2017/03/20

2017年3月中旬の森の生活 八ヶ岳山麓No.206

★八ヶ岳山麓の現状
 3月12日、約2か月半ぶりに八ヶ岳山麓を訪れた。冬の期間、山小屋の周囲は厳しい寒気に襲われる。そこで、暖房用の燃料費を節約しようと、山小屋生活を自己規制した。Hpp3170186_2その結果、氷の撮影と初期の渓流釣りを断念した。不在中の最低気温はマイナス15.2度Cだった(写真)。この最低気温は、私にとっては意外だ。もっと寒いのではないかと思っていた。Hp313_p3131680_3
 往路途中の清里・シーニックデッキでシカの歓迎を受けた(写真)。山小屋へ到着。この時期としては暖かな日和だった。141号線に設置してある野辺山の気温表示には2℃と表示されていた(写真)。氷点下でないのがありがたかった。なにしろ、山小屋生活の初日は寒い。燃料費のほとんどを、小屋を温めるのに使ってしまうからだ。Hpp3151832しかし、日差しが高く、長くなっているのが、春の訪れを感じさせる。
 翌々日、窓を開けると雪景色だった。ベランダの手すりに積もった雪から、積雪は10センチぐらいと推測した(写真)。しかし、日中の日差しでほとんど消えてしまった。

★清里・モリモトのランチ
 14日は、さっそく清里へ出かけ、モリモトのランチを食べた。イチローそっくりのマスターが出て来たのであいさつをした。最近は、この店の常連に名を連ねたのかもしれない。Hpp3141773この日に食べたランチコースの前菜は、『花豆のスープ』と『自家製ハムを添えた野菜サラダ』、『清里マスのカルパッチョ』をワンディッシュに盛りつけたものだ。メインディッシュは、オイルベースの『香川県産のマテ貝とプチベールのスパゲッティ ゆずこしょう風味』だ。一口食べると、ほのかなユズの香りが口いっぱいに広がる。マテ貝は、今までに食べたことがない。Hp_p3141776_2同じ貝類のボンゴレやムール貝とは違った味覚だ。マテ貝の心地よい食感は、アルデンテのパスタとハーモニーを作る。デザートは、『吉澤さんちの花豆と地どり卵のカタラーナ』だった。平べったいお皿に固められたプリン状のもので、表面をこんがりと焼いたお菓子だ。Hpp3141786中央に生クリームと花豆をアレンジしてある。焼き跡がサクサクしていて香ばしい。いつもながら満足できるランチだった。
 最近は、清里観光のお客もここモリモトを目ざしてやって来るようだ。もともと、地元の人気店だったよううだが、観光客にも知名度が高くなってきたのだろう。

★シカの歓迎
 シカの展望台シーニックデッキへ車を止めて観察した。約30頭がわれわれのシーズンインの歓迎してくれた。Hpp3131656

★ベランダに現れたテン
 3月16日もわずかな積雪があった。ベランダの雪面に大きな足跡がある。かなり大きな肉球を持った動物だ。夜中にベランダを歩き回ってから帰ったようだHpp3160084_2Hp_p3160080

★カエデの落ち葉
 もっとも早く芽を出すカタクリやギョウジャニンニクを探したが、みつからなかった。その代わりに林床をおおっているカエデの枯れ葉を撮影した。Hpp3151908_2

★氷シーズンの終焉
 3月19日、散歩道から渓流をのぞいてみた。渓流の氷はほとんど解けて消えている。わずかに残った氷の末路を見届けた。この氷(写真)の成り立ちは、渓流におおい被った倒木から垂れ下がった氷柱が発達して(太くなり)カーテンのようにつながったと考えられる。そこに、飛沫が当たり、ますます厚みのある壁になったようだ。Hpp3190130_2

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Hpp3190132大きな氷は、なかなか解けないので、現在まで残っていたのだろう。 さて、氷をつなぎ留めている倒木と氷が離れそうなので、その瞬間を撮ろとシャッターチャンスを待つことにした。3カットの写真は、氷のシーズンの幕引きを象徴しているといえよう。

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2016/10/30

2016年千葉大学スキー部OB会

築地・江戸銀で開催…フォト・アルバム

 今年の大OB会は、10月16日に「築地・江戸銀」で開催された。Hppa169007
 千葉大スキー部OB会は二つある。一つは、発足当時の中高年メンバーだけで構成されたOB会である。もう一つは、現在も新会員が毎年入会してくる現役スキー部に支えられたOB会だ。前者を「大OB会」とするなら、後者を「正OB会」と呼ぶべきだろう。もちろん、大OB会のメンバーは、正OB会のメンバーでもある。

 約50年前、卒業したスキー部員の有志が集まり、ホームゲレンデである妙高高原に山小屋を建てた。将来にわたってスキーのトレーニングと親交を深めたいという希望を実現したものだった。そのメンバーが中心になって大OB会が結成され、現在も続いている。合宿やスキーツアーなどで、同じ釜の飯を食った仲間だけに、深い親交と硬い信頼で結ばれている。私にとって大OB会は、いまや心の糧である。Hppa169024

 江戸銀は、築地場外にある。築地場内市場の移転が問題になっているが、場外市場はほとんど残るらしい。それは当然だろう。築地というブランドは大きい。最近、我が生活圏内にできた2件の寿司屋の店名にも、築地という字が冠に乗っている。築地と聞いただけで、新鮮と伝統のようなものを感じる。簡単に離れることはできない土地である。

 築地・江戸銀の創業は大正13年(1924年)である。大OB会の倍のキャリアを誇る。料理はすべておいしかった。また、店員の気持ち良い対応はさすがだった。おかげで、年に一度の親睦会を愉快に過ごすことができた。当日の模様をフォト・アルバムとして掲載する。

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●T氏とF氏が、富良野スキーツアーの思い出話に火を付けた。当時のプリントを見ながら盛り上がった(写真上)

Hppa169035_2Hppa169039Hppa169043Hppa169114●おいしい料理に満足。 お造り、フグのから揚げ、手長海老のから揚げ、握り寿司など(写真上)

Hpimg_edited1Hppa169127●会場での記念撮影。仲居さんにカメラの使い方を指導するK氏(写真上)

Hp2pa169133●記念撮影は、屋外でも行われた

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2016/09/18

秋の探訪 八ヶ岳山麓No.202

〔キノコがいっぱい〕 9月16日、山小屋の最低気温は14度C、正午の気温が18度Cだった。秋が深まりつつあるが、まだ寒さを感じない。Hpp9140345_2山小屋周辺の林床は、いたるところにキノコが発生している。雨が多いからだろか。ここ2、3日はキノコの撮影に終始したすべてオリンパス スタイラス1sで撮影した。Hpp9150588Hpp9140336_2





   

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〔パスタが美味い〕
 ランチを食べに清里へ出かけた。清里へ出かけるときは、ほとんどMoRimoTo(モリモト)のパスタを食べることにしている。以前にも書いたように、私はもともとパスタは口に合わなかったので、はじめは家内を立てて出かけていた。しかし、このごろは率先してパスタにしている。MoRimoToのパスタは、実に美味い。私の舌は贅沢にできているのか、どんな食べ物でも、食べている途中から飽きてしまう。ところがMoRimoToのパスタは、途中から味が変わったかのように美味くなる。

 今日は、『ホタテとオクラのオイルベース カラスミ添え』にした。前菜は、無農薬ニンジンのスープ、自家製ハムとレタスのサラダ、Hp201609162040000
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清里サーモンのカルパッチョ。ニンジンのスープは格別だった。前菜とコーヒー(ドリンク)付き1,500円(写真参照 ケイタイで撮影)

〔シカを観察〕 シカの展望台(シーニックデッキ)へ行くと、たくさんのシカが出ていた。舞台裏から登場するもの、左の“袖”へ隠れるもなど“ステージ”は、にぎわっていた。Hpp9160796P9160807_3
Hpp9160812珍しく大きな角のあるオスジカがいた。角が重そうな素振りだった。シカたちのパーティーか集会があるように見えた。オリンパス スタイラス1sのデジタルテレコン(600ミリ)で撮影した。

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2016/04/15

ドイツよりドイツ的なつばめグリル ドイツNo.143

 エルディンガーのヴァイスビールを飲んで、ニシンの酢漬けを食べると、ハンブルグ港のカモメの鳴き声が聞こえてきた。今日は、デザートも。つばめグリルのイチゴのベイクドチーズケーキはドイツのよりおいしい。(携帯電話で撮影)201604151813000_3
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2015/08/25

キャンドル・ライト・ナイト 八ヶ岳山麓No.182

蓼科の“真夏の夜の夢”

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 蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデンへ出かけるのは、今年になって4回目だ。そこでは、
いつも豊かな気分になれるので、好んで出かけている。なにしろ、花がきれいだ。ガーデン内には、豊富な種類の花が咲き競い、冬以外に端境期というのがない。Hpp8220047_2それにときどき(イベント期間中)、音楽の生演奏が加わる。花を愛でながら、音楽が聴けるのだ。私は、視覚と嗅覚に加え聴覚を刺激しながら撮影ができる。なんとぜいたくなことではないだろうか。写真上左 点火を待つキャンドル)

 822日に蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデンで「キャンドル ライト ナイト ディナー」(写真下右のチラシ参照 ポップアップ可)という有料のイベントがあった。Hpimg_3夜、庭園内をキャンドルで飾り、幻想的な雰囲気の中で、音楽やディナーを楽しもうという企画だ。私たちは初めて参加した。18時の開催時刻前にバラクラに到着し、撮影のロケハンを兼ねて園内を歩いてみた。Hpp8220112いたるところに、キャンドルスタンドやランタンが置かれ、点火を待っている。定刻の18時が来て、いよいよキャンドルに火がともる。点火するのは、蓼科バラクライングリッシュガーデンのヘッドガーデナーのフィッシャー・アンドリュー氏だ(写真上左)点灯と同時にウエルカムドリンクが配られた。これは「ヒムズ」という英国で人気がある夏の飲みものだという。素材はよくはわからないが、香辛料の利いたリキュールに果実や野菜などが入っている。オレンジHpp8220129_2Hpp8220134、リンゴ、トマト、キュウリ、ハーブなどを入れたカクテルのような飲み物だ(写真上2点)ひと口飲むと何とも言えない刺激が口内に走った。独特の舌触りと香りは、これから目の前に展開する雰囲気を予感させた。

 夕闇が迫るころ、ガーデン内の一角から柔らかな音色が流れてきた。当日のエンターテインメント、スティーブ・ターナー氏のサキソフォーン演奏が始まった。Hpp8220170_edited1演奏会場へ行ってみると、ダンスを踊る参加者がいる。私はダンスができないので、曲を聴きながら園内を撮影した。演奏が終わると、ディナータイムだ。庭園内のレストラン・ジャルディーノでコース料理を楽しんだ。同席のカップルは機知に富んだ話題が豊富な方なので、愉快なひと時を過ごすことができた。さて、シェークスピアの喜劇「真夏の夜の夢」にメンデルスゾーンが作曲した付帯音楽がある。私は、Hpp8220217_2Hpp8220201_2喜劇の筋書きは知らないが、音楽のほうは知っている。蓼科で過ごした夏の宵は、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のような気がした。なお、スティーブ・ターナー(Steve Turner)氏は、著名なサックスプレーヤーである。

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2015/04/15

2015年4月中旬の森のようす 八ヶ岳山麓No.174

八ヶ岳山麓で春の息吹を感じるHpp4147940

Hpp4137868
 Hpp41479214月13日は、朝、雨からみぞれに変わり、すぐ雪に変わった。山麓には珍しい大きな牡丹雪が降り、みるみるにうちに枯草の地面は真っ白になった。しかし、夜の雨で、翌朝にはほぼ融けていた。Hpp4147942ギョウジャニンニクの若葉が濡れて青々としている。カタクリの花芽も元気いっぱいだ。おそい八ヶ岳山麓の春の息吹を撮影した。

 14日は、撮影後、清里のレストラン「MoRimoTo」(モリモト)へランチに出かけた。モリモトは、パスタと肴を売りにした店で、パスタは格別に美味い。パスタが苦手な私にも十分満足できる。ランチには、しばしば季節の素材を生かしたメニューがある。私たちは、「筍とエビのパスタ」をオーダーしたHpp4147998_2Hpp4148005_4Hpp4148010_3イルベースの味で、旬を堪能した。前菜とコーヒーがセットで1,500円だ。夜は、パブになるらしい。シェフは楽器を演奏する。

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2013/12/02

写真展とジビエの冬祭り 八ヶ岳山麓No.157

初冬の楽しみ

Hppb308390 11月下旬、八ケ岳の東麓は冬景色である。わずかにカラマツの黄葉が残っているのが秋の名残を感じさせる。12月1日、渓流沿いの散歩道からは氷柱や氷塊が観察された。湖面は全面結氷していた。11月下旬の楽しみをレポートする。 (写真上は11月30日の八ヶ岳連峰)Hpimg_0002

 清里フォトアートミュージアム(K MoPA 写真下左)は、しばしば良質な企画展を開催している。現在、「森ヲ思フ」という3人展が開催されている。作者は、ウィン・バロック、志鎌 猛、宮崎 学の3人だ。11月23日、写真展のタイトルと写真家の名まえに惹かれて同館を訪れた。3人の作品はそれぞれ別のカテゴリーに分けて展示されていた。ウィン・バロックは「森ノ光ヲ思フ」、志鎌 猛は「森ノ水ヲ思フ」、宮崎学は「森ノ命ヲ思フ」というコーナーを構成している。Hppb238350_2Hppampb238347_2時代や世代、作風の違う写真家の作品を「森」という撮影地でくくった展示は新鮮だった。同展は12月23日まで開催されている。(写真上右は、11月23日現在の清里フォトミュージアムの黄葉)

Hpimg_0001 11月24日は、清里・萌木の村で「八ヶ岳、お酒とジビエの冬祭り」が開催された。こちらは、お酒とジビエに惹かれて訪れた。「ジビエ(gibier)」とはフランス語で、狩猟の対象となる野生の鳥獣とその肉のことだ。Hppb240796_3西欧では狩猟や獲物の肉を食べることがポピュラーなのだろか。しかし、日本でも最近注目されたきた。一方、自然界全体が放射能の影響を受けややブレーキがかかっているようだ。八ケ岳山麓で生活すると野生動物のことが気になる。山小屋の周囲には食べられる野生動物がたくさんいる。シカ、イノシシ、クマ?、ウサギ、ヤマドリ、キジなどだ。特にシカは、害獣として敬遠しているが、肉は上等だと聞いている。Hppb240790Hppb240768興味半分と食欲で会場を訪ねた。会場は大きな焚火を囲むように食卓が設けられ、さらにその外回りを売店が取り囲んでいる。参加者は、まず食券(トレー付き)を買う。この食券をもって売店へ行く。メニューはさまざまだ。私たちは、イノシシ鍋、シカ肉のウインナーソーセージ、ロースト・シカ肉のオープンサンド、シカ肉のカツカレー(写真上2点)、シカ肉の田舎風パテなどを注文した。Hppb240780Hppb240809シカのもも肉を焼いているところ(写真上左)や、イノシシの生ハムをスライスしている場面(写真上右)には、ジビエらしい生々しさを感じた。私は、車での移動なのでノンアルコールの赤ワインで我慢した。厳しい冬をひかえて過ごした野趣あふれる半日だった。今年は2回目の開催だというが、来年が楽しみだ。

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2012/12/15

ノーベル賞のメダルチョコ

EUの平和賞 受賞は納得できるHppa126299

 スウェーデンのストックホルムにあるノーベル博物館には付属のカフェがあるそうだ。そこで「ノーベルアイス」を食べると、アイスクリームの上にノーベル賞のメダルをかたどったチョコレートが乗っているという。付属のショップではチョコレートだけも販売されているそうだ。私がおみやげにいただいたチョコレートと同じだ(写真右)。山中教授が買ったといわれるメダル・チョコも同じらしい。このレポートは、他人から聞いた話とネットからの取材だ。メダルチョコを紹介しよう。

 このたび、EU(ヨーロッパ連合)がノーベル平和賞を受賞した。賛否両論があるようだが、私は納得できる。ローマ時代(紀元前)以来、ヨーロッパは、多くの民族が離散集合して争い、そのバランスのうえに成り立ってきた。Hpp6083863Hppa126309そこに貫かれているのは国家ローマ(王政、共和政、帝政)の寛容の精神だと思う。ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は、それを実践した典型的人物だった(「ローマ人の物語」塩野七生 著より)。異質な民族が一つの共同体を形成するのに、もっとも必要なものは寛容である。この寛容の精神が評価されたのが、今回の受賞のような気がする。EU結成は、ローマの寛容が具現した一つだといえないか。EUの未来は安寧ではないだろうが、この受賞がきっかけになって進展するであろう。ノーベル賞にはこのような側面がある。きっと、カエサルは草葉の陰で喜んでいるにちがいない。(写真上左は、ドイツ・ツェレ駅前でなびくEU加盟国の旗。同右はTV報道)

参照:『ニュルンベルグの城壁 ドイツNo.109』

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2012/11/14

屋外の食卓にこだわる ドイツNo.126

風雨や寒さにめげないHpp6044745

 ドイツの町を歩くと、レストランやカフェが歩道や広場に食卓を並べて営業しているのが目につく。私たち日本人には、通行妨害や交通違反ではないかと思われる状況もある。もちろん、使用許可を得ているのであろう。当局の柔軟性も感じる。一方、レストランやカフェへ入り、屋外が満席だと、Hpp6073514_2店員は申しわけなさそうに「室内なら席はありますよ、どうしますか」と聞かれる。レストランやカフェの食卓は屋外から埋まっていくのである。外の席は人気が高いのだ。(写真上右 ミュンヘンのヴィクトエーリエン・マルクトの午後。写真左 ツェレのゼルナー通りの午後)

 多少の風雨でもこの傾向は変わらない。ニュルンベルグとリューベックで、カップル用の屋根付きロマンスシートを見つけた(写真下2点)。雨や風を避けるために室内に入るのではなく、屋外で過ごす選択肢があるのだ。さらにドイツ人は、氷点下の気温でも屋外を好むときがある。Hpp5315478Hpp6106527厳冬の2月、のシュツットガルト・ケーニッヒ通りのレストランでは、防寒用の毛布を準備してお客を待っていた(写真下左は6月のツェレ。当時は横浜の真冬と同じぐらいの寒さだった)。また、厳冬のゲンゲンバッハの路地では、店先にテントを張って食卓を並べていた(写真下右)。なぜ、ドイツ人は屋外で食事をしたがるのだろうか。

 ゲルマン民族にそのような習慣があるのではないかと、タキトゥス(AD 55年頃~115頃年)の「ゲルマーニア」(AD 98年頃 泉井久之助訳註 岩波文庫)を調べたが、特にそれには触れてはいないようだ。Hpp6073488ただ、「ゲルマーニア」には、食卓のようすが書かれている。「ひとりびとりに別々の座席と、めいめいにその卓(つくえ)がある」とあり、それに対する訳者註釈に「食事の際に据える卓子は、小さい台架の上に板をのせたもの。この板が同時に食物を受ける皿になっていた。したがってゲルマーニアにおいては、卓と皿とを意味する語に、本来、Hpp2200050区別がない」と解説されている。すなわち、食卓は台の上に置いた板で、それが皿を兼ねていたというのだ。板に直接、食べ物を乗せて食べていたことになる。この簡便性が、屋外で食事をとるという趣向につながったのかもしれない。

 紀元前後のゲルマーニア(ほぼ現在のドイツ領)は、昼なお暗い森林(シュバルツバルト)でおおわれていた。原始的な灯火しかない家の中よりは、少しでも明るい屋外を好んで食事をとったのではないか。Hpp6094597Hpp6016062さもなければ、ゲルマン民族の文明化に多大な影響を及ぼしたローマ人たちの習慣が伝わったのかもしれない。(写真上左 屋外の席でサッカーを観戦〈ハンブルグ市内〉。写真上右 風でメニューが吹き飛ばないように石を置く〈リューベック〉)

 なにしろドイツ人は屋外で食事をしたり喫茶を楽しむのが好きである。ドイツ国内を列車で移動すると、車窓から家々の庭先が見える。そこには、しばしば食卓とベンチが置かれている。Hpp6123169屋外の食事は、日常生活に定着していることはまちがいない。そこで、私たちもそれをまねして、八ヶ岳山麓の山小屋ではできるだけベランダで食事や喫茶を楽しむことにしている。写真右 ニュルンベルグ・カイザーブルグ付近のレストラン)

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2012/09/03

ビールが安い!! ドイツNo.125

缶ビール(500ml) 1本80円Hp2p6063157_2
 私は、「コーヒーとビールとカメラがあれば生きていける」と大言壮語している。コーヒーは仕事の友、ビールは余暇の友、カメラは人生の友である。ドイツでは、コーヒーを朝食時に3杯、ランチに1杯飲む。ランチはケーキとコーヒーで済ますことが多い。朝食をいっぱい食べるのであまり腹がすかないのと、夕食のビールを少しでもうまくするためだ。経費節減も兼ねている。毎日の撮影では、足が棒になるほど歩く。うまいビールを飲むためである。好きな被写体を撮影しながら好きな飲みものを味わえるので、ドイツの生活は快適である。

Hpimg ドイツではビールが安い。ツェレで夕食用に500ml(0.5l)のビール2缶(写真上右)を買った。1.34ユーロだった(写真左 レシート参照)。1.34ユーロは、今の為替レートで133円足らずである。日本の500ml缶発泡酒1本分の価格にも満たない。ただし、冷えていない。その当時は、窓際に置いて冷やした。ちなみに、今年、北ドイツの6月上旬は、日本の真冬と同じぐらい寒かった。店にもよるが、ドイツでは冷えたビールは少し高くなる。冷やすための手間と冷蔵庫の使用料だ。それでも500ml缶1本100円以下である。いわゆる日本のビールよりははるかに安い。なぜこんなに日本と差があるのだろうか。

フェアなレストランHp500mlp6094583_3
 レストランで飲むビールはどうだろうか。500mlのグラス(日本の中ジョッキー)で3.5~4.8ユーロ(現為替レートで350~480円)ぐらい、300mlのグラスで2.5~3.0ユーロ(現為替レートで250~300円)ぐらいだ。レストランでビールを出すには人手がかかるので、当然高くなるが日本より安いといえるだろう。現在は1ユーロ約98円なので特に安い。1ユーロ150円以上のときにもドイツに滞在したが、そのときは日本と変わりないと思った。現在のユーロ安は、私たちにとっては歓迎であるが…。

 ドイツではメニューにグラスの容量が記されている。0.5l、0.33l、0.3lなどだ(写真下左 ハンブルグの港湾クルーズ船内のメニュー、Hpp5292532高めの設定だ)。同時にグラスにも目盛が打ってあり、グラスへ注ぐときの正確さを期している(写真下2点 ビール・グラスの目盛)。これはフェアである。日本では、まずメニューを見ても容量がわからない。中生ジョッキーと表示されていても店によって容量がまちまちなのである。さらに、注ぎ方にむらがある。同時に何人かで同じジョッキーをオーダーすると、Hpp6052815かなりの差があるのがわかる。Hpp6094586_2これらは、どう見てもアン・フェアである。ビール好きの私には、“些細なこと”とかたづけられない。ドイツでは正確に対応しているのである。ツェレの某レストランでは、ジュースのグラスにも目盛が打ってあった。(写真下左 リューベック市庁舎地下のレストランのレシート。同下右 ジュース・グラスの目盛)Hpimg_0007_4Hpp6073510_5

 「コーヒーとビールとカメラがあれば生きていける」と書いたが、これにクラシック音楽も加えておこう。ドイツ音楽も人生の友である。

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