2018/12/26

山麓で過ごすクリスマス 八ヶ岳山麓No.209

Hpa0012222 1224日は、前日とは打って変わって寒くなった。標高1400メートルの高原は、最低気温がマイナス4C(写真下右)、一日中氷点下だった。朝目覚めて雨戸を開けると薄っすらと雪が積もっていた。クリスマスツリーのモミの木にも雪がつもっていた。ホワイトクリスマを予感させた(写真右は八ヶ岳の主峰赤岳)

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 冬の森は閑散としている。庭に残ているのはノリウツギのドライフラワーぐらいのものだ。クリスマスローズが1輪咲いている。ほかにつぼみが二つ、花に従うように並んであった(写真下左)。クリスマウローズは、氷点下の森のなかでも平気なのだ。草花の多様性に改めて感心させられた。シイタケができていた。寒さを予測して榾木にビニールシートをかけておいたのが良かったようだ(写真上右、同下右)。
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 我が家では、山小屋を建てて2~3年ぐらいして植えたモミの木をツリーにしている。高さは5メートルに達したろうか。もう3~4年もそのままつ使っている。(写真上はモミの木に積もった雪、同右は野鳥の水浴び用に準備した水が凍ったもの

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 買い物に出かける途中で、清里のモリモトに寄ってランチを食べた。モリモトはクリスマスの特別ランチのメニューで前菜の内容が、いつもより一品多くならんでいた(写真上左は前菜、同上右がパスタ)。私たちは“浅尾大根と無添加エビのパスタ、カラスミがけ”を食べた。あいかわらず素材の特長が生きていてとてもおいしい。なお、浅尾大根とは、隣町の明野村(地区)にある浅尾というところが産地の大根のことだ。モリモトのパスタは産地名をはっきりと表示している。それだけ自信をもち、洗練された味を出している。なにしろ素材の味が、いつもはっきりと感じられるのがモリモトのパスタなのだ。大根もエビもしっかりと風味が出ていて、カラスミがバランスよく効いていた。帰路に眺めた八ヶ岳はモンブラン菓子のように雪をかぶっていた。 (写真下はシュトレン

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 晩餐は、新横浜で買ってきたターキーの燻製を中心に家内がアレンジしてテーブルをにぎやかにしてくれた。Yさんからいただいたシュトレン(ドイツのクリスマス菓子)を楽しんだ。Hppc240282
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2016/04/15

ドイツよりドイツ的なつばめグリル ドイツNo.143

 エルディンガーのヴァイスビールを飲んで、ニシンの酢漬けを食べると、ハンブルグ港のカモメの鳴き声が聞こえてきた。今日は、デザートも。つばめグリルのイチゴのベイクドチーズケーキはドイツのよりおいしい。(携帯電話で撮影)201604151813000_3
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2016/02/03

テーブル・トップ・フォト〔Ⅲ〕 ドイツNo.142

「とむワールド」に学ぶ

〔思いどおりの撮影ができる〕

 日本カメラ社の「写真用語事典」には、「テーブル・トップ・フォト」について次のように解説されている。 ≪日本語では「卓上写真」という。卓上でミニチュアセットを作ったり、童話的な場面を作ったりして、Hpp2040550_edited1ライティングに工夫をこらして撮影する写真のことで、抽象的な写真からトリック写真、商業写真などに利用される。被写体やライティングを手軽に移動できるため、実景を写すよりも表現意図やイメージの再現が容易である≫(要旨) なお、今まで本ブログではテーブルフォトと省略した呼び方をしてきたが、正確にはテーブル・トップ・フォトである。撮影には被写体と背景、ライティングが不可欠だが、テーブル・トップ・フォトの最低限の条件は、主役である主要被写体を自身が準備することである。すなわち、主役の位置や向きを自由に調節できる撮影のことだ。 (写真上 とむワールド・カレンダー2016年 中村都夢 作品集
 テーブル・トップ・フォトの創始者は知らないが、もっとも活用しているのは商業写真家といってよいだろう。いわゆる小物撮影という分野だ。被写体が小さいので、テーブル上にセットを組んで撮影でき、大きなスタジオを使わなくても済む。時計や宝石、カメラ、携帯電話、人形、書籍などは、テーブル・トップ・フォトで十分な撮影が可能だ。商業写真(コマーシャル)では、商品(被写体)の持っている性能や質感を正確に再現することが求められるので、ライティングがキーになる。テーブル上の小さなセットでは、その調節が容易にできる。
 もうひとつ、テーブル・トップ・フォトを活用したファンタジーフォトという分野がある。人形などを撮影したメルヘン写真や模型を撮影したジオラマ写真だ。ここで紹介する作品は、「とむワールド」が制作したカレンダーの一部である。Hpimg_0002「とむワールド」の主宰者・中村都夢氏(1923~1996)は、スタッフと共に作った表情豊かな人形を自然風景の中に配し、メルヘン調のストーリーを展開する手法を開発した。人形に小人(こびと)を使った「小人たちの歌がきこえる」(1~6巻 偕成社)は、イタリア・ボローニアで開催される国際児童図書展で、1982年度のエルバ賞グランプリを受賞した。
 とむワールドの作品は、屋内のスタジオ撮影されたものと、屋外の自然環境の中での撮影と両方ある。どちらも、撮影の規模はいわゆるテーブル・トップ・フォトより少し規模は大きいが、被写体や小道具、背景などを思いどおりに組み立て、自由に調節できるという点では、テーブル・トップ・フォトの参考になる。写真撮影の目的をフィクションとノンフィクションに大別すれば、商業写真はノンフィクション、ファンタジーフォトはフィクションになるだろう。 (写真上 水辺の情景。とむワールド・カレンダー2015年7月)

〔カメラワークと演出がフィクションを実現〕
 ここではメルヘンや童話などのフィクションについての撮り方を解説しよう。とむワールドの昨年のカレンダーから学ぼう。
まずカメラポジションとアングルが大切Hp
 アイレベルやローアングル、ローポジションが被写体に優しいカメラポジションである。そして、観賞者をフィクションの世界へ引き込むことができる。ハイアングル(ハイポジション)は、被写体に対して威圧的なカメラポジションであり、観賞者は被写体と仲よくなりにくい。 (写真左 ローポジション・アイレベル撮影。とむワールド・カレンダー2015年2月)
② 自然なライティングは当然
 屋外で撮影すれば、ほぼ自然なライティングになる。屋内のテーブルトップ撮影では、Hp4img_0010_edited11灯ライティングが基本だが、屋外の空からの光に匹敵する光がないので、日陰にあたるシャドー部にレフ板を当てるとよい。 (写真右 スタジオでの撮影。トップライトのシャドー部をレフ板でフォロー。とむワールド・カレンダー2015年4月
③ 迫真に迫る演技
 舞台装置とカメラポジション(アングル)が決まったら、登場する被写体は演技が欠かせない。Hpimg_0006自然で豊かな表情が大切。人形や昆虫などはできるだけ自然な表情や仕草が必要だ。とむワールドの作品は大いに参考になるだろう。 (写真左 小人たちの遊びは迫真に迫る。とむワール・ドカレンダー2015年10月)
④ 季節感や自然現象を生かす
 観賞者は被写体と共通の体験をすることで、フィクションに入っていけものだ。とむワールドの作品はカレンダーなので、季節感はもっとも重要なモチーフになる。Hpimg_0008それぞれの作品では、季節を楽しむ小人たちに共感できるのではないか。また、雨や風、雪などの天候はだれもが体感できる身近な自然現象だ。それを積極的に撮り込むことで、作品はなじみやすいものになるだろう。 (写真右 雪は冬の象徴。とむワールド・カレンダー2015年1月) 参照:ホームページ『とむワールドへようこそ』

〔ドイツの森の原点を撮ってみたい〕
 私は、好きなドイツの森をイメージしてみようと考えた。カエサルの『ガリア戦記』には、今から2000年以上前のローマ時代のゲルマニア(ほぼ現ドイツ)の森のようすが書かれている。Hp_p2180100_4「ヘルキュニアの森は、南北の距離が、軽装の旅行者で10日もかかるほど長い」(『ガリア戦記』《國原吉之助訳 講談社学術文庫》)と書かれている。ヘルキュニアとは、現ドイツの中南部になるという。すなわち、2000年前のドイツはほぼ全土が深い森におおわれていたということだ。カエサルによると、ゲルマニアの森にはほかの土地では見られないさまざまな動物が生息しているという。前頭部の真ん中に1本の角が生えた牛に似た動物で、角の長さは見慣れている牛の角よりも長く真っ直ぐであると書かれている。Hpp9160306いわゆるユニコーンであろうか。ほかに、象よりやや小さい野牛がいる。力が強く速く走り、狂暴であるという。そんな魑魅魍魎とした森をイメージしたかった。そこで、八ヶ岳山麓の森の中へ、ドイツのオーバーアマガウで買ってきた奇獣を持ち込みいろいろとイメージを膨らませてみた。(写真上左 こもれ日を利用した。同右 秋にキノコのそばに置いて撮影。同下 ホワイトバランスを調節して月光下の森をイメージした)
 気に入った人形やアクセサリー、模型などを、自然の中や自身で作ったミニチュアセットの中に置いて、撮影してみようではないか。デジタルカメラの撮影では、結果がすぐわかるので、フィードバックが簡単だ。

Hpp2185299_3撮影結果を見て、被写体、ライティング、カメラアングルなどをその場で調節すれば思いどおりの写真が撮れる。屋外が苦手な方には、室内の撮影を勧めたい。

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2015/01/01

新春のごあいさつ

初めて除夜の鐘をつく

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 私は、地元の真言宗歓成院でカウントダウンをして新年を迎えた。初めて除夜の鐘をついた。

 昨年は、家内のリクエストでパリへ出かけた。そこで、年賀状でパリの体験をレポートした。以下に、年賀状とその文を掲載する。


あけましておめでとうございます

 昨年6月、パリに11日間滞在しました。メトロを足にして博物館、美術館、教会、公園などを巡りました。メトロ7号線の終着駅にLa courneuve-8Mai 1945という駅があります。Hp2015_2フランスの終戦記念日が駅名になっているのです。興味をそそられ終点まで乗ってみました。地上へ出ると、ナチス・ドイツへのレジスタンス運動の記念碑が目に留まりました。しかしそれよりも驚かされたのは、思いがけない大規模なバザールが展開していたのです。屋台を開いている人々や、買い物をする人々は、ほとんど中東やアフリカ出身のように見えます。パリでこのような情景を目にするとは想像もしませんでした。多民族を受け入れるフランスの懐の深さと寛容の精神を目の当たりにしました。記念碑を撮影して、駅を後にしました。あいかわらず、足の向くまま二人そろってマイペースの旅を続けております。皆さまの新年のご活躍をお祈り申しあげます。  2015年元旦 豊田芳州/恵子

 

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2014/12/04

サンリス・プチ・トリップ

フランスでローマ時代の遺跡を見学

 今夏、パリに滞在したとき、1日だけ近郊のサンリスへ(Senlis)出かけた。パリの北約40キロに位置するサンリスには、ローマ時代の城壁(市壁)が残っていると聞き、興味をそそられた。塩野七生氏の著作「ローマ人の物語」を読んで以来、ローマ文明は現在の西欧社会の基礎になっていると知った。Hpp6070928_2町造り、建築、土木、政治、法制、経済、税制、軍事などの技術や制度には、今もローマの精神が息づいている。私のライフワークである「ドイツからの風」を撮影するにあたっても、ローマ文明を知ることが欠かせないと考えている。 (写真上 ローマ時代の城壁内部。写真下左 街路に露出した城壁の断面、幅4メートルはありそうだ)

Hpp6070804_2 紀元前8世紀ごろローマ人が進出してくる以前は、現在のフランス(ガリア地方)にはケルト人が住んでいた。サンリスは先住民族ケルト人が造った都市だという。フランスを侵略したローマ人はサンリスも自分たちの町にして砦を築いた。サンリスのパンフレットによると、ローマ人は紀元前3世紀ごろには、厚さ4メートル、物見やぐらが28塔もある城壁で町を囲ったという。この城壁の大部分が現在も残っている。この城壁を見学することがサンリス訪問の目的だ。Hpimg_0001

 さて、現ドイツ連邦共和国の主要民族であるゲルマン民族が、北方のスカンディナヴィア半島南部より南下しはじめたのが紀元前10世紀ごろだった。すでにガリア(現フランス)に住んでいたローマ人と接触することになる。「ドイツ史」(木村靖二 著 山川出版社)によると、「紀元前2世紀ごろに、ゲルマン人はローマ人と直接対峙することになった」とある。サンリスの城壁はケルト人だけでなくゲルマン人に対する備えにもなったのであろう。Hpimg_0002「ローマ人の物語」(塩野七生 著)では、ゲルマン人はローマ人にとって終始(AC476年、西ローマ帝国滅亡まで)蛮族あつかいである。しかし、ゲルマン人はローマ人と敵対する一方、進んだローマの文化やシステムを学びまねたと「ドイツの歴史」(マンフレット・マイ著 小杉尅次 訳 ミネルヴァ書房刊)には書かれている。私は、Hpp6070801ドイツの生い立ちを知るために、ゲルマン人が接触したローマ文明を知りたいという願望に駆られた。少しでも当時のローマ文明に触れたいと願っている。 (写真下右 日本語版ガイド。写真下左 観光案内所)

 さて、サンリスへの往復は簡単ではなかった。パリ北駅でチケットがうまく買えないのだ。出札口でやっと買えたチケットを見ると、出発まで待ち時間が1時間以上ある。北駅で2時間も無為に過ごしてしまうことになった。Hpp6070979しかもサンリスへはシャンティイーでバスに乗り換えねばならない。その乗り継ぎの待ち時間がさらに1時間ある。サンリスへ着くのは午後1時になってしまう。パリに帰着する時間を午後5時に設定したので、帰路のバスの出発時刻が午後3時になる。現地には約2時間しか滞在できないことになる。楽しみにしていたサンリス見学はプチ・トリップになってしまった。以前はサンリスへも鉄道の便があったのだが、廃線になってしまったようだ。現在、旧サンリス駅はバスの発着所になっている。そこまでシャンティイーからバスが運行されている。振り返ってみると、鉄道とバスの連絡チケットを慣れないパリの自販機で買うのがたいへんだったのだ。 (写真左 サンリスの中心にあるパルヴィノートルダム聖堂)

 サンリスに着いてから、まず観光案内所(OFFICE DE TOURISME)へ向かった。案内所は、パルヴィノートルダム聖堂の真ん前にあった。ドイツでいえばマルクト広場だ。そこで、小冊子のガイドブックをもらった。日本語版もある。さっそくそれを頼りに町を歩きはじめた。Hpp6071028しかし、なかなか城壁へ近づけない。やっと、入口らしいところを見つけて城壁の中へ入った。そこには、今までの視界とは異なる風景が展開していた。何が違うのか、ひと言ではうまく言えないが、時代というか、風格というか、精神というか、私には紀元前3世紀のローマ時代にかなり近い風景だと感じられた。バスの時間が迫っているので、数カット撮影してその場を後にしたが、なんとも無念であった。 (写真右 旧サンリス駅)

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2014/10/06

横浜オクトーバーフェスト2014 横浜No.77

ビールで仲間になる
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 10月5日(日)、台風の前兆で降りしきる雨の中を、赤レンガ倉庫のイベント広場へ向かった。「横浜オクトーバーフェスト2014」の会場に着くと、屋外の会場にはだれもいなかった。この天候なのでイベントは中止しているのではないかと不安になった。しかし、それは私のとりこし苦労だった。300円の入場券を買い、腕にリストバンド(入場証)を巻いて会場に入った。テントの中は、雨の屋外からは想像できない状況が展開している。ビールとソーセージの匂い、人々の熱気と歓声であふれている。Hppa050061客席の中央にはステージがあり、周囲にはドイツビールのブランド別カウンターが軒を連ねている。ほとんどが見覚えのあるブランドだ。Erdinger、Spaten、PAULANER、WARSTEINER、Weihenstephan、Krombacher、Zoller-Hof、ENGEL、その中には「横浜ビール」もある。

 私は、PAULANER(パウラナー)のヴァイス・ドゥンケルの500ミリを注文した。ミュンヘンのビアホールで忘れられない思い出があったからだ(参照:『ビアレストランの人間模様 ドイツNo.26』) Hppa050202_3パウラナーの採点基準では、ヴァイス・ドゥンケルは、5点満点で、Hpimg_0002_3“力強さ4点”、“苦み”4点、“のど越し”3点、“フルーティー”4点、“クリーミー”4点、という採点だ。ほかのビールと比べてもっともバランスのとれた評価である。チラシには「通なあなたにピッタリ」というキャッチコピーが書かれている。500ミリ一杯1,400円だが、グラスのデポジット代が1,000円なので、合計2,400円を払った。

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 ステージの演奏を楽しもうとグラスを持って末席に座った。周りは若者ばかりで、すでに“出来上がっている”。といっても若い人は飲み方が上品だ。Hppa050103音楽には乗るがばか騒ぎはしない。ひと目、私と同じ世代は見つけられなかった。台風接近で控えたのだろうか? ステージは演奏というよりは、観客と一体になって楽しむビールと音楽の讃歌であろう。演奏者はドイツの「ヴォーホー アンド カレンダー バンド」だ。観客に応えるパフォーマンスはさすがだ。曲目は、オールデイーズ(ポピュラー音楽の昔のヒット曲)が中心だ。

盛り上がったのは『トップ・オブ・ザ・ワールド』『スタンド・バイ・ミー』などにまじって『上を向いて歩こう』だ。私の知っているナンバーなので愉快だった。同席の隣人と仲よくなり、談笑とHppa050138
乾杯をするのは、ミュンヘンのヴィクトエーリエン・マルクトのカフェと同じだ(参照:『屋外の食卓にこだわる ドイツNo.126』。演奏に合わせて観客が歌ったり踊ったりするのはハンブルグのフィッシュマルクトで見たマルクトハレのステージと同じだった(参照:『ハンブルグのフィッシュマルクト ドイツNo.134』)。グラスのデポジット代を受け取って会場を後にした。 (写真下2点 いろいろなビールサーバーがある)Hppa050215_2
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 なお、横浜のオクトーバーフェストは、ドイツ・ミュンヘンで秋に開催されるビール祭り・オクトーバーフェストの日本版だ。私は、まだ本場の祭りを体験したことがない。横浜でドイツらしいひとときを楽しめて幸せだった。10月19日(日)まで開催される。

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2014/10/05

第8回 プローバー’01写真展 『五 感』

                         横浜オクトーバーフェスト2014 

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会期:2014年10月7日(火)~13日(月) 10:00~18:00 初日は13:00~ 最終日は~16:00
会場:かなっくホール・ギャラリーA(アクセスはDMの宛名面をご参照ください 
ポップアップ可

 以下に会場のあいさつ文を掲載する
≪写真と「五感」について≫ 写真は視覚芸術です。作品のすべてが視覚を媒体にして成り立っています。一方、人間の日常生活は五感で外界とつながっています。すなわち、5つの入力系(目、耳、鼻、口、肌)をすべて使って生活しています。
 撮影のため被写体を観察するとき、視覚だけを頼りにしていると思うのは錯覚です。残りの四感(聴覚、嗅覚、味覚、触覚)がかなりかかわっています。あるときは被写体を見つけるきっかけになり、また、あるときはモチーフを確固たるものにします。しばしば、聴覚や嗅覚は写真の臨場感を盛り上げます。

 私たちプローバー’01は、五感すべてに着目して撮影しました。視覚以外の四感を感じていただけたら幸いです。 2014年10月7日  プローバー’01一同Hp2014dm_2

写真撮影におけるシズル効果と条件反射
 料理写真の分野に、シズル(sizzle)効果という専門用語がある。日本カメラ社の「写真用語事典」によると、シズルとは、肉や野菜などを煮たり焼いたりする際に出る「ジュージュー」という音の英語版擬声語だという。主に料理や飲みものの写真に使われる用語で、新鮮で、Hppa070673_2おいしそうな写真表現を「シズル効果」が出たという。ジュージューという音以外に、肉や油、煙や湯気などの質感により料理を効果的に見せようという撮影テクニックを意味する。焼肉の写真を撮るとき、ジュージューという音が聞こえてくるように撮ろうというわけだ。

 シズルには、肉が焼ける音(聴覚)以外に、煙や蒸気の匂い(嗅覚)、フライパンの熱気(触覚)などが共存していると推測できる。また、よだれが出てくるようだった味覚も刺激したことになる。Hppa070671_2視覚的な写真に、聴覚や、嗅覚、加えて触覚と味覚を感じさせるように撮影できたら成功だ。それらは、食欲や購買意欲を刺激するからだ。シズルには、人間の過去の体験を呼び覚ます働きがあるといえよう。私は、“パブロフの条件反射”が写真の表現にも重要な役割を演じていると考えている。訓練や経験など後天的につくられた反射(刺激と反応)が写真の観賞にかかわっているのではないか。Hpp6133413生々しいシズルは、以前に体験した五感を呼び覚ますのではないか。ときには、食べるときの家族や仲間との喜びも思い出すだろう。恩師の田村稔先生が、「豊田君、写真は見えるものが写ってあたりまえ、見えないものが撮れて一人前だ」とおっしゃったことを思い出した。写真の画面に記録される情報量は、それほど大きなものではない。写された被写体と状況からイメージが膨らむように撮ることが大切だろう。ちなみに、田村先生は物理学の博士である。

 プローバー’01が『五感』をテーマにして撮影してみたら、聴覚のカテゴリーがもっとも多くなってしまった。当初、展示作品は、五感それぞれを均等に扱いたかった。すなわち展示点数を同じにしたかったのだが、結果は聴覚優位だった。聴覚は撮影のモチーフに重要な意義をもっているということだろうか。

 私は、少ない味覚のカテゴリーを補うために『ドイツのスイーツ』 (写真上左) 『パリのパン屋さん』 (写真下) を出展した。『ドイツのスイーツ』は、ニュルンベルグの菓子店のショーケースを撮ったものだ。Hpp6019387_2自然のシーンをメルヘン調にアレンジしたお菓子は、いかにもドイツらしい着想だと感じた。『パリのパン屋さん』は、パリでランチを買いに入ったパン屋のラックに展示されていた商品に惹かれてシャッターをきったもの。

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2014/06/14

パリ・マドレーヌ教会のコンサート

モーツァルト/ヴィヴァルディ/etc.
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 パリへ来て、まず訪れたのはマドレーヌの花市だった。教会のわきに小さな花市がある。しかし、土曜日だったので、ほとんどが閉店していた。滞在するホテルの部屋に花を飾るのが家内のモットーだが、花を買うのはあきらめて教会を見学することにした。マドレーヌ教会は、外観はギリシャ神殿のようだが内部は普通の教会である。Hp2_p5310051礼拝堂はかなり広く、天井も高い立派なカトリック教会だ(写真上右、同左、同下右)

 扉を開けて拝廊に入ると資料を並べたテーブルがあった。そこで目に入ったのはMozart Requiem(モーツァルト レクイエム)のチラシだった。Hpp5310118当日の午後9時からレクイエムのコンサートがある。教会のコンサートでレクイエムを聴くのは憧れだ。2年前にサンタンブロワーズ教会(St.Ambroise)で同じレクイエムを聴いたことを思い出した。しかし、時差ボケのコンディションで夜のコンサートはきついと判断してあきらめた。さらに6月のスケジュール表を見ると、明後日にヴィヴァルディの『四季』とモーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』を含むコンサートがリストアップされていた。家内にもなじめる曲目なので、これを聴くことにした。 参照: 『フランスの過酷で愉快な生活〔前篇〕 ドイツNo.93』

 午後8時からコンサートは始まった。まず、モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』(セレナーデ13番K525)だ。私が、初めて生の演奏で聴いたのはこの曲だった。小学校の講堂で山田一雄の指揮する、この曲を聴いたときを思い出した。なんと澄んだ音色なのだろう、音楽にはこんな低音(チェロの響き)があるのかと、当時、感動したものだ。それ以来、私はクラシック音楽のファンになってしまった。『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』は、モーツァルトのもっともポピュラーな名曲である。優しいメロディーは、だれもが必ず耳にして、口ずさんだことがあるはずだ。Hpimg_0003_2K525といえばモーツアルトの最晩年の作品番号になる。どんな芸術家も晩年は難解な作品を創りたくなりがちだが、モーツアルトは、そうではなかった。この曲のおかげでクラシック音楽のファンになってしまうのは、私だけではあるまい。マドレーヌ教会での演奏は、モーツァルトの優しさと甘さが込められていた。 (写真左は当日のチラシ、同下右はチケット)

 アルビノーニの『アダージョ』、パッフェルベルの『カノン』までは、弦楽四重奏(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ビオラ、チェロ)の演奏だった。4曲目のマスネの『タイスの瞑想曲』からヴァイオリンのソリスト・Frederic Moreau氏が加わった。シューベルトの『アベ・マリア』のあと、ヴィヴァルディの『四季』(作品8)が演奏された。Hpimg_0004『四季』も、クラシック音楽の分野ではもっともポピュラーな名曲だ。作品8は12曲のヴァイオリン協奏曲で構成され『和声と創意の試み』というタイトルが付けられている。そのうちの第1番から第4番までの4曲(春、夏、秋、冬)が『四季』としてたびたび演奏されている。楽器構成は、独奏ヴァイオリンと弦楽四重奏だ。ソリストは指揮を執りながら独奏パートをこなした。『四季』は標題音楽といってよいだろう。4曲それぞれの楽譜には季節感を表す詩(ソネット)が添えられているというから、描写音楽に属する。ただし、『四季』はヴィヴァルディの命名ではないという。後世の人が詩に合わせて付けたようだ。当時の音楽界では標題音楽や描写音楽はまだ関心が低かった。そのような時代にヴィヴァルディがチャレンジしたといってよいのではないか。演奏は、季節感や自然現象をできるだけ強調した表情豊かなものだった。

 ちなみに、ヴィヴァルディの作品3に『調和の霊感』という12曲の合奏協奏曲集がある。私は、『和声と創意の試み』より『調和の霊感』のほうが好きだ。『調和の霊感』にはポリフォニーへのチャレンジを感じるからだ。Hpp6029462_2私は、標題音楽よりも絶対音楽に関心がある。ドイツのJ.S.バッハは、第2番、3番、6番、9番、10番、11番を自身の曲にアレンジしている。きっとバッハは、『調和の霊感』にポリフォニー音楽の“霊感”を得たにちがいない。ヴィヴァルディは、ポリフォニーと標題音楽という将来の二つの分野を予期してトライしたのではないだろうか? (写真右上は演奏者)参照: 『フーガの技法についての考察 ドイツNo.77』

Hpcdp6132636_2 アンコールに応えて、ソリストがパガニーニのバイオリン協奏曲(何番か不詳)で超絶技巧を披露した。終演は9時30分ごろだった。出演者のサイン入りCD(写真左)を記念に買って聖堂をあとにした。夕闇が迫るパリ市街とコンサートの余韻を楽しみながらメトロの階段を降りた。

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2014/05/08

『ドイツの栄光』展の観客を分析する ドイツNo.141

ネット・ギャラリー写真展のメリット
                    (図、表、写真はポップアップ可)

 私がブログを書いている@niftyのココログ(cocolog)には、優れたアクセス解析がある(他のブログについては不詳)。これを利用すると本ブログへのアクセスの実情をある程度知ることができる。今回のネット・ギャラリーの写真展についても同じだ。Hpb 写真展『ドイツの栄光』の開設期間だけに絞ってアクセス解析を読んでみた。右図は「流入元別アクセス数の割合とその推移」。どこのサイトから写真展(「豊田芳州のTheme」)へアクセスしたのかがわかる。

観客動員数…アクセス数推移
 写真展の観客動員数は、私のブログへのアクセス数でわかる。アクセス数はPV(ページが閲覧された回数)と、Visit(ページへの訪問回数)、UU(同日中、ページを閲覧したユーザー数)の3種で表示される(下表「アクセス数詳細」参照)。 『ドイツの栄光』展を観賞(閲覧)された方の数はUUとみてよいだろう。Hpもちろん、何日にもわたって観賞いただい方もいらっしゃるので、延べ観客数になる。単純集計で488名の観客を動員したことになる。これは、身に余る光栄だ。2回以上のリピーターは、PV(1069名)-UU(488名)=581名(延べ)となる。リピーターが多いのもネット・ギャラリーの特徴だろか。ただし、これは私のブログへアクセスいただいた方すべてが写真展を見てくださったという前提だ。

検索アクセスのキーワード
 直接、写真展にアクセスする以外に、いろいろな検索から私のブログへアクセスできる。『ドイツの栄光』展をトップページにしておいたので、他の検索キーワードで訪問された方もご高覧いただけたと思う。  4月2日~8日の『ドイツの栄光』展掲載期間のアクセス「検索キーワードランキング」は下表のとおりだ。Hp 実際には68位まで表示されているが21位まで掲載する。この中には、写真展と無関係なアクセスも含まれているが、トップページの写真展をご高覧いただいた方はかなりいらっしゃるのではないか。郵送や手渡しでDMを400枚ほど配布し、写真展のURLを告知したので、「not provided」には、URLの直接入力が含まれていると思われる。平時でも、「検索キーワードランキング」はブログの著者にとって気になるデータだ。

年齢層/ネットリテラシー/地域…ユーザー属性(推測)
 観客の3つの属性がほぼわかる。年齢層とネットリテラシー(インターネットの熟練度)は下図のとおりだ。年齢層は40代(緑色)が約45%、30代(茶色)が約28%、20代(青色)が約20%で、残りの約7%が10代と50代以上だった。ネットリテラシーは初心者(茶色)が圧倒的に多く約63%、中級者(緑色)が約29%、上級者(青色)は約8%だ。初心者が多いのは歓迎だ。残念ながら、男女の区別は分析できないらしい。Hp_2  訪問者の所在地域は下図のとおりだ。レインボーカラーで全アクセスに対する割合が表示されている。右側の暖色ほど訪問者の地域が多いことを意味する。別に訪問者数の地域別一覧が公示されているが、スぺースのつごうで省略する。Hp それによると、やはり首都圏が多く、神奈川県が35.8%、東京都が27.7%、千葉県が11.6%、埼玉県の8.1%となっている。ほかに目立つのは宮崎県の1.3%、北海道と宮城県、静岡県、愛知県、島根県の1.2%、山形県と奈良県、和歌山県の1%となっている。16府県が0%だった。Hp_5地方の方々がご高覧いただけたのはうれしかった。通常のギャラリーでの写真展では、これほど地方の方々に見てはいただけないだろう。ネット・ギャラリーの大きなメリットだ。

気兼ねなくDMを配布できる…アクセス時間帯  下図は時間帯別の平均アクセス数だ。24時間いつの時間帯でもアクセスがある。Visit(ページへの訪問回数)に着目すると、午前8時~10時、午後4時~6時、午後10時~11時に多めのアクセスがあった。Hp_4 この時間帯分布は写真展とは直接関係ないが、一日中写真展を見ることができるのは便利なのではないか。DMを発送したり手渡すとき、多忙中にご足労願うので気が引けるときがある。ギャラリーへ足を運ぶ必要がないネット・ギャラリーなら、気兼ねなくDMを渡せる。

 この結果に気をよくして、第2弾、第3弾を検討中だ。参照: Deutsche Geist 『ドイツの栄光』展 予告 ドイツNo139

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2014/04/09

Deutsche Geist 『ドイツの栄光』展 予告 ドイツNo.139

第1回 豊田芳州ネット・ギャラリー写真展

 インターネットが情報伝達の中枢的存在になってきた。各種のコマーシャルでは「詳細は○○で検索」などと、肝心の情報はインターネットで伝える場合が多い。行政や公共の情報もインターネットに任せているのがほとんどだ。Hp インターネットが嫌いだなどと言っていたら、世間の趨勢から遅れてしまうだろう。インターネットを敬遠するなら、それこそ自身の感覚を研ぎ澄まし(高感度のアンテナを立てて)、何倍もエネルギーを使わなければ生活情報は得られないだろう。もちろん、その選択肢はあると思うし、世の中の流れとは別の道を歩むということもありえる…。

 というわけで、私は自身のブログで写真展を開催することにした。ネットギャラリー『豊田芳州のTheme』の開設だ。ネットギャラリーのメリットはいくつかある。
①鑑賞者は会場へ足を運ぶ労力を省略できる ②いつでも鑑賞できる ③自身のサイトをもてば、だれでも写真展を開催できる ④会場費、パネル製作代などの開催費を節約できる ⑤アクセス解析で、鑑賞者のキャラクターと傾向をつかめる ⑥アクセスの多いサイトでは、多くの観客を動員できる。一方、デメリットもある。
①大画面の迫力がない ②組写真としてのレイアウト効果(モンタージュ効果)を生かしにくい。『豊田芳州のTheme』では、写真を並べて鑑賞できない ③作者と直接コミュニケーションができない
 デメリットの解決策として、①については、パソコンを大画面TVにつないである程度改善はできる。これには専用接続コードが必要だ。②については、ブログ上で特別なページ展開を工夫しなければならないので、現在の私に解決策はない。③については、コメントのやり取りで可能だろう。また前述のとおり、アクセス解析から鑑賞者のキャラクターと傾向をある程度つかめる。ネットギャラリーでは、作者と鑑賞者の間に、通常のギャラリーにはない接点が生まれるだろう。

 ネットギャラリーでの開催とはいえ、ダイレクトメール(案内はがき)を作り、期日とギャラリー(ブログのURL)を告知することにした(写真上)
〔期 日〕:2014年4月2日(水)~4月8日(火)
〔ネットギャラリー〕:「豊田芳州のTheme」 http://silent-forest.cocolog-nifty.com

 さて、なぜドイツなのか。私は、若いときからクラシック音楽が好きだった。無意識に聴いているうちにドイツ系の作曲家と曲が好きになっていた。ドイツを意識すると、ますますドイツ音楽に引き込まれた。ドイツ音楽を表徴するとしたら、重厚、荘重、躍動的、大上段と言ってよいのではないか。私は、“正統派”と思っている。好きな曲を生み出す風土や人々に興味をもつのは当然だろう。

 一方、写真を専門的に学ぼうとするとドイツのカメラに関心が出てくる。現在は日本がカメラ王国だが、その前はドイツがカメラ王国だった。日本は以前、ドイツのライカやコンタックスをまねた時期があった。Hpp5305116_2 Hpp6157053 ドイツのマイスターたちが作った精巧なメカニズムがカメラの基礎になった。写真関係者にとってドイツは特別な国である。それは私にとっても同じだ。ほかに町並みや人々は馬が合うし、パン、ソーセージ、ビール、コーヒー、ジャガイモなど大好物だ。現在、ライフワークとして「ドイツからの風」に取り組んでいる。第1回は『栄光』編としてまとめた。ドイツ各地で共感し、私なりに讃えたいと感じた風物である。アクセスいただけたら幸いだ。 (写真上左 うまいドイツのビール。同上右 おいしいドイツの朝食)

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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