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2013/12/27

ドイツの犬事情 ドイツNo.138

「やったー、お家が決まったワン!!」
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 ドイツを旅していて、犬を見つけたら、シャッターをきることにしている。犬と人の関係が日本とは少し違うと思うからだ。 (写真上 ヴァッサーブルグにて)

 タイリクオオカミが人間の集落周辺でゴミをあさりはじめたのが、Hpp6073463_edited1今から1万5000年から2万年前とされている(「ナショナル・ジオグラフィック」2012年2月号参照)。タイリクオオカミ(犬)と人間の共生の始まりであった。オオカミに餌を与える代わりに猟犬や番犬として活用したのであろう。Hpp6116254もっとも早い家畜の成立だという。家畜化された犬は、ブリーダーたちによって品種改良が繰り返され、現在の多様な犬種へ分化した。 (写真上左 ツェレの市庁舎わきにて。写真上右 ニュルンベルグの中央広場にて。写真下左 ミュンヘンのヴィクトエーリエンマルクトにて。写真下右 ニュルンベルグの中央広場にて)Hpp6044763_3Hpp6116209_5

 私たちは、八ヶ岳山麓にあるペットショップへしばしば足を運ぶ。子犬の売り場で癒してもらうためだ。子犬のしぐさがかわいい。どの犬も、「私を飼ってー」とねだっているように見える。犬にとっては飼い主が決まるか否かは死活問題なのだ。生後2、3か月で飼い主が決まれば順調なのだが、数か月たっても決まらない場合もある。その犬の表情は心なしか寂しそうに見える。その犬の価格はディスカウントされ、相場の数分の一になっている。そういう犬を見ると我が家で飼ってやりたいという衝動に駆られる。Hpp6062886Hpp5021634_edited1だれかが飼ってやらないと処分されてしまうのだろう。あるとき、売約済みの子犬が入ったケージに「やったー、お家が決まったワン!!」と書かれた札が貼り付けてあった。犬の気持ちをよく表していると思った。犬にとって、この世に生まれたからには、人間と共生しなければ生きていけない。これは、1万5000年前に犬(オオカミ)が選んだ宿命だ。 (写真上左 ツェレのマルクトにて。写真上右 リューベックのメインストリートにて)

 ドイツ人の犬の飼い方を見ていると、人との共生の重みを感じるのだ。ヴァッサーブルグやリューベックの路傍にある犬の糞処理対策を見ると、犬に対する思いやりを感じざるをえない。そこで、ドイツの犬を撮影したくなる。 (写真下左 ヴァサーブルグの犬の糞処理スタンド。ポリ袋とゴミ箱がセットになっている。写真下右 リューベックの糞処理用ポリ袋供給スタンド)Hpp6061631_3Hpp5315471_2

 だいぶ前、シリアのパルミラ遺跡で取材中の出来事である。広い遺跡に足を踏み入れ撮影を始めようとしていたら、1頭の犬が猛スピードでこちらへ向かって走って来る。それに気づいた私は、カメラバッグと三脚を抱えて死に物狂いで逃げた。というのは、取材に出かける前にトルコ大使館で、犬に対する注意事項を聞かされていたからだ。「ベドウィン(遊牧民)の放牧地へ入ると牧羊犬に噛みつかれる。牧羊犬には狂犬病をもっているものもいるので十分注意するように」(要旨)というものだった。Hpp6106485Hpp2218009_5これが脳裏にこびりついていたので、必死に逃げたのである。ベドウィンが遺跡のなかで放牧をしていたのだ。私は、ベドウィンのテリトリーへ踏み込んでしまったようだ。犬はあるところで私を追跡することを止めた。そこはテリトリーの境界だったようだ。世界的な遺跡の中で放牧できるとは想像もしていなかった。犬は飼い主に忠実に仕事をしたのである。一方、私は侵入者になってしまった。 (写真上左 ミュンヘン中央駅のプラットホームにて。写真上右 ゲンゲンバッハにて)

参照: 『あこがれの“撮影犬”にめぐり合う ドイツNo.117』 『犬のトイレ ドイツNo.104』

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コメント

Misako T. 様
コメントありがとうございます。冒頭の写真は、ドイツ・ヴァッサーブルグ・アム・インで撮影したものです。街を見下ろす展望台へ登ってきた老人(医者ということでした)と犬(トイプードル)の話を少々したあと、帰りかけた後姿を撮影しました。犬がとりもった写真だと思います。H.T.

投稿: H.T. | 2014/01/26 17:45

冒頭の、老人と犬のほのぼのとしてぬくもりのある写真が好きです。なぜかふっと、以前アサヒカメラ誌の裏表紙に載っていた先生の、欧州(ドイツ?)の街角でストリートオルガンを楽しんでいる親子の写真を思い出しました。
ドラマを感じさせる写真を私も目指したいと思います。今年もよろしくおねがいします。

投稿: Misako T. | 2014/01/13 19:07

コメント、ありがとうございます。

私の少ない体験ですが、ドイツでは犬の市民権は日本に比べてはるかに大きいと思います。駅や車内、レストラン、ホテル、ショップなどで、犬を同伴できるところがたくさんあります。それだけ犬のしつけができているということでしょうか。犬と人間の共生関係が濃密だと思います。

i.s様の新年のご多幸をお祈りいたします。

投稿: H.T. | 2013/12/30 21:29

こんにちは! 飼い犬としての歴史とドイツの人達の思いやる気持ちを知ることができました。日本では、ペットブームと言われる割になにか足りませんね!この記事を見て同感する人達が増えてくれるといいですね!
明年も貴重な記事を楽しみにしています。我が家のワンチャンも6歳になり、人間年齢では40歳です! 我もまた加齢の時期がきますが、粛々と生きたいですね! i.s

投稿: i,s | 2013/12/28 12:07

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