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2010/07/07

フランスで中世を体験

中世都市プロヴァン

 パリ滞在中にイル・ド・フランスのプロヴァン(Provins)を訪れた。イル・ド・フランスとは、パリを中心に半径約150キロの範囲に広がる地域をさす。プロヴァンはパリの東駅から電車で約1時間半のところにあり、Hpp6076732「中世都市」を看板にしている。町の一角には「中世都市」というエリアがあり、城壁に囲まれたその中の建築はほとんど中世(12~13世紀)のものだ。同時に、野外ステージでは中世の再現ドラマが演じられている。その中の「城壁の時代に」と「騎士伝説」を鑑賞した。中世を知るには文献を読むか、当時の文化財を参考にするしかない。Hpp6066400Hpp6066245もちろん当時の写真もない。このドラマがどれぐらい時代考証されているかわからないが、少なくとも机上でしか中世を知らない自身にとって大きな体験になった。(写真下左は中世の武器、同右は投石機)Hpp6076590_2Hpp6076639

 私は、常々ドイツの中世を知りたいと願ってきた。しかし、隣り合わせのフランスとドイツでは大差ないと考える。プロヴァンは、ローマ時代にシーザーが建設した町だという。これはドイツのマインツやケルン、トリアーなどのライン川沿いの町と共通である。ローマがガリア地方制圧の一環として建設した町だった。「中世ヨーロッパの生活」(ジュヌヴィエーヴ・ドークール著 大島誠 訳 白水社刊)には、おもにフランスの中世について書かれているが、タイトルに「中世ヨーロッパの生活」とうたっているのは、ヨーロッパ全体の中世は同質のものであったことを物語っている。プロヴァンで中世を学ぶのは有意義ではないか。Hpp6076536Hpp6062879_3

 プロヴァンは、一時はフランス第3の都市まで発展したという。シャンパーニュ地方の領主が商人や金融業者を保護し安全を保障したため交易の中心として栄えた。その名残が「中世都市」エリアである。(写真上左はジュイ門、同右は700年以上前の木組みの家)

HpHp_4  プロヴァンは人口約12,000人の小都市であるが、中世の町並みや文化財が保存されているので、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。観光にも力を入れていて、日本語のパンフレットも準備されていた(写真左参照)。6月13日~14日には「中世時代祭り」が開催されたが(写真左参照)、私たちの滞在日とずれていたので見ることができなかった。

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