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2010/12/28

氷にはたくさんのモチーフがある 八ヶ岳山麓No.112

Hppc260489被写体論

 標高1400メートルの八ヶ岳山麓では、12月24日の最低気温が-8度C、25日が-9度C、26日も-9度Cだった。3日低温を記録し、日中も氷点下なので、26日は氷の撮影に期待がもてた。渓流に入ってみたが、まあまあの結氷状態だった。ちなみに、20年前には-15度C以下はあたりまえ、-20度Cもたびたびあった。私にとって、地球温暖化は氷の撮影に暗い未来を暗示しているように感じる。

Hppc260338 氷の撮影がおもしろいのは、いろいろなモチーフが適用できるからだ。まず、「形」がおもしろい。氷結と液化は変幻自在の形を作り、二度とできない希少価値がある。被写体として絶好である。形には「表情」があることは言うまでもない。人や動物、怪物、アメーバ―などに似ている形もある。

Hppc260391 氷には、いろいろな「関係」が読みとれる。氷は基本的に“結果”である。渓流の氷には、必ず核になるものがあり、そこがきっかけになって発達する。それは“原因”と言える。その結果が目の前の氷だ。すなわち、氷には因果関係が読みとれるのだ。“因果”は関係のモチーフではもっとも意味深い。一方、水は液体であり氷は固体である。凝固Hppc260574(氷結)と融解(液化)は、液体と固体の“葛藤”なのである。水の“動”に対する氷の“静”という関係もある。これらも氷の撮影では無視できない関係のモチーフだ。

 氷の発達には時間がかかるので、「時間」のモチーフも成り立つ。核に付着し始めた小さな氷と巨大に発達した氷を見比べると、“時の流れ”や置かれた環境の違いなど宿命を感じる。氷には固体としての「質感」がある。冷たさ、透明感、固さともろさなど、質感描写のモチーフも成立する。被写体としてこれほどおもしろいものはめったにない。

Hppc267958 さらに興味深いのは核になる物質である。渓流では落葉、落枝や岩が主要だが、それぞれには“過去”がある。葉や枝は以前の生産活動のあかしだ。岩は破壊と浸食という長い経歴をもつ。氷が付着するそれぞれの核には、過去の生活や事件、運命や因縁がある。それらが氷と一体になって私たちに感慨を与える。26日は、そのようなことを考えながら撮影した。使用カメラはオリンパスE-420(一眼レフ)と同μTOUGH-8000(防水コンパクト)。

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