2017/04/09

寄せ植えの芸術性

バラクラの日比谷公園展示会
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 寄せ植えは、コンテナー・ガーデニング(container gardening)という別名がある。すなわち、入れ物の中に庭を作ろうという発想だ。日本の盆栽に匹敵するだろうか? 両者は、構想や内容に違いはあるだろうが、“縮小芸術”(reduction art)という点では共通性があると思う。自然を尊重して一つの世界を目ざす点も似ているかもしない。家内が夢中になっているので、聞いてみたところ、「自然の植生や景観を大切にして美を追求する」というのだ。草花や樹木(灌木)を利用して、自身の自然観を再現しようということだろうか? おのずと、技法や流儀があるのだろう。蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデンは、英国風の寄せ植えや庭造りの普及に寄与している。

 日比谷公園で開催されている寄せ植え展を見てきた。会場の展示は、1点1点を横一列に並べて見せるギャラリーのような構成だ。一堂に会している作品群を見て、今までにはない感動を覚えた。Hpp4072092今まで、私が見てきた展示は、作品1点1点が庭の構成要素のように置かれていた。作品で中庭を作ろうという見せ方だった。これは、寄せ植えの利用目的や日常性を重視した展示といえるのではないか? 寄せ植えの展示方法については、私はよくわからないが、今回の展示は、それぞれの作品が際立って見えるので、個性や自然観、作者のイメージが伝わってきた。Hpp4072099特にマスター(免許皆伝の作者)の作品は、迫力がある。重厚さや力動感、デリケートな反復など、それぞれの作品には、独自性が感じられた。
 DMに「世界的レベルで高く評価される作品展示です」と書かれているが、そのとおりだろう。私は自然写真に取り組んでいるが、寄せ植えと自然観の違いはあっても、創作の思考過程は同じなのではないか? 寄せ植えは、実際に植物を使うのに対して、私の写真は、被写体の画像で構成するという違いだけのような気がする。

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2017/03/08

横浜・山手のイギリス館 横浜No.93

懐かしいひと時を過ごす

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 3月5日、久しぶりに横浜・山手へ出かけた。好天に恵まれた暖かい一日、懐かしい横浜を体験できた。
 私は、1980年代に横浜を被写体にした『横浜がみえる時間』というテーマに取り組んでいた。そのころは、毎週末に横浜の旧市街地へ出かけて撮影していた。Hpp3050213_2Hpp3050242_2

 明j治維新以来、外国人居留地があった横浜には、エキゾチックな雰囲気がただよっていた。
 また横浜には、アメリカンな雰囲気もある。第二次世界大戦後、昭和27年(1952年)当時、横浜市には米軍基地の全国接収地面積の62パーセントが集中し、市域の39パーセントに及んだ。現在、横浜観光の中心地である中区では74パーセント、また横浜の中枢である港湾施設の90パーセントが米軍に接収されていた (「港町 横浜の都市形成史」 横浜市企画調政局編)。Hpp3050090_2Hpp3050170が撮影を始めたころには、かなりの基地が返還されていたが、それでも今よりはアメリカンな雰囲気が漂っていた。エキゾチックな被写体に不足はなかったので、夢中になって撮影したものだ。 (写真上2点は敷地内で見つけた実生と芽生え)Hpp3050203

 山手の西洋館は文明開化の香りが高く、よく出かけた。イギリス館は、元英国総領事公邸の建物をそのまま開放している。横浜山手ではもっとも規模が大きな西洋館である。ここで、家内が英国風の花の寄せ植えを習っている。蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデン主催のレッスンだ。イギリス館は、英国風の寄せ植えを学ぶにはぴったりの環境だ。
 私は家内に付き添って出かけた。玄関回りの花壇や付属のバラ園で撮影をした。現在のバラ園は、白と紫のパンジーが冬枯を補なうように咲き競ている。バラは手入れが行き届いているように見えた(写真)。ここのバラ園は、花の品種が豊富で、撮影のしやすさを考慮すると一級だ。花の季節が待ち遠しい。(写真上は家内が当日に仕上げた寄せ植えとリース)
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 ランチには、撮影に夢中になっていたころ、よくいったローマステーションでイタリアンを食べた。お店はだいぶリニューアルされていたが、面影は残っていた(写真)。

  なお、春の横浜では『Garden Necklace YOKOHAMA 2017』 (ガーデンネックレス横浜2017)という花と緑の祭典がある。Hp_img_0001『ガーデンネックレス』とは、「第33回全国都市緑化よこはまフェア」の愛称である。(財)都市緑化機構が毎年、全国各地で開催するイヴェントだ。横浜では、みなとガーデン里山ガーデンの2会場で3月25日~6月4日に開催される(パンフレット参照)。

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2016/03/20

2016年 早春のバラクラE.G. 八ヶ岳山麓No.193

フラワーガーデンの前奏曲
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 3月19日、蓼科高原バラクラ イングリッシュ ガーデンを訪れた。標高1100メートルの庭園内は、まだ冬景色だが、地表からはたくさんの草花が芽吹いていた。花はまだ少ないが、クリスマスローズやスノードロップ、ミニアイリスなどが咲いていて、将来の花園を予感させる。私が訪れた3月19日は「ガーデン開き」 (3/18~3/21)の期間だった。今年のガーデン・イベントの前奏曲といったところだろうか。まもなく、「バラクライースター」 (3/25~3/27 宝さがし)、4月に入ると、 「ワーズワースの世界」 (4/13~4/17 春スイセン)、 「パラダイスガーデン」(4/29~5/22 球根花の競演)、6月には「蓼科バラクラ フラワーショー」(6/17~6/21 英国のガーデニング&ライフスタイルの祭典)と続く。
 蓼科バラクラE.G.は、花の撮影には最高のロケーションだ。外来種や園芸種が多いが、英国庭園の伝統と華やかな雰囲気はすばらしい。私は、五感で花の撮影を楽しんでいる。もちろん、視覚は花のバラエティーによる。花と土の香りは嗅覚を刺激する。カフェでとるランチやティーは、味覚と嗅覚を満たしてくれる。ときどき、ガーデン・イベントではコンサートがある。そのときには音楽を聴きながら撮影ができる。遊歩道のところどころに置かれたベンチで一息入れると、ゆったりした気分になれる。これが英国の空気感ではないだろうか。カメラのファインダー(液晶モニター)に映る風景はエキゾチックだ。ちなみに、バラクラ イングリッシュ ガーデンの植栽用の土はすべて英国から輸入されたものだという。
 3月19日の状況をフォトレポートする。

●スノードロップ(写真下左) ●八重咲きのスノードロップ(同右)
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●ミニアイリス
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●スノーフレーク(写真下左) ●名称不詳(同右)Hpp3194599
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●遊歩道(写真下左) ●チューリップの若芽(写真下右)
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参照:昨年の4月下旬のようす蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデン

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2015/10/24

伝統と新鮮 八ヶ岳山麓No.185 横浜No.84

二つのハロウィンHppa100149
 ハロウィンは、古代ケルト人の収穫祭で、それがアングロ・サクソン系の人々に伝わり、キリスト教の万聖説(11月1日 すべての聖人の記念祝日)になったという。Hppa100145Hppa100103_4万聖説の前日は、ハロウィンとしていろいろな行事がある。古代ケルトの風習にならい、悪霊を追い払うためにカボチャのランプを捧げて行列する。日本では近年、ファッション化され、10月に入るとカボチャ、魔女、コウモリ、猫などがデザイン化されて町Hppa100136_2Hppa100135中のいたるところをにぎわせている。盛秋の季節感があり、まんざらでもない。二つのハロウィンをフォトレポートする。

蓼科バラクラ・イングリシュガーデン
 バラクラ・イングリッシュガーデンは、名まえのとおり英国の庭園をセールスポイントにするビジターセンターだ。しかし、それだけでなく文化やHppa100177生活なども体験できるHppa100105施設になっている。ハロウィンの元を作ったケルト人は、今でこそアイルランドの主要民族だが、かっては英国や西ヨーロッパの全域に住んでいた。バラクラのハロウィンは、本場の催しといってよいだろう。私は、ケルト人の気持ちになって撮影してみた。

東急東横線・菊名駅のコンサート
 横浜市港北区菊名地区では、毎年『ハロウィン・ウイーク』というイベントを企画・実施している。今年は6回目で、10月24日~31日に開催される。えきこんさーと(24日、25日)、Hppa240187_2仮装コンテスト(25日)、ウォークラリーポスターコンテストなどのプログラムの中で、私は、毎回えきこんさーとに出かける。東急東横線の改札口を出た広場がコンサート会場だ。今年も、市立東高校の吹奏楽が駅構内に響きわたった。Hppa240157ポピュラーナンバーを身振り手振りを交えて愉快に演奏していた。40分足らずのコンサートだったが、190カットを撮ってしまった。バラクラの伝統的なハロウィンもいいが、菊名のえきこんさーと(吹奏楽)のようなハロウィンも新鮮で快いものHppa240101_2だ。Hppa240068

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2015/08/25

キャンドル・ライト・ナイト 八ヶ岳山麓No.182

蓼科の“真夏の夜の夢”

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 蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデンへ出かけるのは、今年になって4回目だ。そこでは、
いつも豊かな気分になれるので、好んで出かけている。なにしろ、花がきれいだ。ガーデン内には、豊富な種類の花が咲き競い、冬以外に端境期というのがない。Hpp8220047_2それにときどき(イベント期間中)、音楽の生演奏が加わる。花を愛でながら、音楽が聴けるのだ。私は、視覚と嗅覚に加え聴覚を刺激しながら撮影ができる。なんとぜいたくなことではないだろうか。写真上左 点火を待つキャンドル)

 822日に蓼科バラクラ イングリッシュ ガーデンで「キャンドル ライト ナイト ディナー」(写真下右のチラシ参照 ポップアップ可)という有料のイベントがあった。Hpimg_3夜、庭園内をキャンドルで飾り、幻想的な雰囲気の中で、音楽やディナーを楽しもうという企画だ。私たちは初めて参加した。18時の開催時刻前にバラクラに到着し、撮影のロケハンを兼ねて園内を歩いてみた。Hpp8220112いたるところに、キャンドルスタンドやランタンが置かれ、点火を待っている。定刻の18時が来て、いよいよキャンドルに火がともる。点火するのは、蓼科バラクライングリッシュガーデンのヘッドガーデナーのフィッシャー・アンドリュー氏だ(写真上左)点灯と同時にウエルカムドリンクが配られた。これは「ヒムズ」という英国で人気がある夏の飲みものだという。素材はよくはわからないが、香辛料の利いたリキュールに果実や野菜などが入っている。オレンジHpp8220129_2Hpp8220134、リンゴ、トマト、キュウリ、ハーブなどを入れたカクテルのような飲み物だ(写真上2点)ひと口飲むと何とも言えない刺激が口内に走った。独特の舌触りと香りは、これから目の前に展開する雰囲気を予感させた。

 夕闇が迫るころ、ガーデン内の一角から柔らかな音色が流れてきた。当日のエンターテインメント、スティーブ・ターナー氏のサキソフォーン演奏が始まった。Hpp8220170_edited1演奏会場へ行ってみると、ダンスを踊る参加者がいる。私はダンスができないので、曲を聴きながら園内を撮影した。演奏が終わると、ディナータイムだ。庭園内のレストラン・ジャルディーノでコース料理を楽しんだ。同席のカップルは機知に富んだ話題が豊富な方なので、愉快なひと時を過ごすことができた。さて、シェークスピアの喜劇「真夏の夜の夢」にメンデルスゾーンが作曲した付帯音楽がある。私は、Hpp8220217_2Hpp8220201_2喜劇の筋書きは知らないが、音楽のほうは知っている。蓼科で過ごした夏の宵は、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」のような気がした。なお、スティーブ・ターナー(Steve Turner)氏は、著名なサックスプレーヤーである。

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2014/12/12

初冬の撮影の喜び 八ヶ岳山麓No.171

蓼科バラクラ・イングリッシュガーデン
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 八ヶ岳山麓の自然の撮影はオフシーズンに入ったといってよいだろう。紅葉が終わったこの時期、山岳写真や氷雪の撮影を除けば目だった被写体はない。一般的に12月は撮影の閑散期だ。私は、そんな時こそやる気が出てくる。被写体を発見する喜びを味わえるからだ。Hppc080227ほとんどの人があきらめた被写体や気がつかない被写体を料理するのが好きなのだ。もっとも、私はカメラを持っていれば、どこでも、いつでも、いくらでも時間をつぶせる。「つぶせる」という言い方は消極的だ。充実した時間を過ごせる。 (写真上右 初冬の八ヶ岳西面。写真左 サンタクロースの家、キリストの降誕劇を模したクリッペではない)


 蓼科のバラクラ・イングリッシュガーデン(BARAKURA English Garden)へ出かけた。今回が5回目ぐらいだろうか。いつも愉快に過ごせる場所だ。園内は初冬の雰囲気で、花はない。クリスマスローズと狂い(残り)咲きのパンジーぐらいだ。クリスマスの飾りは雪をかぶっている。しかし、ドライフラワーや枯れ葉、来年の春芽などに加え、英国風のエキゾチックな雰囲気が撮影意欲を刺激した。有意義な2時間を過ごした。


果実がはじけ、綿毛状の種が風を待っていた、種は不明だ(下左) アジサイ のドライフラワー(下右Hppc080321Hppc080157


クリスマスローズ(下左) ユリ科植物の春芽(下右)

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鉢植えのイチゴに果実が残っていた(下左) イチゴに交じってパンジーが春を先取りしていた(下右)Hppc080495
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ガーデン入口ではスノーマンが歓迎(下左) サンタクロースの家の中には、プレゼントが用意されていた(下右)Hppc080586
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ガーデン内はクリスマスの飾りが華やかだ(下2点Hppc080133

Hppc080250『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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2014/10/26

それぞれのハロウィン 横浜No.78                   八ケ岳山麓No.169

菊名/蓼科/自宅
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 ハロウィンが日本に定着した。町中いたるところにハロウィンの飾りが目に入る。26日(日)の横浜山手は、ハロウィンの大波が押し寄せたような騒ぎだった。Hppa250164_2ケルト民族の収穫祭が、ハロウィンの始まりだというが、これをコマーシャリズムに取り入れたところが日本のすごいところだろう。三つのハロウィンを写真でレポートしよう。

第5回菊名ハロウィン・ウイーク
 恒例のイヴェントが開催された。私は、町内にある協賛店の飾りと菊名駅改札口前のコンサートを撮影した(通称「駅コン」 写真上2点)。横浜市立東高等学校の吹奏楽のアンサンブルはすばらしかった。
Hppa250018_3Hppa250010_2Hppa250002Hppa250067_3



ちなみに、同校の吹奏楽部は大きな実績がある。ここ3年、横浜市吹奏楽コンクールで金賞、神奈川県大会でも金賞や銅賞を受賞している。東関東大会へも進出している。マーチングバンドのような身振りを加えた演奏は小気味良かった。

蓼科バラクラ・イングリッシュ・ガーデン
 最近、家内が英国式の寄せ植えを始めた。その展示会が蓼科で開催された(写真下左)。それを見学するために蓼科バラクラ・イングリッシュ・ガーデンへ出かけた。Hppa120228_3Hppa120079_4のとき、園内随所にハロウィンの飾りがあった。イングリッシュ・ガーデンに飾ってあるとうことは、本場の飾りと見てよいのではないか。Hppa120063
収穫の豊かさを想像させる展示だった。

自宅のベランダ
 我が家でもベランダにささやかなハロウィンの飾りを作った。左の鉢植えは家内の近作の寄せ植え。Hppa205002



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2012/03/08

ドイツより古い英国!? ドイツNo.114

英国王立写真協会 日本支部展 Feel British Hp_rpsj10dmimg_0002_3

 「……最初のローマ船がブリタニアの海岸に達した。ウインストン・チャーチルが、大英帝国の歴史はこのときよりはじまる、とした紀元前55年8月26日である」と、塩野七生著「ローマ人の物語」(新潮文庫版第9巻)に書かれている。ブリタニアとは現イギリスのグレートブリテン島のことであり、ローマ船を率いていたのはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)である。カエサルは、ガリア制圧の一環(拡大)としてブリタニアも制覇しようとして兵を上陸させた。「ローマ人の物語」によると、カエサルは同年の前半にはライン河を渡りゲルマンの地へも進攻している。また、すでに紀元前58年にもライン河を渡っている。ゲルマンの地への進攻のほうが、ブリタニア上陸より早いにもかかわらず、チャーチルはドイツより大英帝国のほうが歴史が古いと自慢の種にしたそうだ。

 そこには、古代ローマ研究の学者間の確執とチャーチルのドイツへの対抗意識がはたらいているようだ。また背景には、カエサルのゲルマン侵略はガリア人に対するデモンストレーションのためであったのに対して、ブりタニアのほうは支配(ローマ化)を目ざしていた、ということがある。すなわち、ブリタニアへは本気で攻めていったのである。実際、カエサルはテームズ河(「ロンドンであったかもしれない」と書かれている)を渡って攻め込み、その地の部族を降伏させて帰還する(ローマ人の物語より)。本気で攻めてきたほうがローマ化が早く進み、より長い歴史を刻むので、国の創設は古くなるという論法を、やや奇異に感じるが…。チャーチルの判断の根拠には、西欧文明における「ローマ」の存在の重さもかかわっている。ローマとの接点が文明開化の基準であり、自国のローマ化は誇りなのである。こうして大英帝国の基礎が築かれ、現在の英国(グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland )につながった。英国王立写真協会に所属しながらドイツびいきである私にとっては複雑な心境である。なお、この記事をドイツのカテゴリーに含めたのは、「ブリタニア人とゲルマン人」「英国とドイツ」の比肩にかかわるからである。

 私が英国と聞いて思い出すのは、「ロビンフッド」「アイバンホー」、シェークスピア、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」、「シャーロック・ホームズ」などだ。特にシャーロック・ホームズはお気に入りだ。学生時代にほぼすべてを読んで、探偵にあこがれたこともあった。現在、テレビ番組やDVDなどの映像を見て、夢中に読んでいたころのイメージがスクリーンでよみがえる。ストーリーを楽しむだけでなく、ロンドンやその近郊の町並みにも興味を引かれる。流れる霧、馬の蹄と馬車の車輪の響き、当時の人々の素振りなど、私の英国観に大きく影響している。ただし、残念ながらロンドンの真相は知らないのである。Hp_rpsj10dmimg_0001

 英国王立写真協会 日本支部は第10回目の写真展を開催する。テーマは、昨年に引き続き「Feel British…イギリスぽいってどんなこと?」である。ご高覧いただけたら幸いだ。なお、私は出展していない。

期日:2012年3月9日(金)~15日(木) 10:00~19:00 (日曜開催 最終日は17:00まで)/会場:フレームマンエキシビジョンサロン銀座(銀座ファイブ2F アクセスは上左のマップ参照)

 英国王立写真協会 日本支部の創設者、青木 朗氏が死去されました。心よりご冥福をお祈り申しあげます。

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2011/04/23

横浜もののはじめ・テニス 横浜No.56

横浜山手公園Hpp4131940

 日本で初めて横浜でプレーされ、楽しまれたスポーツはたくさんある。ボートレース、ヨット、競馬、水泳競技、射撃、スケート、野球などだ。フットボール(サッカー)やクリケットなども居留民によって持ち込まれたらしい。テニスもその一つである。Hpp4131934_31876年(明治9年)6月17日号の「ジャパン・ウイークリー・メール」に、山手公園で初めてローンテニスを楽しんだという記事が載っているという(「横浜山手公園物語」(有隣新書))。Hpp4131978同書によると、男性社会であった居留地で、少数の女性たちが退屈と郷愁をまぎらわす手段の一つとして始めたとある。 このあたりの事情は、「横浜山手公園物語」(横浜山手・テニス発祥記念館 編 鳴海正泰 著 有隣新書)に詳述されている。 (写真上右は、120周年記念碑に添付された開園当時(1871年)の山手公園風景)

Hp_2 イギリスでローンテニスが初めて行われたのは1874年だという。その2年後に日本でもテニスがプレーされた。Hpp4131901_2ウインブルドンの第1回大会の前年である。交通・通信手段が船便と人手による時代に、横浜山手(Bluff ブラフ)の生活は世界の最先端とそれほどずれていなかったことになる。

 4月13日、アメリカから帰国したN氏を含む大学同窓の仲間と山手公園でテニスを楽しんだ。Hpp4131951Hpp4131964満開の桜と好天に恵まれ、メンバーはテニスを満喫したようだ。ふだん鍛えていない私は、ラケットのスイートスポットに当てるのと、球についていくのがやっとだった。しかし、テニス発祥の地で、当時の雰囲気をイメージしながら撮影できたのが良かった。 (写真下は、帰路にのぞいた山手カトリック教会。1862年、居留地(現山下町)に横浜天主堂(最初のカトリック教会)として創建、1906年、現山手44番へ移転した)Hpp4132002 参照:ビール醸造ことはじめ 横浜No.38

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2011/02/21

第9回 英国王立写真協会 日本支部写真展        24日(木)17:00まで

『Feel British イギリスぽいってどんなんこと』Hp9dm

 私たち日本支部は、今まで2回ほど『Japanese Style 日本らしさ』というテーマで写真展を開催した。国際的視野に立って日本を見つめようという意図だった。今回は、私たちが所属する王立写真協会を生み出す素地であるイギリスをPRしようと考えた。『Feel British イギリスぽいってどんなんこと』というテーマは、私たち日本支部会員のイギリス観と言っていいだろう。あいさつ文を掲載して、写真展の概要を紹介する。展示の要項は、DM(ポップアップ可)をご参照ください。会場にはBritish scentがあふれている。ご高覧いただけたら幸いだ。Hp9rpsj110215(会員の記念写真は上田頴人会員撮影)

第9回 英国王立写真協会 日本支部写真展「 Feel British イギリスぽいってどんなこと?」

 日本はイギリスから多大な影響を受けてきました。政治、鉄道、郵便制度、庭園、建築、演劇、語学、教育、スポーツなど、それらは今でも私たちの日常生活に深く浸透しています。 そこで、英国王立写真協会 日本支部は、本部のあるイギリスをすこしでも紹介できたらという趣旨で、「Feel British イギリスぽいってどんなこと?」というテーマを決めました。 本場イギリスの風景や人々のほかに、日本国内および国外で探した英国風スピリットを撮影してみました。イギリス再発見の試みです。日本支部会員の意図とチャレンジをご理解いただけたら幸いです。  2011年2月18日 英国王立写真協会 日本支部Hpp2188743Hp2011

                      

 私は、蓼科のバラクラ・イングリッシュガーデンで撮影した庭園の写真を2点出品した。どちらも光をモチーフにしたもの。写真下左 『Pavilion The sunlit garden』 写真下右『Terrace The sunlit garden』Hpp8290207Hpp8300636

          

           

          

          

          

                              

                              

【参考資料】私たちが所属する英国王立写真協会を紹介しよう。以下は、ホームページや写真展で公開している文である。

英国王立写真協会及び同日本支部プロフィール

 英国王立写真協会(RPS)は1853年、英国王立美術協会の傘下団体として発足した世界最古の写真協会です。1894年ヴィクトリア女王の勅令によってロンドン写真協会からRoyal Photographic Societyに改称され、英国Bathに本部事務局を設けて今日まで108年の長きにわたり、学術論文、新聞、書籍、会報等の刊行、会議、セミナー、研修会、展覧会の開催等の活動を通じて、世界的規模で「科学の発展とその活用の奨励」に寄与しています。2003年には、創立150周年記念式典が催されました。現在は英国王立典法による特別公益法人となりました。現在、世界各国にわたる多数の会員は、本部活動に参加する一方、会員の地域的連帯を高めるために会員在住国または環太平洋地域で支部を結成し、それぞれ活発な活動を展開しています。

 日本支部(The Royal Photographic Society Japan Chapter: 略称RPSJ)は、150余年の歴史をもつ王立写真協会本部直轄の日本支部として1996年9月に結成されました。写真展や講習会の開催のほか、日本支部の会報を年3回発行しております。

 入会ご希望の方は、日本支部のホームページからアクセスしてください。  http://www.rps-japan.org/

 

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