ⑥沈胴式の標準ズームレンズ(写真上 左が沈胴収納状態、右が使用状態) ⑦記録メディアがSDカードになったこと(オリンパスは従来、CFxDピクチャーカード) ⑧優れた撮像素子クリーニング機構、ぐらいだろうか。Hpp8027533 使い心地は、今まで使ってきた一眼レフのEシリーズとSP-350を合わせたフィーリングだが、戸惑うぐらい多機能だ。

 つねづね主張しているのだが、液晶パネルによるライブビュー撮影は、被写体に優しい。銃を構えるような光学ファインダーの撮影に比べ、被写体はカメラを警戒しない。これは人物撮影に限らず、草花や昆虫に対しても同じだと確信する。多重露出は、これから重要になると想像できるスペックなのでうれしい。いままでも撮像素子のゴミはまったく気にならなかったので安心して使える。オリンパスは、ミラーがなくなったので、「デジタル一眼カメラ」(「レフ」を省略)といっているが「一眼」も必要ないと思う。(写真右上 ボディ背面、液晶パネルはスーパーコンパネ表示)

Hpp7310034 山小屋周辺の散歩道で初めて使ってみた。もっとも重要なのはピント合わせだ。撮像素子がマイクロフォーサーズ(17.3×13.0ミリ)とはいえ、コンパクトカメラほど被写界深度は深くない。カメラのAF任せ(オールターゲットAFモード)でバチバチシャッターをきってよいのか心配だった。ウルシの実にピントを合わせたいとき、左手前の葉に合ってしまった(写真上左)。これは当然の結果だ。葉より実のほうが重要だということは、カメラはわからない。それは私の個性であり、主張であり、イメージだからだ。Hpp7310074すなわち、私の脳の中をカメラは知ることができないのである。コンパクトカメラなら深度内におさまるので気にしないのだが、E-P1では気になる。そこで、シングルターゲットAFモードに切り替え、葉の奥にある実にターゲットを合わせて撮影した。シングルターゲットAFモードは、SP-350で百戦錬磨なので簡単である。とりあえずAFの感触は満足できる。

 次にアサギマダラを撮影した。装着レンズは、1442ミリ(35ミリ判換算 2884ミリ)なので、遠くの昆虫をアップには撮影できない。ズームレンズを42ミリに設定し、シングルターゲットAFモードでアサギマダラにターゲットを合わせて撮影した。その約1/5部分(長辺比)を拡大して掲載する(写真右上)。目の前にあるコオニユリも、画角を望遠側にセットしてアップで撮影した(写真右)Hpp7310096ターゲットを花芯に合わせレリーズするだけでこのような画面ができる。渓流にも初めてE-P1を持ち込んだ。ISO1600でもカメラを信頼して撮れるので、暗い森の中ではSP-350より有利だった。カメラ操作はまだ不慣れだが、新鮮な気持ちで撮影できた。

Hpp8020200『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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2009/07/02

写真自由主義 八ケ岳山麓No.78

自然が身近になった…コンパクトカメラシリーズ9Hpp6206545

 最近は、デジタル・コンパクトカメラを携帯していないと不安である。フィルム一眼レフで撮影しても、同時に撮影したデジタル写真で仕上がりをほぼ確認できるので安心だ。また、デジタルコンパクトの性能が高く、十分な写真が撮れる。今までに写真展に半切の作品を何点も出展している。撮影直後に写りを確認できるので、常時携帯の意義が一段と高まった。一眼レフがなくても、フルタイムで作品を作れる態勢になったのがうれしい。

Hpp6065954 デジタルコンパクトの長所は接近能力にある。撮影では、カメラを上下/左右/前後、自由に動かしたい。しかし、一般にレンズには最短撮影距離という規制があり、被写体に近づくこと(前後の動き)には限界がある。ところが、デジタルコンパクトは、レンズ直前2~3センチまでピントが合う。近づくことで、写真が新鮮で生き生きしてくる。これは、私たちの日常にはない視覚だからだ。コンパクトカメラを持つことで、自然がより身近になった。

 散歩道の撮影が楽しい。気に入った写真がたくさん撮れるからだ。一眼レフの撮影ほど身構えないせいか、被写体がよく見える。何でも撮ってやろうという攻めの姿勢と、失敗してもかまわないという気安さが良い結果を生む。失敗したら何度でも撮りなおす。コンパクトカメラを持っていると何か解放されたような気になる。写真自由主義の到来だ。

ハンショウヅル(写真上右) 散歩道から少し外れたところで撮影。近所の人が教えてくれた

レンゲツツジ(写真上左) 放射方向に咲き並んだ花冠は昆虫を誘うのに有利なのだろうか

Hpp6065820_2モミの若葉 砲弾型の先端部が葉になる。画面上部の濃緑は昨年の葉だ。モミの葉の進化がうかがえる

Hpp6065785クロマツの花 今までじっくり観察したことがなかった。裸子植物の構造を観察できる

Hpp6066148ワラビの先端部 ワラビ(シダ)は裸子植物よりさらに原始的な植物だ。葉を広げようとしてうごめいているようすは進化の縮図である

Hpp6206462_2コガネムシ科の甲虫(正確な名まえは不詳) 触角を振りかざして葉の上を元気に歩き回っていた。デジタルコンパクトならではの臨場感だ

Hpp6065967_2虫こぶ はじめは何かの果実かと思った。虫こぶは、昆虫や線虫類が寄生して植物が異常に変形したものだ。直径3センチぐらいの球状だった

Hpp6216621_2水滴 雨上がりに撮影した。被写界深度が大きいデジタルコンパクトならではの写り方だ

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2009/06/30

初夏の大物釣行記 八ケ岳山麓No.77

三度目の正直で釣った27センチHp090621p6216668_2

 ブログにはいろいろな目的や意義がある。私の主意はプロフィールに書いているが、自慢話もそれに加えたい一つだ。私は、ふだん自慢話はしないことにしているが、ブログでは控えないことにしている。ブログはミニコミであるうえに、読んでくれる人は気心が知れているので、「ア、いつもの話だ」と無視してくれるだろう。また、検索などで私のページへいらした方には、とりとめもない話に、すぐ退散するであろう。

 自慢話をすることは、精神の健康につながるのではないか。自慢の事実を思い出しながらにんまりすることは心地よい。逆の立場に立つと、おもしろい自慢話は歓迎だが、それはめったにない。私も、他人にはつまらない自慢話をしよう。

 6月21日は、午前中、雨だった。夕方、渓流へ入ったが、やや増水という感じだ。水は澄んでいる。つりには絶好の条件だ。増水による笹濁りは釣果に結びつくかもしれないが、釣り人にとっては、やや姑息な手段である。Hpp6216644_4なぜなら、相手を煙に巻いて切りつけるようなものだからだ(もちろん水を濁すような行為はしたことはない)。澄んでいれば、魚と対等に渡り合える。森には低い日ざしが入り、影をとられやすい。真剣勝負には願ってもない条件だ。

 小さな落ち込みで12センチのイワナが釣れた。すぐ放流し、1段上の中渕へ移って15センチが釣れた。針を外そうとして竿を倒し、先端から2段目を折ってしまった。今日は中止しようかと思ったが、少しでも初夏の渓流に立っていたかったので、竿の折れ目を粘着テープで補強して上流へ向かった。雨上がりの渓流は実に気持ちが良い。それに、魚の出方が活発だ。先行者は入っていないし、どこでも釣れそうだ。

 実績のある大渕に出た。ポイントはたくさんあるが、まず渕尻へ餌を投げた。先行者がいないとき、盛期の魚は渕尻で流れてくる餌を待っている。今まで近づきすぎて渕尻から魚が逃げる場面はしばしば見てきた。渕尻から攻めるのは定石だ。腰を低く構えた1投目で魚が戯れている手ごたえを感じた。軽くあわせると強烈な引きで抵抗された。魚は対岸へ逃げようと必死だ。手前に引き寄せられない。折れた竿は完全な調子ではないので、力任せにはできない。2分ぐらいやり取りしてからハリスを切られて逃げられた。

Hpp6216683_2 イワナは、一度バレてもまた餌を追ってくる。針と餌を新しくして再度振り込んだ。前回よりは渕の奥、落ち込み(小さな滝)近くだ。そこからゆっくりと手前にナチュラルドリフトする。目印に変化が出た。あきらかに食っている。ゆっくり合わせたが、竿が弓なりになるほどの引きだった。魚は対岸のぶっつけ(写真上左の右部の岩)に向かって引いていく。水面下には絶好の隠れ家があるのだろう。いつも誘いをかけていた場所だ。読みは当たっていた。そこに引き込まれないよう懸命に竿を立てた。しかし、急に竿が空を切った。ハリスを切られて、またバレた。あきらかに同じ魚だ。

 もう一度チャレンジするために、針を大きくしハリスも太くした。食いついたところは渕のほぼ中央だった。やはり強引な暴れ方だ。ランディングネットは持参していないので、岸に引き寄せることは難しいと判断し、強引に抜き上げた。アユ釣り師が魚を取り込むやり方だ。落ち葉の上にズシッと落ちたのは約27センチのイワナだった。撮影はたいへんだった。静かになったと思ってカメラを構えると、思い出したように暴れだす。実は夕食のおかずを釣りに来たのだが、撮影しているうちに食べる気がしなくなり、放流した。大きな魚には情が移るのである。この勝負、後味の悪い勝ち方だった。

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