第8回 シャトロー会写真展『心の歌と共に』
私がコーチを務めるシャトロー会は、いままでユニークな写真展を開催してきた。いくつか挙げると、「サウンド&パワー」「水辺模様」「癒し、いやされる」「元気で幸せ」「コンビネーション」などだ。テーマとそれにともなうタイトルをしっかり守り、作品を厳選してきた。これはあたりまえのことであろう。私は、グループ展でしばしば見る“寄せ集め展”や“おけいこの発表会展”には興味がない。配列がばらばらなので、鑑賞するとき作者の意図についていけない。混乱してしまうのだ。それに、おおむね撮影テクニックの向上だけを見せることになる場合が多い。テクニックは表現の手段である。興味があるのは、作品の中身だ。それはテーマによって決まる。
今回、シャトロー会では歌に合わせた写真を撮ろうと決めた。チャレンジであり、成算があったわけではない。それこそばらばらになる危険があった。しかし、鑑賞者のスキーマ(心構え)を歌のタイトルで作れれば何とかなると考えた。メンバー各々は好きな歌を1~4曲選び、それに合わせて一人4点出展した。1曲に1点の場合もあれば、2点の場合、4点の場合もある。すなわち、写真1~4点で一つの歌のイメージや雰囲気を伝えようと企図した。また一つユニークな写真展を積み上げたと言えよう。今回は、目黒区民ギャラリー(マップ参照 ポップアップ可)で開催する。ご高覧いただけたら幸いだ。あいさつ文とメンバーの代表作1点を以下に掲載する。
P.S. 11月30日、介護施設のデイケアーで20~30名の団体が会場にお見えになった。高齢の方々にはなつかしい歌が含まれているので、介護担当の方々が連れてきてくださったようだ。しかも、2、3日前にもいらしたというから、介護担当の方々はリピーターだ。私たちの写真展をご高覧いただき、たいへんうれしかった。これが本来の写真展の姿ではないだろうか。写真展が業界人だけのものだったら、写真はいつまでたっても音楽や文学にはかなわないだろう。
会場:目黒区民ギャラリー(マップ参照 ポップアップ可) 会期:2012年11月27日(火)~12月2日(日) 10:00~18:00 27日は13:00から 2日は16:00まで
スクリーンミュージックという分野があります。テーマ曲やBGMを聴くと映画の名場面が髣髴とよみがえります。これは、音楽にとっても映像にとってもすばらしいことです。 ところで、好きな音楽を聴きながら撮影する写真家がたくさんいます。イメージが広がり心地よくしシャッターをきれるからでしょう。音楽には視覚を鋭敏にする効果があるのではないでしょうか。 私たちも、好きな歌を口ずさみながらシャッターをきりました。そして、イメージやモチーフを歌から発想してみました。この写真展は、まさにTake a Songの結果です。ご高覧いただけたら幸いです。 シャトロー会コーチ 豊田芳州
●四季の歌「春を愛する人は 心清き人」菊谷信夫(下左) ●酋長の娘「色は黒いが 南洋じゃ美人」須永定博(下右)
●憧れのハワイ航路「別れのテープを 笑顔で切れば」金子壮一(下左) ●シャボン玉「風風吹くな シャボン玉飛ばそ」廣幡安子(下右)
●どこかで春が「どこかで芽の出るが 音がする」瀧内哲男(下左) ●ひなげしの花「愛の想いは 胸にあふれそうよ」小野理恵子(下右)
●旅愁「わびしき思いに ひとりなやむ」矢部 徹(下左) ●村祭り「今日はめでたい 御祭日」新沼早智子(下左)
●今日の日はさようなら「いつまでも絶えることなく 友達でいよう」間々田正子(下左) ●あの町この町「今きたこの道 かえりゃんせ」矢吹忠正(下右)
会場風景 採用された曲をBGMとして流した
私は、『ブルーライト・ヨコハマ』を選んだ。選ぶというよりは必然だった。横浜が好きなうえに、カラオケで歌えるのはこの1曲だけである。2点を特撮で目ざしたが、思うように撮れなかった。ありネガ1点と、苦肉の策で切り抜けたが…。 ●「街の灯りが とても きれいね」(下左) ●「ゆれて あなたの腕の中」 (下右)
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