昔懐かしい写真展『ふるさとの記憶』 5/12~5/17
第13回 ヌービック・フォト・フレンズ5写真展
会 場:神奈川県民ホール 第2展示室 アクセスはマップ参照(ポップアップ可)
日 時:2015年5月12日(火)~17日(日)10:00~18:00 初日は13:00~ 最終日は~15:00
「ふるさと」といえば、文部省唱歌が有名だ。この歌には、ふるさとが凝縮されている。いろいろな「ふるさと」がある。まず「生まれ育った土地」、次に「精神的なよりどころとしてのふるさと」があり、「かつて住んだり訪れたことのある土地」、また「我が家」をさす場合もある。ヌービック・フォト・フレンズ5は、これらを意識して撮影し展示した。
ヌービックはテーマにこだわり、毎回、悪戦苦闘してこなしている。今回の『ふるさとの記憶』についても同じだった。しかし当初は、これは取り組みやすいテーマだと思ったようだ。ヌービックのメンバー一人ひとりにふるさとがあり、観客(鑑賞者)それぞれにもにもふるさとがあるからだ。情報伝達には、送り手と受け手に共通の素地や土壌があるほど伝わりやすい。ふるさとについていえば、自分のふるさとは他人のふるさとになるだろうと考えられる。あきらかに良いテーマだと思ったようだ。良いテーマとは、労せずして撮影し、展示作品を選べるという一面がある。ところが、そうはいかなかった。
ヌービック・フォト・フレンズ5のまとめ役は、前ページで紹介した写真集『弘前散歩』の著者・辻 栄一氏である。作品が集まるほどに、辻さん(以下、さん付けとする)には送り手と受け手のギャップが見えてきたようだ。辻さんの作品の評価眼はいつも厳しいのだ。それを埋めるために、メンバーの苦戦が始まった。差し替えのために撮り直しをしたり、ありネガの探索を重ねた。その結果、見事な作品展になったと思う。
テーマに対する解釈の多面性と正確さはプロフェッショナルといえよう。特にグループ展としては最高のできばえだ。テーマをこなす苦戦はおおいにけっこうだ。この葛藤が作品展をグレードアップすると思う。テーマとはそういうものだ。テーマのない写真展は観客を意識しているとは思えない。辻さんがまとめた会場のあいさつ文を以下に掲載する。 (写真上右 「ふるさとの情景」コーナー、同上左 「昭和の面影」コーナー)
ふるさとの記憶
「ふるさとは遠くにありて思ふもの そして悲しくうたふもの.....」
明治の文豪 室生犀星が24歳の時、ふるさとに対して愛憎をこめて作った詩である。
誰にでもふるさとはある。生まれ育ったふるさとはいくつになっても心に残っている。楽しいことばかりではなく、辛く苦しいこともあった。遠い昔の記憶であるが、幼いころに遊んだ野山やあのころの風景に出合えばどこか懐かしく、そして安らぎを覚える。それがふるさとなのである。
今回の写真展は3部で構成されている。
第1部「ふるさとの情景」ではふるさとの原風景を感じたり、子供の頃の様々な体験を思い出すことができます。
第2部「昭和の面影」では人々の暮らし方が大きく変貌する高度成長期以前の、『always三丁目の夕日』のような昭和の風景にタイムスリップしていただけます。
第3部「横浜のふるさと」で幕末の開港によって文明の発祥地となった旧居留地界隈のエキゾチックな街角を探訪しています。
それぞれのふるさとを愉しんでいただき、しばしの郷愁に浸っていただければ幸いである。 2015年5月12日 ヌービック・フォト・フレンズ5 一同
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