ドイツの自転車事情〔3〕 ドイツNo.133
モーツァルト自転車道…サイクリングの楽しみ
すでに書いたように、ドイツでは自転車道が整備され、安全にも配慮され(参照:ドイツの自転車事情〔1〕 、ドイツの自転車事情〔2〕)、駐輪施設や貸自転車などハード面が整備されている。当然、それらを利用するソフトも発達している。いたるところでサイクリングを楽しむ風景が見られる。路上だけでなく、公園やマルクト(市場)、駅構内や車内など、あらゆる場所にサイクリストがいる。通勤、通学、買いものなどの実務用だけでなく、レジャーとしてツアーを楽しむ人々が多い。
ヴァッサーブルグの書店にサイクリング用のガイドブックが展示されていた(写真上右)。そのなかに「Mozart-Radweg」という本がショーケースに平積みにされていた(写真上左)。直訳すると「モーツァルト自転車道」ということになる。モーツァルトのファンである私の目に留まったのだ。表紙のキャッチコピーに「ザルツブルグ地区からベルヒテスガーデン地区とチームガウの区間」とコースが記されている(左マップ参照)。オーストリーのザルツブルグはモーツァルトが生まれた町なのでコースに含まれるのは当然だ。一方、ドイツのベルヒテスガーデンとチームガウは国境をはさんでザルツブルグと隣り合わせにある地域だ。どちらも、モーツァルトが訪れたとしても不思議はないエリアだが…。ちなみに、チームガウ(Chiemgau)という町や地域は私の資料には見つからないが、チーム湖(Chiemsee)というリゾート地があるのでその地域をさしているのであろう。このコースガイドに目を通したわけではないが、オーストリーとドイツ、2国にまたがるサイクリングロードが完備されているようだ。何よりも、サイクリンのコースマップに「モーツァルト」の名が冠されているのに驚いた。モーツァルトの足跡を自転車でたどるというのはすばらしい着想ではないか。(写真上3点 自転車のある風景、左から車中、ハンブルグUバーンのプラットホーム、ニュルンベルグの旧市庁舎前)
ドイツでは、レンタル・サイクルも普及している。ニュルンベルグの市内でその施設を撮影した(写真下右)。キャッシュを投入するところがないのでカード式のようだ。英語でも操作できる(写真下左)。この施設で貸し出しと返却ができる。
リューベックで中高年のサイクリスト・グループとすれちがった。彼らは、トラべ水路(Kanaltrave)沿いに走ってきて、橋を渡るために階段を上ってきた(写真下右)。橋の上から撮影していた私たちを見て、「第2次世界大戦では、いっしょに戦ったナー」と親しげに話しかけてきた。ドイツと日本の絆をあらためて意識した。以前、メーアスブルグでも同じようなグループに出会ったことがある。ドイツでは、サイクリングは中高年の余暇になっているようだ。
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