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2006/06/15

エゾハルゼミの生涯 信州No.18

ドラマティックな最期

Hpp6120033  6月に入ると、落葉広葉樹林ではエゾハルゼミの合唱が始まる。晴天なら、だいたい午前8時ごろいっせいに鳴き始め、午後4時ごろ終わる。そのようすは、合唱というよりは数時間におよぶ森のシンフォニーという感じだ。一方、雨天のときは鳴かないが、好天に向かうと、天候の変化よりも早く鳴き始める。セミが鳴き始めれば、ほぼまちがいなく晴れてくる。鳴きやめば雨になる。

 ファーブルの昆虫記には、オスのセミが鳴くのは、メスのためだけではなく生きる喜びのためだ、と次のように書かれている。「ちょうどわたしたちがなにかに満足したとき、なんの気なしに手をすりあわせるのと同じなのだ、と(だれかが)断言しても、わたしは反対しないでしょう」(『昆虫記』アンリ・ファーブル著 大岡信 訳 河出書房新社)。最新の研究成果は知らないが、森の中のシンフォニーを聴いていると、ファーブルの記述に共感できる。数年間、地中で暮らし、明るい日ざしをうかがって地上に出てきたときの感激は、私たちの想像を絶するものだろう。Hpp6100035

 鳴き声と同時に、セミの死骸が目につくようになる。枝や草にしがみついたり、ときには小枝に突き刺されたモズのハヤニエで見つかる。その姿は“シンフォニー”とは対照的だ。たくさんの抜け殻と死骸を観察し、BGMにシンフォニーが流れると、自然の神秘に感動する。コンパクトカメラで撮影したエゾハルゼミの写真を紹介しよう。Hpp6100025_1 Hpap6100031

【撮影データ】〔共通データ〕オリンパスSP-350 ISO400 WB晴天  〔上左1〕羽化した直後のエゾハルゼミ 8ミリ(35ミリ判換算38ミリ) 絞りF5.6 オート +0.3EV 〔上右1〕シラカバの幹で羽化した抜け殻 8ミリ(35ミリ判換算38ミリ) 絞りF6.3 オート 〔上左2〕草にしがみつく死骸 8ミリ(35ミリ判換算38ミリ) 絞りF4.5 オート -0.3EV 〔上右2〕ズミの枝にしがみつく死骸 24ミリ(35ミリ判換算114ミリ) 絞りF6.3 オート +1.7EV

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