2012/07/22

『植物奇談』…フォトレポート

志賀高原撮影記…コンパクトカメラシリーズ41Hpp7191418

 フォトクラブ彩光恒例の志賀高原撮影会へ参加した。いつもながら、彩光のメンバーにガイドをしていただき、蓮池周辺と東館山高山植物園で草花の撮影を堪能した。しかし一方で、『植物奇談』(フォトレポート)をまとめてみた。 (写真上右●モウセンゴケ)

 私の自然観の基本は「厳しさ」や「不可解」である。ひと目、美しく見える被写体にも、それを支える厳しい環境や、Hpp7191746解明できない自然のメカニズムがある。私はそれらを撮りたいのである。最近、私の作風に対して、「おどろおどろしい写真」まではよいとして、「ゲテモノ系」「不気味系」「怖いもの系」などと評する人がいる。やや不満だが、それは認めてもよいだろう。作風がわかるのは、成果のあかしであるからだ。 (写真上左●サンカヨウの実)

 一方、私は「きれい」「美しい」は写真のモチーフにはならないと主張している。「きれい」や「美しい」は漠然としていて具体性がない。Hpp7191696「新鮮」なのか、「清楚」なのか、「可憐」なのか、「メルヘン調」なのか、「巧妙」なのか、「きれい」を分析すると以上のような言葉に置き換えられるはずだ。そして、それぞれで撮り方が変わるのである。私が「厳しさ」や「不可解」を志向するのは、「きれい」に対するアンチテーゼでもあるのだ。おどろおどろしい写真を掲載しよう。撮影には、すべてオリンパスXZ-1を使用。 (写真上右●ニッコウキスゲ)

●クモキリソウ ●シダの若葉Hpp7181397
Hpp7191566










●チングルマ ●フジアザミHpp7191879_3

Hpp7191464
●ギンリョウソウHpp7191596_2

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2010/07/25

なつかしい志賀高原の花旅

物園Hpp7198999

 志賀高原ロープウェイと東館山ゴンドラリフトを乗り継いで、東館山高山植物園へ上がった。途中、ロープウェイからの展望はなつかしかった。30年ぐらい前、会社のスキー仲間と通った発哺温泉、東館山とブナ平のゲレンデが展望できたからだ。夏にイワナを釣る川で、冬に氷の撮影ができるのと同様、冬にスキーをするゲレンデで、夏の花を撮影できるのは幸せなことだ。当時は花の撮影をしたことがなかったので、現在置かれている立場は想像もできなかった。その境遇の変遷にも感動した。写真上右はハクサンフウロ、写真下左はゴゼンタチバナ、同右はイブキジャコウソウHpp7194045Hpp7198949_2

          

 私は登山の経験は豊富だが、高山植物にはほとんど関心がなかった。学生時代によく同行したF君に教えられて少し覚えたぐらいだった。F君は当時、写真家の田渕行雄氏に心酔しており、6×9判のカメラで山岳や花を撮影していた。今となれば、もっと彼の話を真剣に聞いておけばよかったと反省している。写真下左はギンリョウソウ、同右はコマクサHpp7199041Hpp7194090

           

 東館山高山植物園は、野草の宝庫である。自然観察路が設けられ、主だった花には名まえが書かれた標識が立っている。しかし、なかなか良い花には巡り合えないのである。効率よく撮影するには専門知識とキャリアが必要だ。同行のフォトクラブ彩光のメンバーにアドバイしていただいて撮影した。自身が初めて撮影する花がたくさんあったので、それを掲載しよう。写真下左はウスユキソウ、同右はコケモモHpp7198903_2Hpp7194156_4

写真下はフォトクラブ彩光のメンバーHpp7194133_2

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2010/07/22

植物には意思と苦悩がある!!?

オニアザミイタドリHpp7198737

 フォトクラブ彩光のメンバーと志賀高原へ野草の撮影に出かけた。好天に恵まれ、野草の状態も良く、最高の撮影行だった。速報として、植物の形についての考察とその写真を2点掲載する。

 早朝5時、蓮池ホテルを出発、ワタスゲ平のスキー場草原へ向かった。そこで、オニアザミが東の空を背景にシルエットを作っていた。その形が強い自己主張に見えたのでシャッターをきった(写真上)。アザミには刺があるが、ここまで強い形で威張ると納得せざるをえない。気迫のある主張は説得力があるのである。「刺のある人間」は、えてして嫌われるが、私は気にならない。一方、シルエットというカメラアイには大きな表現力があることを知った。

Hpp7198771_2  中腹まで斜面を登ったところで、視野に動物のうごめきを感じた(写真左)。植物の先端部分が体をよじらせもがいているように見える。群を構成する一つ一つが昆虫の幼虫のようであり、深海にすむ生物のようでもある。見たことがない植物の姿だ。彩光のエキスパートにうかがったところ、イタドリだという。隣によく見るイタドリがあり(写真下 広い範囲を撮影)、私が興味を持った植物は成長の遅れたイタドリの個体だった。Hpp7198787_2なるほど、葉の形は同じだ。成長の違いとはいえ、同じ植物がこのような形態の違いを見せるのには意味があるのではないか。植物も成長の過程で苦悩し、悶えているように見える。人が成長し成人になる過程と同じであろう。二つの植物の形から、人間形成のアナロジーを感じた。

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2009/11/03

白馬山麓撮影記…フォトレポート

日本の道百選の風景Hppb010280

 白馬岳山麓は、スキーでは何回も訪れたが、秋に行ったのは初めてだ。10月31日から2日間、ヌービックフォトフレンズ5のメンバーと撮影に出かけた。白馬を選んだのは、紅葉だけでなく山麓の民俗にも関心があったからだ。Hppa310007古来、多くに人々が往来した千国街道(塩の道)沿いの風物には、旅人と住人の生活が焼き付いているはずだ。ときには当時の人情を読み取ることができるかもしれない。

 山麓で松川を渡る白馬大橋は、「日本の道百選」に選ばれた名所である。白馬三山を一望する視界は圧巻だ。特に、朝焼けに映える山容はすばらしかった(写真上右)。ちなみに、横浜では「山下公園通り」と「山手本通り」が日本の道百選に選定されている。

 2日間、充実した撮影ができたのは、宿泊したペンション「あるかんしぇる」のご主人が、マイクロバスで撮影ポイントへ案内してくださったからだ。好天にも恵まれ効率よく撮影できた。紅葉は末期とはいえ、色が十分残り撮影に不満はなかった。

●『新雪の白馬岳東面』 大雪渓の取りつき付近まで連れていっていただいて撮影した(写真上左)

●『それぞれの秋』 虫食い葉と黄葉のコントラストを狙ったHppa310117

●『示 現』 江戸末期、塩の道沿いに造立された観音原。187体の石仏が広場を囲むように配置されているHppa310158

●『霊 感』Hppa310165

Hppb010209_2●『朝ぼらけ』 日本の道百選の一つ「白馬岳線」の白馬大橋で朝を迎えた。まず、東の空が焼けた

●『発 現』 次に白馬三山が松川の上に輝きはじめた(写真最上)

Hppb010082_2●『杓子岳』 白馬三山の一つ、杓子岳をアップでねらった。山麓から見るとしゃもじのように見える。名まえの由来ではないか?

●『平 安』 青鬼(あおに)の集落は、1200年前、人々が姫川の氾濫を避けて山間に住み着いたのが始まりだというHppb010258

Hppb010188_2●『開 墾』 棚田の開墾には多大な労力を費やしたと推測できる。上段の棚田に立てられた石仏には明治25年の銘が刻まれていたHppb010201

●『がったくり』 昭和初期まで、これで米をついていたというHppb010290

        

                        

                                                

Hp_3◆ヌービック フォト フレンズ5のメンバー

Hppb010048_2◆白馬大橋にて

Hppb010294_3◆青鬼のがったくりを撮る

Hppb010135_2ペンション「あるかんしぇる」

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2007/06/08

太陽エネルギーの重さ 信州No.34

Hpp5035907 白樺の伐採

 5月の初旬、畑の日照とベランダからの視界を確保するために、シラカバを1本伐採した。樹高約15メートル、胸高直径約35センチ、地面から60センチの切断面直径45センチ、シラカバとしては大木である。久しぶりにチェーンソーを使った。しばらく使わなかったので、マニュアルを読み直し、チェーンを調節するのがたいへんだった。チェーンソーはけっして安全な道具ではない。けがをした例をいくつか聞いていたので、慎重に対応した。道具は、いつも使っていないと思いどおりには使えなし、よけいな労力が必要だ。これはカメラやスキーも同じである。

 伐採にあたっては倒れる向きが問題になる。家や畑に影響が少ない場所の倒さねばならない。幹を倒す方角からチェーンソーでクサビ形の切れ込みを作り、反対側からチェーンを深く入れていく。直系の半分ぐらいまでチェーンが入ると、めりめりという音を立ててシラカバは倒れた。予定どおりの方角に倒れたので、畑への影響は最小限で済んだ。しかし、これからがたいへんだ。枝を落とし短く切って畑から運び出さなければならない。根元に近いほうは1.5メートルの長さでも一人で運ぶことができないくらい重い。担ぐのはもちろん引きずることもままならない。この丸太が数本できた。樹木とは重いものであり、偉大な存在だと身をもって感じた。

Hpp5035922 年輪をざっと数えてみたら40以上はあった。20年前に苗木を植林したシラカバが胸高直径15センチになっているのから類推して、樹齢40年以上というのはほぼまちがいないだろう。その重さは、40年にわたって太陽光を吸収してきた結果である。

 いうまでもなく、地球上のエネルギーは、すべて太陽からの光エネルギーでまかなわれてる。石油や天然ガスなどの化石燃料は過去に地球に降り注いだ太陽光が蓄積したものだ。現在の薪やアルコール燃料は最近の太陽エネルギーが置換されたものである。私たちが生活できるのは太陽のおかげである。食料のすべてが太陽エネルギーで作られている。Hpp5045930_1 野菜や果実はもちろん、肉や魚も元は植物が合成したでんぷんが餌になり、食物連鎖でたんぱく質に変ったものだ。最近、自動車の燃料としてアルコールが注目されている。そのために、同じ原料から作る家畜の飼料を確保するのが難しくなったと報じられている。地球に降り注ぐ限られた光エネルギーを奪い合っていることになる。なお、原子力とバイオテクノロジーによる増産は地球内で生産されたエネルギーだ。

 樹木は太陽のエネルギーが蓄積したものであると同時に、大気中の炭酸ガスを固定し、地球温暖化の軽減に貢献している。幹の重さは二酸化炭素の重さでもある。木を1本伐採することで太陽エネルギーや地球を実感できた。

 翌日、切り株から樹液が噴き出していた。キシリトールである(写真右上)。樹液はシラカバの涙のようだった。

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2007/05/06

冷温帯の春 信州No.33

5月5日の森のようす…フォトレポート

 落葉広葉樹が主体の冷温帯(標高1400メートル)では、4月はまだ冬景色だ。春の兆しはあっても視界は冬である。5月に入ってここ数日、やっと春らしくなった。カラマツももえ黄色に色づき、林床には若葉が目立ち、樹木の芽も膨らんできた。いよいよ生物の活動が始まる。渓流沿いの森のようすを写真でレポートする。

Hpp5058240イチリンソウは春の光がまぶしそう

Hpp5058243エンゴサクには妖艶な雰囲気が漂う

Hpp5058376エンレイソウは葉を広げたばかりだ

Hpp5058383猛毒のハシリドコロが群生していた

Hpp5058282 ダンコウバイの花は秋の黄葉の色に似ている

Hpp5058342水辺でプレリュードを奏でるサクラソウ

Hp070505p5058364 テリトリーの淵を暴れ回ったイワナ

Hpp5058417カエルは新鮮な水が供給されるところに産卵する(写真下部)

Hpp5058410新しい生命の誕生(卵の写真の部分拡大)

【撮影データ】 〈カメラ〉オリンパスE-330 〈レンズ〉ズイコーデジタル14~54ミリF2.8~3.5/ズイコーデジタル50ミリF2マクロED 〈ISO感度〉200 〈WB〉晴天

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2007/04/30

カタクリの飛翔 信州No.32

Hp07p4298037_3イメージを膨らませるには

 カタクリの開花に間に合った。前回、八ヶ岳山麓へ来たときはつぼみの状態で、今年は花を見ることができないのではないかと気がかりだったが、なんとか間に合った。標高1400メートルの高原では、首都圏周辺の開花より1か月は遅れる。梅も桜も同じだ。前回、もっとも生長していたつぼみ(信州No.32参照)は、すでにしおれかかっていたが、ほかの花は元気だった。

 カタクリは、朝は開きかけた番傘のようだ。日が高くなるにつれて傘は開き、日中はオチョコ傘のように花弁は反り返る。この変化を一日で1回繰り返す(写真)。どの状態がカタクリの本当の姿かといえば、蜜標を目立たせ、メシベとオシベをあらわに見せるオチョコ傘の状態だろう。昆虫が来て授粉をうながす状態だ。カタクリを撮影するなら、この状態を撮るべきなのかもしれないない。しかし、私は、被写体が変わりつつある状態を好む。少しでも動きが見える状態だ。花に意志や願望があるように撮りたいのだ。開ききったオチョコ傘の状態は、安定していてつまらない。閉じた状態から開くまでの途中にこそ意志を感じる。自転車にたとえると、発進して加速している状態だ。一定のスピードで走っている状態は安定していて、ペダルを踏んでいるライダーの意志が感じられにくい。加速したり、ブレーキをかける状態は、物理学では加速度のある状態と言える。すなわち外力が加わっている状態だ。花の場合は内力といったほうが適切だろう。数学では微分係数(変化率)が大きい状態になる。私にとっては、被写体に加速度がある状態がシャッターチャンスである。

Hpp4298052_3Hpp4298082_3  カタクリにどんな意志を読み取るか、これが問題だ。もちろん花弁を広げて授粉の体制を整えるのは、本来の“意志”だろう。しかし、私は鶴や白鳥が飛翔するイメージで撮影した。カタクリを鳥になぞらえたのだ。標本写真を撮ろうとしているわけではないので、花を鳥のように撮るのは自由だ。花は、人間のように見えるときがある。また、海中の腔腸動物(サンゴやイソギンチャクなど)や棘皮動物(ヒトデなど)のようにも見えるときもある。ときには、メタリックな質感を感じる。花として撮るのと、花以外のものとして撮るのとでは、イメージの膨らみ方は大違いだ。

 鳥が飛翔しているように見せるために、広角レンズにクローズアップレンズを取り付けてローポジションで接近した。あとはシャッターチャンスを待つだけだ。この場合は風で花弁がひらめく瞬間もシャッターチャンスになる。なにしろ動きを出したいのだ。オリンパスE-330にズイコーデジタル14~54ミリF2.8~3.5を装着し、クローズアップレンズを使用した。カメラは、被写体に近づくことで、いろいろな画面効果を作り、表情や内面を引き出すことができる。E-330のライブビュー液晶がローポジションの撮影に役立った。

【撮影データ】 オリンパスE-330 ズイコーデジタル14~54ミリF2.8~3.5(14ミリ 35ミリ判換算28ミリ) クローズアップレンズNo.3(焦点距離33.3ミリ)使用 絞りF8 1/400秒 ISO160 WB晴天 仕上がりFLAT(やや軟調) 〈開花状態を示す比較写真の撮影時刻 左 6:00 右 16:42〉

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2007/04/17

カタクリとギョウジャニンニク 信州No.31

Hpp4177753_24月17日の森のようす

 朝は一面の雪景色だった。昨夜の雨が雪に変わって1~2センチほど積もった。標高1400メートルでは珍しいことではない。気温は、午前8時で1度Cだ。しかし、雪はすぐ雨に変わり、あっというまに解けてしまった。

 カタクリはつぼみが下向きになりもうすこしで咲きそうだ。一昨年の夏に植えた苗が、今年は6株すべて芽を出した。残雪をあしらって撮影した(写真上)。

Hpp4177782  ギョウジャニンニクは、もっとも早く若葉を出す植物の一つだ。年々増えて写真のように元気な葉を広げている。味噌をつけて食べるのが最高だが、ラーメンに添えるのも珍味だ。若葉は食べごろだが、もったいないので、もうすこし成長してからにする。ウグイスのさえずりが春の到来を告げている。

Hpp4177775_1

【撮影データ】オリンパスE-330 ズイコーデジタル14~54ミリF2.8~3.5 ISO400 WB晴天 カタクリはアングルファインダーVA-1使用

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2007/04/02

不調に終わった氷の撮影 信州No.30

Hp200p1043694_2 プロ写真家200人展に出品

 フジフイルムスクエアがオープンした。ギャラリー、カフェ、イベントスペース、商品展示コーナーなどが併設された、富士フイルム(株)の新しい顔である。場所は赤坂の東京ミッドタウン・ウェスト内だ(東京メトロ日比谷線六本木駅と直結)。ギャラリー「Photo is」ではオープニング記念として、「プロ写真家200人展」パートⅠが開催されHp200_2いる(3月30日~4月26日) 。各ジャンルの第一線で活躍する200人の写真家が出品した写真展だ。私もその一員に加えていただいた。

 私が出展した写真は信州の渓流で撮影したものだ(写真上は被写体説明用のデジタル写真)。枯れ枝と枯葉に付着した氷が大きな宝石のようだった。森の妖精が顕現したようだったので『化身』とタイトルを付けた。今シーズン(昨年末から今年の2月ごろまで)は暖冬のため、氷撮影は不調だった。気に入った写真はほとんど撮れなかった。来シーズンは、このようなことがないよう祈るだけだ。かろうじて1月上旬に撮れた1カットを出品した。

 全紙の一枚写真なので、シャープさ重視で中判のペンタックス645を渓流へ持ち込んだ。レンズはSMCペンタックスA150ミリF3.5で、クローズアップレンズを付けて撮影した。フィルムはフジクロームプロビア400Xだ。400Xは高感度フィルムにもかかわらず粒状性と発色性能が高く、自然写真や風景撮影にも適する。特に、引き伸ばし倍率が低くなる中判(120)カメラでは十分な性能だ。冬の渓流撮影は命がけなので、カメラ操作が慎重になると同時に緩慢になる。それに加え、水中に立てた三脚は不安定なので、ISO400の高感度はありがたかった。400Xは、これからの常用フィルムになるのではないか。

 200人展をご高覧いただけたら幸いだ。なお、パートⅡは4月27日~5月31日に開催される。

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2007/03/21

2007初イワナ釣りに満足 信州No.29

地表を移動できる魚Hp07p3205184_3

 3月20日、八ヶ岳山麓は好天に恵まれた。標高1400メートルの最低気温は-8.5度C、日中は3度Cぐらいまで上がった。しかし、釣りを始めた15時ごろには0度Cまで下がってきた。夕日を背に釣ったので影をとられないように気をつけた。最初の当たりは強かったがバレてしまった。待つ辛抱が足りなかったようだ。もう一度同じところを流したが、 Hpp3205209_1 当たりはなかった。しかし、狙いの所から魚が出てくれば満足だ。これで、今シーズンのペースがつかめた。次のポイント(写真左 右の岩の下)でも、ずいぶん我慢してから合わせたのだがバレた。3回目に竿を出した所は実績のある中ぐらいの淵だ(写真下)。前2回の失敗があったので、岩に身を隠して慎重に流した。やっと釣り上げたのはほぼ20センチのイワナだった。体が黒ずみ、目がうつろだ。まだサビ(錆、冬の休眠状態で弱った体表の状態)がとれていないのがわかる(写真)。さっそく撮影し、放流した。

Hpp3205203  以前、NHKのテレビ番組で知ったのだが、イワナは、ヤマメより魚体の横幅が広く、地面を這って移動できるという。岩魚が棲む源流の環境は不安定だ。渇水期があり、台風などの激流で渓相が変わるときもある。テリトリーに異状が生じるのだ。そのとき、流れを求め地面を這って移動しなければならないときがある。それに適応できるよう魚体が進化してきたというのだ。私も、源流の渓相の変化をしばしば見てきた。流芯だったところが水溜りになってしまったときもあった。そのようなとき、魚はどうしているのかなと疑問に思っていたが、その番組で答えがわかった。

 釣り上げた魚の針を外したとき、手が滑って魚が逃げてしまうときがよくある。そのとき、イワナは、まちがいなく水のほうへ逃げる。水と反対の方向には絶対に逃げない。水のにおいを嗅ぎ分け、水音を聞き分けているのだろう。そして、岩の隙間を見つけて蛇のように移動する。これが本能であり、適応の表れである。上の写真は、その状態を表している。(信州No.21参照)

 この後、小(15センチ以下)を一匹釣った。いつもは、暗くなって目が利かなくなると釣りをやめるのだが、今日は手がかじかんで痛いので17時に納竿した。氷点下の釣りはつらい。しかし、釣果に不満はない。

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