佐久の苔寺 八ヶ岳山麓No.164
「貞祥寺」探訪フォトレポート
山小屋のご近所のTさんから紹介していただいた佐久の貞祥寺(ていしょうじ)へ出かけた。Tさんによると苔が見ものだという。 貞祥寺の開基は近くの前山城主・伴野貞祥、開山は節香徳忠禅師によるという。佐久平を囲む山並みの南西麓に、1521年創建された(写真上 惣門から山門までの参道。同下左 本堂。同下右 由緒書き)。境内へ入ると、山寺ながら独特の雰囲気がある。
見慣れない樹木や草花などがあるからだろう。曹洞宗の寺で、広い座禅道場を兼ねた佛殿(本堂)をはじめ、七堂伽藍を備えている。
苔は、山門までの参道の両側に石畳を埋め込むように敷き詰められている。これだけの密度の苔はめったに見られないのではないか。柵などで歩行を制限していないので撮影にはつごうが良い。しかし、石畳の上からでも十分撮影できるので、大切にしなければならないだろう。
同境内には、島崎藤村の小諸時代の旧宅が保存されている(写真下 由緒書きと旧宅)。佐久市教育委員会のパンフレットによると、藤村は明治32年(1899年)4月から同38年(1905年)4月までの6年間をこの家で過ごした。
新婚生活だったという。この間、「落梅集」、合本「藤村詩集」を刊行、「藁草履」、「老嬢」、中編「水彩画家」などの小説を完成し、さらに写生文「千曲川のスケッチ」、長篇「破戒」などに着手した時期だ。文豪の草創期の環境に触れることができるかもしれない。 (写真はすべてポップアップ可)
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