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2006/03/22

われらの今度の領主さま ドイツNo.13

バッハの農民カンタータ hpp3196364   

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 ツェレの魅力は旧市街の町並みにある。別世界ともいえる中世の木骨組み建築が広い範囲(昔あった城壁の中)に建ち並んでいる。ツェレの教会は、ガイドブックにはStadtkircheと書かれているので「市教会」と訳していいだろう。そのてっぺんまで上ってみた。ドイツの大地が町を取り囲むように見える。西の方角を見るとツェレ城が領地を仕切るようにひかえている(写真上)。窓から四方の視界を撮影していると12時の鐘が鳴り始めた。鐘の音を鐘楼の中で聞くのは初めてだ。響きだけでなく振動が腹にしみわたり、ドイツの教会を体で体験できた。

 聖堂(写真上右)に戻ると、オーケストラのサウンドが響いていた。明日のコンサートのリハーサルである。教会は、しばしばレコードの録音に使われるぐらいなので、音響効果は抜群だ。本ものの生の音でドイツ音楽を聴くことができた(写真右上)。オルフのカルミナ・ブラーナの後、バッハの農民カンタータが演奏された。バッハのカンタータは、ほとんどが教会のミサで演奏される教会カンタータだ。しかし、20曲ほど世俗カンタータがある。その中で特に有名なのは、「コーヒーカンタータ」、「結婚カンタータ」、「農民カンタータ」の3曲だ。農民カンタータは、新しい領主の着任を祝ってバッハが献呈した曲だ(ツェレでの話ではない)。曲名は「われらの今度の領主さま」である。その20曲目、新領主を高らかにたたえるクライマックスの曲がバスのアリア(独唱)で流れた。「領主さまのご繁栄はまちがいなく、歓びがほほえむ。殿のみ心の気高さゆえに土地はみのり豊かに、あなたさまの栄えもあるように」(対訳:松永潤子 BMG日本ビクター㈱)。さっき見てきた風景が現実になったような気がした。

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