「永 遠」をプレイバック
現在の若い人々がうらやましい。パソコンや携帯、ゲームやダンス、多様なスポーツなど、私たちが10代から20代のころにはなかった遊びやエンターテインメントがたくさんある。学問や仕事、食べものなどの選択肢も豊富だ。一方、ボランティアへも積極的に参加する若者も立派だと思う。ボランティアは歳をとってもできるはずだが、やはり気力がついていかない。若者のその気力と体力もうらやましい要因の一つだ。
写真界で我々中高年にできることは何だろうか。当然、若者がやらないこと、またはできないことに取り組まなければならないだろう。私たち中高年は、自身の過去や歴史を生かしつつ、人類の個体発生と系統発生を学びながら写真に取り組みたいものである。ヌービックフォトフレンズ5(NPF5)の今回のテーマは「永遠」である。写真は、現在を記録し残すことが第一の役目である。言葉を代えてそれを言えば「永遠」ではないだろうか。ヌービックが書いたあいさつ文と作品一覧(ポップアプ可)を以下に紹介しよう。
第10回 NPF5 写真展 「永 遠」…残したい光景 プレイバック
会場:かなっくホール ギャラリー/会期:2012年5月15日(火)~20日(日) 10:00~18:00(初日は13:00から、最終日は15:00まで)
街歩きをしたときや旅に出たときに、ふと見た風景、あるいはお祭りなどの行事に出会ったら、「これはいつか見た光景だな」と思ったことはないだろうか。それは遠い昔の子供の頃の思い出に繋がっているかもしれない。いや、ひょっとすると、ただ単にかつて脳裏に焼き付いていた写真や映像の再現に過ぎないことだってあり得るし、心象風景だった可能性もある。でもその光景を見たときは、懐かしくて、永遠に残しておきたい、変わらないでほしいという心情が込み上げてくることは誰にでもあると思う。一方、現在目にしている風景も、後になってみれば、懐かしくなり、残しておきたいと思うことだって考えられる。今回の写真展はこのような「永遠に残したい」という観点に着目して作品作りに取り組みました。各々の作品には撮影者の残したいという意志と写真の記録性が交差して、永遠に何回でも、いつでもプレイバックできるという意が込められています。カテゴリーは、時間の経過とともに変化していく「時の流れ、変遷」、永遠に繰り返される「自然の摂理」、自分自身の過去を振り返るような「あの日、あの時」、敬虔な気持ち溢れる「敬う心」、誰もが懐かしさを感じる「心のふるさと、伝統」の五つに分類しました。 (写真上左 展示に合わせて制作した写真集 写真上右 会場風景 写真下右 5月18日付の神奈川新聞記事)
私も1点出品した。厳冬の寒気が作った枯れ葉と霧氷のデュエットである。つかの間の命とわかっているが、永遠に残してやりたい光景なので、それを讃え、「自然の摂理」のカテゴリーへ「宿命へのあがき」(写真下)として展示する。【撮影データ】 オリンパスXZ-1 ズイコーデジタル6~24ミリF1.8~2.5(6ミリで撮影 35ミリ判換算28ミリ) スーパーマクロモード 絞りF6.3 オート(1/500秒) -1.0EV ISO200 WB晴天
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