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2009/06/12

大桟橋の別離 横浜No.35

にっぽん丸の入港と出港Hpp6090393

                                      

 69日は、大桟橋に豪華客船「にっぽん丸」(21,903トン)が入港した。14時入港予定だったので、私たちは10分ぐらい前に大桟橋に到着したのだが、すでに船は接岸し、横浜市消防音楽隊の指揮棒が振り下ろされようとしていた。歓迎の演奏が始まると、Hpp6096305_3にっぽん丸の乗客もリズムに乗って旗を振り、体を動かし、寄航(帰港)の喜びを表す(写真下左)。私も手拍子を合わせた。桟橋の人々と乗客の気持ちが一つになるときだ。入港のクライマックスである。

                                       

 歓迎のセレモニーが始まった。船長のあいさつによると、約2ヶ月余りで南米の遺跡マチュピチュ、ナスカの地上絵、イースター島のモアイ像、Hpp6090318_2Hpp6090336_3ハワイのキラウエア火山などを見学してきたという。なんと豪華な旅ではないか。うらやましい。船長らに花束が贈られセレモニーは終わった。横浜で下船した乗客もたくさんいたようだ。

                    

 出港を見送るために1710分前に、再度、大桟橋へやってきた。音楽隊はいなかった。銅鑼が叩かれ、もやい綱が外されると、にっぽん丸のデッキでは“出港の踊り”が始まった(写真下)。見送りの人々も手拍子でそれに応える。私は望遠レンズで出港の踊りを撮影した。Hpp6090475_2Hpp6090506_2ファインダーの中の人々は少しずつ小さくなっていく。このときが出港のクライマックスなのだ。しばらく出港の踊りは続いたが、桟橋から100メートルぐらい離れると乗客はデッキから去っていった。しかし、それでも沖で方向転換するときまで手を振っている人々が見える。私のそばでそれに応えてタオルを振っている人がいる。横浜で降りた人のようだ。長旅を共にした彼らにとっては感興もひとしおだろう。「まだ手振っているぞ」「(合図を送るために)バスタオルをもってくればよかった」という声が周りで聞こえた。

Hpp6096387_2 私は、大桟橋で何回も船出に立ち会ってきた。船の出港は、いつも切ない。他人事には思えないから不思議だ。別離にはいろいろあるが、港の別離がとりわけものがなしい。船が岸壁を離れ、遠くに消えていくまでの時間が、人間の体内リズムに共鳴するからではないか。 人情の共感や伝達にはゆったりしたテンポとリズムが必要なのだ。にっぽん丸がベイブリッジの下を通過するまでシャッターをきったが、そのときまで出航してから20分ほどかかった。Hpp6090549_2これが人間的な別れのリズムと言いたい。人情の伝達についての参照:日時計で暮らしてみたい ドイツNo.83

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