2009/12/09

敬虔と祝賀のクリスマス ドイツNo.89

ミュンヘンのアドヴェント…フォト・メモリーHppc102628

 ドイツでは、クリスマス前の約4週間をアドヴェント(Advent 待降節)と呼び、クリスマスを迎える準備をする。今年は11月29日(日)から始まった。今回もドイツへ行けないので、2年前の写真で思い出をつづりたい。それでも十分楽しめるのがドイツのクリスマスなのだ。(写真上 フラウエン教会で聖歌隊のコーラスが聴けた)

Hppc092510ホテルの部屋に入ると、アドヴェントならではの心温まる歓迎に出合った。おかげで長旅の疲れを忘れた

Hppc167926クリスマス・マルクト(市場)は、市内のいたるところに開かれる。新市庁舎前のマリエン広場にはもっとも大規模なマルクトが立っていたHppc104765_2

ミュンヘンの新市庁舎の中庭に飾られたクリッペ(キリスト降誕の場面をジオラマで表現したもの)は人気があり、多くの人々を集めている(写真下2点)Hppc102595Hppc104783

Hppc102649この時期には、クリッペ・コンテストがあり、入賞作品がノイハウザー通りに飾られていた(写真上右)

Hpkripperlmarktpc167970アドヴェントでは、おとなも子どももクリッペを作るのが恒例だ。ミュンヘンには、クリッペ用品専門のマルクト(Kripperlmarkt)があるHppc163107

Hppc104686_2ノイハウザー通りではサンタクロース(写真右)に、聖ペーター広場ではクリストキント(白い衣装の女の子)(写真下)に出会った。ドイツでは、クリスマスイブにプレゼントを配るのはクリストキントで、サンタクロースは12月6日の聖ニコラウス祭にお菓子を配るのだそうだHppc173211_2

Hppc166416聖ペーター広場には、巨大なクリスマス・クランツ(ローソク)のピラミッド(ローソクの熱で回る風車を模したもの)があった写真上右)

同じく聖ペーター広場に飾られた大型のクリッペとキリスト像? クリスマスの雰囲気がいっぱいだったHppc173229Hppc166409

クリスマスと言えばグリューワインが定番だ。温めた赤ワインに香辛料を加えたものでクリスマスには欠かせない。香辛料にその店独自のノウハウがあるようだ。ドイツ人は、これを飲んで体を温め、アドヴェントを楽しむHppc173253Hppc102561

ヴィクトアーリエン広場のカフェは、ビニールシートで風除けを作って営業している(写真下)中は満席に近かった。花屋にはツリーなどに使う針葉樹の小枝がたくさん並べられている(写真下右)Hppc157882Hppc153082

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用は、ご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/11/03

白馬山麓撮影記…フォトレポート

日本の道百選の風景Hppb010280

 白馬岳山麓は、スキーでは何回も訪れたが、秋に行ったのは初めてだ。10月31日から2日間、ヌービックフォトフレンズ5のメンバーと撮影に出かけた。白馬を選んだのは、紅葉だけでなく山麓の民俗にも関心があったからだ。Hppa310007古来、多くに人々が往来した千国街道(塩の道)沿いの風物には、旅人と住人の生活が焼き付いているはずだ。ときには当時の人情を読み取ることができるかもしれない。

 山麓で松川を渡る白馬大橋は、「日本の道百選」に選ばれた名所である。白馬三山を一望する視界は圧巻だ。特に、朝焼けに映える山容はすばらしかった(写真上右)。ちなみに、横浜では「山下公園通り」と「山手本通り」が日本の道百選に選定されている。

 2日間、充実した撮影ができたのは、宿泊したペンション「あるかんしぇる」のご主人が、マイクロバスで撮影ポイントへ案内してくださったからだ。好天にも恵まれ効率よく撮影できた。紅葉は末期とはいえ、色が十分残り撮影に不満はなかった。

●『新雪の白馬岳東面』 大雪渓の取りつき付近まで連れていっていただいて撮影した(写真上左)

●『それぞれの秋』 虫食い葉と黄葉のコントラストを狙ったHppa310117

●『示 現』 江戸末期、塩の道沿いに造立された観音原。187体の石仏が広場を囲むように配置されているHppa310158

●『霊 感』Hppa310165

Hppb010209_2●『朝ぼらけ』 日本の道百選の一つ「白馬岳線」の白馬大橋で朝を迎えた。まず、東の空が焼けた

●『発 現』 次に白馬三山が松川の上に輝きはじめた(写真最上)

Hppb010082_2●『杓子岳』 白馬三山の一つ、杓子岳をアップでねらった。山麓から見るとしゃもじのように見える。名まえの由来ではないか?

●『平 安』 青鬼(あおに)の集落は、1200年前、人々が姫川の氾濫を避けて山間に住み着いたのが始まりだというHppb010258

Hppb010188_2●『開 墾』 棚田の開墾には多大な労力を費やしたと推測できる。上段の棚田に立てられた石仏には明治25年の銘が刻まれていたHppb010201

●『がったくり』 昭和初期まで、これで米をついていたというHppb010290

        

                        

                                                

Hp_3◆ヌービック フォト フレンズ5のメンバー

Hppb010048_2◆白馬大橋にて

Hppb010294_3◆青鬼のがったくりを撮る

Hppb010135_2ペンション「あるかんしぇる」

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用は、ご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/10/20

湖北敬神

奥浜名湖巡り…千葉大スキー部OB例会Hppa181175

 今年の例会は浜松で開催された。OB会員の重鎮3名が浜松在住なので、みんなで押しかけたのである。鰻をはじめ浜松の美味いものにも触れようというわけだ。10月17日は、浜名湖立体花博(浜松モザイカルチャー世界博2009)を見学した。モザイカルチャーとは、花と緑で造形した彫刻作品のようなものである。国際色と郷土色豊かな作品が91種類も展示されていた。私は「紅雲の雪景富士」(静岡県出展)が印象に残った(写真下)。懇親会は浜名湖ロイヤルホテルで行った。1年ぶりの再開で、私も愉快に酒を酌み交わした。

Hppa181168 翌日は、浜名湖の北にある湖北五山(初山宝林寺、龍潭寺、大本山方広寺、摩訶耶寺、大福寺)のうちの二つを訪れた。今まで、浜松にこのような名刹があるとは思わなかった。しかしよく考えてみると、東京(江戸)よりも古くから開け、人々の営みは濃かったはずなので当然であろう。その印象をまとめてみた。「湖北“敬神”」というよりは「湖北“神いじり”」というほうが正確だろう。

●方広寺・亀背橋 寺域への架け橋。現在は使われていないが、かつてはここで世俗の垢を落としたであろう(写真上左)

●枯山水庭園 方広寺は臨済宗の寺である(写真上右)

Hppa181212●鐘楼の屋根 創建(1371年)当時は、深山の幽玄な気配がみなぎっていたのではないか 

Hppa181230●龍潭寺庭園 733年開山の古刹、庭園は小堀遠州作。水面に仏心を読みとろうとしたが…

Hppa181254●門前の植物 龍潭寺は井伊直弼一族の菩提寺(位牌を祀る)。桜田門外の変を意識して撮影した

Hppa171147●「紅雲の雪景富士」 立体花博の作品(静岡県出展)

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用は、ご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/10/15

白駒池のアニミズム 八ヶ岳山麓No.85

原生林の中に精霊を探すHpbpa133264

 八ヶ岳の山稜を越す麦草峠のそばに白駒池(標高2115メートル)がある。秘境と言ってもよいほどの環境だが、アクセスが整備され、だれでも訪れることができる。原生林の中にできた遊歩道を通って湖岸に出ると、神秘的な視界が世俗に染まった心身をいやしてくれる。「恋しい人を探して原生林に迷い込んだ乙女が、白馬に誘われて池の中に消えた」という伝説があるように、幻想的でメルヘンチックな雰囲気が漂っている。一方、風化した樹木、苔、岩石など、自然の過酷な歳月もひしひしと感じる。

 10月13日、白駒池を訪れたHpcpa133217 。国道沿いの駐車場から原生林の中に入ると、冷気が身にしみ冷蔵庫の中に入ったような感じだ。すぐセーターを着たが、それでも寒い。私たちはそれぞれ、原生林と白駒池に対するイメージを固めて撮影態勢に入った。ネイチャー、ドキュメンタリー、ファンタジー、メルヘン、アニミズムなど、解釈は自由だ。これがしっかりしていないと撮影は散漫になり、結果が出ない。私はアニミズムを選んで、精霊が隠れていそうな場所を探してシャッターをきった。

●倒木の根(写真上右) 原始人なら、精霊の顕現として崇めたであろう

●コケの胞子体(写真上左) 精霊のささやき                                              

Hpipa139251_3Hpgpa133336_3●木もれ日 精霊のいたずらか!! 点滅と移動を繰り返す

Hplpa133321Hpnpa133302●落ち葉とキノコ 精霊が隠れるのにぴったりだ

Hphpa133383_2●波紋 伝説の湖面が揺らぐ

●風音 精霊が騒いでいるHpmpa133434_2

Hpjpa139296●地衣類(藻類と菌類の共同体) 怪しい形は警戒信号か

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用は、ご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/10/07

フランスの新幹線TGV ドイツNo.87

緊急時に窓ガラスを割るハンマーを装備Hptgvp6097511_2

 ドイツとフランスの新幹線を紹介しよう。まずフランスからだ。とはいっても、フランスの新幹線TGVは、ドイツも走っている。軌道幅Hpp6097507_2(標準軌)はもちろん、運行システムが共通なので、ドイツの線路を走ることができる。フランスのTGVとドイツの新幹線ICE、それに日本の新幹線は、世界の高速鉄道のベスト3だ。Hpp6137894世界各地で技術プラント売り込みのライバルでもある。軌道はすべて同じだが、スピードが違う。TGVは最高時速500キロ以上、ICEとJR新幹線は400キロ以上だ。営業運転ではないが、TGVは群を抜いている。車内の第一印象は、日本の新幹線は“ビジネス特急”なのに対して、ヨーロッパでは“レジャー特急”という感じだ。これは自身の立場からの偏見かもしれない。

 私たちが乗ったのは、シュツットガルト発、フランスのパリ東駅行きだった。フランスのコルマールへ行くためにストラスブールまで乗った。2等の車内を中心にそのときのようすをレポートする。

シュツットガルト中央駅に停車中のTGV。フランスのパリ行きだ(写真上右2点)

TGVのロゴマーク(写真上左)

2等車の室内。私たちのシートナンバーは25、26だった。運行区間によって表示が変わるHpp6097514Hpp6097517

折りたたみのテーブルとカップフォルダー(写真下)Hpp6097524

各種ピクトグラフ。左は「2等」「携帯電話可」「禁煙」の表示。右は「方向指示(この先)」、「パソコン接続コーナー」「トイレ」「赤ちゃんのおむつ交換コーナー」。TGVもICEも車内でパソコンが使える(写真下)Hpp6097523_2

帰路に乗ったのは対面シートだった。窓側にデスクがたたまれていて、手前に倒して使う。デスクの裏面には4か国語で「Game pieces on sale at bar counter](英語)と書かれている(写真下)Hpp6137867Hpp6137877_2

Hpp6137892            

            

緊急時脱出用のハンマーが装備され、4か国語で「Window breaking hammer」(英語)と表示されている。ICEも同じだ。日本の新幹線にはない装備だ。国民性と国情の違いを感じる

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用は、ご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/04/10

駅のプロジェクターとスクリーン ドイツNo.82

シュツットガルト・UバーンのプラットホームHp5p2253359_2

 シュツットガルトには、Uバーン(地下鉄)が広範囲に走り、市民の足として大きな役割を果たしている。駅の間隔が短いので、日本のバスのような存在だ。最近、私たちもチケットの買い方を覚えたので、ときどき利用する。今年の2月もホテルへ向かうときUバーンを利用した。シュツットガルト中央駅のプラットホームで電車を待っていると、車体の一部が異常に明るく照明されているのに気づいた(写真上)。気になったのでよく観察してみると、電車が走り去った後、線路をはさんで反対側にスクリーンがあるのがわかった。Hp1p2253372_3デジタルプロジェクターがプラットホームの天井に取り付けられていて(写真左 右上隅の白いもの 〈スクリーンの映像は天気予報〉)、そのスクリーンへ映写している。本来は、電車がホームにいないときだけ映写するようになっているようなのだが、システムの調整が悪く、電車に映写してしまったようだ。プロジェクターから車体までの距離は小さいので、明るく見えたのである。しかし、そのおかげでプロジェクターとスクリーンの存在に気がついた。スクリーンにはいろいろな情報が映写されている。私にわかったのは天気予報やコマーシャル、ニュースなどだ。日本なら、電光掲示板か液晶パネルで見せるところだろう。Hpp2253368_2Hpp2253373_4音声はなかった。プロジェクターとスクリーンは、私の“商売道具”なので、興味深く撮影した。スクリーン画面を4つ紹介する。

Hpp2253361『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/04/01

ゲンゲンバッハ ドイツNo.81

市民の自信と誇り

Hpp2248823_3

                       

 15年前、シュバルツバルトをレンタカーで走ったとき、ゲンゲンバッハ(Gengenbach 写真右)というちょっと変わった名まえの町を通過した。当時は、一つの通過点というだけで気にしなかった。実際、ドイツ全図で見ると、もっとも小さい文字で表記された(私の分類では第4ランク)町である。Photo_2ドイツ南西部のシュバルツバルト(黒い森)の中にあり、フランスとの国境を流れるライン川からは25キロぐらいの東にある。今冬、撮影地としてゲンゲンバッハを選んだのは、カーニバルで大都市にはない独特の趣向があるとWebで知ったからだ。また、以前に車で通過したという思い出も手伝っている。

 ゲンゲンバッハも御多分にもれず歴史と伝統を誇る町である。紀元100年ごろには人々が住み着き、725年にはベネディクト派の修道院が創設されたとパンフレットに書かれている。その修道院が825年には西ローマ帝国の帝国修道院になり、1360年には神聖ローマ帝国の帝国自由都市の称号を得た(~1803年)。Hpengelgassep2238572_3Hpobertorp2253148_2自由都市とは、地域の領主からの支配を脱して、皇帝直属になったことを意味する。ケルンやハンブルグなども帝国自由都市であった。現在は、近隣のライヒェンバッハ、シュバイバッハ、ベルマースバッハと合併して大きな町になっている。もちろん、旧市街はそのままだ。(写真上左 Engelgasse 写真上右 Obertortrum 

Hpp2222933_2 私はどこの町に滞在しても、教会のミサを見学することにしている。322日(日)に聖マーリエン教会へ出かけた。10時、子どもたちの聖歌隊の入場からミサは始まった。牧師が快活な人で、身振り手振りを交えたにぎやかなミサであった。カーニバル期間の特別なミサなのだろうか。オルガン演奏もすばらしい(写真左)。聖歌隊の退場まで約1時間、一大交響曲のようなミサだった。

 旧市街は、1784年に建てられた新市庁舎(Rathous 写真下左)を中心に、東西に長い楕円形に展開している(上のマップ参照)。市庁舎のバルコニーはマルクト広場に面していて、市民との交流の舞台だ(写真下右)。Hpp2218078_4Hpp2238628_3昔の城壁(市壁)の上に造られたエンゲルガッセ(Engelgasse)は中世の面影を濃く残し、上門塔(Obertortrum)には日時計がある。カーニバルでは、市民は仮面をかぶったり顔に絵の具を塗って変身し、町全体が狂ったように大騒ぎする。Hp2p2217857_5Hpp2228327_3市長など町の幹部も着飾って市民と一体になってカーニバルを盛り上げる。 どこへ行っても怪しい仮面の人々とすれ違うのは異様な世界だ。市民のユーモアと結束を感じざるをえない。(写真上左 仮面をかぶった市民、写真上右 カーニバルのパレード)

Hpp2233018_3 日本にも同じような町と行事はあるかもしれない。しかし、地方分権が浸透しているドイツならではの町のありようは紹介するに値すると思った。ドイツでは、これはゲンゲンバッハに限ったことではない。(写真右 カーニバルの衣装でくつろぐ)

                       

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2009/03/15

ドイツ 冬の旅…フォト・ハイライト ドイツNo.79

冬でもアウトドアー志向Hpp2269617_3

 2月下旬、冬のドイツを旅した。目的は、カーニバルの撮影だ。今年は、2月23日前後に行事が集中する。ドイツでは、マインツやデュッセルドルフ、ケルンなどのカーニバルが有名だが、私には片田舎ゲンゲンバッハのカーニバルに興味があった写真下2点Hpp2249196_4Hpp2217937_2小さな町に関心があるのは、いつものことだ。ゲンゲンバッハはシュバルツバルト(黒い森)にある小さな町だが、ゲルマン民族の風習や祭礼が残されているという。Hpp2248870 カーニバル(シュバルツバルトではファーゼント fasend と呼ばれる)はキリスト教の行事ではあるが、その土地それぞれでアレンジされている。ゲンゲンバッハで原始ゲルマン民族の精神のようなものを感じとれればと思った。カーニバルについては、いずれ触れようと思う。写真上左 シュツットガルト・新宮殿前に立つ彫像。写真上右 ゲンゲンバッハの町並み。手前はブドウ畑。 写真下2点 ゲンゲンバッハ旧市街の冬景色。写真下右 フランクフルトからシュツットガルトへ向かうICEの車窓から眺めた日没。わずかな晴れ間だった)

Hpp2238680_2Hpp2238453 何しろ寒かった。気温は東京、横浜より約7度Cは低いだろう。夜は氷点下3~5度C、日中は2~5度Cぐらいだった。気温から判断すればたいしたことはない。Hpp2192619八ヶ岳山麓(標高1400メートル)では、2月の最低気温は氷点下5~12度C、日中は0度Cを越すか越さないかというのが現状だ。自身の耐寒能力からすれば、ドイツの寒さなど平気だと思っていた。ところが、どういうわけか、寒さがジーンとしみ込んでくる。 ドイツの空気は熱容量(比重)が大きいように感じる。Hpp2263463_4Hpp2263556屋外を半日歩き回るのが限界だった。夢中で撮影したので、体が冷え体調を乱してしまった。しかし、今回はドイツの本当の冬を体験したような気がした。ハイライトをフォト・レポートする。Hpp2269472写真上左 シュットガルト市街の屋外カフェでくつろぐ人々。写真上右は、夕刻、毛布を準備してお客を待つケーニッヒ通りのカフェ)

 天候はほとんど曇りで、時々雨や雪が交じるというもの。日差しがあったのは一日だけだった。うわさで聞いていたとおりのドイツの天気だ。これが重厚な、また、ときにはメランコリーなドイツ音楽の原点なのかもしれない。それでも、ドイツでは屋外にカフェがオープンされる。カーニバルになれば乳幼児から老若男女が出かけてくる。要するに屋外でなんとか楽しみたいという願望が感じられる。クリスマスと同様、カーニバルもドイツ人の冬のアウトドアーライフなのである。写真右上 シュットガルト・旧宮殿の中庭へ騎士像を見学に来た小学生) 

Hpp2263528 帰路の機内番組でベートーベンの「運命」を2回ほど聴いた。これが、体験したばかりのドイツの風土とどのようにかかわっているのか考えてみた。しかし、「運命」はベートーベンの頭に浮かんだ着想のほうがはるかに大きいように感じ、あらためてベートーベンの偉大さに感動したのである。写真左上 シュツットガルト旧市街の大道芸。寒風の中での演奏は、シューベルトの「冬の旅」に出てくる辻音楽師を思い出させた)

参照: 『冬の旅 ドイツNo.35』

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2008/12/10

シュツットガルトのマルクトハレ ドイツNo.76

「ドイツからの風」で伝えたいことHpp6143646

 シュツットガルトという町の名まえを初めて聞いたのは、レコードのジャケットからだ。カール・ミュンヒンーの指揮するシュツットガルト室内管弦楽団によるバッハのブランデンブルグ協奏曲全6曲(モノラル盤)は名演奏の誉れ高かった。もう40年以上も前のことだ。後にステレオ録音盤も発売されたが、モノラルのほうが名演奏だといわれる。一人の指揮者でも解釈の違いがあり、演奏には波があるのであろう。(写真右は、シュツットガルトの旧市街、シラー広場に立つシラー像。シラー〈Johann Christoph Friedrich von Schiller〉はゲーテと並ぶドイツの偉人である。ベートーベンの第9交響曲第4楽章「歓喜に寄す」はシラーの詩である)

Hpp6143674 シュツットガルト室内管弦楽団は、1946年、カール・ミュンヒンガーによってに創設された。第二次世界大戦直後の混乱期に、室内合奏団ブームのさきがけとなったことに意義がある。ちなみに、イ・ムジチ合奏団やソチエタ・コレルリ合奏団は、1951年に結成された。ミュンヒンガーの演奏は、楽譜に忠実と言われるが、それがどんなことなのか、私にはよくわからない。しかし、理知的で、明解、きりりとした演奏は、私の耳に合う。虚飾のない音楽は、ドイツ的と言ってよいのではないか。そんなわけで、シュツットガルトには関心があった。

Hpp6143680 ドイツ人は、シュツットガルトについてあまり好感をもっていないようだが、私は、ミュンヒンガーと室内楽団のレコードから興味がある。初めてシュツットガルトを訪れたのは、1994年のことだった。ちょうど6月末日で、兵役を済ませた若者が新宮殿の前で羽目を外していたのを思い出す。旧市街はあるものの、あまりはっきりしない。教会とマルクト広場はあるが新市庁舎は近代建築で趣がない(写真右上)。木組みの家も目立たない。今夏は3回目の訪問だった。旧市街のシラー広場で花市を見てから、マルクト・ハレ(Markthalle)(写真上左)へ行って昼食をとった。

Hppb290051 マルクト・ハレは屋内の市場(マルクト)である(写真左)。市庁舎前の屋外市場と違い一年中開いている。とはいっても午後早く閉まってしまう。食料品はほとんど調達できるので、私たちも夕食用の食料を買って、ホテルで食べるときがある。2階のレストランがすばらしい。リーズナブルな価格で本格的な料理が食べられる。地元のドイツ人にも人気があり、昼食時には満席になる。私たちは、なんとか席を取ることができた。当日は、軽食を期待していたので、ウエイターに野菜が食べたいと言ってショウケースの中の野菜を指差した。「温かいのか、冷たいのか」と聞かれたので、「温かいほうがいい」といって、出てきたのが写真下左の料理だ。オーダーメードのせいか、12.8ユーロと高かった。

Hpp6148011 私たちにとって、マルクト・ハレで昼食をとり、買いものをするということは、ドイツ人のライフスタイルのほんの片隅に入れてもらっただけのことだ。しかし、レストランではウエイターと多くの人々は好意的で、好感が持てた。すなわち、私たちも仲間になれたような気がした。独りよがりかもしれないが、ドイツ旅行で味わいたい情感だったのである。

Hppc051350 マルクト(市場)はドイツ人の生活習慣を支える中枢である。もっともドイツ的な雰囲気の一つと言える。そこには、よそ者が安易に入ってはいけないような清らかな空気が漂っていると思う。興味本位でレンズを向けることを躊躇してしまう。しかし、それが「ドイツからの風」で、もっとも伝えたいことなのだ。それゆえ、一眼レフは控えて、コンパクトカメラで何気なく撮るのがマナーのような気がする。(写真上は、マルクトハレで買った香辛料)

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)

2008/07/27

アルザス・エギスハイムの余談 ドイツNo.69

Hpp6120113 巨大な草刈り機

 撮影の帰り道、「作業中」の標識が立っている先に、トラクターのようなものが見えた。動きと音は戦車のように物々しい。車体の横からバーが出ていて土手の草を刈っているのだとHpp6120117_2わかった。 目の前で方向転換するとき撮影させてもらった。 親切に実演しようかと言ってくれたが、遠慮した(写真右)。アルザス地方のブドウ畑は大規模経営だ。日本と違ってぶどう棚もない。畑の土手も均一な造りなので、トラクターのような草刈り機が使えるのだ。日本で使ったら、土手が壊れてしまいそうだ。

Hpp6117731 ラベルがユニークなビール

 食料品店でビールを欲しいといったら、すぐ持ってきたのがこのビールだ(写真左)。L' Alsacienneという名まえだ。エギスハイムの二つの店で同じものを勧められたところをみると、アルザスの名物のようだ。それとも、我々が外国人だと知って、勧めたのか。Hpp6117736 コルクの栓がしてあり、容量は750ml、アルコール度数は7.8パーセントだ。濃厚な喉ごしだった。大胆なデザインとエスプリが痛快だ。世界中のビールについて書いた本にも載っていない。日本で輸入しても、おそらく販売できないだろう?

中高年の素朴なゲームHpp6113028

 初老の男性二人が重そうな鉄(材質は不詳)の球を投げていた。15メートルぐらい離れた目標をめがけて投げている。カーリングのようなゲームに見えたが、ルールはわからない。それよりも、中高年が、ずいぶん素朴なゲームを楽しんでいるのに興味があった。球を投げるフォームが板についているので、やり慣れているのだろう。日本では最近、石蹴りや缶蹴りなどの“路面ゲーム”を見たことがない。いずれも子どもの遊びだが、通過儀礼のようなゲームで、子どもにとっては存在価値があると思う。これを、大人がやっていることに感じ入った。午前中のエギスハイムでの出来事だ。私は彼らと同年輩だ。日本で自分がプレーすることを想像してみたが…。

エギスハイムについては『町並みとワインが自慢 ドイツNo.65』を参照

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

| | コメント (0)