シカに1勝5敗 八ヶ岳山麓No.36
2003年7月19日は、初めてシカの被害を発見した日だ。土は掘り返され、ダイコンは引き抜かれ、かじられ無残な状態だった(写真右)。
20年前から八ヶ岳山麓で趣味と実益を兼ねた園芸を楽しんでいる。ここ3、4年シ カなどの食害にあい、耕作意欲が減退していた。作物に網をかけたり、案 山子を立ててみたが効果はなかった(写真右)。そこで、今年5月に抜本的な対策を講じ
た。今までは、細い杭と低いネットによる防護柵だったが、それを改善し、太い杭を立て、1.8メートルぐらいの高さまでネットと針金で畑を囲んだ。畑全部を囲うのは経費と労力
がかかるので、一部15㎡ぐらいで試すこと にした(写真左)。シカが好むダイコンやラディッシュ(赤カブ)は、その中に種をまき、ジャガイモは従来と同じ囲いの中に種芋を植えた。
シカの体重を考慮すると、寄りかかっただけで 柵は倒れるかもしれないという不安はあった。1 か月以上たった7月に山小屋を訪れた。さすがに防護柵の中はほぼ異常なかった。ただ、ネットの下から小さな動物が入って地面を掘った形跡はあったが、大勢に影響はなかったのでほっとした(写真右下)。
シカの被害はプロの農家にとっては深刻であ る。私たちは趣味で耕しているが、プロはそうはいかない。村の畑全体を電流を通じた柵(電柵)で囲っている。森と畑の境目には必ず電柵がある。農家それぞれは、さらにネットや反射テープなどで自分の畑を囲っている。私 たちの畑が襲われるのはあたりまえであった。そこで、どうしてもシカに勝ってやろうと決意したのである。前述の対応がその結果である。功を奏し、とりあえず1勝した感じだ。いままでに5回ぐらい辛酸をなめているので、1勝5敗である。しかし、自然とはそんな甘いものではない。まだわからない。
村の畑の周りに電柵が張られてから数年は経った。10年前にはシカの被害はほとんどなかった。森の中に何か異常が発生し、シカが畑に出てきたようだ。これも地球環境の変化だと言われている。さて、ダイコンの収穫はこれからだが、ラディッシュはできすぎていた(写真右)。さっそく塩を付けて食べた。山育ちのラディッシュは、もともとおいしいのだが、今回は格別の味だった。参照「あとりえ・チビッコ…鹿に勝ったか?」
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