第7回 プローバー’01写真展 『道』
会場:かなっくホール・ギャラリーB アクセスはDMのポップアップ画面をご参照ください
会期:2013年11月5日(火)~11日(月) 10:00~18:00 初日は13:00~ 最終日は~16:00
“創作料理”を提唱
プローバー’01とのつきあいは12年になる。私が講師(私はコーチと呼んでいる)を担当するクラブではもっとも長いつきあいになる。そのため、私はメンバー一人ひとりの作風をほぼ把握しているつもりだ。一方、メンバーのほうも、私の写真論を知りつくしている。というより、私の写真論はプローバーによって鍛えられてきたと言ってよい。創作活動で、講師とメンバーが互いに手の内を知っていることが、はたして健全なのだろうか。通常、それは好ましくないというのが、私の主張だ。一種の家元制度になってしまうからだ。写真撮影にとって家元制度は好ましくない。そこで、私は“創作料理”を提案し、チャレンジや冒険、実験がある作品を評価してきた。宗家の技芸を守り継承する作風、すなわち“定番料理”はよほど出来が良くないと評価しない。おそらく、メンバーにとっては“創作料理”を撮ったほうが楽ではないだろうか。私は、被写体はもちろん、モチーフや撮影テクニックに新鮮さを期待する。プローバーのメンバーは、私の評価基準も理解している。
このたび、『道』をテーマとするにあたり、まず意義を調べた。それは次のようなものだ。①人や動物が行き来する通路。ある地点と地点をつないで長く連なった帯状のもの。②目的とするところへ至る経路。道すじ。③道のり。距離。道程。④ある状態に至る道すじ。⑤人のふみ行うべき道すじ。人としてのあり方。物事の道理。⑥ある関係を成り立たせている理(ことわり)。世間のならい。⑦教え(仏教、儒教など)。⑧ある専門分野(Ex.医学の道を究める)。⑨方法。手段。手順(Ex.解決の道を見いだす、生活の道を絶たれる)。私は、これらのすべてが被写体とモチーフになるとプローバーのメンバーへ伝えた。①~③は唯物論的であり、形而下の道である。④~⑨は唯心論的であり、形而上の道である。創作料理的な『道』展に取り組むには、④~⑨が欠かせないと合わせて伝えた。はたして、それは達成されたのかは、写真展会場で判定していただきたい。以下に、会場のあいさつ文とメンバーの代表作を1点ずつ掲載する。
【あいさつ文】 道の始まりはけもの道です。動物たちは、食料の採取のため、省エネと効率を追求してコースを選び、歩きはじめました。人類にとっても同じです。食料の調達と配布、交通、情報伝達など、道は文明の原点です。現代では、歩道と車道が分離し、遊歩道から高速道路まで進化してきました。一方、社寺の参道や登山道、修験道など、人間は試練を求める道も開拓しました。私たちは、人や動物、車が往来する道から、物事の道理まで、沿道での出来事を被写体にしたカラー写真38点を展示いたします。ご高覧いただけたら幸いです。 2013年11月5日 プローバー’01 一同
「けもの道」 『孤高』駒田順二
「厳しい道」 『宙(おおぞら)へ』小木曽光利
「時季の歩み」 『輪だちの春』小池 測
「軌跡」 『荒野の記憶』井上恭子
「参道」 『鎮守』山下泰雄
「難行の道」 『修験の道』菅原郁夫
「感ずる」 『仏を』海老澤英男
「私の古道」 『法然院へ』門司親昭
「湘南道」 『車道/歩道』曽山高光
「くつろぎの道」 『花の道』新沼早智子
「夢のある道」 『幻影』廣幡安子
「オレ達の道」 『通せんぼ』豊田芳州
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