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2011/04/06

「大和路の印象」の追体験 横浜No.55

東日本大地震で被災された方々へ、心よりお見舞い申しあげます。また、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申しあげます。

新羽町・西方寺の春…コンパクトカメラシリーズ33Hpp4061341

 私の最初の個展は「大和路の印象」である。1966年、千葉のステーションビル内のギャラリーで開催し、翌年、新宿・紀伊国屋のギャラリーでパートⅡをやった。当時、どういうわけか奈良の飛鳥、天平、白鳳の寺院に引かれた。おそらく、この時代の建築や仏像がエキゾチックに感じられたからだと思う。実際、飛鳥から白鳳にかけての文化は、大陸から入って来たばかりの仏教文化であったはずだ。最初はさほど意識しなかったが、撮り進んでいくうちにこのエキゾチシズムに引き込まれていったのを覚えている。Hpp4061409私はエキゾチックに“弱い”のである。横浜でも、山手や山下町に漂う異国情緒を感じとって夢中になってしまったのだ。 (写真左 西方寺境内)

 さて、若いときにお寺に興味を持つというのは異常かもしれない。しかし、1950~60年代は、現在のように若者を引きつけるエンターテインメントやスポーツは少なかった。私が興味を持ったのは登山、スキー、テニス、クラシック音楽などだ。マージャンや喫煙、ダンスなどにはまったく関心がなかった。Hpp4061380Hpp4061405かといって、デモに参加するイデオロギー闘争にも興味がわかない。芸術や歴史などの文化財と遺跡に関心が集中したのである。やはり私は奇人・変人の類になるだろうか? 写真で最初に興味を持った被写体はお寺であった。それをエキゾチックに表現することに専心した。それが「大和路の印象」になった。 (写真上左 灯篭を通して見た本堂、写真上右 灯篭と本堂)

Hpp4061436 4月6日は、横浜市港北区新羽町にある西方寺(クリック可)を訪れた。振りそそぐ春の光の中にモクレンの大木が目に留まり、それに引かれて境内に入ってみた。真言宗西方寺は、西暦1190年鎌倉笹目ヶ谷に創建されたと由緒書に書かれている。開山は、醍醐寺三宝院座主で奈良東大寺の別当の勝賢僧正とある。いろいろな経緯を経て、今から約500年前に当地へ移築されたそうだ。本堂、鐘楼、山門は横浜市の文化財に指定されている。 (写真右 手水鉢に映ったイチョウ〈横浜市指定の名木古木49374〉)

 私は、モクレンを撮影したあと、閑静な境内を散策した。昔、「大和路の印象」に夢中になっていたときを思い出した。Hpp4061478本堂の正面にある灯篭のせいだろうか、西の京の西大寺を撮影しているときが目に浮かんだ。撮影という行為は強く脳に刻まれる。当時、どんなふうにカメラポジションを工夫したか、絞り値をいくつにしたかなどが再現されるのだ。撮影にはミルトカメラ・オリンパスXZ-1を使った。写りは最高だが、今まで手になじまなかった。最近やっと思いどおりに撮影ができるようになった。ちなみに「ミルトカメラ」とは、被写体に優しいカメラという意味で、ハイグレードなコンパクトカメラに私が付けた名称だ。これからの主流作画カメラになると考えている。ミルト(ドイツ語のmild)とは、「穏やかな」「柔らかな」「マイルドな」という意味だ。 (写真上左 鐘楼) 参照:「私の理想的なカメラ像 横浜No.54」

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