2016/09/20

失われた写真の神秘性…組み写真の時代

【神秘性とは】
 陶芸や染織などは、仕上げてからすぐ鑑賞することはできない。作業終了後、陶芸なら焼きあがるまでに、数時間から数日かかる。染織ならば織って染めて乾かしてみなければ出来ばえはわからない。このように作品を作りを終えても、出来ばえを完全に予測できない芸術分野がある。これを芸術の神秘性と言おう。実際に手を下した後は、「運を天に任せる」という部分だ。絵画や音楽などの芸術も似たようなところがある。
 写真ではどうだろうか? 写真にはいろいろな分野がある。芸術写真もひと昔前には神秘性があった。撮って現像してみなければ、真価はわからなかった。しかし、昨今のデジタル化によって、人間には読めないことはほとんどなくなった。撮影後、仕上がりをすぐ確認できるからだ。結果をすぐフィードバックして作品を修正できる。すなわち、失敗がなく、思いどおりに仕上げられる。作者の実力以上のものはできないが、実力は十分発揮できる。被写体や分野にもよるが、一般的に写真は神秘性を失ったといってよいだろう。それに加えて、スマートフォンやコンパクトカメラでの撮影はイージーで、はじめから神秘性を無視した撮り方だ。写真に対する考え方が即物的であり、刹那的である。被写体を使ってメッセージを伝えるだけの写真である。これはこれで一つの写真観であり、写真普及に貢献している。おそらく、フィルムカメラ(銀塩写真)にこだわる人は、写真のもつ神秘性にあこがれているのではないだろうか。

【単写真と組み写真】
 さて、写真界はあいかわらず単写真(1枚の作品)が主流だ。1枚の写真を見て、良し悪しを判断する傾向がある。フォトコンテストは、ほとんどが単写真で募集され、応募される。また、写真展も単写真で、テーマのない写真展がほとんどだ。特に、グループ展はその傾向が強い。神秘性が低くなった写真において、単写真はどれだけ価値があるだろうか。単写真は、被写体とその撮影条件(天候など)への依存度が高く作者の主張や解釈はほとんどない。もちろん、テーマもない。というよりも、単写真ではテーマを表現しにくい。または、できないだろう。(参照 『写真の読み方』名取洋之助著 岩波新書) あえて言えば、撮影テクニックの優劣ぐらいはわかるだろう。しかし、撮影テクニックは、モチーフやテーマに従うということを忘れてはなるまい。
 単写真で構成された写真展(グループ展など)の会場で、観客からしばしば撮影テクニックや被写体情報、または撮影地情報について聞かれる。作品の中身についての質問は少ない。これでいいのだろうか。これでは、写真は作品として認められていないのではないか。作品とは、作者の内面に関わることだ。作者独自の主張や提案、考察などがテーマになる。Hpimgまた、被写体に対する独自の観察や解釈などがテーマになる。すなわち、独自性とオリジナリティーがテーマになる。私の関わる写真展では、常に、テーマを追求してきた。写真展会場では、しばしば作品のタイトルが話題になる。タイトルはテーマへの入り口であり、好ましい話題だと考える。

【タイトルとテーマ】
 以前、本ブログで紹介したヌービック展(写真右 作品展と同時に制作した写真集)は、いつもテーマを前面に掲げ、それに従って総タイトルとカテゴリー(文章の章や節に相当するもの、)を立て、各作品にも総タイトルとカテゴリーに合わせてタイトルを吟味している(写真下2点 あいさつ文と作品一覧 ポップアップ可)。すなわち、グループ展だが、組み写真として展示している。ヌービック展では、入場者にアンケート調査を実施している(写真下左)。作品についての感想や意見を聞いて、今後の参考にしようというわけだ。それによると、タイトルについての感想や意見が多い。Hpimg_0002_3Hpimg_0001えば、「写真はもとより、タイトルが素晴らしいと思いました」「『俺は刺客ぞな』というタイトルが絶妙です」などの肯定派から、「一覧表のタイトルを見たときは、それぞれ皆良いと思いましたが、実際に作品を見て思ったほどではなかった」といったネガティブな感想もあった。どちらにしても、タイトルは作品の入り口であり、テーマへの入り口でもある。このような感想は、作品展にとって好ましことであろう。「この写真展はタイトル(テーマ)と写真がどのようにマッチングしているかを見るのが楽しみです。Hpp7180142_2タイトルに合わせて写真を撮るのは大変だろうと思います。皆さまの作品にはそのタイトルは光ってきたようです」。この感想には“タイトル≒テーマ”という前提が読み取れる。

【撮影のおもしろさ】
 一方、写真の撮影はたいへんおもしろい。テーマなどがなくても十分楽しめるということは認めざるを得ない。しかし、私は写真の味方として、写真はテーマが必要だと主張したい。すべての芸術は、テーマが問題になるからだ。もし、単写真を楽しむなら、できるだけ神秘性のある被写体や撮り方が必要だろう。フィルムを使うのも一つの手だ。
 また写真には、芸術性とは別の記録性や科学性を追求する分野がある。報道写真や自然科学写真などは、実証的であいまいさを排除した写真だ。神秘性はむしろ邪魔になるだろう。そういう意味から、デジタル写真は、報道、自然(動物や植物、環境など)、科学(天体、考古学など)などの分野に適する。  ところで、デジタル写真には問題もある。画像処理により画像の加工、変形、変換、強調などが容易にできる点だ。これは、シャッターを切った後で写真に手を加えるということで、作画上フェアーでないという意見がある。フィルムにこだわる根拠の一つになっている。しかし、画像処理は写真の神秘性とは相反することはあっても、直接関係はない。機会を改めて考えたいと思う。
 私が主張したいのは、芸術分野では 単写真⇒組み写真 という“流れ”である。そして、テーマが必要だということだ。もちろん、テーマを追求する組み写真でも撮影のおもしろさは変わらない。

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2016/04/26

両生類の生活 八ヶ岳山麓No194

カエルの卵を観察…補訂版
  (水中写真を追加し、オタマジャクシの健在を確認)
Hp_p4080390
 4月4日、散歩道でカエルの卵を見つけた。この時期にはよく見かけるが、例年よりは少し早いのではないか。まだ卵の形は円形だった。翌日には、卵が長楕円形になり、さらに4日後にはオタマジャクシのような形に変わってきた。この先、四肢が生え、尾が消失してカエルになる。しかし、私の観察はつごうで中断し、4月20日に再度池へ行ってみた。オタマジャクシが泳いでいたので、ホッとした。なお、オタマジャクシとは、柄杓(ひしゃく)の形をしているので命名されたという。Hp_p4040052_2 (写真上右 産卵直後の状態。同左 親ガエルと思われる)

 カエルは、脊椎動物門両生網に属する。いわゆる両生類だ。両生類は、地上で生活するようになった最初の脊椎動物である。幼生のオタマジャクシは水中では鰓(えら)呼吸をし、カエルになると肺呼吸に変わり地上の生活に適応する。「個体発生は系統派生を繰り返す」というE.H.ヘッケルの反復説(参照: 『植物の過去を明かしたい 八ヶ岳山麓No.149』)を前提にすると、カエルの祖先はオタマジャクシ(のようなもの)だったことになる。Hp_p4042114すると、水中生活をしていたオタマジャクシ(カエル)は、長い年月をかけて四肢を発達させて、陸上生活に適応できるようになった。これがカエルである。オタマジャクシの観察から、両生類の生活と進化を考えてみた。 (写真右列5点 卵の生長、Hp45plp4050023上から4月4日水中カメラで、4月5日水面より、4月8日水中の卵のようす、4月9日水面より、同日の水中のようす。撮影倍率は一定ではないので大きさは比較できない)

 カエルの卵を撮影したが、水面が卵を包む寒天質で凹凸しているうえに、Hp48p4082352_2明るい空が反射して水中はよく見えない。寒天質は卵を乾燥から守り、卵が流れて散らばらないような働きをしているようだ。そこで、まずPLフィルターを使い水面の表面反射を除去して撮影した。さらに水中のようすを観察するため、オリンパスのコンパクト水中カメラ・μTOUGH-8000で撮影した。
 オタマジャクシがカエルの祖先とHpp4090522同じような生活をしていたとすると、この池の環境は、両生類が水中から陸上生活に移る環境と似た状態と考ええてよいのではないか? Hp49p4092454_edited1そこで、卵のある周囲の状況も撮影した(写真下左列2点)。浅い水底には枯れ葉が堆積している。カエルは肉食だがオタマジャクシは雑食だいう。枯れ葉やプランクトン、水性昆虫などを捕れる環境が必要だ。卵にとっては新鮮な水は欠かせないだろう。水を供給する水源が2か所ある。一つは池の周囲にある湧水、もう一つは別のところから流れ込んでいる細流だ。卵は、流路から外れたところにある。私がいままでに観察した卵は、すべて流路から外れた水溜りに産卵されていた。植物と同様に水中から陸上生活に移るには、岸辺の近くに産卵するのは当然だ。私が今回撮影した卵は池の岸辺に接していた。そこは野生動物が近づく余地があるので、安全とはいえない。近くには、テンやキツネ、アナグマ、タヌキが生息している。Hpp4042258ほかに、カラスや猛禽類も狙っているだろう。そのような厳しい環境を克服して、両生類は子孫を残してきたのだ。親ガエルは、近くで卵を守っているようだった。私が撮影のために近づくと、親ガエルがケロケロと鳴いて遠ざかっていった。 (写真左2点 卵のある池のようす。水中カメラで)

 陸上の生活に適応するためには、ほかにもいくつかの試練が待ち構えている。まず肺呼吸だ。水中では鰓呼吸だったが、陸上では肺呼吸をしなければならない。カエルは皮膚呼吸もする。Hp_p4042240餌を採取したり天敵から逃れるためには、移動の手段として四肢(前足と後ろ足)の発達が欠かせない。特に後ろ足は発達し、太い背骨と結合して陸上移動の主要器官となっている。同時に水かきがあるので、水中の生活にも対応している。陸上では尾はじゃまになるので、退化した。カエルはオタマジャクシの時代に、長い歳月をかけて陸上の生活に適応してきた。

 両生類は、古生代石炭紀(約2億年~3億年前)の化石にその存在を確認できるという。そのころ、爬虫類も登場し、将来の哺乳類へと進化する基礎になった。Hp420p4200354_2その当時の両生類は絶滅し、現存の両生類は、新生代(約6500万年前)から現れたという。現在、有尾類(サンショウウオ、イモリ)、無足類(アシナシイモリ)、無尾類(カエル)の3目、2800種が知られている(写真右 4月20日に撮影したオタマジャクシ。いろいろな天敵がいるので、まだ油断できない)

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2016/04/15

ドイツよりドイツ的なつばめグリル ドイツNo.143

 エルディンガーのヴァイスビールを飲んで、ニシンの酢漬けを食べると、ハンブルグ港のカモメの鳴き声が聞こえてきた。今日は、デザートも。つばめグリルのイチゴのベイクドチーズケーキはドイツのよりおいしい。(携帯電話で撮影)201604151813000_3
201604151942000_4

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2016/02/03

テーブル・トップ・フォト〔Ⅲ〕 ドイツNo.142

「とむワールド」に学ぶ

〔思いどおりの撮影ができる〕

 日本カメラ社の「写真用語事典」には、「テーブル・トップ・フォト」について次のように解説されている。 ≪日本語では「卓上写真」という。卓上でミニチュアセットを作ったり、童話的な場面を作ったりして、Hpp2040550_edited1ライティングに工夫をこらして撮影する写真のことで、抽象的な写真からトリック写真、商業写真などに利用される。被写体やライティングを手軽に移動できるため、実景を写すよりも表現意図やイメージの再現が容易である≫(要旨) なお、今まで本ブログではテーブルフォトと省略した呼び方をしてきたが、正確にはテーブル・トップ・フォトである。撮影には被写体と背景、ライティングが不可欠だが、テーブル・トップ・フォトの最低限の条件は、主役である主要被写体を自身が準備することである。すなわち、主役の位置や向きを自由に調節できる撮影のことだ。 (写真上 とむワールド・カレンダー2016年 中村都夢 作品集
 テーブル・トップ・フォトの創始者は知らないが、もっとも活用しているのは商業写真家といってよいだろう。いわゆる小物撮影という分野だ。被写体が小さいので、テーブル上にセットを組んで撮影でき、大きなスタジオを使わなくても済む。時計や宝石、カメラ、携帯電話、人形、書籍などは、テーブル・トップ・フォトで十分な撮影が可能だ。商業写真(コマーシャル)では、商品(被写体)の持っている性能や質感を正確に再現することが求められるので、ライティングがキーになる。テーブル上の小さなセットでは、その調節が容易にできる。
 もうひとつ、テーブル・トップ・フォトを活用したファンタジーフォトという分野がある。人形などを撮影したメルヘン写真や模型を撮影したジオラマ写真だ。ここで紹介する作品は、「とむワールド」が制作したカレンダーの一部である。Hpimg_0002「とむワールド」の主宰者・中村都夢氏(1923~1996)は、スタッフと共に作った表情豊かな人形を自然風景の中に配し、メルヘン調のストーリーを展開する手法を開発した。人形に小人(こびと)を使った「小人たちの歌がきこえる」(1~6巻 偕成社)は、イタリア・ボローニアで開催される国際児童図書展で、1982年度のエルバ賞グランプリを受賞した。
 とむワールドの作品は、屋内のスタジオ撮影されたものと、屋外の自然環境の中での撮影と両方ある。どちらも、撮影の規模はいわゆるテーブル・トップ・フォトより少し規模は大きいが、被写体や小道具、背景などを思いどおりに組み立て、自由に調節できるという点では、テーブル・トップ・フォトの参考になる。写真撮影の目的をフィクションとノンフィクションに大別すれば、商業写真はノンフィクション、ファンタジーフォトはフィクションになるだろう。 (写真上 水辺の情景。とむワールド・カレンダー2015年7月)

〔カメラワークと演出がフィクションを実現〕
 ここではメルヘンや童話などのフィクションについての撮り方を解説しよう。とむワールドの昨年のカレンダーから学ぼう。
まずカメラポジションとアングルが大切Hp
 アイレベルやローアングル、ローポジションが被写体に優しいカメラポジションである。そして、観賞者をフィクションの世界へ引き込むことができる。ハイアングル(ハイポジション)は、被写体に対して威圧的なカメラポジションであり、観賞者は被写体と仲よくなりにくい。 (写真左 ローポジション・アイレベル撮影。とむワールド・カレンダー2015年2月)
② 自然なライティングは当然
 屋外で撮影すれば、ほぼ自然なライティングになる。屋内のテーブルトップ撮影では、Hp4img_0010_edited11灯ライティングが基本だが、屋外の空からの光に匹敵する光がないので、日陰にあたるシャドー部にレフ板を当てるとよい。 (写真右 スタジオでの撮影。トップライトのシャドー部をレフ板でフォロー。とむワールド・カレンダー2015年4月
③ 迫真に迫る演技
 舞台装置とカメラポジション(アングル)が決まったら、登場する被写体は演技が欠かせない。Hpimg_0006自然で豊かな表情が大切。人形や昆虫などはできるだけ自然な表情や仕草が必要だ。とむワールドの作品は大いに参考になるだろう。 (写真左 小人たちの遊びは迫真に迫る。とむワール・ドカレンダー2015年10月)
④ 季節感や自然現象を生かす
 観賞者は被写体と共通の体験をすることで、フィクションに入っていけものだ。とむワールドの作品はカレンダーなので、季節感はもっとも重要なモチーフになる。Hpimg_0008それぞれの作品では、季節を楽しむ小人たちに共感できるのではないか。また、雨や風、雪などの天候はだれもが体感できる身近な自然現象だ。それを積極的に撮り込むことで、作品はなじみやすいものになるだろう。 (写真右 雪は冬の象徴。とむワールド・カレンダー2015年1月) 参照:ホームページ『とむワールドへようこそ』

〔ドイツの森の原点を撮ってみたい〕
 私は、好きなドイツの森をイメージしてみようと考えた。カエサルの『ガリア戦記』には、今から2000年以上前のローマ時代のゲルマニア(ほぼ現ドイツ)の森のようすが書かれている。Hp_p2180100_4「ヘルキュニアの森は、南北の距離が、軽装の旅行者で10日もかかるほど長い」(『ガリア戦記』《國原吉之助訳 講談社学術文庫》)と書かれている。ヘルキュニアとは、現ドイツの中南部になるという。すなわち、2000年前のドイツはほぼ全土が深い森におおわれていたということだ。カエサルによると、ゲルマニアの森にはほかの土地では見られないさまざまな動物が生息しているという。前頭部の真ん中に1本の角が生えた牛に似た動物で、角の長さは見慣れている牛の角よりも長く真っ直ぐであると書かれている。Hpp9160306いわゆるユニコーンであろうか。ほかに、象よりやや小さい野牛がいる。力が強く速く走り、狂暴であるという。そんな魑魅魍魎とした森をイメージしたかった。そこで、八ヶ岳山麓の森の中へ、ドイツのオーバーアマガウで買ってきた奇獣を持ち込みいろいろとイメージを膨らませてみた。(写真上左 こもれ日を利用した。同右 秋にキノコのそばに置いて撮影。同下 ホワイトバランスを調節して月光下の森をイメージした)
 気に入った人形やアクセサリー、模型などを、自然の中や自身で作ったミニチュアセットの中に置いて、撮影してみようではないか。デジタルカメラの撮影では、結果がすぐわかるので、フィードバックが簡単だ。

Hpp2185299_3撮影結果を見て、被写体、ライティング、カメラアングルなどをその場で調節すれば思いどおりの写真が撮れる。屋外が苦手な方には、室内の撮影を勧めたい。

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2015/11/15

落ち葉から夏を偲ぶ…八ケ岳山麓No.187

輪廻転生Hp40pa310489_edited1_2
 私は落ち葉が好きだ。枝にぶら下がっている葉よりも落ち葉のほうが、過去が感じられドラマティックだからだ。八ヶ岳山麓の森へ一年中通っていると、自然の移り変わりに敏感になる。特に、春の芽生えから新緑、深緑、紅葉と移り変わる植物の変遷は、生命の循環や世代交代、輪廻転生を感じる。花期に多くの昆虫を集め、夏の強い日差しを受けて光合成で栄養を蓄える姿を見てくると、紅葉した落ち葉に思いを寄せるのは自然なのではないか。この時期は、魅力的な落ち葉を探すのが楽しみだ。(写真右 カミキリの不透明度40%)

季節感とは
 季節感は、写真では良いモチーフだ。特に、日本人は季節には敏感だ。季節感を撮影するには、一つの画面に二つの季節をフレーミングすることがポイントになる。例えば、春の季節感を撮ろうと思ったら冬や夏を、夏の場合なら春や秋を、秋なら夏や冬を、すなわち主役の季節の前後の季節を脇役として画面の中に取り込むのである。前の季節で過去を偲び、後の季節で未来への期待を表現することができる。一年前や一年後を画面に取り込むことでも効果を発揮する。いずれも「時間のモチーフ」(私が提唱する8大モチーフの一つ)に属するHp100pa310489_edited3_edited1_4 Hp60pa310489_edited2_edited1_2被写体は刻々と変わるので、二つの季節を同時に画面に撮り込むのはやさしくない。(写真上左 不透明度100%、同右 不透明度60%) ワンショットではもちろんのこと、多重露出でも二つの季節を画面にまとめることはやさしくはない。そこで私は、秋の落ち葉にパソコン技術で夏を撮り込んでみた落ち葉に昆虫(ゴマダラカミキリ)を重ね合わせて、秋と夏、二つの季節で一つの画面を構成してみたHp50pa310489_edited4_edited1_5Hp30pa310489_edited1_4葉と昆虫を同じ標準濃度にしてしまうとどちらが主役かわからなくなってしまうので、昆虫の濃度を下げ、葉とオーバーラップさせてみた。同時に、昆虫は夏の記憶であり思い出なので、あいまいではっきりしないほうがいい。 (写真上左 不透明度50%、同右 不透明度30%)

気に入った過去のイメージを実現
 この撮影のモチーフとテクニックは、漆畑銑治氏が過去(1980年代)に発表した作品を模倣したものだ。たしか、コダック・フィルムのコマーシャルで、カメラ雑誌の見開きページを埋めていたと記憶している。非常に新鮮に感じたのは、コンピュータが普及する前だったからかもしれない。そのイメージを私もいつが自身で作ってみたいと思っていた。Hp50pb062255_edited5漆畑氏のコマーシャル写真は完璧なできばえだったが、それに引き替え、私のコンピューター技術の稚拙さをご容赦いただきたい。オーバーラップの効果は、カミキリの透過率で決まる。画像処理ソフトのフォトショップでは、不透明度という用語を使っている。掲載した写真は不透明度40%(透過率60%)で処理したもの。参考までに、不透明度100%(透過率0% 切り抜き合成)、不透明度60%(透過率40%)と50%(透過率50%)、30%(透過率70%)も掲載する。どれがもっとも夏を偲ぶ写真になるだろうか? また、サクラの落ち葉にクワガタのメスを組み合わせたものも作ってみた(写真上右) 。こちらは、クワガタの不透明度50%(透過率50%)のオーバーラップである。

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2014/09/23

秋の夜空を撮る 八ヶ岳山麓No.167

コンパクトカメラで天体撮影を楽しむ

 八ヶ岳山麓は天体観測のメッカである。野辺山には国立天文台の宇宙電波観測所がある。ほかに、ホテルや民宿などにも私設の天体観測所がたくさんある。八ヶ岳山麓は天空が澄んでいるうえに、天体観測に有害となる町の灯りが少ない。Hpp9204338_2すなわち、空がクリアーに見えるのだ。先日、私もベランダでイージーな天体撮影をしてみた。コンパクトカメラ(オリンパスXZ-2)を、レンズを空に向けてテーブルの上に置き、1分間シャッターを開くだけの撮影だ。1分間とは、オリンパスXZ-2の最長露出時間である。三脚もレリーズも使わなかった。 (写真上は撮影された全画面。写真下はその部分拡大、わずかに天球の動きが観察される)Hpp9204338_4
 まずカメラの設定だ。焦点距離を6ミリ(35ミリ判換算28ミリ)に決め、ピントをマニュアル(MF)で無限遠に調節する。次は露出の調節だ。マニュアル露出モード(M)で絞り値とシャッター速度、ISO感度をいろいろ変えて撮影してみた。その結果、ISO感度800、絞りF2.8、露出時間60秒でほぼ満足できる結果(写真)を得た。

 バルブ(B)で長時間露出すれば、星の移動軌跡を写す星野写真も可能だ。そのときには、ISO感度、絞り値、露出時間(シャッター速度)をいろいろ変えてテスト撮影して適正露出を決める。Hpp9230553天体撮影では、星の明るさと空の明るさが適正にならなければならない。特に、空の明るさが明るすぎず暗すぎず適正になる必要がある。なお、バルブ撮影にはレリーズが必要だ。 (写真右は撮影データを併記した再生画面)

 デジタルカメラでは、撮影結果をその場ですぐフィードバックでき、いくらでも撮り直しができる。ありがたいことだ。それにしても、宇宙にはなんとたくさんの星があるのだろうか。 参照 : 『八ケ岳山麓は宇宙との接点 八ヶ岳山麓No.116』

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2014/08/16

川上村の花火大会 八ケ岳山麓No.165

花火は平穏の象徴Hpp8140542

 8月14日、長野県南佐久郡川上村の花火大会があった。毎年、お盆のこの時期に開催されている。村に帰省した人々と共に家族団らんの場を作ろうという村の配慮だろうか。今年は約700発が打ち上げられた。会場は大深山の村営グランドである。私たちは村役場の駐車場で鑑賞した。打ち上げ場所の千曲川から100メートルと離れていないので、ほとんど真上に打ち上がっている感じだ。こんな近くで花火を観賞したのは初めてだった。覆いかぶさるように開く花火の臨場感はすごいものがある。Hpp8140568_5Hpp8140558_4おかげで花火は芸術だということを初めて知った。花火の形や色はもちろんのこと、打ち上げのリズムやテンポ、イントロダクション~クライマックス~フィナーレの流などは音楽の構成と同じだ。多くの人々と同時に共感できる点でも、音楽と同じだ。30分の交響詩を観賞した思いだった。Hpp8140553Hpp8140540

 花火大会が終ったとき、現在、自身の置かれている環境や立場は恵まれているのだと実感した。これは、日本を取り巻く平和のおかげだ。いま世界中では争いが絶えない。シリア、イラク、ウクライナ、イスラエルとパレスチナ、Hpp8140585そのほかに途上国の不安定な情勢など、火器を使った戦闘で多くの死者を出している。これらを自身に置き換えるとぞっとする。これら抗争の原因は、為政者間の私利私欲によるといってよいだろう。為政者は一般国民の安寧を目ざす義務があるはずだが…。

 花火も爆弾(火器)も同類の火薬で作られる。Hpp8140619_2火薬は、平和にも武器にも使われるというのは皮肉なことだ。敵味方が戦線で同じ打ち上げ花火を見ながら休戦を誓うということができたらと思う。Hpp8140622それだけ花火には人々の心を動かす要素があると思った。一方、為政者には芸術を尊ぶ気持ちがあったらと願うばかりだ。 (写真上右と左が大会のフィナーレを飾った)

 撮影には、オリンパススタイラス1(写真下右)を使った。露出モードはマニュアルモード(M)、絞りF3.5、シャッター速度1/30秒、ISO800、WB晴天に設定。Hpp8163534ピント合わせを省略するために、マニュアルフォーカス(MF)で無限遠(∞)に合わせた。AFでピントが合うかどうか心配だったうえに、たとえピントが合ってもAFのタイムラグでシャッターチャンスを逃してしまうことを警戒したからだ。すべて手持ち撮影だ。

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2014/07/10

昔の巴里を撮りたい

セピア調の写真を楽しむHpp6020715b

 初めてコンパクトカメラだけを持って海外へ出かけた。海外取材は、経費がかかるうえに撮り直しはできない(一般に、どんな写真も同じシーンを撮り直すことはできない)ので、今までは信頼性が高いといわれる一眼レフをもっていった。しかし、コンパクトカメラの画質と信頼性が高まり、安心して取材に使えるようになった。持参したのは、オリンパス スタイラス1と同XZ-2、同XZ-1の3台だ。どれも信頼しているので、1台にトラブルがあっても、ほかの2台を使えるので心配ない。オールインワンのコンパクトカメラは、機材の軽量化ができ、カメラワークもシンプルになり、取材がずいぶん楽になった。 (写真右上 エッフェル塔Hpp6050442b_2

 
 私は、スタイラス1を中心に使った。35ミリ判換算300ミリまでの望遠撮影ができるうえに、マクロ撮影にも強いので、海外でもオールラウンドで使える(スタイラス1についてはいずれ詳述したい)。スタイラス1のモードダイヤルにART(アート)という表示がある。プログラムAEモード(P)や絞り優先AEモード(A)、シャッター優先AEモード(S)と同列にある撮影モードだ。ARTモードをひと言で説明すれば、諧調やカラーを変えて11種類の特殊な効果を作ることができる。Hpp6050457bそのなかの一つに「ジェントルセピア」という効果がある。「ジェントル」(gentle)とは「温和な」「優しい」「穏やかな」といった意味である。「セピア」(sepia)とは、色の種類で、「暗褐色」「黒褐色」をさす。「ジェントルセピア」で、写真を「穏やかな暗褐色」に仕上げることができる。 (写真上左 三輪車、写真上右 街頭のスタンド

 変色した古いモノクロ写真はしばしばセピア色になる。セピア色のプリントには、レトロとかアンティークな雰囲気があり、けっこう好まれている。Hpp6050451bこのユーザー志向に合わせてスタイラス1に採用されているのが「ジェントルセピア」である。 (写真左 パリジェンヌ

 私は、古いパリを撮りたかった。そこで、エッフェル塔とシャンゼリゼ通りで「ジェントルセピア」モードを選んで撮影してみた。パリの町並みはここ100年はほとんど変わっていない。セピアに仕上げれば往年のパリの雰囲気が出るのではないかと考えた。パリは「巴里」に写るのではないか?

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2014/02/06

オリンパスXZ-2の主な仕様

高性能作画用カメラ…コンパクトカメラシリーズ54

 1960年ごろ、「カメラマン・コバック」というTV番組があった。チャールス・ブロンソン演じるカメラマンが、毎回、カメラと写真を使って事件を解決していくサスペンスものだ。Hpxz2pa157954_edited1 モノクロテレビ全盛時代の番組だった。コバックのベルトにはいつもライカ?が拳銃のようにホールドされていた。ストーリーはほとんど覚えていないが、コバック(ブロンソン)のかっこよさは、今でもはっきり覚えている。少なからず私のカメラマンへの憧れにつながった。 (写真上左は、オリンパスXZ-2のレンズ収納状態。UVフィルターを装着した豊田仕様)

 私は、もっとも基本的なカメラアイは、被写体の前にカメラをもって立つことだと考えている。シャッターを切らなければ何も始まらないからだ。そこで、フルタイムでカメラを携帯することが写真にとってもっとも大切だ。今でもコバックのように常時カメラを携帯できることにあこがれている。それに応えてくれるのがコンパクトデジタルカメラだ。大きさや携帯性だけではない。高性能で不満がない。作画用カメラとして十分使える機種がいくつかある。これに気がついたのは、オリンパスSP-350を使ったときだ。それ以来、XZ-1、XZ-2、スタイラス1(最近購入)と使い続けてきた。いずれも作画用カメラとして信頼している。オリンパスXZ-2の性能について、私のカメラワークにかかわるスペックを、XZ-1と比較しながらレポートする。

【レンズの基本性能】 レンズは、XZ-1と同じズイコーデジタル4倍オプティカルズームED 6~24ミリF1.8~2.5で、シャープさは変わらない。大口径レンズなので、コンパクトカメラの割には、ボケ味を楽しめる。しかし、私はボケ味、特に大ボケにはほとんど関心がない。焦点距離は、35ミリ判換算で28~112ミリである。4倍ズームだが、これに2倍のデジタル・テレコン機能があり、35ミリ判換算224ミリの望遠撮影まで可能だ。

【デジタル・テレコン】 2倍のデジタル・テレコンが採用されている。デジタルズームと何が違うのだろうか。一般に、デジタルカメラに採用されているデジタルズームは、ズーミングするとレンズの焦点距離を変えずに撮像素子(フィルム)の有効画面をHppc300587小さくして画角を狭くしている。 すなわち、望遠画角になるほど撮像素子の有効画面は小さくなるので、画素数が少なくなり画質は低下する。ところが2倍のデジタル・テレコンは、テレコンモードにすると、撮像素子の有効画面は中央部の1/2(面積で1/4)になる。しかし、少なくなった画素数を補間技術でカバーするので有効画素数は、いつも一定である。装着レンズの中央部の画質が高ければ、画質低下は少ない。実際に撮影してみると、通常モード(テレコンモードを解除)ほどのシャープさはないが、かなり使えそうだ。 (写真上右はデジタル・テレコン使用時の写真。35ミリ判換算約224ミリ)

【35点フォーカス・ターゲット・フレーム】 AFのフォーカス・ターゲット(フォーカス・フレーム)は、画面内に35点(縦5列×横7列)を配置してある(写真下左)。XZ-1が7点だったのでターゲットは5倍に増えた。Hp_xz2p6170976 そのぶん画面内で細かにターゲットを移動できる。また、ターゲットフレームが小さいので、被写体の狭い範囲をきめ細かにAF測距できる。「フレーミング⇒ピント合わせを合わせながらシャッターチャンスを待つ」という撮影手順をより正確にできる理想的なAFカメラだ。なお、デジタル・テレコン使用時には5点の大きなターゲットになる。

【二つになったAFモード】 XZ-1のAFモードは「S-AF」「マクロ」「スーパーマクロ」の3モードだった。ところが、XZ-2は「S-AF」と「スーパーマクロ」の2モードだ(写真下左)。ズーム全域でマクロ撮影ができる「マクロモード」が「S-AF」に取り込まれたことになる。Hp_afp1160007_3 Hpp8176960_2 それだけ、S-AFの近距離性能が高くなるうえに操作がシンプルになる。なお、「スーパーマクロ」モードでは広角6ミリ(35ミリ判換算28ミリ)に固定される。すなわち広角マクロになる。広角域でレンズ先端から1センチの距離にピントが合いうのは、私のカメラワークにとってうれしいかぎりだ。人間の視覚を超越した画像が撮れる(写真上右)。オリンパスXZ-1、XZ-2、スタイラス1のAF、特にマクロ撮影の性能はかなり高いと思う。また、ライブビュー撮影でのタイムラグはほとんど感じない。これは、私がカメラワークに習熟したせいかもしれない。

【±3.0EV露出補正】 XZ-2では露出補正幅が、従来の±2.0EVから±3.0EV拡大した。露出補正は作品のイメージにかかわるので重要なスペックだ。Hpp1160013_2 デジタルカメラでは、露出補正の結果がその場でわかるので、利用価値はますます高い。私は、マイナス補正を多用する。疑似夜景には-2EVでは足りないことがよくある。

【可動式液晶モニター】  私はローポジション撮影が好きだ。ローポジションやローアングルで植物や昆虫などと対等になって付き合いたいのだ。植物目線、昆虫目線になるには、ローポジションとローアングル機能は欠かせない。これに応えてくれるのが可動式液晶モニターだ。専用の電子ビューファインダーがローポジション用のファインダーとして使えるが、目をファインダーに近づけなければならないので、可動式液晶と比べると操作性は劣る。Hpp1180271_2 なお、タテ位置撮影には対応していないが、アスペクト比を1:1や4:3に設定してヨコ位置で撮影し、パソコンでタテ位置にトリミングすればよい。ライブビュー撮影についてひと言触れておこう。「明るいところでは見にくい」とか、「老眼なのではっきり見えない」という不満をよく聞く。しかし、これはファインダーの使い方を理解していないと言える。撮影時の被写体観察は、ドライバーの運転視界に似ている。被写体の主要部を観察しながら、一方でフレーム内全体を隅々まで見渡すことが重要だ。このようなファインダーと目の使い方には、液晶モニターのほうがむいている。また、撮影の機動性という点でも液晶モニターのほうが上だ。ある被写体を見つけたとしよう。とっさにカメラを構え顔にカメラを近づけファインダーをのぞき、フレーミングするまでの時間と、カメラをホールドして液晶モニターを見るまでの時間では、明らかに後者のほうが早いだろう。液晶モニターは、斜めからでも十分見える。これでも、シャッターチャンスの勘所はわかるものだ。実際、私も老眼であり視力は低い。しかし、慣れてくると液晶モニターのほうが使いやすい。現実に、多くの新世代カメラマンはライブビュー撮影をしている。視力や好みにもよるが、ライブビュー撮影のメリットを強調しておきたい。

【ファンクション・ボタン】 Fnと表示された二つのボタンが装備された。それぞれのボタンに緊急性を要する機能を付与しておくと、とっさのときにすぐ呼び出せる。Hpfn1p1160016_2 Fn1ボタン(ボディ前面)には7項目の機能を、Fn2ボタン(ボディ背面)には16項目の機能を付与できる。ボタンを押すたびに機能が変わり選択できる。Hp_xz2p_f21160028_2 Fn2ボタンは、ユーザーのカメラワークに合わせて最優先の機能を選べるようロックできる。私は、Fn1ボタンには「デジタル・テレコン」を、Fn2ボタンには「ホワイトバランス切り替え」⇒「AFモード切り替え」⇒「NDフィルターON/OFF」を付与(設定)している。

【解像度の向上】 JPEG最高画像のサイズが拡大し、圧縮が緩和され、解像度が314(3648×2736)から350(3968×2976)に変わった。Hp_xz2p1160021_3 Hp_xz1p1160019_2表示ではLFからLSFへ。それだけ画質が向上したことになる。

【グリップ】 XZ-1にはグリップらしきものはなかった。わずかにボディ背面に小さな滑り止めがついていた。カメラ・ホールディングは明らかにしにくかった。ファッション性を追求するカメラとして設計されていた。XZ-2では、前面に一人前のグリップが付いている。背面にも突起の付いた滑り止めがある。ホールディングは大きく改善された。本格的な作画用カメラになったと言えるだろう。 (写真上 XZ-2<左>とXZ-1<右>のボディ前面比較)Hpp1180241_2

【大きさ・重さ】 ボディはひとまわり大きくなったように見える。グリップと可動式液晶のおかげだ。厚さが約6ミリ増えた以外はわずかな変化だ。重さはXZ-1が275グラム、XZ-2が346グラム。Hpp1180251_4 約25パーセント増だが、コンパクトカメラとしては“ずしり”とした感じがする。これを高級感とも言ってもよいが、もっと軽いほうが良い。機能はともかく写りに変わりのないXZ-1の存在感を感じる。カメラマン・コバックだったらどちらを選ぶだろうか? (写真上 XZ-2<左>とXZ-1<右>のボディ上面比較)

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2013/12/13

マジカル・イルミネーションを撮る 横浜No.71

多重露出創る世界

 今年の横浜のイルミネーションは、昨年にも増してカラフルで華やかだ。12月8日、みなとみらい21エリアの、クイーンズ・パークへ出かけた。クイーンズスクエアから外のパークへ出てみたら目を疑うほどの光景が広がっていた。Hppc080048_edited1_3その中に身を置くだけでウキウキして幸せな気分になれる。周囲の人々もその幸せをかみしめているようだ。それは、光とカラーが持つ魔力ではないだろうか。人類が灯火を発明して以来の長い蓄積の結果と言ってよいだろう。

 イルミネーション撮影がおもしろい。私は、オリンパスXZ-2の多重露出モードで未知の映像にチャレンジした。イルミネーションはもともとファンタスティックな被写体だが、これが多重露出で増幅されてマジカルになる。多重露出撮影はマジックと言えるのではないか。限りない可能性を秘めている。写真上は『宇宙のクリスマス』

『ミルキーウエイ』 (下)Hppc080043_edited1_3
『妖精の森』 (下左) 『魔法にかかった樹』 (下右)Hppc080051_edited1_3Hppc080041_edited1_2




『華 燭』 (下)Hppc080042_edited1_2

参照: 『イルミネーション撮影を楽しむ』

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