横浜・外国人墓地のアドヴェント 横浜No.79
クリスマスの飾りを撮る
12月13日(土)と14日(日)の2日間、外人墓地を見学した。この時期、キリスト教ではアドヴェント(advent 待降節)という期間に含まれる。クリスチャンは、クリスマス(降誕祭)をひかえて4週間の準備期間を過ごす。家庭ではツリーを飾ったり、キリストの降誕劇を模したクリッペという置物を作ったり、お菓子を焼いたりする。また、墓標にはリースやツリー、花などを飾る。私が訪ねたときにも、いくつかの墓標にはクリスマスを迎える雰囲気が漂っていた。そのために、外人墓地は少しにぎやかになる。ちなみに、年内は、20日(土)と21日(日)も公開される。おそらく、墓地はクリスマスの飾りでさらににぎやかになるだろう。なお、私は飾りのある墓標のみを撮影した。
墓地がにぎやかというのは、日本人にとっては奇異に聞こえるかもしれない。しかし、西洋人のお墓は、明るく華やかだ。世界観や宗教観の違いではないか。墓碑を見ると、ほとんど夫婦がいっしょに埋葬されている。それぞれの没年月日だけでなく生年月日も刻まれている場合が多い。故人の業績や略歴などが書き込まれている墓碑もある。関係者以外でも故人を偲ぶことができるだろう。私はドイツへ取材に出かけたときには、機会を見つけて共同墓地を見学することにしている。
さて、横浜の外人墓地には、近代日本の創成期に活躍して業績を残した多くの方々が眠っている。鉄道をはじめとする公共事業から学校教育、私たちの日常生活にかかわる技術や制度作りに貢献した方々だ。
詳細は、墓地付属の資料館を見学するとよくわかるだろう。公開順路案内図(図右上 ポップアップ可)に従って見学するだけでも興味は尽きない。
横浜の外人墓地は、通常、縁故者の墓参以外には公開されていない。しかし、3月から12月までの毎週土曜日、日曜日および祭日(雨天を除く)、12:00~16:00には、募金公開と称して一部が一般公開される。募金は200円~300円程度とされていて、墓地の維持管理費に充てられる。墓地と資料館を見学すると、異郷の地で骨を埋めた人々の業績がわかり、もっと寄進したくなるだろう。
私は、外人墓地には大きな思い出がある。タウン誌『浜っ子』に連載を執筆したとき、第1回目が外人墓地についてだった。1984年10月号から毎月、モノクロ見開きで『横浜が見る時間』という記事を執筆させていただいた。
毎月、横浜の風物や行事などを紹介しながら、私の横浜への想いを綴った。
私の横浜でのライフワークが本格的に始動したのである。編集長の渡辺光次さんのご好意により27回続いた。
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