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2008/04/20

写真の上達に役だつ好著

20世紀この10年」シリーズ

 写真の上達を目ざすには、目標が必要だ。目ざす写真が決まっていないということは、山登りにたとえると登る山が決まっていないということと同じなので、方向と手段が絞れない。それだけ上達のチャンスは少なくなHp2010p4205300_4る。そこでまず、優れた写真をたくさん鑑賞することだ。その中から、あこがれの写真、好きな写真を絞り、脳にイメージとして焼き付ける。繰り返し、強く焼き付けることで、撮影するとき、それが自然に表れるものだ。スポーツで言うイメージトレーニングをするのである。私は、写真に夢中になり始めたころ、奈良原一高氏の「ヨーロッパ“静止した時間”」を目標にした。当時、アサヒカメラに連載されていて、毎月の発売日をわくわくして迎えたものだ。私の最初のテーマ「大和路の印象」を撮影するとき、大いに参考にした。また、私の卒業論文にも奈良原氏のイメージとモチーフを参照させていただいた。

 上達のためのひとつの目標になると確信するのが、ランダムハウス講談社から刊行されたフォトアート・ライブラリー「20世紀この10年」シリーズである。このシリーズには、20世紀各10年ごとの世界的な世相を反映した優れた写真が満載されている。「50s(50年代)の目次を見ると、「権力者」「紛争」「爆撃のなかでの生活」「黒人と白人」「仕事」「レジャー」「エンターテインメント」「アート」「ファッション」「若者」「科学」「乗り物」「スポーツ」「子供」「生活」など、15のカテゴリーに分かれている。それぞれの写真は、まさに50年代の象徴ともいえるもので、現在と比較することで興味は尽きない。各写真には、日本語と英語で被写体とその説明、撮影年月日、撮影場所が記され、撮影された状況が生々しく伝わってくる。これは、著者のニップ・ヤップ(訳:三角和代)によるところが大きい。なお、序文は武田徹氏が書いている。

 撮影は、当時の最前線カメラマンによる。カメラアングル、フレーミング、シャッターチャンスなど、撮影テクニックは秀逸だ。豊かな表情と深い人間関係が自然に撮影されている。特に、シャッターチャンスがすばらしいので、スナップ撮影には理想的Hp2010 な教科書だ。写真の参考書としても十分役だつと確信する。モノクロ写真印刷の諧調も美しく、あらためてモノクロ写真に引きつけられた。もちろん写真集としても見ごたえのあるものだ。

 写真右は「50s」の表紙で、レジャー・カテゴリーに属する写真だ。解説には次のように書かれている。「1951年7月。バート・ハーディのもっとも有名な写真のひとつ。固定焦点ボックスカメラを使い、ブラックプールの遊歩道で撮影されたもの。50年近くを経ても、イギリスの旅行ポスターに使用されていた。」

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