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2013/05/24

植物の過去を明かしたい 八ケ岳山麓No.149

5月の森のようす沈黙の森から

 
ドイツの動物学者E.H.ヘッケル(1834~1919年)は、1866年、反復説という学説を提唱した。それは、「生物の個体発生は系統発生を繰り返す」というもの。個体発生とは、生物の“個体”が卵から成体になるプロセスをさす。植物であれば、種(たね)から芽が出て葉や根を伸ばし、花を咲かせ、果実を作るまでの経過のことだ(老化、すなわち枯れるまでを含めるべきだという学者もいる)。Hpp5093069一方、系統発生とは、ある生物“種”(しゅ)が原始生物から進化して現在に至る歴史のことだ。ヘッケルの説は、植物の成長過程が、そのままその種の進化の縮図になることを意味する。ヘッケル説の正否は専門家に任せるとして、私はこの説にたいへん興味がある。現在の状況から種の過去を読み取ることができるからだ。私は本来、原始的な風景や形態、誕生のプロセスが好きである。自然界だけでなく、人類の誕生、国家や社会の成立、人間の成長、新製品の開発など、草創と発端を知りたいのである。多様な植物界の進化の一端もわかればと思う。

 春には、多くの植物が発芽し葉を広げ成長の初期を迎える。それらの種は、進化の草創期の原始性を現しているのではないか。実際に、植物の芽や若葉に原始性を感じるのは、私だけではあるまい。というわけで、春の八ケ岳山麓での撮影には胸が膨らむのである。多くの植物が原始的な形態を見せる春という季節もまた、原始的な地球の状景を反映しているかもしれない?

オシダの葉芽(下2点)
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シダ類の若葉(下左) バイケイソウの葉芽(下右)Hpp5173765
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ミミガタテンナンショウの若芽(下左) サクラソウの花芽(下右)
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原始性を見せる若葉(下左) 素性の違い(下右)
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イタドリの若葉(下左) 発生の苦悩(下右)
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