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2006/11/03

見えない風景を撮る喜び

裏磐梯で自身の限界を超えるHp2pa313107_4

 早朝5時に「ペンションどんぐり」を出発した。オーナーの宮野正昭氏の案内で秋元湖の湖岸に立った。暗いうえに朝霧が立ち込めているので風景はよく見えない。沖に島影がかすかに見え、ここは有名な撮影スポットらしいとわかった。今までに多くの作品で見てきた撮影名所のようだ。周囲にはほかのグループが集まってきた。しかし、まだシャッター音は聞こえない。ほとんどのカメラマンは、暗いので撮影には不向きと思っているようだ。それに、ねらいは朝焼けなので、それを待っているのだ。

Hp2pa313107_5  私は、カメラのオートに任せてシャッターをきってみようと考えた。マニュアルで露出調節ができる明るさではないからだ。こんなときこそオート露出は役立つはずだと思った。暗い風景でも、カメラが目に見える適正露出にしてくれると想像した。私は普段、風景撮影ではオート露出は絶対に選ばない。マニュアルに設定されていたオリンパスE-330を、絞り優先AE、ESP測光(分割測光)、シングルAFに切り替え、シャッターボタンを押してみた。しかし、シャッターはきれない。被写体コントラストが低くオートフォーカスが作動しないようだ。そこで、懐中電灯でカメラを照らしながらマニュアルでピントリングを無限遠(∞)に合わせ、シャッターボタンを押してみた。するとシャッター音が聞こえた。すぐ再生してみると、モニターに暗い幽玄な風景が写っていた(写真小)。それをパソコンで少し明るくし、コントラストを高めに調整したのが大きいほうの写真だ。見えない風景が写真になった。

 E-330のモニターに映った写真は、私たちの視覚はもちろん、思考や感性を超えた風景と言っていいだろう。見える風景とは違った新鮮さがある。恩師の故 田村稔先生が「見えないものがとれて一人前」と話されたことを思い出した。一方、カメラのオート機構は写真の可能性を拡大してくれると感じた。また、写真は撮ってみないとわからない。シャッターをきらなければ始まらないということだ。この後、天候は我々に味方せず、このカットがその朝のもっとも気に入った写真になった。

 この撮影行で裏磐梯の魅力がわかった。これは、宮野正昭氏の綿密なガイドのおかげだ。裏磐梯には、いたるところに湖沼や滝があり自然度を高めている。また、大きな湖には大小の島があり、これが霧に包まれて神秘的な風景を作る。磐梯山の噴火で湧水や渓流がせき止められて、このような変化のある自然と風景ができたのであろう。宮野氏は、食事のときパソコンのモニターで自身の作品を見せてくださった。これがすばらしい。裏磐梯の魅力と撮影ポイント、季節感の紹介、またデジタルカメラやパソコンについてもアドバイスしていただいた。

【撮影データ】 オリンパスE-330 ズイコーデジタル14~54ミリF2.8~3.5(38ミリで撮影 35ミリ判換算76ミリ) 絞りF6.3 オート(5秒) -0.3EV ISO200 WB晴天

ペンションどんぐり http://homepage3.nifty.com/dongri/

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