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2007/05/12

200人展 パートⅡ

Hp200p4298074 タイトルがスキーマを作る

 私はタイトルを大事にしている。特に、単写真(1点だけで見せる作品)ではタイトルは欠かせないと思う。逆な言い方をすれば、タイトルなしに作品に共感してもらう自信がない。私は作品を発表するとき、写真界の人だけでなく一般の人々、それも世界中の人々を対象にしている。作者と鑑賞者は、同じ土壌に育ってはいないことは言うまでもない。鑑賞者はそれぞれ写真的な環境や人生体験、予備知識などからばらばらのスキーマ(新しい経験をするときの心がまえ。ここでは作品を鑑賞する心がまえを指す)をもっている。それは必ずしも作者の表現意図にマッチしているとはいえない。そこで、作品の入り口のキーになるようなスキーマをタイトルで提供しようというのである。タイトルのない作品や、無造作に付けたタイトルで作品を評価してもらうのは至難の業だ。タイトルで適切なスキーマを作っておくことが大切だ。

Hp200_4  200人展パートⅡに出品したこの作品は、京都・大徳寺塔頭の紅葉を撮影したものだ。『権現』というタイトルを付けた。権現とは、「仏が衆生を救うために仮の姿で現れること」を意味する。閑寂な庭園とは正反対の目を射るような紅葉は、仏の仮の姿のように感じられた。座禅の修行を積み重ねると見えてくる世界のような気がした。なお、この撮影では、フジクロームフォルティアの濃密な発色が重要だった。

【撮影データ】 ニコンF100 AFズームニッコール28~105ミリF3.5~4.5D 絞りF5.6 1/20秒 フジクロームフォルティア

Hp200p1043694_3 パートⅠで展示した作品には『化身』 (信州No.30参照)というタイトルを付けた。冬枯れの渓流の中にきらめく氷球を、森の妖精の化身と解釈した。『権現』も『化身』も具体的なイメージを提供していないが、鑑賞者は写真から何かを読み取るだろう。

Professional Photographer 200人展は、東京ミッドタウンのフジフイルム スクエアー(http://fujifilmsquare.jp)で開催されている。パートⅡは5月31日(木)まで。ご高覧いただけたら幸いだ。

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