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2010/04/29

シカに異変 八ヶ岳山麓No.99

人とシカの攻防戦Hpp2220025

 シカを取り巻く環境が急激に変化している。人里や畑に出てくる頻度が異常に高い。人間にとっては、シカとの接点が明らかに増えてきた。3月30日の宵、車で走行中、八ヶ岳山麓の5か所でシカを目撃した。Hpp4220820そのうち2か所では20~30頭が群れをなしていた。(写真上右は牧草地に出てきたシカの群れと、写真左は山小屋の近くで見つけた糞) ほかの3か所でも数頭が道路わきから逃げて行った。牧草地や畑(レタス畑の予定地)をわがもの顔に走り回っている。昨年から今年にかけてシカを見る機会が増えた。Hpp4220814_2Hpp4240939_4シカが角を研いだり、かじった跡があちこちにある(写真下2点)。今までは、たまに見るぐらいだった。シカは、しばしば生木をかじる。おそらく草が見つからず、空腹をいやすためであろう。それほどシカにとっては深刻な事態のようだ。

Hpp3310428 3月31日は、森の中でシカの角を拾った(写真右)。初めての体験だ。ふだんから動物の骨や角はもっとわれわれの目に触れてもよいと思っていた。野生動物の寿命は2~3年、長くても数年と言われる。必ずどこかで死ぬので、その痕跡が見つかってもおかしくないはずだ。しかし、ほとんど見つからない。山の中でシカの角が見つかったことは、シカの生活と森の中で何かが起きているとしか思えない。

Hpp4020587_3Hpp4020601_3 4月2日は、山小屋の近くでシカの死体を見つけた(写真右)。あきらかに人間のテリトリー内だ。禁猟期に入っているので銃で撃たれたのではない。傷は見当たらない。そばに嘔吐物のようなものがあった(写真上左)。生木のかけらが混じっているのだと思っていたら、なんと動物の骨だった。木のかけらなら消化できるだろうが、動物の骨は無理だろう。消化不良で吐いてしまったのではないか。よほど腹が減っていたのだろう。目が青くきれい顔をしていた。それにしても、木片を消化できるとは、どんな胃なのだろうか。シカの糞から想像するに、胃の中にミキサーがあるのではないかとさえ思える。

 農業従事者にとって事態は深刻だ。シカに対する並々ならぬ対策を講じている。川上村では、レタス畑のシカ除けを改善した。従来の電柵から、頑丈な軽量鉄骨の垣根に変えた。畑と山林の境界など村全体を垣根で囲った。おかげで、私は渓流へ入りにくくなった。今までは、何とか電柵を潜り抜けていたが、もうそれはできない。シカ除けは人除けにもなってしまった。電流は流さないようだ。

Hpp4220828 私たちも被害者だ。柵で囲った家庭菜園の作物は安全だと思っていたが、最近、柵の中にシカの糞があった。柵を飛び越えたのだろうか。助走なしに高さ1.5メートルの柵を飛び越せるのだろうか。菜園だけでなく、植えた草花、野草などが軒並み食べられている。ギョウジャニンニクが全部食べられてしまったのはショックだった(写真上)Hpp4250942これから先、ウドやワラビ、タラの芽、イタドリなどすべて食べられてしまうだろう。シカに異変が起きていることは明らかだ。異常に繁殖してしまい、餌が足りなくなってしまったのだろうか。それとも、異常気象で森の中の植生が変わってしまったのだろうか。何か事件が起きていると言わざるをえない。私たちの山小屋生活の危機である。現在、対策を検討中だ。 (写真右上は食痕のそばに残されていたシカの体毛)

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