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2007/11/01

写真で癒し、いやされる

第4回 シャトロー会 写真展 『癒し、いやされるとき』

Hpdmimg_3 会場:代官山フォトギャラリー(マップは要クリック)

会期:11月1日(木)~6日(火) 10:00~18:00 最終日は17:00まで

 優れた写真には人を癒す働きがある。自然や町の風景、花や昆虫などの生物、人々のスナップなど、どんな分野の写真にも癒し効果はある。一方、写真を撮影するときにも癒されるときがある。被写体を探す好奇心、求める被写体にめぐり合った感激、すばらしい被写体の前に立ったときの幸せ、シャッターをきるときのときめき、思いどおりに撮れたときの達成感など、いやなことを忘れさせ、ストレスを解消してくれる。

Hppa311117Hppa311114_2  癒すとはどういうことだろうか。辞書によれば①病気や傷をなおすこと、②悲しみや苦痛をなくすこと、とある。写真で撮影に熱中すると、苦痛や苦悩を忘れてしまうのだ。これは写真撮影にか ぎったことではない。好きなことに夢中になると、少なくともそのときだけは我を忘れる。「病は気から」という言葉があるが、いつも気がめいって、暗い気持ちでいたら病気になってしまいそうだ。写真でそれをいくらかでも解消できたら幸いだ。ただし、夢中になれる被写体があることが絶対条件だ。

Hppa311120_2 以上は、写真撮影の精神面について触れた。しかし、私は肉体的にも効果はあると考える。被写体を探索するときの目と足の使い方は、日常生活とは明らかに違う。日常生活のように省略できないのである。日常では日ざしや水面の波紋などは気にしてはいられない。それらを気にしていたら、用事は遅れ、ときには足元が狂って転ん でしまう。しかし、撮影ではそこが勘所だ。日ざしや水面の状態を生かすカメラポジションを一生懸命探す。スナップ撮影では、ファインダー全視野で人々の表情と関係を瞬時につかまなければならない。しかも、ピント合わせHppa311124_2 を確認しながらの観察だ。目と脳、足、指(ピント合わせやレリーズに使う)を連動させた動作は写真独自のものだ。いろいろな器官が連動することは脳に良い刺激がある。写真撮影は、フォトセラピーとして治療効果があることは以前に話した。参照(「写真は病気を治すか 信州No.5」)

 シャトロー会メンバーは、写真の癒しについて考え、自身の体験を作品に託した。手前味噌で、我田引水のところもあるが、同じ人間同志なら共感していただけるだろう。特に写真仲間には理解してもらえるのではないか。ご高覧いただけたら幸いだ。

Hp_2米山明六 「禅の力」(平林寺) 秋の禅寺で感じた禅の精神を形にしたもの。天へ収束する形(クサビ形)には動きや力がある。

Hp_3 矢部 徹 「至福」 私はゴルフをしないが、友人たちの話をたびたび聞いていると、このシーンには癒しがあることを想像できる。

『豊田芳州のTheme』に掲載された写真と文章は、著作権法で保護されています。無断使用はご遠慮ください。All pictures and writings on this blog are copyrighted.

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コメント

 コメントいただき光栄です。日本フォトセラピー協会の存在を知り、心強く感じました。写真のセラピー効果や癒し効果が学術的、科学的に論じられることは大切なことだと思います。教会のご発展をお祈り申しあげます。
 11月23日は、つごうで出席できませんが、以後、ホームページなどで、貴協会の活動に注目させていただきます。皆さまのご活躍をお祈り申しあげます。 豊田芳州

投稿: 豊田芳州 | 2007/11/23 05:08

初めまして、日本フォトセラピー協会の中西と申します。

フォトセラピーに関する記事を検索していてこちらを訪問させていただきました。

11月23日に「第二回フォトセラピー学会」を予定していますので、豊田様にも、ご都合よろしければ、ぜひご参加いただきたく存じます。

「表現」としての写真の癒し効果だけでなく、写真と撮影にどのような可能性があるのかを、各方面の実践報告を含めてご紹介いたします。後半はディスカッションの時間を設けており、参加された皆様と一緒に豊田様のお考えやご意見などもその時間にお聞かせいただければ幸いです。

詳しくは「日本フォトセラピー協会」WEBサイトに掲載しておりますので、ご覧ください。


投稿: 日本フォトセラピー協会 | 2007/11/19 23:49

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