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2008/10/01

コスモスをCosmosのように撮る

花の中に宇宙を見る…コンパクトカメラシリーズ6

 コスモスは、日本の野草図鑑には載っていない、外来種だからだ。メキシコ原産で、名まえの語源はギリシャ語のcosmosだ。cosmosとは、「秩序と調和のある宇宙、世界」という意味だ。Hpp9199835 だれが、なぜコスモスという名をつけたのかわからないが、開花したコスモスは円盤状で、微視的に見れば雄大な銀河系宇宙と言えなくもない。花の中にはミクロコスモス(小宇宙)が展開していると解釈できる。撮影にはイメージが必要だ。コスモスを撮影するなら、イメージを小宇宙に設定し、そして、カメラで小宇宙をのぞき込んでみたい。

Hppa150890 コスモスを宇宙に見せるにはスケールの大きさを感じさせるように撮らねばならない。小さな花を大きく見せるには、近づいてパースペクティブ(奥行き感)を強調すると同時に大きな被写界深度が欲しい。また、近づいたとき、花全体または広い範囲が画面に収まらないと、スケールが出ない。そこで、広角レンズで近づく必要がある。これはジオラマ撮影の定石だ。コスモスを宇宙に見立てて、ジオラマ撮影をするのである。さらに、できれば花の中にレンズを入れて、宇宙の中をのぞいてみたいのである。

 しかし、この撮影は一眼レフでは不可能だ。ピントが合わないうえに、レンズが大きいので花弁にぶつかってしまう。接近すると被写界深度も小さい。Hppa202393一眼レフで撮れるのは、右の写真が限界だ。これは、銀河系(太陽系を含む星団)に接近し、後方に別の星雲が見えるという構想だ。広角レンズにクローズアップレンズを装着して接近した。 一方、最近のデジタルコンパクトカメラなら、もっと接近できる。Hppa150860マクロモードに設定すれば、レンズの先端から2~3センチまでピントが合い、レンズも細いので大きい花なら中に入る。写真下左は、ヤマユリの中にレンズを入れて撮影したカット。花の中をのぞくにはコンパクトカメラが好都合だ。

Hppa150898  デジタルコンパクトカメラで花や葉をのぞいてみた。それぞれに小宇宙が展開しているようだ。写真上左はシュウメイギクをのぞいたもの。ビッグバンとは、こんなものではないか。写真右はギボウシの葉だ。宇宙にも奈落の底があるのか? 引き込まれそうだ。Hpp8149197 写真下は、ヤマユリの花芯だ。昆虫からは生命の鼓動が聞こえる。

 コスモスの最盛期を迎えたが、なかなか思うような写真が撮れない。群生した花壇や公園を求め、花期を気にして出かけても、ほとんど手ごたえがない。数本あれば、それをじっくり撮るほうがおもしろい。それも、最盛期の必要はない。宇宙は消滅するときもあるのだ。雨に打たれてしおれたコスモス(写真下)から、宇宙の変遷と終末を想像してみるのもよいのではないか。Hpp9199866

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