2009/07/02

写真自由主義 八ケ岳山麓No.78

自然が身近になった…コンパクトカメラシリーズ9Hpp6206545

 最近は、デジタル・コンパクトカメラを携帯していないと不安である。フィルム一眼レフで撮影しても、同時に撮影したデジタル写真で仕上がりをほぼ確認できるので安心だ。また、デジタルコンパクトの性能が高く、十分な写真が撮れる。今までに写真展に半切の作品を何点も出展している。撮影直後に写りを確認できるので、常時携帯の意義が一段と高まった。一眼レフがなくても、フルタイムで作品を作れる態勢になったのがうれしい。

Hpp6065954 デジタルコンパクトの長所は接近能力にある。撮影では、カメラを上下/左右/前後、自由に動かしたい。しかし、一般にレンズには最短撮影距離という規制があり、被写体に近づくこと(前後の動き)には限界がある。ところが、デジタルコンパクトは、レンズ直前2~3センチまでピントが合う。近づくことで、写真が新鮮で生き生きしてくる。これは、私たちの日常にはない視覚だからだ。コンパクトカメラを持つことで、自然がより身近になった。

 散歩道の撮影が楽しい。気に入った写真がたくさん撮れるからだ。一眼レフの撮影ほど身構えないせいか、被写体がよく見える。何でも撮ってやろうという攻めの姿勢と、失敗してもかまわないという気安さが良い結果を生む。失敗したら何度でも撮りなおす。コンパクトカメラを持っていると何か解放されたような気になる。写真自由主義の到来だ。

ハンショウヅル(写真上右) 散歩道から少し外れたところで撮影。近所の人が教えてくれた

レンゲツツジ(写真上左) 放射方向に咲き並んだ花冠は昆虫を誘うのに有利なのだろうか

Hpp6065820_2モミの若葉 砲弾型の先端部が葉になる。画面上部の濃緑は昨年の葉だ。モミの葉の進化がうかがえる

Hpp6065785クロマツの花 今までじっくり観察したことがなかった。裸子植物の構造を観察できる

Hpp6066148ワラビの先端部 ワラビ(シダ)は裸子植物よりさらに原始的な植物だ。葉を広げようとしてうごめいているようすは進化の縮図である

Hpp6206462_2コガネムシ科の甲虫(正確な名まえは不詳) 触角を振りかざして葉の上を元気に歩き回っていた。デジタルコンパクトならではの臨場感だ

Hpp6065967_2虫こぶ はじめは何かの果実かと思った。虫こぶは、昆虫や線虫類が寄生して植物が異常に変形したものだ。直径3センチぐらいの球状だった

Hpp6216621_2水滴 雨上がりに撮影した。被写界深度が大きいデジタルコンパクトならではの写り方だ

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2008/07/30

オオムラサキを撮影する 八ケ岳山麓No.58

産卵と吸蜜…コンパクトカメラシリーズ4Hpp7278623_2

 北杜市長坂町のオオムラサキセンターを初めて訪れた。同施設は、国蝶のオオムラサキを、八ケ岳山麓の自然を生かした環境の中で飼育している。ひと目、温室のように見える「びばりうむ長坂」(写真下右は内部)は、鉄骨とネットで囲まれてはいるが、外気が流れる飼育棟だ。その中にオオムラサキなど八ケ岳山麓に生息する昆虫が飼育されている。私は、オリンパスSP-350で2パターン撮影した。どちらも、蝶が動かなかったので思いどおりに撮れた。

Hpp7278618 まず始めに、枝にぶら下がっているオオムラサキをマクロモードとターゲットAFの組み合わせで撮り始めた。長焦点レンズで少しずつ撮影距離を小さくしたが、蝶に変化はない。そこで、スーパーマクロモード(広角レンズ)に切り替え、さらに接近した。とりあえずシャープに撮ることが第一だ。次に背景を気にしたが、広角画角のため、どうしても「びばりうむ」の構造物が入ってしまう。たくさんシャッターをきった中から1枚選んで拡大した(写真左)。細い枝に一列に卵が並んでいるので、産卵中のようだ。そためにカメラが接近しても動かなかったのだろう。しかし、本当の産卵風景か、私の知識ではわからない。 【撮影データ】オリンパスSP-350 オリンパスレンズ8~24ミリF2.8~4.9 スーパーマクロモード(8ミリ) 絞りF4.5 1/250秒 ISO400 WBオート

 幹の一か所にオオムラサキが集まっていた。一つの穴へ3頭が口を突っ込んで樹液を吸っている。あたかも会議をしているようだ。翅を開いているのは、オオムラサキの雌である。タイトルに「吸蜜」と書いたが、吸樹液が正しいのだろう(写真上右)。【撮影データ】オリンパスSP-350 オリンパスレンズ8~24ミリF2.8~4.9 スーパーマクロモード(8ミリ) 絞りF4.5 1/50秒 ISO400 WBオート

Hpp7278630_2 「三脚を木道から外して立てないように」と注意書きがあるぐらいなので、撮影は可能ということだ。しかし、狭い場所であるうえに、公共施設なので三脚は控えるべきだろう。感度をISO400にして数カット撮影すれば、シャープな写真は得られるはずだ。特に、コンパクトデジタルカメラは、このような撮影条件に適する。被写体や自然環境、周囲の人々にも優しいツールと言える。蝶も訪問者には慣れているのだろうか、ほぼ思いどおりに撮影させてもらえる。もちろん、一眼レフで本格的に撮影している人もいた。国蝶をじっくり撮影できるのはうれしいことだ。

参照 『アブの補色 八ケ岳山麓No.57』

オオムラサキセンターのホームページは北杜市のホームページから検索

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2008/07/11

アブの捕食 八ケ岳山麓No.57

マクロ撮影の驚異的なシャープさ…コンパクトカメラシリーズ3Hpcp7058261

 目の前に昆虫が飛んできてとまった。畑のシカ避けにしているワイヤーの上だ。大きく見えたのは、2匹の合体だからだ。はじめは交尾かと思ったが、そうではない。大きな昆虫が小さな昆虫を抱きかかえているのである。私は、昆虫についてはそれほど知識がない。とりあえず現場を押さえようと、持ち合わせのカメラ(オリンパスSP-350)で撮影した。被写体は昆虫なので、遠くから撮影するのが常識だが、広角マクロ撮影に興味がある私としては、できれば接近して撮りたかった。オリンパスSP-350を得意のスーパーマクロモード、ターゲットAFモードに設定し、少しずつ接近した。

Hpcp7058261_2 さいわい昆虫は逃げない。何かに夢中になっているのである。液晶モニター上のターゲットを大きな昆虫の目に合わせて何回もシャッターをきった。撮影距離は約12センチ(レンズ先端から6~7センチ)だ。左の写真が撮影結果だ。昆虫図鑑で調べたところ、シオヤアブ(?)がハチの体液を吸い取っている現場だとわかった。アブの口がハチの首筋に突き刺さっている。ハチはよく見えないが、ミツバチのようだ。アブは捕食中だったので、わき目も振らない。運よく、じっくり撮影できた。コンパクトカメラで、このような自然観察ができて、うれしかった。しかし、なにより感心したのは、写真のシャープさだ。上右の写真は、実物の約3倍、全画面のプリントはほぼ六切りだ。十分シャープに写っている。写真をクリックしたポップアップ画面では、実物の約5.5倍、全画面のプリントサイズは半切大になる。半切に引き伸ばし、かつ近距離からの観賞でこれだけシャープに見えるのは驚異的である。一眼レフでは得られないシャープさである。

【撮影データ】 オリンパスSP-350 オリンパスレンズ8~24ミリF2.8~4.9(35ミリ判換算38~114ミリ) スーパーマクロモード(8ミリ) 絞りF5 1/200秒 ISO100 WB晴天

 レンズは、理論的には焦点距離が小さいほどシャープである。SP-350のスーパーマクロモード時は焦点距離8ミリなので、当然の結果である。ちなみに、35ミリ判やデジタル一眼レフには35~180ミリぐらいのマクロレンズが使われる。コンパクトカメラの焦点距離よりはるかに大きい。コンパクトカメラの撮像素子は一眼レフより小さいので、引き伸ばし倍率が高くなるが、それでも、これだけのシャープさを保っている。正確に撮影された(ピントが正確に合い、カメラブレのない)写真は、一眼レフを超えるシャープさを持っているのである。この性能は、SP-350にかぎったことではないはずだ。撮影できる条件は限られているものの、コンパクトカメラを見直さなければならないだろう。

参照 『異常の早いハルゼミ 八ケ岳山麓No.55』 『ニホンリスを撮る 八ケ岳山麓No.50』 『虫眼鏡のように自然観察ができる』 

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2008/03/21

ニホンリスを撮る 八ヶ岳山麓No.50

Hp2p3184368 望遠鏡のようなコンパクトカメラ

 動物写真家でない私にとって、野生動物を撮影するのは簡単ではない。なかなか接近できないうえに動きがすばやく、フレーミングしながらピントを合わせ、シャッターチャンスを決めるのは至難の技だ。ところが、デジタルコンパクトカメラで、その難問をすこし解決した。

Hpp3184363 森の中を散歩していると、林床を飛び跳ねているニホンリスを見つけた。距離は、私たちから30メートルぐらい離れていた。いつもはすぐ隠れたり逃げていってしまうのだが、318日の午前中は私と平行に森の中を進んでいった。途中で木に登り、枝を伝って隣の木に飛び移り、また、林床に降りて移動した。声をかけても遠ざからない。何か目ざすものがあるのか、または、私たちに興味を持ったのか、7、8分はいっしょだった。おかげで、携行していたコンパクトカメラで撮影することができた。

P3184367_2 コンパクトカメラとは、私が愛用するオリンパスSP-350である。オリンパスSP-350には35ミリ判換算38114ミリのズームレンズが付いている。望遠側の114ミリは、野生動物を撮れる焦点距離ではない。5メートルぐらいの撮影距離ならなんとかなるかもしれないが、めったに野生動物はそんな近くには現れない。しかし、写真はシャッターをきらなければ始まらないので、とにかく遠くのリスにレンズを向けてシャッターをきった。そして写ったのが掲載した写真だ。カメラの液晶モニターでは豆粒ほどにしか見えないリス(写真下右)を、パソコンで拡大して掲載した。プリントサイズは全倍以上、リスは実物の約1/10の大きさに写っている。上の写真3点は、下から順に撮影した。Hpp3184367_3

【撮影データ】オリンパスSP-350 レンズ8~24ミリF2.8~4.9(35ミリ判換算114ミリで撮影) 絞りF4.9 1/640秒 +0.7補正 ISO200 WBオート

 決して動物写真として満足できるものではないが、リスの動きや表情がわかり、裸眼で追いかけていては見えないものが写った。コンパクトカメラは望遠鏡になり、瞬間を記録してくれた。この写真を撮影するには、SP-350を使いこなさなければならない。要点を列記すると、

①ズームアップしてレンズを望遠側にする。リスをできるだけ大きく撮影するためだ。

ISO感度を高く設定する。カメラブレと被写体ブレを防ぐためだ。この場合はISO200に設定した。SP-350は最小絞りがF8なので、あまり絞りきれないときがある。天候によってはISO100でも十分だ。

③光学ファインダーで追跡する。遠くの小さなリスは、液晶モニターでは確認しにくいからだ。特に、明るいところではモニターはよく見えない。SP-350には、視野率は低いが、光学ファインダーが装備されている。これは照準器として役だつ。

④レリーズタイムラグをできるだけ小さくするために、AFMFに切り替えておく。AF作動時間を省略するためだ。ピントは無限遠()に合わせる。コンパクトデジカメは被写界深度が大きいのでピントはまったく心配ない。それでもデジタルコンパクトカメラはタイムラグが大きい。

⑤画質モードはSHQ(JPEGの最高画質)に設定しておく。高倍率の引き伸ばしに耐えるためだ。これは日常の設定条件だ。

 以上のカメラ操作は、だれでもできることなのだが、すばやく操作しないとリスは逃げてしまう。コンパクトカメラでも野生動物の撮影を楽しむことはできる。以前、コンパクトカメラが虫眼鏡になるという記事を書いた(参照『虫眼鏡のように自然観察ができる』)。今回は、望遠鏡にもなることがわかった。これからも、コンパクトカメラの使い方と性能をシリーズでレポートするつもりだ。

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2007/12/31

世界中で使いたい携帯電話 八ヶ岳山麓No.45

Hppc166259_3 1台でドイツと八ヶ岳山麓をカバー?!

 最近の映画は、携帯電話なしにはストーリーを展開できないのではないか。私は、あまり映画を見るほうではないが、ここ1、2年で見た映画では、パソコンと携帯電話がストーリーに大きくかかわっていた。007カジノ・ロワイヤルでは、ボンドは携帯電話(ソニー・エリクソンM600)片手に世界中を駆け巡る。チェコ、モンテネグロ、バハマ、マダガスカル、イタリア、ウガンダ、イギリスなどに舞台は移る。その使いっぷりがかっこいい。私も、世界中どこででも携帯が使えるということだけはまねしたいと思った。(写真右は、ミュンヘンの旧市庁舎)

 ドイツへ出かけるときは携帯電話を携行する。同行する家内との連絡と国際通話用だ。特に家内との連絡は重要だ。行動範囲と歩くペースが違うので、別行動になり、トランシーバーとして使いたいのだ。そのために、1年半ほど前にDoCoMoのmovaからFOMAに切り替えた。ところがFOMAはmovaに比べて国内のサービスエリアが狭い。八ヶ岳山麓ではそれが目だつ。ほかの地方都市でもFOMAは使えないときがある。そこで、デュアルネットワークサービスを契約し八ヶ岳山麓や地方都市へ出かけるときはmovaを使えるようにした。私だけではなく、自然写真家や登山家、レジャーで自然の中に入っていく人々は、movaを持参するという。

Hp071226pc262537_2 真冬の八ヶ岳山麓は、だいたい一日中氷点下の気温なので、古い電池はすぐ使用不能になる。スキーをしていると、風の影響でポケットの携帯はすぐ電池切れになる。そこで、この機会にmovaを新機種に買い換えようとドコモショップを訪れた。ところが、ドコモショップにはmovaの新機種は展示されていない。80ページのカタログの1ページ、片隅に3機種が残っているだけであった。DoCoMoの店員によると、movaの新機種は生産中止とのことだ。しかも、movaのサービスエリアはいずれFOMAに置き換わるとのことだった。しかし、それは期待薄だ。FOMAは都市志向で、ビル内や地下街に力を入れているという。山間部には目が向いていないのは明らかだ。ほかの量販店でも、「mova」と言うと態度が冷たくなった。(写真上は、12月26日撮影の八ヶ岳)

 私の活動エリアで携帯が使えなくなる危機を感じて、ムカッとした。movaも八ヶ岳山麓ではやっとつながる。少し山あい、谷あいへ入ると圏外になる。いままでやっと使えたところが切り捨てられるのではないか。DoCoMoの対応には、そのようなニュアンスが感じられた。なにより、携帯電話の大きな機能の一つは緊急時の連絡である。山に入るといろいろな遭難がある。熊やスズメバチ、マムシに襲われる危険がある。滑落や転倒にともなう骨折もある。このようなときにこそ携帯電話が役だつ。すなわちハードな使い方をする場所が山間部 だ。都市では、どちらかといえばソフトな使い方であろう。それに、都市には公衆電話もある。レスキューも早くできる。私は都市エリアのサービスを軽んじてはいないが、山間部や地方を甘く見るのは問題だと考えている。

Hpp6157611_2 世界中どこででも使えるのが携帯電話の理想だろう。私にとっては、1機種でドイツ、横浜、八ヶ岳山麓で使えることを願っている。(写真左は、ドイツ・ミュンヘンでのネットワーク表示。4社から選べる)

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