2013/03/31

ドイツの自転車事情〔3〕 ドイツNo.133

モーツァルト自転車道…サイクリングの楽しみ

Hp_p6085888_2 すでに書いたように、ドイツでは自転車道が整備され、安全にも配慮され(参照:ドイツの自転車事情〔1〕 ドイツの自転車事情〔2〕)、駐輪施設や貸自転車などハード面が整備されている。当然、それらを利用するソフトも発達している。いたるところでサイクリングを楽しむ風景が見られる。路上だけでなく、公園やマルクト(市場)、駅構内や車内など、あらゆる場所にサイクリストがいる。通勤、通学、買いものなどの実務用だけでなく、レジャーとしてツアーを楽しむ人々が多い。Hp_p6085890_2

 ヴァッサーブルグの書店にサイクリング用のガイドブックが展示されていた(写真上右)。そのなかに「Mozart-Radweg」という本がショーケースに平積みにされていた(写真上左)。直訳すると「モーツァルト自転車道」ということになる。モーツァルトのファンである私の目に留まったのだ。Hpp3210839_2表紙のキャッチコピーに「ザルツブルグ地区からベルヒテスガーデン地区とチームガウの区間」とコースが記されている(左マップ参照)。オーストリーのザルツブルグはモーツァルトが生まれた町なのでコースに含まれるのは当然だ。一方、ドイツのベルヒテスガーデンとチームガウは国境をはさんでザルツブルグと隣り合わせにある地域だ。どちらも、モーツァルトが訪れたとしても不思議はないエリアだが…。ちなみに、チームガウ(Chiemgau)という町や地域は私の資料には見つからないが、チーム湖(Chiemsee)というHpp6042025Hp_up6104614Hpp6102871ート地があるのでその地域をさしているのであろう。このコースガイドに目を通したわけではないが、オーストリーとドイツ、2国にまたがるサイクリングロードが完備されているようだ。何よりも、サイクリンのコースマップに「モーツァルト」の名が冠されているのに驚いた。モーツァルトの足跡を自転車でたどるというのはすばらしい着想ではないか。(写真上3点 自転車のある風景、左から車中、ハンブルグUバーンのプラットホーム、ニュルンベルグの旧市庁舎前)

 ドイツでは、レンタル・サイクルも普及している。ニュルンベルグの市内でその施設を撮影した(写真下右)。キャッシュを投入するところがないのでカード式のようだ。英語でも操作できる(写真下左)。この施設で貸し出しと返却ができる。Hpp6123293
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 リューベックで中高年のサイクリスト・グループとすれちがった。彼らは、トラべ水路(Kanaltrave)沿いに走ってきて、橋を渡るために階段を上ってきた(写真下右)。橋の上から撮影していた私たちを見て、「第2次世界大戦では、いっしょに戦ったナー」と親しげに話しかけてきた。ドイツと日本の絆をあらためて意識した。Hp_p6026237以前、メーアスブルグでも同じようなグループに出会ったことがある。ドイツでは、サイクリングは中高年の余暇になっているようだ。

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2013/02/25

ドイツの自転車事情〔2〕 ドイツNo.131

安全のためのヘルメット小旗Hpp6026164_4

 自転車は、道路交通法では軽車両というカテゴリーに属する。荷車と同格だ。自転車は2輪で軽量・小型なので目だちにくく不安定である。しかも、原則として車道を走らなければならない(例外と専用道がある地域がある)。しかし、道路交通法は、自動車と同じように自転車にも適用される。「進入禁止」や「一方通行」「止まれ」などの標識・表示に従わなければならない。Hpp5011526_2一方、自転車は自由に購入できる。そのとき、道路交通法についての知識はほとんど知らずに乗ることになる。自転車は、公道上を無免許運転していることになる。これは、自転車が危険なだけでなく、自動車の運転手にとっても事故の危機を抱えていることになる。自転車と自動車の間には、通行上のルールやマナーにギャップがある。 (写真上右 ヘルメットを装着して小旗を掲げる親子自転車≪リューベック≫)。写真上左 下校中の学生。全員ヘルメットを装着≪リューベック≫) 

 2月15日、東京・代官山で歩道を歩いていたら、4、5台の自転車とすれちがった。自転車は、我がもの顔に走り去っていった。30メートルぐらい先の交差点まで歩いて、この歩道が「歩行者・自転車専用道路」だということがわかった。Hpp6126439ほとんどの歩行者にとっては、歩道は“歩行者専用”だと考えるのが普通だろう。運転免許を取得していない歩行者は道路交通法には関心がないし、標識を見る習慣もない。ここでも、通行上の認識のギャップが存在する。このギャップを埋めることが必要ではないか。どこで、いつ道路交通法を学ぶのかは行政の問題である。 (写真上左 旗を立てた子ども用リアキャリアー≪リューベック≫。写真下右 自転車家族≪ヴァッサーブルグ≫)
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 ドイツでは自転車運転者の安全のために、ヘルメットが普及している。また、小旗を掲げて運転している(主に牽引の場合か?)。どちらも、他者に自身を認知してもらうためである。もちろんヘルメットは頭部保護に役だつ。大学の同級生S君は、交通事故でずいぶん前に亡くなった。当時、同級生が事故の状況を説明してくれた。要点は「S君は小型バイク(自動二輪車だったか?)に乗っていて、交差点で信号停止したとき、トラックの前に止めたというのだ。Hpp6116244Hpp6126439_2視点の高いトラックの運転席からはS君の車体が見にくかったのであろう。信号が青に変わったとき、S君は轢かれてしまった」ようだ。もし、彼の自転車が小旗を掲げていたら事故に遭わずにすんだのではないか。日本でも、安全のためのヘルメットと小旗が必要だろう。 (写真上2点 ニュルンベルグの中央市場にて)

参照: 『ドイツの自転車事情〔1〕 ドイツNo.129』

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2013/01/25

ドイツの自転車事情〔1〕 ドイツNo.129

はっきりした専用レーン

 ドイツの街で目だつのは、自転車と子ども、それにお年寄りと犬だ。いずれも、ドイツでは一目も二目も置かれていると思う。ドイツに比べて日本では、自転車は肩身が狭いうえに危険だ。また、子どもたちが虐待される事件がよくある。日本の電車内でお年寄りに対するマナーの悪さは目にあまるものがある。Hpp6015532ドイツでは、犬と同伴できる場所は日本に比べてはるかに多い。いずれは、この4つについて書くつもりだが、ここでは自転車について触れよう。

 ハンブルグのホテルで朝食をとりながら窓の外を観察したとき、ドイツは自転車文化の先進国であると感じた。もちろん、自転車の性能についてではない。自転車を取り巻く環境が日本とは大違いだからだ。窓の外をひっきりなしに通勤の自転車が通過するのだ。ハンブルグは地下鉄があるので、交通機関は充実している。それでも自転車で通勤する理由は、ドイツ人は自転車が好きなのと、それを受け入れる社会環境が整備されているということだ。もちろん、自身の健康と都市環境への配慮もあるだろう。

 一方、リューベックの公共交通手段はバスだけである。地下鉄やトラムがないので、自転車は不可欠な交通手段である。そのためか、自転車用のレーンや交通標識が整備されている(写真上右 リューベックのホルステン門前)。リューベックを中心にドイツの自転車事情を紹介しよう。まず、専用レーンについてだ。日本の事情と比較するとわかりやすい。Hpp5294948Hpp6094323

(写真上2点)ハンブルグの色分けされた自転車専用レーン。

Hpp5315171(写真下左 リューベック)左から右側のレーンへ合流(横断)する自転車へ注意を喚起する自動車向けの路面標識(自転車を三角形で囲んだもの)。日本にはない緻密な交通整理だ。自転車専用レーンは原則として一方通行だ。

(写真下左 リューベック)信号待ちの歩行者を避ける配慮。●(写真下右 横浜アリーナ前・環状2号線)右寄りが自転車道。バス停がじゃまをする。視覚障害者用ブロックが歩道と自転車道の境界線になっているのも問題。Hpp6036848_2
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(写真下左 東京都・飯田橋駅付近)ほんの一部だが、日本国内では整備されたほうに属する自転車道。●(写真下右 横浜市大豆戸町・環状2号線)歩行者優先の自転車道表示。ルールが確立されているドイツには必要ない路面標識。どちらも両方通行だ。Hppa227023_3Hpp1139205_5
参照: 『自転車専用道路の造り方 ドイツNo.39』  『自転車でどこへでも行ける ドイツNo.11』

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2012/06/15

ビールを燃料にして走る車?! ドイツNo.118

気勢をあげてハンブルグの公道を走行Hpp6083977_2

 ハンブルグの町で奇妙な車を見つけた(写真2点)。車には数人の若者が乗っていて、ビールのジョッキーを傾けながらペダルをこいでいる。ときどき気炎や奇声をあげて、いかにも愉快そうだ。見つけた場所は、UバーンのSt.Pauli(ザンクト・パウリ)駅付近の交差点だった。翌日は、Glacischaussee(グラツィシャウスゼー)通りとFeldstr.(フェルド通り)の交差点で見た。

Hpp6094389 車体のフロントにビア樽が置かれ、屋根には「BierBike.de」と書かれた看板がある。看板は「ビール自転車」と訳すべきか。エンジンは付いていないようだ。人力車といってよいだろう。ビールを飲んで上機嫌でペダルを踏むという情景は、ビールを燃料にして走る車と解釈したい。彼らは乗客ではなくドライバーとエンジンに相当する。乗車目的は、エンターテインメントのほかに、市内観光、私的パーティ―などのようだ。もちろんこの車じたいが宣伝カーになっている。詳細はホームページを参照してほしい。このメカニズムとスタイルで公道を走れるとは、さすがにビール王国ドイツらしい。

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2008/01/28

豊かな水辺 ドイツNo.58

味気ない日本の河川Hpp6137397_6

                四大文明は大河の流域に起こり、発達した。それ以前に、地球上の生命は水の中で誕生し、上陸することで進化を早めた。縄文遺跡のそばには、必ず近くに湧き水や川がある。人間と水は「魚と水」に順ずる関係と言える。水辺には多様な生物が生活している。人間は、水だけでなく食べ物を求めて水辺に住み着いたのだろう。森の中を歩いていて、湧き水や渓流に出会うとほっとする。水音が潤いを与えてくれるのだ。我々の遺伝子には水に対する親近感が組み込まれているにちがいない。

Hpp6140096 これは、町の中でも同じだろう。ドイツの町は水辺が豊かだ。いろいろな町の河畔や湖畔を見てきたが、それぞれが町の顔として人々が集う場になっている。住民にくつろぎの場を提供し、市民の心に潤いを与えている。日本と比較すると、明らかに水辺を大切にしているように感じる。ドイツの町には、小ベニスというエリアがある。バンベルクのレグニッツ河畔には小ベニス地区があり、川沿いに古い家並みがあった。行ったことはないが、ハノーバーの東北東約50キロにあるオルフェンビュッテルにも小ベニスがあるという。近くを流れるオカー川の岸辺にあるのだろうか。フランス・アルザス地方の町、コルマールにもプチット・ヴニーズ(小ベニス)がある。運河を囲んでレストランやホテルが並び、観光船が往来していた。ドイツ人をはじめとする中欧の人々は、イタリアのベニスがあこがれのようだ。

Hpp6137431 日本で私が知っている範囲では、東京の隅田川沿いの岸が比較的整備されているが、そのほかは味気ない景観だ。しばしば河川敷はスポーツ施設に利用されているが、水量が増えると水没してしまう。日本の河川は、常に洪水の危機に直面しているので、やむをえないかもしれない。国や自治体は、洪水を防ぎ、国民の生命と財産を守ることに追われている。水辺の整備には手が回らないのかもしれない。それにしては水害が多い。私にとって身近な横浜駅近くの帷子川や自宅近辺の鶴見川は、護岸があるだけで味気ない。行政は、まず水害を防ぎ、次に水辺に潤いを作ってほしいものだ。

ランズフート はイザール河畔の町だ。河畔にはレストランやカフェがあり、人々の憩いの場になっていた。両岸には遊歩道とサイクリングロードがある。(写真上3点)

Hppb229269_3バンベルク のレグニッツ河畔には小ベニス地区というのがある。昔、漁師がすんでいたというエリアだ。

         

Hppb229275_2オーバーアガマウ の町外れを流れるアマー川は、自然な景観がすばらしい。水際の護岸は石垣で、コンクリートの冷たさがない。両岸に遊歩道が造られていた。横浜の鶴見川がこのように整備されていたらと思う。

Hppb229270ドイツ人はライン河 を「父なるライン」と呼ぶそうだ(高橋義人著「ドイツ人のこころ」岩波新書)。当然、両岸の景色はドイツの顔にふさわしい。左岸にレストランとキャンプ場が整備されていた。

                         比較のために日本の鶴見川 を紹介する。太尾町付近の右岸から見た下流(写真下左)と新羽橋から見た上流(同右)。撮影は昨年の4月。Hpp4065668_2Hpp4065659_2

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2007/09/19

親子の仲をとりもつ自転車 ドイツNo.51

Hpp6110317ドイツの自転車事情

Hpp6110054_2 ドイツは自転車先進国だ。自転車専用レーンが町のいたるところに設けられ、駐輪場も整備されている。専用レーンや駐輪施設を利用する人も巧みだ。大きな交差点などで、専用レーンが途切れたりしていても、自転車は多くの車両が行き交うなかを鮮やかに通過していく(写真下 ミュンヘン市内)。Hpp6150010_2 自転車と車両のドライバーの間に暗 黙の了解が成り立っているのだ。

 ドイツではリヤカー式の乳母車がポピュラーだ(写真上左右)。しかもリヤカーにはナンバーがついているものまである。リヤカー乳母車は社会的地位が確立していると言える。自転車のリヤカーは交通ルールが整備されていないと、安全ではない。自転車先進国ゆえにできることだろう。写真右は、ミュンヘンのシラー通りとHpp6167834_2 シュヴァントハラー通りの交差点付近(歩道上)で父親がリヤカーを点検しているようすをスナップしたものだ。日本では見られない、ドイツならではの風景だ。ほかのヨーロッパ諸国でも同じなのだろうか。

Hpbp6090133 ドイツでは、自転車で買いものやレジャーに出かける親子連れをよく見る。あきらかに日本よりは目だつ。子どもたちは乳幼児期から親といっしょに公道を走り、交通ルールやモラールを身に付けていけるのではないか。同時に親子の絆や連帯感が培われるであろう。自転車は 単なる移動の手段だけではないと感じた。日本で、親子間のトラブルがひんぱんに報道されているのHpp6076683_2 気になる。ドイツは、親子関係の先進国になっているかもしれない。

参照『自転車でどこへでも行ける ドイツNo.11』

参照『自転車専用道路の造り方 ドイツNo.39』

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2007/05/13

自転車専用道路の造り方 ドイツNo.39

Hppc166482_1 ドイツに見習う

 今朝の朝日新聞1面トップに自転車専用道路(日本では自転車通行ゾーンと言うようだ)についての記事が掲載されていた。自転車がからむ事故が増加しているために、警察庁と国土交通省が対応を始めたというのが要旨だ。

 日本では、自転車は車道を走るこ とが 原則だ。例外として歩道を走ってよい場所があるという。しかし、自転車が歩道を走るケースが多く、歩行者と接触する事故Hppc166423_1が多いという。私も、自転車に乗るとすれば歩道を走るだろう。これは自己防衛のためだ。危なくて車道など走れたものではない。

Hp_13  朝日新聞に掲載された図によると、整備された自転車通行ゾーンは車道に造られ、歩道との境に植樹帯を設けようという案だ。図をよく見ると、自転車通行ゾーンと車道の境にも段差のある分離帯が設定されている。これは自転車を自動車から守る機能があるかもしれないが、自転車にとっては危険だ。タイヤが接触すると転倒につながるおそれがあるからだ。ドイツではこの分離帯を見たことがない。白線で分離しているだけだ。また、歩道と自転車道を分離する植樹帯も見たことがない。これも白線だけの場合がしばしばだ。植樹帯を造るなら、自転車道と車道の間に造るべきだろう(写真下右参照)。

Hppc166216_1Hp3pc153076_1  日本では今まで自転車通行に関してほとんど手を打っていなかったようだ。記事にはドイツのミュンヘン市と名古屋市の自転車道の長さを比較している。ほぼ同じ市域の広さで、ミュンヘンは約8倍の長さがある。国情に違いがあるとはいえ、日本は自転車先進国のドイツを参考にし、場合によっては見習えばよいのではないか。ドイツ・ミュンヘン市内の実情を写真でレポートする。(参照『自転車でどこへでも行ける ドイツNo.11』)

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2006/03/05

自転車でどこへでも行ける ドイツNo.11

hpp2285564 自転車専用車線

 初めてドイツに行ったとき、ブレーメンの自転車専用車線で撮影をしていてひんしゅくをかった。自転車専用車線は歩道と車道の間にある(写真左 バンベルク市内、写真右下 シュツットガルト市内)。白線で仕切られているだけで段差がないところもあるので、撮影に夢中になっていると、うっかり歩道からはみ出てしまうのだ。そこでは自転車最優先なので、歩行者の私などおかまいなしだ。衝突も辞さない勢いでベルを鳴らし続け、大声で警告を発しながら通り過ぎる。この恐怖を何回か体験した。初めてドイツの自転車事情を知った。交差点や横断歩道には自転車用の信号がある(写真上 バンベルクのランゲ通り)。 自転車の市民権は日本では考えられないほど大きhpp2285582い。

p9102269hp  ドイツでは、駅の構内やプラットホー ムへ自転車を乗り入れることができる。車内へ持ち込んで降車駅まで運搬もできる(写真左)。ローカル線では、無人駅から自転車といっしょに乗り込み、1駅区間だけ乗車し次の駅で降りてまた自転車をこいでいく人を見かける。急行列車に乗ると、ツール・ド・フランスに出場しそうなファッションで乗り込んでくるカップルに出会う。長距離のサイクリングツアーを楽しむらしい。メーアスブルグでは、サイクリングを楽しむ中高年グループに出会った(写真右下)。

hpp2285578 シュツットガルトは、バーデン・ビュルテンベルク州の州都である。人口は56万人、メルセデス・ベンツ博物館やポルシェ博物館などがあることからわかるように、ドイツ自動車業界の中心地だ。中央駅は日本でいえば横浜駅ぐらいのスケールだが、ターミナル駅なので通過列車は逆方向に出発する。駅舎にはホテルが付属し、高い天井のホールがある。そこで写真展をやっていた。天井から糸でパネルをつるしている。風が吹いたり、鑑賞者が手を触れるとパネルは揺れる。前日にはオープニングパーティーをやったようだ。そこへ自転車に乗ったビジターが現れた(写真下)。写真展会場hpp2285569にまで自転車が登場したのである。余談になるが、そのグループは、作品を指差しいろいろ議論をしていた。作品は問題を提起し、ギャラリーは議論の場になる。日本のギャラリーでは、あまり見られない光景だった。

【補足】ドイツの自転車事情を知るには『自転車ふたり旅…ドイツ・ロマンティック街道』(神谷すみ子 著 神谷典夫 写真 新風社刊)が参考になる。なによりサイクリングの楽しさとドイツの風土や町の雰囲気がいきいきと描かれていて、あらためてドイツに感動した。

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