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2016/02/13

不可解な植物・タイトゴメ 横浜No.87

ベンケイソウ科セダム
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 自宅の近くで、見たことがない植物に出会った。背丈が低く(約2~3センチ)、葉が見えないので、ひと目コケのように思えた。もちろん花は咲いていない。自生しているところは、マンションや道路に囲まれた住宅地内の畑の中だ。地ならしされた畑の休耕地だ。地表は乾燥しているので、コケではなさそうだ。植物図鑑(山渓カラー名鑑の「日本の野草」)を調べたが、なかなかたどり着けない。 (写真上右 タイトゴメのアップ。同下左 群棲しているタイトゴメ)Hpp2090146
 葉のように見える本体が多肉質なので、インターネットで「多肉質の植物」で検索してみた。すると、「ベンケイソウ科」と「セダム」という言葉が出てきた。ベンケイソウ科の多肉植物の総称をセダム(Sedum)というようだ。ここまでくれば、山渓カラー名鑑の「日本の野草」で調べられるはずだ。
 ところが、ベンケイソウ科のページをめくってみたが、ぴったりの種は見つからない。Hpp2090161_edited1ひと目似て見える植物の解説を読むと、高山植物だったり、海岸植物だったり、で正確な同定ができない。観察した植物の背丈が低いのは、冬のロゼット状になっているのかもしれない。また冬季には花は咲かないので、花の状態では同定は難しい。 (写真上右 太陽光が当たると赤に変色する。緑の部分は畑の縁石による日陰の部分)

 ブリタニカ国際大百科事典で、セダムの項に当該植物に似た種の解説に「タイトゴメ」という植物が出てきた。Hpp2090143_2Hpp2080234_2度、インターネットで調べると、ほぼ似ている。タイトゴメは「大唐米」のことで、葉の形が大唐米(タイトウマイ 稲の品種で赤米に同じ)の米粒の形に似ているので、命名されたという。生育地が海岸の岩上や崖とある。たしかに、米粒状の葉は似ているが、生育地は明らかに違う。ほかに、耐寒性が強く、日当たりの良い環境を好む。乾燥にも強い。 (写真上右 葉の下に根茎が見える)
 生え方の分布を見ると、いかにも増殖中のように見える。これは、カビなどがそのテリトリーを拡大していくようすと似ている。何か気味が悪い。休耕地の周辺では、アスファルトの路面に根茎が露出している(写真上左) 。根茎がテリトリーを広ゲているようだ。Hpp2080238_2アスファルトにまで勢力を拡大しようというのは、当該植物は環境に強い種だと言えよう。 ということで、現段階ではタイトゴメと同定した。なお、山渓の「日本の野草」でもタイトゴメは取り上げられていたが、最初に調べたときに“海岸の岩場に生育”とあったので無視してしまった。 (写真右  根茎により奥前方に勢力を拡大中)

 ところで、この植物はなぜここで繁殖しているのか、どこからやってき来たのか、周囲の畑や公園などでは、同類をまったく見ることができない。畑の作物の種や苗に交じってやって来たのかもしれない。葉が米粒のように小さく多肉なのはなぜか。進化・退化の根拠がわからない。乾燥した土の上で生活しているので、サボテンのように水分の蒸散を少なくしようとしてこのような形になったのだろうか? 不可解な植物だ。

 植物図鑑で草花を同定するのは、けっこう難しい。専門家には容易なことかもしれないが、私のような初心者には難しい。花や葉が頼りになるが、時期によって形状が違う。そこで、早期から晩期までの花や葉の状態を見せてほしいものだ。花ならばつぼみから果実までを、葉なら葉芽から枯れ葉までを見られる図鑑はできないだろうか。

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