Feel British イギリスぽいってどんなこと?
中世の英国〈ブリティッシュ・ヒルズ〉を訪ねる
私が所属している英国王立写真協会 日本支部(RPSJ)は毎年、写真展を開催している。次の写真展のテーマは「Feel British イギリスぽいってどんなこと?」である。本部のある英国を少しでも紹介しようという趣旨である。英国滞在の長い日本支部会員もいるが、ほとんどの会員は英国滞在を経験していない。すなわち本場の英国を知らないし、写真もない。そこで、日本で英国を探して撮影しようと考えた。これは英国(被写体)に対する一つのアプローチであろう。
外から見た英国も、住んで生活して知った英国とは違った価値があるのではないか。私たちは、むしろそれを使命として取り組むつもりだ。それに、私たち日本人は、多くのことを英国から学んだ。議会制度、郵便制度、生活習慣やマナー、スポーツ、ガーデニングなど、私たちの日常にはイギリスの影響がたくさんある。日本人が見たり感じた英国、日本に現在、息づいている英国を紹介できたらと思う。(写真左はマナーハウスの出入口)
福島県岩瀬郡天栄村にブリティッシュ・ヒルズ(British Hills)という文化空間がある。
「パスポートのいらない英国へようこそ」というのが、ブリティッシュ・ヒルズのキャッチフレーズである。7万3千坪の敷地に、マナーハウス(荘園領主の館)(写真上)を中心にして、イギリスと変わらぬ雰囲気が展開している。東北新幹線の新白河駅から送迎バスでマナーハウスに到着すると、まず“シェークスピア”が迎えてくれる。もちろん銅像だ。次にガイド担当の小林さんと二人の英国人女性が出迎えてくれた。ここでは英語だけを話さなければならないのかと予想してきたが、
そうでもないようなので安心した。マナーハウス(ビクトリア時代)の見学では、私たちには意外な英国の習慣や、調度家具が紹介され、たいへん興味深かった。自身が英国王立写真協会のメンバーであるので、好奇心が高まっていることも手伝っているのだろう。それに加えて、「ハリー・ポッター」に出てくるようなリフェクトリー(食堂)(写真最上)やイギリスビールを飲みたくなるイングリッシュ・パブ(写真上左)、ビリヤードに匹敵する英国流のスヌーカー・ルーム(写真上右)、アフタヌーンティーを楽しめるアスコットティー・ルームなど、すべて本物だ。
私は、「ワーテルローの戦い」を模したチェスに興味があった。1815年、イギリス軍がナポレオン軍を破った戦いである。双方の駒に生々しさを感じた(写真左)。
(写真下右は、インド製のエレファントラダーを説明するガイドの小林さん。マナーハウスのオーナーたちは持ち物で自身の過去を顕示したという)
ブリティッシュ・ヒルズは、多くの学校が英語の研修に利用している。英会話だけの生活を体験して、英語力を磨きながら国際的な感覚も身につけようという意図のようだ。私たちが訪れたときも、いくつかの学校が研修に来ていた(写真上左 シェークスピア像の前に置かれた学生たちのバッグ)。彼らが防寒用に羽織るマントを見て、ロビンフッドのTV番組を思い浮かべた。ブリティッシュ・ヒルズは、標高1000メートルの高原にある。この風土がスコットランド・ハイランド地方に似ているという。そのため、宿舎(ゲストハウス)には防寒用のマントが用意されている。私たちもマントを借りて記念撮影をした。昼食には、フォルスタッフ・パブ(イングリッシュ・パブ゙)で英国の定番料理フィッシュ&ティップスを食べた(写真左)。そして、午後のひととき、アフタヌーンティーを体験した(写真下)。
ハリー・ポッターやロビンフッド、シェークスピア、ワーテルローなど、なじみのある英国も感じた。日帰りではあったが、英国の凝縮されたエッセンスを十分体験できて満足だった。(参照:ブリティッシュ・ヒルズホームページ)
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