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2014/10/05

第8回 プローバー’01写真展 『五 感』

                         横浜オクトーバーフェスト2014 

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会期:2014年10月7日(火)~13日(月) 10:00~18:00 初日は13:00~ 最終日は~16:00
会場:かなっくホール・ギャラリーA(アクセスはDMの宛名面をご参照ください 
ポップアップ可

 以下に会場のあいさつ文を掲載する
≪写真と「五感」について≫ 写真は視覚芸術です。作品のすべてが視覚を媒体にして成り立っています。一方、人間の日常生活は五感で外界とつながっています。すなわち、5つの入力系(目、耳、鼻、口、肌)をすべて使って生活しています。
 撮影のため被写体を観察するとき、視覚だけを頼りにしていると思うのは錯覚です。残りの四感(聴覚、嗅覚、味覚、触覚)がかなりかかわっています。あるときは被写体を見つけるきっかけになり、また、あるときはモチーフを確固たるものにします。しばしば、聴覚や嗅覚は写真の臨場感を盛り上げます。

 私たちプローバー’01は、五感すべてに着目して撮影しました。視覚以外の四感を感じていただけたら幸いです。 2014年10月7日  プローバー’01一同Hp2014dm_2

写真撮影におけるシズル効果と条件反射
 料理写真の分野に、シズル(sizzle)効果という専門用語がある。日本カメラ社の「写真用語事典」によると、シズルとは、肉や野菜などを煮たり焼いたりする際に出る「ジュージュー」という音の英語版擬声語だという。主に料理や飲みものの写真に使われる用語で、新鮮で、Hppa070673_2おいしそうな写真表現を「シズル効果」が出たという。ジュージューという音以外に、肉や油、煙や湯気などの質感により料理を効果的に見せようという撮影テクニックを意味する。焼肉の写真を撮るとき、ジュージューという音が聞こえてくるように撮ろうというわけだ。

 シズルには、肉が焼ける音(聴覚)以外に、煙や蒸気の匂い(嗅覚)、フライパンの熱気(触覚)などが共存していると推測できる。また、よだれが出てくるようだった味覚も刺激したことになる。Hppa070671_2視覚的な写真に、聴覚や、嗅覚、加えて触覚と味覚を感じさせるように撮影できたら成功だ。それらは、食欲や購買意欲を刺激するからだ。シズルには、人間の過去の体験を呼び覚ます働きがあるといえよう。私は、“パブロフの条件反射”が写真の表現にも重要な役割を演じていると考えている。訓練や経験など後天的につくられた反射(刺激と反応)が写真の観賞にかかわっているのではないか。Hpp6133413生々しいシズルは、以前に体験した五感を呼び覚ますのではないか。ときには、食べるときの家族や仲間との喜びも思い出すだろう。恩師の田村稔先生が、「豊田君、写真は見えるものが写ってあたりまえ、見えないものが撮れて一人前だ」とおっしゃったことを思い出した。写真の画面に記録される情報量は、それほど大きなものではない。写された被写体と状況からイメージが膨らむように撮ることが大切だろう。ちなみに、田村先生は物理学の博士である。

 プローバー’01が『五感』をテーマにして撮影してみたら、聴覚のカテゴリーがもっとも多くなってしまった。当初、展示作品は、五感それぞれを均等に扱いたかった。すなわち展示点数を同じにしたかったのだが、結果は聴覚優位だった。聴覚は撮影のモチーフに重要な意義をもっているということだろうか。

 私は、少ない味覚のカテゴリーを補うために『ドイツのスイーツ』 (写真上左) 『パリのパン屋さん』 (写真下) を出展した。『ドイツのスイーツ』は、ニュルンベルグの菓子店のショーケースを撮ったものだ。Hpp6019387_2自然のシーンをメルヘン調にアレンジしたお菓子は、いかにもドイツらしい着想だと感じた。『パリのパン屋さん』は、パリでランチを買いに入ったパン屋のラックに展示されていた商品に惹かれてシャッターをきったもの。

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コメント

i,s様
いろいろと制作・進行にご協力いただき、ありがとうございます。おかげさまで、難問に決着がつきそうです。また、メンバーの皆さまのチャレンジもすばらしかったですね。まさに、創作料理ではないでしょうか。世界中どこにもない写真展だと思います。これからも、いっそうチャレンジしましょう。

投稿: H.T. | 2014/10/07 22:55

おかげさまで、素晴らしい写真展が開催することができます!
これもひとえにご指導の賜物と思っております。
沢山の方たちがお見えになってテーマ「五感」の感触を味わっていただきたいと思います。  i,s

投稿: i,s | 2014/10/07 08:08

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