« 2015年8月の森のようす 八ヶ岳山麓No.183 | トップページ | フォトクラブ彩光 2015年新宿御苑写真展 »

2015/09/06

『被写体の特質に迫る』

パナソニック松愛会 横浜写真クラブ写真展
Hpdmimg_0002_2
●会場:横浜市都筑区総合庁舎 1F 区民ホール 横浜市営地下鉄 センター南下車 徒歩6

●期日:98日(火)~913日(日) 10:0016:00

 会場のあいさつ文を以下に記す。

『被写体の特質に迫りたい』
 写真は、人間の目よりシャープ(先鋭)に写るといわれています。高性能なレンズと感光材料(フィルムやCCDなど)のなせる技です。シャープに写らなければ写真とはいえない場合もあります。

 写真は、被写体表面の材質感しか写りません。しかし、シャープに撮ると表面だけでなく内面や特質が見えてくるものです。風景なら歳月や環境、植物なら時の流れや情感、機械なら働きや性能、人間なら人格やキャリアなどを表すことができます。
 パナソニック松愛会 横浜写真クラブは、シャープさと質感にこだわり、被写体の持っている内面や特質に迫ってみました。
ご高覧いただけたら幸いです。 201598日   パナソニック松愛会 横浜写真クラブHpdmimg_0001

以下に会場風景と代表作を3点掲載するHpp9080668_edited1_2Hpp9080719_2

Hp_a3_2『錦 繍』 竹中正州

Hp_dscf9300『力自慢』 作間貞夫

Hp_2『無我夢中』 荻原 肇


エドワード・ウエストンに倣う
 

 写真は、絵画をイージーかつ正確に描くために発明された。カメラオブスキュラが作る像を感光材料で記録するという初期の写真術を見れば、明らかなことだろう。レンズが作る画像は正確な遠近法で構成されているので、これを利用して風景などを撮影した。ネガポジ法(カロタイプ)が発明され、写真は実用的な段階に入ったが、絵画重視の風潮は根強く変わらなかった。いかに、伝統的な絵画に近づけるかが写真家の命題だった。
 エドワード・ウエストン(18861958)という写真家も、青年時代は、絵画調の写真で一流写真家の地位を築いて成功した。スタジオを持ち、ベリートレンズ(ソフトフォーカスレンズ)で人物を柔らかに写して、好評を得たという。しかし、ウエストンはこれに飽きたらなくなった。メキシコ旅行で得た体験から、自身の写真観に疑問を持ったのだ。ちょうどそのころ、絵画は印象派(マネ、モネ、ルノアールなど)やキュービズム(ピカソ、ブラックなど)の新しい画風が興隆しはじめ、お手本とすべき絵画が次々に新しい方向を目ざしているのに、写真が絵画に追従しているのはおかしいと感じたに違いない。写真には、絵画にはできない表現があるはずだと考えるようになった。そこで、ウエストンが注目したのは、写真のもつリアルな再現画像だった。対象をシャープで緻密に再現するレンズと感光材料を生かす表現こそ写真の真髄であると考えた。ウエストンは、被写体の本質を正確に表現するために、クローズアップとパンフォーカスというテクニックに着目した。クローズアップは被写体に近寄ったぶんだけ生々しさが写る。パンフォーカスは視覚を超えた表現力をもつ。ウエストンは、しかも、8×10(六つ切り)の大型カメラで撮影し、密着プリントで観賞するというシャープさを追求した。現在でも、もっともシャープに写真を撮れる機材であり、厳しい観賞条件だ。
 ウエストンの写真論に同調する写真家が集まり「F64」というグループが結成された。この名まえは、大判カメラでもっともシャープに撮れる絞り値F64にちなんで命名された。ちなみに、アンセル・アダムスもこのメンバーだ。ウエストンは、写真のシャープさと質感を重視し、リアリズムを追求した最初の写真家といわれる。(※参考資料:『写真130年史』田中雅夫著 ダヴィット社)
 ウエストンの有名な作品に『ペッパー(No.30)』がある。ピーマンを撮影した作品だが、デフォルメされたピーマンは、奇怪なオブジェのように見える。また、ピーマンと気づかない人もいるのではないか。 (参照:http://en.wikipedia.org/wiki/Pepper_No._30 

Hp_p9244575_2
すなわち、写真は撮り方によって被写体とは別のキャラクターが見えてくる。私もこれにならってピーマンを撮影した。二つのピーマンをいろいろな向きに配列して、関係を作った。ピーマンには、野菜以外のキャラクターがあるように感じたが……。写真上『にらめっこ』 豊田芳州
 

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

|

« 2015年8月の森のようす 八ヶ岳山麓No.183 | トップページ | フォトクラブ彩光 2015年新宿御苑写真展 »

コメント

misako t.様
 撮影は、時間がたくさんあればよいというわけではないと思います。ふだんカメラをもっていないときでも、視界をファインダーのように使って、気持ちでシャッターきってください。目の前の風景を、撮りたい情景に置き換えて、理想像を撮影してみてください。実際にカメラ持ったとき、頭に記録されていたイメージがしばしば撮れるものです。
 すなわち、撮影のシミュレーションであり、イメージトレーニングです。撮りたい写真の設計図をふだんから作っておくということです。いくら時間があっても、頭の中の設計図がないと、撮れないものです。misako t.さんのようにテーマをもっている方は、特にそういえます。
 ご健闘をお祈りいたします。

投稿: H.T. | 2015/09/25 23:36

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2015年8月の森のようす 八ヶ岳山麓No.183 | トップページ | フォトクラブ彩光 2015年新宿御苑写真展 »