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2015/11/15

落ち葉から夏を偲ぶ…八ケ岳山麓No.187

輪廻転生Hp40pa310489_edited1_2
 私は落ち葉が好きだ。枝にぶら下がっている葉よりも落ち葉のほうが、過去が感じられドラマティックだからだ。八ヶ岳山麓の森へ一年中通っていると、自然の移り変わりに敏感になる。特に、春の芽生えから新緑、深緑、紅葉と移り変わる植物の変遷は、生命の循環や世代交代、輪廻転生を感じる。花期に多くの昆虫を集め、夏の強い日差しを受けて光合成で栄養を蓄える姿を見てくると、紅葉した落ち葉に思いを寄せるのは自然なのではないか。この時期は、魅力的な落ち葉を探すのが楽しみだ。(写真右 カミキリの不透明度40%)

季節感とは
 季節感は、写真では良いモチーフだ。特に、日本人は季節には敏感だ。季節感を撮影するには、一つの画面に二つの季節をフレーミングすることがポイントになる。例えば、春の季節感を撮ろうと思ったら冬や夏を、夏の場合なら春や秋を、秋なら夏や冬を、すなわち主役の季節の前後の季節を脇役として画面の中に取り込むのである。前の季節で過去を偲び、後の季節で未来への期待を表現することができる。一年前や一年後を画面に取り込むことでも効果を発揮する。いずれも「時間のモチーフ」(私が提唱する8大モチーフの一つ)に属するHp100pa310489_edited3_edited1_4 Hp60pa310489_edited2_edited1_2被写体は刻々と変わるので、二つの季節を同時に画面に撮り込むのはやさしくない。(写真上左 不透明度100%、同右 不透明度60%) ワンショットではもちろんのこと、多重露出でも二つの季節を画面にまとめることはやさしくはない。そこで私は、秋の落ち葉にパソコン技術で夏を撮り込んでみた落ち葉に昆虫(ゴマダラカミキリ)を重ね合わせて、秋と夏、二つの季節で一つの画面を構成してみたHp50pa310489_edited4_edited1_5Hp30pa310489_edited1_4葉と昆虫を同じ標準濃度にしてしまうとどちらが主役かわからなくなってしまうので、昆虫の濃度を下げ、葉とオーバーラップさせてみた。同時に、昆虫は夏の記憶であり思い出なので、あいまいではっきりしないほうがいい。 (写真上左 不透明度50%、同右 不透明度30%)

気に入った過去のイメージを実現
 この撮影のモチーフとテクニックは、漆畑銑治氏が過去(1980年代)に発表した作品を模倣したものだ。たしか、コダック・フィルムのコマーシャルで、カメラ雑誌の見開きページを埋めていたと記憶している。非常に新鮮に感じたのは、コンピュータが普及する前だったからかもしれない。そのイメージを私もいつが自身で作ってみたいと思っていた。Hp50pb062255_edited5漆畑氏のコマーシャル写真は完璧なできばえだったが、それに引き替え、私のコンピューター技術の稚拙さをご容赦いただきたい。オーバーラップの効果は、カミキリの透過率で決まる。画像処理ソフトのフォトショップでは、不透明度という用語を使っている。掲載した写真は不透明度40%(透過率60%)で処理したもの。参考までに、不透明度100%(透過率0% 切り抜き合成)、不透明度60%(透過率40%)と50%(透過率50%)、30%(透過率70%)も掲載する。どれがもっとも夏を偲ぶ写真になるだろうか? また、サクラの落ち葉にクワガタのメスを組み合わせたものも作ってみた(写真上右) 。こちらは、クワガタの不透明度50%(透過率50%)のオーバーラップである。

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