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2008/03/21

ニホンリスを撮る 八ヶ岳山麓No.50

Hp2p3184368 望遠鏡のようなコンパクトカメラ

 動物写真家でない私にとって、野生動物を撮影するのは簡単ではない。なかなか接近できないうえに動きがすばやく、フレーミングしながらピントを合わせ、シャッターチャンスを決めるのは至難の技だ。ところが、デジタルコンパクトカメラで、その難問をすこし解決した。

Hpp3184363 森の中を散歩していると、林床を飛び跳ねているニホンリスを見つけた。距離は、私たちから30メートルぐらい離れていた。いつもはすぐ隠れたり逃げていってしまうのだが、318日の午前中は私と平行に森の中を進んでいった。途中で木に登り、枝を伝って隣の木に飛び移り、また、林床に降りて移動した。声をかけても遠ざからない。何か目ざすものがあるのか、または、私たちに興味を持ったのか、7、8分はいっしょだった。おかげで、携行していたコンパクトカメラで撮影することができた。

P3184367_2 コンパクトカメラとは、私が愛用するオリンパスSP-350である。オリンパスSP-350には35ミリ判換算38114ミリのズームレンズが付いている。望遠側の114ミリは、野生動物を撮れる焦点距離ではない。5メートルぐらいの撮影距離ならなんとかなるかもしれないが、めったに野生動物はそんな近くには現れない。しかし、写真はシャッターをきらなければ始まらないので、とにかく遠くのリスにレンズを向けてシャッターをきった。そして写ったのが掲載した写真だ。カメラの液晶モニターでは豆粒ほどにしか見えないリス(写真下右)を、パソコンで拡大して掲載した。プリントサイズは全倍以上、リスは実物の約1/10の大きさに写っている。上の写真3点は、下から順に撮影した。Hpp3184367_3

【撮影データ】オリンパスSP-350 レンズ8~24ミリF2.8~4.9(35ミリ判換算114ミリで撮影) 絞りF4.9 1/640秒 +0.7補正 ISO200 WBオート

 決して動物写真として満足できるものではないが、リスの動きや表情がわかり、裸眼で追いかけていては見えないものが写った。コンパクトカメラは望遠鏡になり、瞬間を記録してくれた。この写真を撮影するには、SP-350を使いこなさなければならない。要点を列記すると、

①ズームアップしてレンズを望遠側にする。リスをできるだけ大きく撮影するためだ。

ISO感度を高く設定する。カメラブレと被写体ブレを防ぐためだ。この場合はISO200に設定した。SP-350は最小絞りがF8なので、あまり絞りきれないときがある。天候によってはISO100でも十分だ。

③光学ファインダーで追跡する。遠くの小さなリスは、液晶モニターでは確認しにくいからだ。特に、明るいところではモニターはよく見えない。SP-350には、視野率は低いが、光学ファインダーが装備されている。これは照準器として役だつ。

④レリーズタイムラグをできるだけ小さくするために、AFMFに切り替えておく。AF作動時間を省略するためだ。ピントは無限遠()に合わせる。コンパクトデジカメは被写界深度が大きいのでピントはまったく心配ない。それでもデジタルコンパクトカメラはタイムラグが大きい。

⑤画質モードはSHQ(JPEGの最高画質)に設定しておく。高倍率の引き伸ばしに耐えるためだ。これは日常の設定条件だ。

 以上のカメラ操作は、だれでもできることなのだが、すばやく操作しないとリスは逃げてしまう。コンパクトカメラでも野生動物の撮影を楽しむことはできる。以前、コンパクトカメラが虫眼鏡になるという記事を書いた(参照『虫眼鏡のように自然観察ができる』)。今回は、望遠鏡にもなることがわかった。これからも、コンパクトカメラの使い方と性能をシリーズでレポートするつもりだ。

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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コメント

豊田さま
お教えいただきありがとうございます。
データが大きくなるので扱いが大変ですが、それだけやはり画質は良くなるのですね。
これからはSHQで撮影するようにしてみます!

投稿: タナカ | 2009/06/21 13:50

ご質問、ありがとうございます。
SP-350のSHQとHQは、画素数は同じですが、圧縮比が違います。その結果が撮影枚数(約3倍差)に影響します。しかし、画素数が同じなので、実際にはそれほどの違いは出ないと思います。画像処理と保存を繰り返すと差が目立ってくるはずです。総合的かつ理論的には約3倍画質は良いはずです。3倍の画質(シャープさ)差はキャビネ判と半切の差です。すなわち、SHQの半切とHQのキャビネが同じシャープさに見えるということです。プリントサイズや観賞条件(観賞距離や観賞者の視力など)により一概に言えませんが、作品にはSHQを選ぶべきだと思います。できるだけ高画質で記録しておくにこしたことはありません。

投稿: H.T. | 2009/06/18 23:16

豊田さま
お聞きしたいのですが、やはりコンテストや写真展用に撮る写真にはSHQでしょうか?
やはりHQとSHQのデータはプリントするとだいぶ違ってくるものなのでしょうか?

投稿: タナカ | 2009/06/15 11:28

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