“名残り”というモチーフ
第16回 ヌービック・フォト・フレンズ5写真展
『名残りの情景』 は18日15時まで
会期:2018年3月13日(火)~18(日) 10時~18時 初日は13時~ 最終日は~15時
会場:かなっくホール ギャラリー(A) アクセスは、DMを参照ください
以下に、本写真展のあいさつ文と作品一覧を掲載する。(写真や図表はすべてポップアップします)
ヌービックフォトフレンズ5は、昨年、『発端の物語』という写真展を開催した。今回の『名残りの情景』は、テーマとしては正反対だ。物事の最初が発端だとすれば、最後は名残りで終わるのではないか。すなわち物事の最初と最後という意味で正反対といったのだ。
発端も名残りも、私が提唱している8大モチーフの一つである「時間」に属する。名残りは過去のカ
テゴリーに含まれる。また、過去のモチーフの中でももっとも重要なモチーフと言える。名残りは記録の本質でもあるからだ。写真撮影の目的は、名残りをとどめておきたいという願望の実現にあるともいえよう。記念撮影しかりだろう。写真撮影のもっともポピュラーな目的にかかわる。何をどう撮っても名残りになるともいえる。しかし、そうは言っても、被写体の選び方と撮り方には工夫が必要だ。
『発端』について取り組んだので、次は『名残り』を撮ろうというヌービックの発想は、自然でもあろう。
私は、今回、参考出品させていただいた。自然界には、常に始まりと終りがあり、それを繰り返している。その繰り返しが、人々の心に響き、自然への憧れや期待、逆に絶望や寂寞などの情感を醸し出している。私の自然観は、『自然は厳しい』ということだ。美しい反面、生きるか死ぬかの厳しさがある。その厳しさに注目している。名残りには、それを感じさせる要素があると思う。私は、春と秋の季節の名残りとして2点を出品した。
『春のさきがけ』は、満開のモクレンの名残だ。早春に咲くモクレンには、春の喜びがあふれている。散らばった落花には、その面影を感じる。『豊穣の余韻』は、折れて落ちたミミガタテンナンショウの果実を撮影したものだ。秋の豊かさを象徴しているのではないか。
ご高覧いただけたら幸いだ。
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