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2007/08/19

花撮影の魅力とは 八ヶ岳山麓No.39

Hpp8180139 シシウドの宇宙 

 八ヶ岳山麓は、盛夏を過ぎた。シシウドはまだ咲いているが勢いがない。秋の気配が漂ってきた。シシウドは好きな被写体だ。直径25センチにもなる複散形花序が魅力的だからだ。大きいので広角レンズで接近して画面にいっぱいに撮れる。ファインダーをのぞくと、円盤状の花は、昆虫が飛び交い、うごめき(写真右下)、小宇宙のようにHpcp8180139_2見える。

 シシウドをよく観察すると、花は小さな花の集合体であることがわかる。大きな花は、それと相似形ともいえる小さな花(写真左 上の写真の部分拡大)がたくさん集まって構成されている。このような花序(花が茎に付くときの配列状態)を複散形花序と言う。茎から傘のように花柄が広がるのがHpp8180118 散形花序で、その花からまた散形に小さな花が広がっていくので複散形だ。セリ科の花の特徴である。シシウドは大きいので、構造がわかりやすい。大きな花を宇宙にたとえれば、小さな花は銀河系や星雲に匹敵する。最小単位の小花は一つひとつが星であろう。

 植物の茎の先端部分をシュート頂(成長点)という。この部分には細胞分裂組織があり新しい茎や葉を作る。花は葉が進化したものなので、花や芽はシュート頂だ。私たちが花に引かれるのは、今でもHpbp8180147 成長し、変化(進化)している部分に魅力を感じているといえる。また、花はだいたい最先端にある。“最先端”のものに関心があるのも人間の特徴だろう。花撮影への興味は、移り変わりつつあるもの、もっとも進んだものに対するあこがれの現われだ。

 シシウドを見ていると、植物進化の行く末を予測してみたくなる。散形というのはシシウドに備わった成長のし方だとすれば、小花の先端は、遠い未来にまた散形に広がっていくのかもしれない。“星”の行く末はどのようなものなのだろうか。

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