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2009/06/18

ビルに森を作る ドイツNo.86

ドイツのグリーンカーテンHpp6143794

 地球温暖化対策が緊急課題になってきた。私たちは二酸化炭素の排出量をいかに少なくするかを考えなければならない。近年、グリーンカーテンという言葉がよく使われる。特に今年はマスコミで取り上げられる機会が増えている。建物の壁面に植物によるHpp6143795グリーンカーテンを作り、直射光を遮断し、エアコンの利用効率を高めようという考え方だ。これにより、二酸化炭素の排出を減らすことができる。一方、植物の蒸散作用により、周囲の気温を下げることもできる。日本では、ゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、キュウリなどのツル植物がグリーンカーテンとして植えられている。

 植物は人間と同じように体温調節をしなければならない。葉の裏側にある気孔から水蒸気を蒸散し、そのときの気化熱で体温を下げる。葉自身は最大約10度ぐらいまで下がるという。この気化熱は周囲の大気にも影響して気温が下がる。これは森の中が涼しく感じられることと同じ現象だ。

 ドイツ・シュツットガルトの常宿の近く(Stockach str.)に変わったビルがあった。壁面にこんもりと緑の塊が付いている(写真上右)。ツル植物が茂っているようだ。生長しているところは、樹木のように葉が茂っている。あたかもビルに森林ができたようだ。調べてみると、ビルの壁面に垂直に鉄骨が組まれ、それに沿ってツルが伸びるように作られている(写真上左)。広範囲にビルをカバーしているわけではないので、遮光効果よりは、蒸散作用で気温を下げることが目的のようだ。同時に、光合成により炭酸ガスを吸収し酸素を放出するだろう。少しはフィトンチッドが発生するかもしれない。なお、この植物については不詳だ。

 最近は日本でも見かけるが、屋根に土などを敷いて植物が育つ素地を作っている。特別な植物を植えたり種をまくわけではない。一種の荒地を作って、自然の遷移に任せて植物を育てようということだろうか。Hpp5250011_4Hpp6147999_2一般的に、荒地では、まず先駆植物(地衣類、コケ類、藍藻類など)が育ち始め、腐葉土が形成されると、いわゆる雑草類が生えてくる。その後、陽樹(シラカバ、カラマツなど)、陰樹(シイ、モミ、トドマツ、ブナなど)の順に優先種が変わり、最後に森林が形成される。これを極相と言う。温帯の荒地が自然の頂点(極相)である森林になるまでには500年かかるという。屋根に森林を作るわけではないが、植物が育つことでヒートアイランド現象を緩和し、都市に潤いを作ることができる。ドイツで撮影したものは、まだ先駆植物の状態だった。どこまで遷移するのか興味がある。(写真上左はノルドリンゲンの幼稚園の屋根。城壁の遊歩道から見えた。写真上右はシュツットガルトのシトレーン営業所の屋根、ホテルの窓から撮影した)

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