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2007/05/24

「組写真」講座のご案内

ライフワークとチームワークを充実させる

 映像の分野でモンタージュ論というのがある。ロシアの映画作家、エイゼンシュタイン(1898~1948年)らが提唱した理論だ。「映画の理論」(岩崎 昶 著 岩波新書)によると、「われわれは眼の前にある二つのものをいつも有機的に結びつけて考える心理作用を持っている。『だから、映画の場合、どんなフィルムの断片でも二つをつなぎ合わせると、それは必ず結合して新しい観念、新しい性質を持つようになる』」というのがモンタージュ論の基本だ。この理論が日本に入ってきたときには、映画人だけでなく、演劇や美術、またすべての芸術に適用され、もてはやされたと同書に書かれている。

 映画が観客を感動させることができるのは、たくさんのカットの組み合わせと積み重ねが新しいイメージや情感を作るからだ。モンタージュの理論をいかに活用するかが映画監督の技量というものだろう。写真でも、二つのカットを並べるとその二つにはないイメージや情感が生まれる。これを生かしたのが組写真だ。

 一枚写真がテクニックを競い、インパクトやダイナミズムを重視するのに対し。組写真は文章に近い。自分の感動や体験、主張や提案などを第三者へ伝えられるかがポイントだ。すなわち内容が重視される。名取洋之助 著「写真の読み方」(岩波新書)の巻頭に「写真は文字のかわりになるほど、すばらしい能力を持っています。もちろん、文字を書くほどかんたんでもないし、また、抽象的な思想を表現することは困難ですが、ほんのちょっと説明をつければ、写真の弱点も救われますし、読み方もやさしくなり、万国万人に共通して、文字以上の働きをします。」と書かれている。同じく名取洋之助 著「組写真の作り方」(慶友社 刊)には、組写真は写真の長所を生かし短所を抑え、自身の考えや主張、提案など表現するのに役立つ(要旨)、と書かれている。写真には、文章に並ぶ表現力があるということだ。

 私は、撮影でライフワークに取り組むときがもっとも充実している。ライフワークでは多くのことを伝えたいので、当然、組写真になる。組写真は、また、私の好きな音楽にも似ている。上述の「映画の理論」には、エイゼンシュタインの映像(画面構成)とプロコフィエフの音楽(楽譜)を対応させて見せる図版がはさまれている。エイゼンシュタインは、視覚(映像)と聴覚(音楽)の関係を真正面から取り組んで解明しようとしている。組写真は、文章を書けるだけでなく音楽にも近づける要素があるということだろう。

 組写真でドキュメントやレポートはもちろん、詩やエッセー、論文なども作れる。一方、音楽の好きな人は幻想曲やワルツ、夜想曲、交響曲、ソナタなどを“作曲”するつもりで撮影し、写真を組み合わせてはどうか。私は、組写真作品をまとめることの魅力を多くの方々に知ってもらいたいと願っている。

Hp_14  富士フイルムイメージング(株)が『グループフォトコンテスト2007』を主催している。参加者は3~6人でグループを作り、6枚の組写真で応募する。グループで撮影に出かける経験は私もたくさんあるが、グループで発表したり応募するというのは珍しい。しかし、撮影にいっしょに出かけたメンバーと、さらにいっしょに組写真を作るというのは、写友の輪が広がり密になると思う。もちろん、個人的に撮影した作品を持ち寄って組写真にまとめてもよい。これからの写真のスタイルだと確信する。

 このコンテストに備えて『組写真講座』を開講する。講師は茶谷 茂氏と私だ。今後のスケジュールは別紙のとおり(表をクリック)。この機会に組写真の魅力を知っていただけたら幸いだ。

 これに関する問い合わせは、富士フイルムイメージング(株)プロフェッショナル営業部 澤田(☎03-5962-6680)まで。

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