2009/12/22

心なごむアドヴェント ドイツNo.90

ランズベルグのクリスマス…フォト・アルバムHppc146092

 前ページに引き続き、写真でアドヴェントの思い出をつづろう。ミュンヘンの南西、電車で45分ぐらいのところにランズベルグ・アム・レヒ(Randsberg am Lech)という小さな町がある。ロマンティック街道の一小都市でもある。レヒ川のほとりに、ひっそりとたたずむ雰囲気と規模は、住むには理想的な町のように感じる。クリスマス・マルクトも小規模ゆえに心あたたまる情緒がある。夕方4時になると、住民が三々五々教会わきのGeolg-Hellmair広場に集まってくる。老若男女、子どもたちが心を一つにして静かに過ごすアドヴェントはすばらしい。かつて、アドルフ・ヒトラーは、ここにあった刑務所で「我が闘争」を執筆したそうだ。しかし、そのような緊迫感はまったくない。ドイツ特有のゆったりした時間が流れている町である。写真は上は、イルミネーション越しに見る市教区マリア昇天教会の塔

市内のクリスマスの飾りは質素だが、まごころのこもったものだHppc114909Hpvorderer_angerpc135497

Hppc122884花屋に飾ってあるリースと店頭のヤドリギHppc122887

Hppc135606ショーウインドのクリスマスツリー

                                     

                             

                          夕方4時になるとマルクトが開き、人々が市教区マリア昇天教会の広場にやってくる。スタンドテーブルが少しずつ埋まっていくHppc125110

サンタクロースがお年寄りや子どもたちにプレゼントを配るHppc135621

Hppc142957人々の会話はささやくようだ。穏やかなBGMだけが耳に入ってくる

クリスマスの飾りを売る小さな露店Hppc142977

その日のマルクトが終わると、町は静寂に包まれる。壁にぶら下がったサンタクロースが寂しそうHppc125193

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2009/12/09

敬虔と祝賀のクリスマス ドイツNo.89

ミュンヘンのアドヴェント…フォト・メモリーHppc102628

 ドイツでは、クリスマス前の約4週間をアドヴェント(Advent 待降節)と呼び、クリスマスを迎える準備をする。今年は11月29日(日)から始まった。今回もドイツへ行けないので、2年前の写真で思い出をつづりたい。それでも十分楽しめるのがドイツのクリスマスなのだ。(写真上 フラウエン教会で聖歌隊のコーラスが聴けた)

Hppc092510ホテルの部屋に入ると、アドヴェントならではの心温まる歓迎に出合った。おかげで長旅の疲れを忘れた

Hppc167926クリスマス・マルクト(市場)は、市内のいたるところに開かれる。新市庁舎前のマリエン広場にはもっとも大規模なマルクトが立っていたHppc104765_2

ミュンヘンの新市庁舎の中庭に飾られたクリッペ(キリスト降誕の場面をジオラマで表現したもの)は人気があり、多くの人々を集めている(写真下2点)Hppc102595Hppc104783

Hppc102649この時期には、クリッペ・コンテストがあり、入賞作品がノイハウザー通りに飾られていた(写真上右)

Hpkripperlmarktpc167970アドヴェントでは、おとなも子どももクリッペを作るのが恒例だ。ミュンヘンには、クリッペ用品専門のマルクト(Kripperlmarkt)があるHppc163107

Hppc104686_2ノイハウザー通りではサンタクロース(写真右)に、聖ペーター広場ではクリストキント(白い衣装の女の子)(写真下)に出会った。ドイツでは、クリスマスイブにプレゼントを配るのはクリストキントで、サンタクロースは12月6日の聖ニコラウス祭にお菓子を配るのだそうだHppc173211_2

Hppc166416聖ペーター広場には、巨大なクリスマス・クランツ(ローソク)のピラミッド(ローソクの熱で回る風車を模したもの)があった写真上右)

同じく聖ペーター広場に飾られた大型のクリッペとキリスト像? クリスマスの雰囲気がいっぱいだったHppc173229Hppc166409

クリスマスと言えばグリューワインが定番だ。温めた赤ワインに香辛料を加えたものでクリスマスには欠かせない。香辛料にその店独自のノウハウがあるようだ。ドイツ人は、これを飲んで体を温め、アドヴェントを楽しむHppc173253Hppc102561

ヴィクトアーリエン広場のカフェは、ビニールシートで風除けを作って営業している(写真下)中は満席に近かった。花屋にはツリーなどに使う針葉樹の小枝がたくさん並べられている(写真下右)Hppc157882Hppc153082

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2009/11/30

’09夏の思い出 八ヶ岳山麓No.88

二重露出で葉に夏を焼き付けるHppb301695

 今年の夏は、山小屋のベランダにコクワガタが3匹も現れた。例年は1~2匹なので、異常な状況だ。3匹目が来たときは、驚喜した。コクワガタは貴重な昆虫だ。標高1400メートルの森では、めったにめぐり合わない。数が少ないだけでなく、存在感と風格がある。虫かごに入れて飼っていたが、夏の終わりに森へ放した。おそらく、今夏かぎりの出来事だろう。

Hpp8172171_2 オリンパスペンE-P1を使って「夏の思い出」を撮影した。夏に撮影しておいたコクワガタの写真(写真左)をパソコンで処理してシルエット調(ネガ)のプリントを作り、桜の紅葉と二重露出した。盛夏、コクワガタが元気に葉の上を歩き回るシーンをイメージした。思い出は、現在から過去を振り返ることだ。このようなモチーフでは二重露出のテクニックが有効だ。しかし、二重露出にかぎらず、撮影者のモチーフしだいで、写真は「過去」も「未来」も撮れる。Hppb301726_3どんな被写体にも過去と未来があり、私たち自身の心情も時の流れに従っているからだ。私たちは、常に過去から学び未来に期待する。「過去と未来」は撮影の重要なモチーフなのである。 参照:『理想的な多重露出撮影 横浜No.40』

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2009/11/23

野の花からのメッセージ

フォトクラブ彩光 写真展 2009Hp

 山野草は、日に日に減っていく。私が八ヶ岳山麓で生活するようになってから20年が過ぎたが、毎年、観察できる花が少なくなっていく。だれかが掘り出していくようだ。横浜で、ザゼンソウまで鉢植えになっているのを見たことがある。山野草は、別のところに移植してもほとんど育たない。掘り出せば、滅ぶだけである。また、環境の変化も影響していると思われる。近年、シカが里に出てきたのは、野山の植生が変わってきたからだろう。目だって減っていく植物には、サクラソウ、ザゼンソウ、ウバユリ、カラハナソウ、ヤナギランなどが含まれる。このままでは、日本の山野草の多くは絶滅危惧種になってしまうだろう。

 フォトクラブ彩光のメンバーとつきあいはじめて1年半が経過した。つきあうほどメンバーの知識と見識の深さには感心する。そこで、今回の御苑展ではその見識を生かして「野の花からのメッセージ」というサブタイトルを付けた。植物が話しをするとしたらなんと言うであろうか。狭められる悪化する環境に愚痴をこぼしているかもしれないし、環境に適応して悦に入っているかもしれない。それをフォトクラブ彩光が代弁しようというわけだ。下記のとおり写真展を開催する。ご高覧いただけたら幸いだ。

Hp_2会場:新宿御苑インフォメーションセンター(新宿門隣り ☎03-3350-0151) ギャラリーは入場無料

会期:11月25日(水)~11月29日(日) 9:00~16:30 最終日は~15:00Hppb240413_2Hppb240406_2

展示中の会場

 私は、オオバギボウシの生きざまを撮影した「移ろい」と、夕立ち後のコオニユリを撮影した「清涼」を出展した。いずれも八ヶ岳山麓で撮影したものだ。Hpp9161260Hpp9161262

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2009/11/17

動物の痕跡と初雪…フォトレポート         八ヶ岳山麓No.87

11月中旬の森のようす…コンパクトカメラシリーズ12Hppb170205

 11月17日の最低気温は-1度Cだった。朝から雪が降り、半日で7センチほど積もった。昨日、八ヶ岳はまだ冠雪していなかったので、今日の雪は初雪だろう。スタッドレス・タイヤを装着していなかったので、急いでチェーンを巻いた。日中はだいぶ融けたが、林床にはまだ雪が残っている。人工雪のスキー場には恵みの雪だ。なお、今秋は、不在中の温度計が-6度Cを記録していた。散歩道で観察した自然を中心にレポートする。写真はすべてオリンパスSP-350で撮影した。

Hppb160130●オサムシの仲間 道路の真ん中を歩いていた。図鑑を調べたが種を同定はできなかった

Hppb160071●キツネの糞 大量の毛が交じっている。こしのある太い毛なので、ネズミ以外の動物を食べたようだ。タヌキを食べたのかもしれないが不可解だ

Hppb160114●ウサギの糞 草原にたくさん散らばっていた。ササの良い香りがする

Hppb160094_2●シャクナゲの新芽 すでに来年の芽が膨らんでいた。これから氷点下10度以下の長い冬が待ち構えている

Hppb160063_2●シイタケ この時期にシイタケが採れるのは珍しい。日差しと雨が影響しているようだ。すき焼きで本物の香りを味わった

Hppb160164●残照の天狗山(1822メートル) 閑散としたレタス畑の上に輝いていた

●雪が積もった林床Hppb170222

Hppb170199●食べられた大根の葉 シカを警戒していたが、ウサギにやられたようだ。柵の下から潜ったのか

●初雪とマユミの実(写真最上)

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2009/11/12

中世の市壁とベルリンの壁 ドイツNo.88

『壁』を造るのが得意Hpp5289383

 ベルリンの壁が崩壊して20周年になる。記念行事が行われ、あらためて東西統一の意義を確認した。日本を含むアジアでは想像もできない快挙だったと思う。

 ドイツは、神聖ローマ帝国の時代からビスマルクのドイツ帝国(初めての統一国家)を経て、現在のドイツ連邦共和国に至るまで、基本的には地方分権(領邦)国家だった。当初は、小王国、公国、選帝侯国、辺境伯領などの諸侯がそれぞれ領土を統治していた。互いに他の領邦を認め合い、戦争になると一致団結して外敵と戦うというかたちで、国土がまとまっていた。現在のドイツは、その領邦を引き継ぐかたちで16の州で構成された地方分権の連邦制国家である。このようにして、長年、地方分権の精神を育んできた。ベルリンの壁が取り除かれ、東西ドイツが統一された根底にも、この精神が流れていると思う。(写真上はノルドリンゲンの市壁、南西部分の外側。塔はFeiltrum)

Hpp5280001 日本でも道州制による地方分権制度の導入が検討されているが、既得権と利権が絡み合った現状と、他者に寛容になりにくい日本人の国民性を考慮すると、おそらく実現は不可能だろう。最近報道されている「事業仕分け作業」は日本にとって画期的な政治だが、事実を知れば知るほど絶望的になる。しかし、私は、ドイツのような地方分権の連邦制国家が理想的だと思っている。自然界の生物多様性と同じように、行政や国民の価値観は多様なほうが健全だと思う。写真上左 レプシンガー門から市壁の外と内を望む)

 中世の領邦はいくつもの町に分かれ、それぞれが安全と財産を守るために市壁(城壁)を造って、コミュニティーを形成してきた。領邦の中がまた地方分権だったのである。かつて、ドイツのほとんどの町は市壁で囲まれていた。しかし現在は、ほとんど取り壊されていると言っていいだろう。私が訪れたノルドリンゲン(Nordlingen)は、ほぼ完全に市壁が残されていた(写真上2点)。ロマンティック街道の隣町ディンケルスビュール(Dinkelsbuhl)やローテンブルグ(Rothenburg)も同じだと聞く。Hpp5258492Hpp5268849ほかにもいくつかの町で完全に近い市壁があるかもしれないが、だいたい市街地整備で撤去され、門とその周辺だけ、あるいは公園のひと隅に記念碑のように残されている場合が多い。写真上左 ノルドリンゲンの市壁上の回廊と内側 写真上右 市壁沿いにある地ビール工場)

 『モノが語るドイツ精神』(浜本隆志 著 新潮選書)によると、ドイツにかぎらず中世の人々には「マクロコスモス(大宇宙)」と「ミクロコスモス(小宇宙)」という対立的な世界観(宇宙観)があったという。少し長くなるが、その部分を引用すると、「マクロコスモスとは非日常的な、人間の力のおよばない世界を意味し、超自然現象、嵐、風、火、死、病気、不幸、災難、戦争もその世界に属する。Hpp5289480Hpp5258353さらに天空、大地、地下、森だけでなくオオカミ男、魔女、盗賊など得体の知れないものが住むところもそうであった。人びとはこのような世界に対し、畏敬と恐怖の念をもちながら暮らしていた。それとは対照的なものとして、ミクロコスモスは日常的な生活世界、中世都市、農村、家庭などの領域を意味する。」人びとは恐ろしいマクロコスモスから身を守るために市壁を造ったのだという。Hpp5289364Hpp5258503中世の人々にとっては、現代とは違い、不可解で対処できないことがはるかに多かったはずだ。残された市壁や城壁の高さと頑丈さを見ると、それがうなずけるのである。ドイツ人はたくさんの『壁』を造り、たくさんの『壁』を壊してきたと言ってよいのではないか。(写真上左 市壁の窓から外を望む 写真上右 弓や銃口を出す穴 写真左上2点 市壁の小さな出入り口。市壁の厚さがわかる。補修した部分から煉瓦の積み方がわかる)

 1961年、東ドイツがベルリンの壁を造った動機は中世の場合と同じではないが、根底に流れているものは似ているような気がする。“仮想マクロコスモス”の遮断という点では共通なのかもしれない。ドイツ人は壁を造るのも壊すのも得意だと言えないか? 参照 『ノルドリンゲンで暮らす ドイツNo.19』

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2009/11/03

白馬山麓撮影記…フォトレポート

日本の道百選の風景Hppb010280

 白馬岳山麓は、スキーでは何回も訪れたが、秋に行ったのは初めてだ。10月31日から2日間、ヌービックフォトフレンズ5のメンバーと撮影に出かけた。白馬を選んだのは、紅葉だけでなく山麓の民俗にも関心があったからだ。Hppa310007古来、多くに人々が往来した千国街道(塩の道)沿いの風物には、旅人と住人の生活が焼き付いているはずだ。ときには当時の人情を読み取ることができるかもしれない。

 山麓で松川を渡る白馬大橋は、「日本の道百選」に選ばれた名所である。白馬三山を一望する視界は圧巻だ。特に、朝焼けに映える山容はすばらしかった(写真上右)。ちなみに、横浜では「山下公園通り」と「山手本通り」が日本の道百選に選定されている。

 2日間、充実した撮影ができたのは、宿泊したペンション「あるかんしぇる」のご主人が、マイクロバスで撮影ポイントへ案内してくださったからだ。好天にも恵まれ効率よく撮影できた。紅葉は末期とはいえ、色が十分残り撮影に不満はなかった。

●『新雪の白馬岳東面』 大雪渓の取りつき付近まで連れていっていただいて撮影した(写真上左)

●『それぞれの秋』 虫食い葉と黄葉のコントラストを狙ったHppa310117

●『示 現』 江戸末期、塩の道沿いに造立された観音原。187体の石仏が広場を囲むように配置されているHppa310158

●『霊 感』Hppa310165

Hppb010209_2●『朝ぼらけ』 日本の道百選の一つ「白馬岳線」の白馬大橋で朝を迎えた。まず、東の空が焼けた

●『発 現』 次に白馬三山が松川の上に輝きはじめた(写真最上)

Hppb010082_2●『杓子岳』 白馬三山の一つ、杓子岳をアップでねらった。山麓から見るとしゃもじのように見える。名まえの由来ではないか?

●『平 安』 青鬼(あおに)の集落は、1200年前、人々が姫川の氾濫を避けて山間に住み着いたのが始まりだというHppb010258

Hppb010188_2●『開 墾』 棚田の開墾には多大な労力を費やしたと推測できる。上段の棚田に立てられた石仏には明治25年の銘が刻まれていたHppb010201

●『がったくり』 昭和初期まで、これで米をついていたというHppb010290

        

                        

                                                

Hp_3◆ヌービック フォト フレンズ5のメンバー

Hppb010048_2◆白馬大橋にて

Hppb010294_3◆青鬼のがったくりを撮る

Hppb010135_2ペンション「あるかんしぇる」

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2009/10/29

八海山ビール!!

酒を飲むと次元が高くなるHppa169321

 私はビールが好きである。ドイツへ行くのも、美味いビールが飲めるからだ。しかし、ビールに限らない。基本的にアルコールなら何でもよい。何もなければ梅酒でも飲む。酒類なら何でもいいのだ。つまり、酒の通ではないということだ。ワインも好きだが、分厚い「ワイン百科」が生まれるほどの深遠な背景はわからない。ビールについては、多少わかっているつもりなのだが…。

 私は、酒が強いわけではない。適度に酒を飲むと愉快になれるのが好きなのだ。おそらく、いっしょに飲んでいる友人たちもそう感じるのではないか。私は、ぎくしゃくした人間である。周囲の人たちに気を遣わせてしまうきらいがある。そこで、酒を飲むと、ややスマートになり、おそらく周囲に流れる空気がなごむのではないかと思う。よく、初対面の人に会話の中で、「私は酒を飲むとまともになるんですよ」というと、目を剥いて驚く人がいる。酒癖が悪く、からまれては困ると思うのだろう。しかし、「まとも」という意味を“まとも”にとらえてもらってまちがいはない。

 私の恩師の一人である故田村稔先生は、酒を飲みながらよく言われた。「人間は酒を飲むと次元が一つ上がるんだよ」と。次元が一つ上がるとは、点や線(1次元)は面(2次元)に、面は立体物(3次元)に、立体物には時間のファクターが加わって4次元になるということだ。私たちの日常は4次元で推移している。先生の考えのとおり、酒を飲むと一次元高くなるとすれば、4次元は5次元になる。5次元とはどんな世界なのだろうか。想像できることは、クリエイティブな(無から有を生じる)世界、幻想的な世界や形而上学的世界であろうか。物理学の博士がそうおっしゃったのである。Hppa169312当時は、先生の言葉を咀嚼できなかったが、一つの示唆として今でも耳に媚びり付いている。私のアルコール好きには、その言葉がかかわっているような気がする。毎晩、研究室で先生や仲間と飲んだことが懐かしく思い出される。

 最近、珍しいビールを飲む機会に恵まれた。酒席で、私がビールを希望すると、先輩が「八海山」とオーダーしたのである。私はすぐ訂正して「ビールにします」と言うと、八海山の醸造元がビールを発売したと説明された。八海山と言えば日本酒の人気ブランドだ。どこの飲み屋でもスタンダードよりは高めの値がついている。ほとんどの酒好きが認める銘酒であろう。そのブランドでビールがあると聞いて驚いた。八海山泉ビールのホームページを見ると、アルト(ALT)とヴァイツェン(WEIZEN)の2種が発売されている。賞味したのはヴァイツェンのようだ。ドイツのヴァイツェン(小麦ビール)に似た色と濁りがある。ドイツで味わったフルーティーな感じはないが、辛口でなかなかうまい。八海山も一次元高くなったのではないだろうか。Hpimg飲んだのは、「主水」(mondo)という手打ちそばの店だった。JR飯田橋駅のすぐそばにある(マップ参照)。

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2009/10/25

秋深し 八ヶ岳山麓No.86

10月下旬の秋模様Hppa213555

 約一か月ぶりに山小屋に来た。標高1400メートルの高原は、晩秋の趣が濃い。不在中の最低気温は1.5度Cまで下がっていた。しかし、八ヶ岳にはまだ初冠雪がない。11月25日の最低気温が5度Cだった。

Hppa213512 10月21、22日は、プローバー’01のメンバーと八千穂自然園、霧ヶ峰周辺、北杜市の通仙峡などを撮影した。紅葉はそれほどではなかったがピークかもしれない。八ヶ岳周辺の秋模様をレポートする。

●身震い 寒風にふるえる紅葉(八千穂自然園 写真上右)

●端麗 小海の松原湖高原線沿いで(写真左)

Hppa223831_2●残秋 日の出直後の八島湿原

Hppa223890●余韻 霧ヶ峰のススキ原

●無残 駒出池にてHppa219449_2

Hppa223948_2●淀瀞 通仙峡にて

Hppa223926●瀬影 通仙峡にて

Hppa223981●錦空 通仙峡上空

Hppa223955_2●拒岩 通仙峡「弁慶の力石」

Hppa224009●威風 瑞牆山。みずがき山自然公園より

●ハロウィーン 清里・萌木の村Hppa244161 

Hppa244130●シジュウカラ 餌を催促に来ると冬も間近。背景はノリウツギの黄葉

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2009/10/20

湖北敬神

奥浜名湖巡り…千葉大スキー部OB例会Hppa181175

 今年の例会は浜松で開催された。OB会員の重鎮3名が浜松在住なので、みんなで押しかけたのである。鰻をはじめ浜松の美味いものにも触れようというわけだ。10月17日は、浜名湖立体花博(浜松モザイカルチャー世界博2009)を見学した。モザイカルチャーとは、花と緑で造形した彫刻作品のようなものである。国際色と郷土色豊かな作品が91種類も展示されていた。私は「紅雲の雪景富士」(静岡県出展)が印象に残った(写真下)。懇親会は浜名湖ロイヤルホテルで行った。1年ぶりの再開で、私も愉快に酒を酌み交わした。

Hppa181168 翌日は、浜名湖の北にある湖北五山(初山宝林寺、龍潭寺、大本山方広寺、摩訶耶寺、大福寺)のうちの二つを訪れた。今まで、浜松にこのような名刹があるとは思わなかった。しかしよく考えてみると、東京(江戸)よりも古くから開け、人々の営みは濃かったはずなので当然であろう。その印象をまとめてみた。「湖北“敬神”」というよりは「湖北“神いじり”」というほうが正確だろう。

●方広寺・亀背橋 寺域への架け橋。現在は使われていないが、かつてはここで世俗の垢を落としたであろう(写真上左)

●枯山水庭園 方広寺は臨済宗の寺である(写真上右)

Hppa181212●鐘楼の屋根 創建(1371年)当時は、深山の幽玄な気配がみなぎっていたのではないか 

Hppa181230●龍潭寺庭園 733年開山の古刹、庭園は小堀遠州作。水面に仏心を読みとろうとしたが…

Hppa181254●門前の植物 龍潭寺は井伊直弼一族の菩提寺(位牌を祀る)。桜田門外の変を意識して撮影した

Hppa171147●「紅雲の雪景富士」 立体花博の作品(静岡県出展)

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2009/10/15

白駒池のアニミズム 八ヶ岳山麓No.85

原生林の中に精霊を探すHpbpa133264

 八ヶ岳の山稜を越す麦草峠のそばに白駒池(標高2115メートル)がある。秘境と言ってもよいほどの環境だが、アクセスが整備され、だれでも訪れることができる。原生林の中にできた遊歩道を通って湖岸に出ると、神秘的な視界が世俗に染まった心身をいやしてくれる。「恋しい人を探して原生林に迷い込んだ乙女が、白馬に誘われて池の中に消えた」という伝説があるように、幻想的でメルヘンチックな雰囲気が漂っている。一方、風化した樹木、苔、岩石など、自然の過酷な歳月もひしひしと感じる。

 10月13日、白駒池を訪れたHpcpa133217 。国道沿いの駐車場から原生林の中に入ると、冷気が身にしみ冷蔵庫の中に入ったような感じだ。すぐセーターを着たが、それでも寒い。私たちはそれぞれ、原生林と白駒池に対するイメージを固めて撮影態勢に入った。ネイチャー、ドキュメンタリー、ファンタジー、メルヘン、アニミズムなど、解釈は自由だ。これがしっかりしていないと撮影は散漫になり、結果が出ない。私はアニミズムを選んで、精霊が隠れていそうな場所を探してシャッターをきった。

●倒木の根(写真上右) 原始人なら、精霊の顕現として崇めたであろう

●コケの胞子体(写真上左) 精霊のささやき                                              

Hpipa139251_3Hpgpa133336_3●木もれ日 精霊のいたずらか!! 点滅と移動を繰り返す

Hplpa133321Hpnpa133302●落ち葉とキノコ 精霊が隠れるのにぴったりだ

Hphpa133383_2●波紋 伝説の湖面が揺らぐ

●風音 精霊が騒いでいるHpmpa133434_2

Hpjpa139296●地衣類(藻類と菌類の共同体) 怪しい形は警戒信号か

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2009/10/07

フランスの新幹線TGV ドイツNo.87

緊急時に窓ガラスを割るハンマーを装備Hptgvp6097511_2

 ドイツとフランスの新幹線を紹介しよう。まずフランスからだ。とはいっても、フランスの新幹線TGVは、ドイツも走っている。軌道幅Hpp6097507_2(標準軌)はもちろん、運行システムが共通なので、ドイツの線路を走ることができる。フランスのTGVとドイツの新幹線ICE、それに日本の新幹線は、世界の高速鉄道のベスト3だ。Hpp6137894世界各地で技術プラント売り込みのライバルでもある。軌道はすべて同じだが、スピードが違う。TGVは最高時速500キロ以上、ICEとJR新幹線は400キロ以上だ。営業運転ではないが、TGVは群を抜いている。車内の第一印象は、日本の新幹線は“ビジネス特急”なのに対して、ヨーロッパでは“レジャー特急”という感じだ。これは自身の立場からの偏見かもしれない。

 私たちが乗ったのは、シュツットガルト発、フランスのパリ東駅行きだった。フランスのコルマールへ行くためにストラスブールまで乗った。2等の車内を中心にそのときのようすをレポートする。

シュツットガルト中央駅に停車中のTGV。フランスのパリ行きだ(写真上右2点)

TGVのロゴマーク(写真上左)

2等車の室内。私たちのシートナンバーは25、26だった。運行区間によって表示が変わるHpp6097514Hpp6097517

折りたたみのテーブルとカップフォルダー(写真下)Hpp6097524

各種ピクトグラフ。左は「2等」「携帯電話可」「禁煙」の表示。右は「方向指示(この先)」、「パソコン接続コーナー」「トイレ」「赤ちゃんのおむつ交換コーナー」。TGVもICEも車内でパソコンが使える(写真下)Hpp6097523_2

帰路に乗ったのは対面シートだった。窓側にデスクがたたまれていて、手前に倒して使う。デスクの裏面には4か国語で「Game pieces on sale at bar counter](英語)と書かれている(写真下)Hpp6137867Hpp6137877_2

Hpp6137892            

            

緊急時脱出用のハンマーが装備され、4か国語で「Window breaking hammer」(英語)と表示されている。ICEも同じだ。日本の新幹線にはない装備だ。国民性と国情の違いを感じる

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2009/10/02

国慶節…フォトレポート 横浜No.41

Hppa012926爆竹の音でレンズが壊れそう!!

 10月1日は、中華人民共和国の建国記念日(国慶節)だ。横浜中華街でも建国を祝う行事があった。パレード、獅子舞、龍舞などで中華街はにぎわった。私は、銅鑼と太鼓、爆竹のサウンドに興奮した。いつ聴いても、獅子舞のリズムは気持が良い。Hppa012985

 私は毎年、国慶節か双十節(中華民国-台湾-の建国記念日)のどちらかに撮影に行くことにしている。今年は、つごうで国慶節に出かけた。10月10日(土)には、双十節があり、ほぼ同じ催しがある。国慶節を写真でレポートしよう。

パレードの獅子舞は、観客とユーモラスな交流があった(写真上右)

パレードでは中華人民共和国の国旗と日章旗が振られていた(写真上左)

Hppa012980民族衣装の若者の演技がみごと。孫悟空か?

Hppa013005_2龍舞は見られなかったので、顔だけをアップで撮影した

Hppa013062_2獅子舞は、軒先に吊るされた祝儀袋(採青)を取るのが見せ場

獅子は太鼓と銅鑼のリズムに合わせて舞う。このリズムが、私にはたまらないHppa013029_2

Hppa011078爆竹の音は、レンズが壊れそうなほど凄まじい

Hppa013137私たちが夕食をとったレストランに獅子が入ってきた。思わぬハプニングで、異国情緒に酔いしれた

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2009/09/25

霧が丘写友会 写真展「自然の表情」

さまざまな表情を8つに分けるHpdm

 霧が丘写友会のメンバーは、いろいろな被写体にチャレンジしている。その中で、もっとも共通な被写体は「自然」である。そこで、自然を被写体に選んで写真展を開催することにした。しかし、自然を美しく撮った作品を並べただけではグループ展の意味がない。自然は多様な表情と状態を見せる。それは、「きれい」とか「美しい」といったひと言では片づけられないものだ。その表情を以下の8つのカテゴリーに分けて、展示することにした。「いのち」「盛衰」「輝き」「神秘」「不可解」「変身」「奔放」「優しさ」

Hpdm_2 このように整理すると、作品に撮影者のキャラクターが見えて興味深い。それは、メンバーそれぞれの自然観とも言える。ご高覧いただけたら幸いだ。

会場:横浜市都筑区総合庁舎1F・区民ホール

期日:9月25日(金)~30日(水) 10:00~16:00P9259101P9259098

Hpp9259093Hpp9259095_2

         

          

          

 私は、春の写真を2点を発表した。1点は、津久井湖畔で撮影した桜と菜の花の写真だ。草花が春爛漫を「謳歌」(写真下左)しているように感じたので「輝き」のカテゴリーに展示した。もう1点は、ヤナギ(クロヤナギと思われる)の花芽を撮影した写真だ。たくさんの毛虫が春の温もりに酔っているように見えたので「うごめき」(写真下右)とタイトルを付け、「変身」のカテゴリーに加えた。

Hpp5060273Hpp4040029_2

        

        

         

        

        

        

【補足】 展示会場は、都筑区総合庁舎のホールにある。通常のギャラリーと違い、鑑賞者は通りがかりの一般市民である。写真について造詣の浅い方もたくさんいらっしゃる。多くの素朴な質問があり、担当者はそれに応えるのに忙しかったようだ。しかし、これはギャラリーのあり方として健全な姿だと思う。写真関係者のみが来訪するギャラリーでは、写真の輪の広がりに限界があるのではないか。日本でも美術館やデパートの特設会場などが写真の普及に貢献しているが、もっとポピュラーな雰囲気で写真を“交流鑑賞”する場があってよいと思った。区民ホールは、照明などの観賞条件は良くないが、写真の内容やできばえはわかる。このような展示は写真界には必要だと感じた。

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2009/09/22

イワナとトリカブト 八ヶ岳山麓No.84

P9208934_2晩期の渓流釣り

 まもなく禁漁になる。秋もこのころになると、なんとなくやるせなさを感じる。禁漁とは、私にとっては、しばらく親友に会えないような状況である。名残惜しいが、来年2月16日(長野県の解禁日)にはまた会えるので、それほど深刻ではない。親友とのつきあいは、ときどき間をおいたほうがよいと思っている。P9208937長くつきあうと、自身も相手もぼろが出てくる。特に、私はスマートなつきあいが苦手なので、ある距離と時間をおいてつきあうほうが良いと思っている。イワナとのつきあいも同じだ。

 9月20日、入渓して竿を出そうとしたら、わきにトリカブトが咲いていた。今年はまだ見ていなかったので、コンパクトカメラ(オリンパスSP-350)を取り出して撮影した。いつものようにスーパーマクロモードで接近して、何回もシャッターをきった。シャッター速度が1/30秒以下なので、手ブレが心配だからだ。撮影を続けているうちに、マルハナバチと思われる昆虫が飛んできて花の中に入っていった。太った体で花の中に入るようすは、いかにも窮屈そうに見えた(写真上左)。ハチにはトリカブトの毒は効かないのだろう。しかし、私は、周囲に花粉が振りまかれるのではないかと警戒した。トリカブトは、それだけ不気味な雰囲気をたたている。

Hpp9208989 その日は、そこでミニサイズと18センチ(写真左)を釣っただけだった。トリカブトの撮影がおもしろかったので、満足な釣りだった。撮影と釣りは、対象とのやりとり、道具の操作、達成感などが共通である。

 1週間ほど前、林道を登って源流地帯に撮影に入った。砂防堰堤の小プールを望遠鏡で覗くと、2匹のイワナが悠然と泳いでいる。P9140203_2竿を持参していないし、好天の平水(溜まり水)では、たとえ竿を出してもまず釣れない。一眼レフに望遠レンズを付けて撮影した(写真右 部分拡大)。レンズの焦点距離と撮影距離から、サイズを計算した。目測の撮影距離なので、誤差を考慮すると体長25~27センチである。小渓流では大物に属する。来季を楽しみにして帰路についた。

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