川上村の花火大会 八ケ岳山麓No.165
花火は平穏の象徴
8月14日、長野県南佐久郡川上村の花火大会があった。毎年、お盆のこの時期に開催されている。村に帰省した人々と共に家族団らんの場を作ろうという村の配慮だろうか。今年は約700発が打ち上げられた。会場は大深山の村営グランドである。私たちは村役場の駐車場で鑑賞した。打ち上げ場所の千曲川から100メートルと離れていないので、ほとんど真上に打ち上がっている感じだ。こんな近くで花火を観賞したのは初めてだった。覆いかぶさるように開く花火の臨場感はすごいものがある。おかげで花火は芸術だということを初めて知った。花火の形や色はもちろんのこと、打ち上げのリズムやテンポ、イントロダクション~クライマックス~フィナーレの流などは音楽の構成と同じだ。多くの人々と同時に共感できる点でも、音楽と同じだ。30分の交響詩を観賞した思いだった。
花火大会が終ったとき、現在、自身の置かれている環境や立場は恵まれているのだと実感した。これは、日本を取り巻く平和のおかげだ。いま世界中では争いが絶えない。シリア、イラク、ウクライナ、イスラエルとパレスチナ、そのほかに途上国の不安定な情勢など、火器を使った戦闘で多くの死者を出している。これらを自身に置き換えるとぞっとする。これら抗争の原因は、為政者間の私利私欲によるといってよいだろう。為政者は一般国民の安寧を目ざす義務があるはずだが…。
花火も爆弾(火器)も同類の火薬で作られる。火薬は、平和にも武器にも使われるというのは皮肉なことだ。敵味方が戦線で同じ打ち上げ花火を見ながら休戦を誓うということができたらと思う。
それだけ花火には人々の心を動かす要素があると思った。一方、為政者には芸術を尊ぶ気持ちがあったらと願うばかりだ。 (写真上右と左が大会のフィナーレを飾った)
撮影には、オリンパススタイラス1(写真下右)を使った。露出モードはマニュアルモード(M)、絞りF3.5、シャッター速度1/30秒、ISO800、WB晴天に設定。ピント合わせを省略するために、マニュアルフォーカス(MF)で無限遠(∞)に合わせた。AFでピントが合うかどうか心配だったうえに、たとえピントが合ってもAFのタイムラグでシャッターチャンスを逃してしまうことを警戒したからだ。すべて手持ち撮影だ。
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